給与テーブルの設計の副業単価の目安と決め方|表をつくる時間より「今の給与との差を埋める」検討に時間がかかる
給与テーブルの設計は、依頼先の会社で、等級や評価に応じて給与をいくらにするかの表と、その決め方をつくる仕事です。人事として給与の仕組みをつくったり、昇給の運用を回したりした経験がある人に向いた副業です。単価を決めるとき、表をつくる作業だけで考えると、実際の時間とのずれが大きくなります。時間がかかるのは、新しい表と今の社員の給与との差をどう埋めるかの検討と、依頼先の経営者との話し合いです。結論から書くと、給与テーブルの設計の単価は、現状の給与の分析・テーブルの設計・移行の検討・社内への説明の時間から組み立てると、無理のない単価になります。
単価は依頼先や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、この記事では金額の相場は扱いません。
作業の時間から単価を組み立てる
給与テーブルの設計の作業は、次のように分けられます。
| 作業 | 中身 | 時間のかかり方 |
|---|---|---|
| 現状の給与の分析 | 社員の給与を等級や年次ごとに並べ、ばらつきや逆転を確かめる | 社員の数とデータの整い具合で変わる |
| テーブルの設計 | 等級ごとの給与の幅、昇給の決め方、手当の扱いを決める | 等級の数と手当の種類で変わる |
| 移行の検討 | 新しい表と今の給与の差を確かめ、差の扱いを決める | 差が出る社員の数で変わる |
| 社内への説明 | 経営者や管理職に考え方を説明し、社員への伝え方を一緒に考える | 説明の相手の数で変わる |
単価を組み立てるときは、各作業にかかる時間を見積もり、自分の時間単価を掛けてください。現状の給与の分析は、依頼先から受け取るデータが整っていれば短く済みますが、表計算の資料がばらばらだと整えるだけで時間がかかります。受ける前に、どんな形でデータを受け取れるかを確かめてください。時間単価の考え方は本業年収と副業単価の関係で書いています。
今の給与との差をどう扱うか
給与テーブルを新しくすると、今の給与が新しい表の幅より高い社員や低い社員が出てきます。この差をどう扱うかは、社員の生活と会社の人件費の両方に関わるため、依頼先の経営者が判断することです。担当する側は、判断の材料をそろえる役割になります。
受けるときは、次の点を依頼先と決めておいてください。
- 差の扱いの案をいくつ出すか:段階的に近づける、一定期間は今の給与を保つ、などの案を比べる
- 人件費の試算をどこまで行うか:案ごとの人件費の変化を試算するか
- 最終的な判断を誰がするか:経営者が決める点をはっきりさせる
差の扱いの検討は、案を出して経営者と話し合うたびに時間がかかります。話し合いの回数を見込み、その時間を単価に含めてください。なお、給与を下げることになる場合は、労働条件の不利益な変更にあたることがあり、法的な判断が必要になります。個別の判断は社会保険労務士や弁護士などの専門家にご確認ください。
エラベルの見解
給与テーブルの設計の単価で多い失敗は、理想の表をつくってから、今の給与との差の大きさに気づくことです。きれいな表をつくっても、今の社員の多くが表の幅から外れていると、移行の検討に大きな時間がかかり、表そのものを作り直すことになります。
受けるときは、表を設計する前に、今の社員の給与を並べて、どこにばらつきや逆転があるかを依頼先と一緒に確かめてください。今の給与から出発して表を設計すると、移行が現実的になり、作り直しも減ります。担当する側から見て、今の給与の実態から考えられる人ほど、依頼先に信頼されます。
給与テーブルの設計で確かめておく法律の決まり
給与テーブルをつくるときは、いくつかの法律の決まりを確かめておく必要があります。
- 最低賃金:最低賃金法第4条は、使用者は最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとしています。表のいちばん低い給与が最低賃金を下回らないか、時間あたりに直して確かめてください
- 短時間・有期雇用の社員との待遇:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第8条は、短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、通常の労働者の待遇との間で、職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないとしています。正社員だけの表をつくる場合も、パートや契約社員の給与との関係を依頼先と確かめてください
- 就業規則:労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、賃金の決定、計算及び支払の方法並びに昇給に関する事項などについて、就業規則を作成し、行政官庁に届け出ることを求めています。給与の決め方を変えると、就業規則や賃金規程の変更が必要になることがあります
就業規則や賃金規程への反映は、依頼先の社会保険労務士と連携する形にしておくと安心です。個別の判断は専門家にご確認ください。給与テーブルの設計の仕事の中身は給与テーブルの設計の副業の仕事で書いています。
単価を上げていくには
給与テーブルの設計で単価を上げていくには、次のことが役に立ちます。
- 評価制度とつなげて受ける:評価の結果が昇給にどう効くかまで設計すると、仕組みとして動きやすくなる
- 採用の給与提示まで考える:中途採用で提示する給与を表の中でどう決めるかまで整理する
- 毎年の見直しを受ける:昇給の時期に、表と実際の給与のずれを確かめる仕事を継続して受ける
エラベルの見解
給与テーブルの設計で、もう一つ考えてほしいのは、給与テーブルは採用の力にも関わるということです。中途採用で候補者に給与を提示するとき、表の幅が市場の水準とかけ離れていると、内定を出しても辞退されることが増えます。反対に、表がないと、採用のたびに給与の決め方がばらつき、今の社員との逆転が起きます。
給与テーブルを、今の社員の処遇だけでなく、採用で提示する給与の決め方ともつなげて提案できれば、採用に関わってきた人事経験者ならではの価値が出せます。それが、単価を上げる根拠になります。採用とのつながりについては評価制度の設計の副業単価もあわせてご覧ください。
まとめ
- 給与テーブルの設計の単価は、現状の給与の分析・テーブルの設計・移行の検討・社内への説明の時間から組み立てる
- 時間がかかるのは、今の給与との差の扱いの検討。話し合いの回数を見込む
- 表をつくる前に、今の社員の給与の実態から出発する
- 最低賃金、短時間・有期雇用の社員との待遇、就業規則との関係を確かめ、個別の判断は専門家に確認する
- 評価制度や採用の給与提示とつなげる提案が、単価を上げる根拠になる
よくある質問
給与テーブルの設計の副業単価の相場はいくらですか
依頼先や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。作業ごとに時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。
社員の給与のデータを受け取るときに気をつけることはありますか
給与のデータは、社員にとって知られたくない情報です。依頼先の決めた方法で受け取り、作業に必要な範囲だけを扱い、作業が終わったら手元に残さないことを守ってください。
新しい表で給与が下がる社員がいる場合はどうすればよいですか
給与を下げることは、労働条件の不利益な変更にあたることがあり、法的な判断が必要です。差の扱いの案をいくつか出して経営者に判断してもらい、個別の判断は社会保険労務士や弁護士などの専門家にご確認ください。
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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