キャリアコンサルタントの副業単価の目安と案件の見つけ方|社員の面談と定着の仕組みを成果物にし、守秘の義務と紹介との線を守る
キャリアコンサルタントの資格を持つ人は、相談者の話を聞き、これまでの経験と大事にしていることを整理し、これからの働き方を一緒に考えてきた経験を持っています。社員の定着や育成に課題を抱える会社にとって、社員が自分のキャリアを考える場を持てることは、離職を防ぎ、社員の意欲を高める助けになります。結論から書くと、キャリアコンサルタントの人事の副業単価は、社員のキャリア面談と、面談を生かす定着の仕組みを成果物にして値付けし、守秘の義務と、職業紹介にあたる仕事との線を守って受けることが前提になります。
人事の副業の単価には公的な統計がなく、案件の範囲や依頼先で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順と、案件の見つけ方を書きます。キャリアコンサルタントの経験の何が売れるかはキャリアコンサルタントが副業でできることで詳しく書いています。
資格の決まりを押さえておく
キャリアコンサルタントには、職業能力開発促進法の決まりがあります。同法第30条の3は、キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルタントの名称を用いて、キャリアコンサルティングを行うことを業とすると定めています。同法第30条の28は、キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタントまたはこれに紛らわしい名称を用いてはならないと定めています。同法第30条の27は、キャリアコンサルタントは、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、または盗用してはならないと定めています。
会社から頼まれて社員の面談を行う場合、面談で聞いた内容を会社にどこまで伝えるかが問題になります。面談の前に、何を会社に伝え、何を伝えないかを、会社と社員の両方に示しておく必要があります。守秘の義務を守る形を、契約と面談の進め方に組み込んでください。
面談と仕組みづくりを分けて値付けする
キャリアコンサルタントの人事の副業は、社員との面談と、面談を生かす仕組みづくりに分けて値付けします。
| 作業 | 中身 | 値付けの考え方 |
|---|---|---|
| キャリア面談 | 社員一人ひとりとの面談 | 一回あたりの時間(準備と記録を含む)× 回数 |
| 面談の仕組みづくり | 面談の対象・時期・伝える範囲の設計 | 成果物として一括で見積もる |
| 全体の傾向の報告 | 個人が分からない形での、社員全体の傾向のまとめ | 成果物として見積もる |
| 上司向けの支援 | 部下とのキャリアの話し方の手引きや研修 | 成果物や回数で見積もる |
面談だけを回数で受けると、面談の結果が会社の打ち手につながらず、依頼先にとっての価値が見えにくくなります。面談の仕組みづくりと、全体の傾向の報告を成果物に入れると、依頼先は面談を定着の打ち手として使えます。時間単価の考え方は本業の年収と副業単価の関係で書いています。
エラベルの見解
キャリアコンサルタントの人事の副業でよくある失敗は、会社に頼まれるまま、面談で聞いた個人の内容を報告してしまうことです。社員は、会社に伝わらないと思って本音を話しています。誰が何を話したかが会社に伝われば、社員の信頼を失い、面談そのものが機能しなくなります。守秘の義務にも反します。
担当する側から見ると、価値があるのは、個人が分からない形で、社員全体の傾向(どんな不安が多いか、どこで迷っているか)を会社に伝えられることです。個人の秘密を守りながら、会社が打てる手を示す。この形を契約の段階で決めておける人が、会社と社員の両方から信頼されます。
職業紹介にあたる仕事との線引き
キャリアの相談に乗っていると、転職先の相談や、知り合いの会社への紹介を頼まれることがあります。職業安定法第4条は、職業紹介を、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることと定めています。同法第30条は、有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定めています。
報酬を受けて相談者を会社に引き合わせる形は、職業紹介にあたるおそれがあります。会社から社員の面談を頼まれている場合は、なおさら、社員の転職のあっせんは受けないでください。判断に迷う場合は、労働局や弁護士に確かめてください。
案件の見つけ方と、受けるときの条件
キャリアコンサルタントの資格を活かせる人事の案件は、次のような場所で見つけやすくなります。
- 社員の定着に課題がある会社:若手の早い時期の離職や、中堅の意欲の低下に悩む会社
- キャリアの面談の制度を始めたい会社:社員が自分のキャリアを考える場をつくりたい会社
- 人事の副業の仲介サービス:キャリア面談と仕組みづくりの経験を登録しておく
業務委託で受ける場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。面談の回数と、会社に伝える範囲を、書面で確かめてください。
本業に勤めながら副業をする場合は、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示すとおり、まず勤め先の副業・兼業に関するルールを確認し、秘密保持義務や競業避止義務を意識してください。20万円を超える副収入がある場合は、確定申告が必要です。個別の判断は弁護士・税理士にご確認ください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、キャリアコンサルタントの経験は、採用と定着をつなげる面談で価値が伝わりやすいということです。入社して数か月の社員は、入社前に思い描いていた仕事と、実際の仕事の違いに迷うことがあります。この時期に、自分のキャリアを考え直す場があると、迷いを整理でき、早い時期の離職を防ぐ助けになります。
入社後の一定の時期に、キャリア面談を組み込む仕組みを提案してください。面談で見えた社員全体の傾向を、採用のときの伝え方の見直しにつなげれば、採用と定着の両方を改善できます。
まとめ
- キャリアコンサルタントの人事の副業単価は、キャリア面談と、面談を生かす定着の仕組みを成果物にして値付けする
- 面談は回数で、仕組みづくりと全体の傾向の報告は成果物として見積もる
- 業務で知り得た秘密を守り、会社に伝えるのは個人が分からない全体の傾向にとどめる
- 相談者を会社に引き合わせる仕事は、職業紹介にあたるおそれがあるため受けない
- 入社後の面談を組み込み、採用の伝え方の見直しにつなげる
よくある質問
キャリアコンサルタントの人事の副業単価の相場はいくらですか
案件の範囲や依頼先によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。面談の回数と、仕組みづくりや報告の成果物に分けて時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。
会社から面談の内容を報告するよう求められたらどうすればよいですか
業務で知り得た秘密を漏らしてはならない決まりがあります。個人が分からない形で全体の傾向を報告することを、契約の段階で会社と決めておいてください。社員にも、何が会社に伝わるかを面談の前に説明しておくことが大切です。
資格を持っていなくても、キャリア面談の副業はできますか
キャリアの相談に乗ること自体はできますが、キャリアコンサルタントでない人が、キャリアコンサルタントやこれに紛らわしい名称を使うことはできません。名称の使い方に注意してください。
- e-Gov法令検索「職業能力開発促進法」(第30条の3・第30条の27・第30条の28)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(第4条・第30条)
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(第3条)
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定)
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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