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休憩・休日のルール|45分と1時間、週1回と4週4日、法定休日と割増率

公開 2026-09-23

副業で人事を受けていると、休憩と休日は「当たり前すぎて誰も確かめていない」領域だと分かります。六時間ちょうどの勤務に休憩を入れている、日曜に出たときの割増率が三割五分になっていない、店長を管理監督者として扱っている。結論を先に書くと、労働基準法第34条第1項は「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」と定め、第35条第1項は「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない」と定めています。いずれも「超える場合」「少くとも」という書き方である点が実務の起点です。個別の判断は労働基準監督署にご確認ください。年次有給休暇は年次有給休暇の付与ルールに、変形労働時間制は変形労働時間制の要件にまとめています。

休憩の三原則

第34条第1項(長さと位置)。「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」。

「超える」がポイントです。六時間ちょうどの勤務には、条文上の休憩の義務はありません。八時間ちょうどなら四十五分です。八時間を一分でも超えると一時間になります。残業が発生した日に休憩が足りなくなるのは、この構造によります。所定七時間四十五分・休憩四十五分の会社で一時間残業すると、実労働が八時間を超えるので、休憩を十五分足す必要が出ます。

「労働時間の途中に」。始業前や終業後にまとめて置く形は、この文言から外れます。

第34条第2項(一斉付与)。「前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、…労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない」。交替で休憩を取る運用をしている会社は、協定の有無を確かめます(適用が除外される業種もあるため、自社の該当は労働基準監督署にご確認ください)。

第34条第3項(自由利用)。「使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない」。電話番をさせる、来客対応のために席にいさせる、といった運用は、休憩として扱えるかが問題になります。実務では、休憩中の対応を当番制にして、その時間は労働時間として扱い、別に休憩を与える形にします。

休日と、割増賃金

第35条第1項(週一回)。「使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない」。第2項は「前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない」。いわゆる変形休日制です。

法定休日と所定休日は違います。条文が求めているのは週一回(または四週四日)で、これが法定休日です。週休二日の会社の残り一日は、会社が任意に定めた所定休日であり、労働基準法上の休日ではありません。ここを分けないと、割増率の計算が合いません。

第36条(三六協定)。「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、…労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては、…その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」。協定を結ぶだけでなく、届け出て初めて効力が生じる書き方です。

協定で定める事項(第36条第2項)。労働者の範囲、対象期間(一年間に限る)、延長し又は休日に労働させることができる場合、対象期間における一日・一箇月・一年のそれぞれの期間について延長できる時間または労働させることができる休日の日数、その他省令事項。

限度時間(第36条第3項・第4項)。「前項の限度時間は、一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間(第三十二条の四第一項第二号の対象期間として三箇月を超える期間を定めて同条の規定により労働させる場合にあつては、一箇月について四十二時間及び一年について三百二十時間)とする」。

特別条項(第36条第5項)。通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超える必要がある場合に、一箇月について休日労働を含め百時間未満、一年について七百二十時間を超えない範囲内で定めることができます。あわせて、一箇月について四十五時間(対象期間が三箇月を超える一年単位の変形労働時間制の場合は四十二時間)を超えることができる月数(一年について六箇月以内)を定めなければなりません。

上限の絶対線(第36条第6項)。協定があっても、次を満たす必要があります。

割増賃金(第37条)。第1項は、時間外労働・休日労働について「通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」とし、ただし書きで「当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と定めています。

政令の率。労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(平成六年政令第五号)は、「同法第三十三条又は第三十六条第一項の規定により延長した労働時間の労働については二割五分とし、これらの規定により労働させた休日の労働については三割五分とする」と定めています。

深夜(第37条第4項)。「午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、…二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」。

代替休暇(第37条第3項)。月六十時間超の割増賃金の支払に代えて、労使協定により通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(年次有給休暇を除く)を与えることを定めた場合の扱いが置かれています。

算入しない賃金(第37条第5項)。「第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない」。

エラベルの見解

担当する側から見ると、この領域でまず作るのは一枚のカレンダー定義です。どの曜日が法定休日で、どれが所定休日か。就業規則にそう書いてあるか。給与計算がその定義どおりに動いているか。この三つが揃っていない会社が驚くほど多い。土日の出勤をすべて三割五分で払っている会社もあれば、日曜出勤を二割五分で処理している会社もあります。多く払っている側も、実は制度が壊れています。理由を説明できないからです。

そのうえで、休憩の十五分問題を確かめます。所定労働時間が七時間四十五分や七時間三十分の会社で、残業すると実労働が八時間を超え、休憩が四十五分のままになっている。給与計算では見えず、勤怠の記録にも出てきません。現場に聞かないと分かりません。ここを直すには、残業が発生する日の運用そのものを決める必要があるので、単なる規程の修正では終わりません。

実務では、この二つを直すだけで会社の労務リスクがかなり下がります。そして、どちらも「調べる」より「現場に聞く」ほうが早い。条文を知っていることより、どこを見に行けばよいかを知っていることが、この領域の価値です。エラベルは依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、現場の運用まで確かめた経験は、経歴に書いておくと効きます。

適用除外と、会社に渡すもの

第41条(労働時間等に関する規定の適用除外)。「この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない」。

第二号の範囲が実務の争点です。条文は「監督若しくは管理の地位にある者」としか書いていません。役職名ではなく実態で見られる領域で、厚生労働省も多店舗展開する小売業・飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について通達を出しています。個別の該当性の判断は、労働基準監督署にご確認ください。

深夜は除外されません。第41条が外しているのは労働時間・休憩・休日に関する規定です。第37条第4項の深夜の割増賃金は別なので、管理監督者であっても深夜労働には割増が必要になります。ここを取り違えている会社が多いところです。年次有給休暇(第39条)も第41条の対象外なので、管理監督者にも付与されます。

副業の人事が作るのは、次の形です。個別の適否の判断は労働基準監督署にご確認ください。

作るもの中身
休日の定義法定休日はどれか。所定休日はどれか。就業規則に明記
割増率の表時間外二割五分/月六十時間超は五割/法定休日三割五分/深夜二割五分。重複の扱い
休憩の設計六時間超は四十五分、八時間超は一時間。残業で八時間を超える日の追加十五分
一斉付与の協定交替で休憩を取るなら、書面による協定があるか
自由利用の確認電話番・来客対応の当番。労働時間として扱い別に休憩を与える設計
三六協定締結と届出。対象期間、上限時間、特別条項の月数(年六箇月以内)
上限の監視単月百時間未満、複数月平均八十時間以下。休日労働を含める
過半数代表者選出手続。指名になっていないか
管理監督者の点検役職名ではなく実態。深夜割増と年次有給休暇は適用される
算入除外の点検割増賃金の基礎から除ける賃金の範囲。手当の性格を確かめる
勤怠の運用労働時間の把握方法。テレワークはテレワークの労務管理を参照

「休日労働を含める」を忘れないこと。第36条第6項第二号・第三号は「労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させた時間」と書いています。時間外だけを見て百時間・八十時間を管理していると、休日出勤が多い月に超えます。勤怠システムの集計定義を確かめます。

割増率の重複。深夜に法定休日労働をした場合など、複数の割増が重なる場面があります。計算の取扱いは就業規則と給与計算の設定で明確にしておきます。個別の計算方法は、労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。

エラベルの見解

外に出してよいのは、休日の定義、割増率の表、休憩の設計、三六協定の締結と届出の段取り、上限の監視の仕組み、管理監督者の点検表までで、「この人が監督若しくは管理の地位にある者に当たるか」「この手当を割増賃金の基礎から除けるか」といった個別の判断は、労働基準監督署や社会保険労務士、弁護士の範囲です。

担当する側から見ると、この領域で会社を動かすのは過去に遡る話を持ち出さないことです。休憩や割増の誤りは、見つかれば過去分の問題になります。ここを最初に言うと、会社は固まります。そして、直すこと自体をやめようとします。

実務では、まず「これから先をどう直すか」だけを扱います。定義を決め、規程を直し、システムの設定を変え、現場に説明する。ここまで進めると、会社のほうから「過去はどうすればよいか」と聞いてきます。そこで初めて、弁護士や社会保険労務士に相談する段取りを組みます。順番を逆にすると、案件が止まります。

もう一つ、三六協定の過半数代表者の選出は、たいてい直す必要があります。総務が指名している、労働者が知らないうちに名前が使われている。ここは協定の土台なので、直すと他の労使協定(休憩の一斉付与、有給の時間単位・計画的付与、変形労働時間制)の土台も一緒に固まります。地味ですが、効きます。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、この整理をやり切った経験は、経歴に書いておくと効きます。

まとめ

よくある質問

6時間ちょうどの勤務に休憩は必要ですか

労働基準法第34条第1項は「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない」と定めています。「六時間を超える」という書き方なので、六時間ちょうどであれば条文上の義務は生じません。ただし、休憩を与えること自体は妨げられません。実務で注意が要るのは、残業により実労働時間が八時間を超える日で、この場合は一時間の休憩が必要になります。個別の判断は労働基準監督署にご確認ください。

土曜出勤は35%割増になりますか

労働基準法第35条第1項が求めているのは毎週少くとも一回の休日(または第2項の四週四日)で、これが法定休日です。週休二日の会社では、どちらが法定休日かを就業規則等で定めます。割増賃金の率を定める政令は、延長した労働時間について二割五分、労働させた休日について三割五分としていますが、三割五分が適用されるのは法定休日の労働です。法定休日でない休日の労働は、週四十時間を超える部分が時間外労働として扱われる形になります。自社の定義と計算の当てはめは、労働基準監督署や社会保険労務士にご確認ください。

店長は管理監督者として扱ってよいですか

労働基準法第41条第2号は「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」を挙げており、役職名で決まるものではありません。厚生労働省も、多店舗展開する小売業・飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について通達を出しています。あわせて、第41条が適用除外としているのは労働時間・休憩・休日に関する規定なので、深夜の割増賃金(第37条第4項)と年次有給休暇(第39条)は適用されます。該当性の個別の判断は、労働基準監督署や弁護士にご確認ください。

出典