合同説明会は費用対効果が合うか|出展費ではなく「内定承諾者ひとりまで」で測る

採用の課題から考える採用の課題 更新日 2026-10-16

合同説明会に出展するたびに、「今年も出るべきか」が社内で議論になる会社は少なくありません。ブースには人が来たし、資料も配った。けれど、そこから何人が選考に進み、何人が入社したのかは、はっきりしない。結論から書くと、合同説明会の費用対効果は、出展費の高い安いではなく、ブースに来た人が内定を承諾するまでを自社の数字で追ったときに、承諾者ひとりあたりいくらかかったかで判断するべきです。そして多くの会社で、費用が合わない原因は出展費ではなく、説明会の後の追いかけ方にあります。

出展料は主催者や規模、会場によって大きく異なるため、この記事では金額の相場は扱いません。自社の数字を当てはめて判断するための手順を書きます。

症状の確認:何が「合っていない」のか

「合同説明会は費用対効果が合わない」という感覚には、いくつかの違う症状が混ざっています。まず、どの症状なのかを分けてください。

この四つは、原因も打ち手も違います。ブースに人が来ないのは出展先の選び方やブースの作り方の問題ですが、内定を承諾されないのは選考の進め方や条件の問題です。合同説明会そのものをやめるかどうかを決める前に、どの段階で人が減っているのかを確かめる必要があります。

原因の切り分け:段階ごとの数字を取る

切り分けには、段階ごとの人数が必要です。合同説明会1回ごとに、次の人数を記録してください。

段階記録する人数この段階で見えること
ブースで接点を持った名刺交換、アンケート、QRコードの読み取りなど出展先と自社の対象が合っているか
個別の説明会・面談に進んだ次の接点に申し込んだ人数ブースでの印象と、その後の連絡の速さ
選考に応募したエントリーした人数説明会で伝えた内容と、自社の求める人の一致
内定を出した内定者数選考の基準と、来場者の層の一致
内定を承諾した承諾者数選考中の関わり方と、条件の競争力

この表を埋めると、どこで人が大きく減っているかが見えます。そのうえで、合同説明会にかかった費用を、最後の内定承諾者数で割ります。費用には出展料だけでなく、ブースの資材、配布物、交通費、当日に出た社員の人件費、事前準備にかけた時間も含めてください。

合同説明会1回あたりの内定承諾単価 =(出展料 + 資材・配布物 + 交通費 + 当日と準備にかかった人件費)÷ その説明会から内定承諾に至った人数

この単価を、他の採用手段(求人媒体、スカウト、紹介会社、自社の説明会など)で同じように計算した単価と比べます。合同説明会が高ければ見直し、同じくらいなら続けてよい、という判断ができます。採用手段ごとの費用の見方は採用代行費用は経費でどう処理するかでも扱っています。

エラベルの見解

相談を受けて数字を一緒に追ってみると、合同説明会の費用が合わない会社の多くで、ブースで接点を持った人への最初の連絡が遅いことが分かります。説明会の翌週に一斉メールを送る、という運用です。学生や求職者は、同じ日に何十社ものブースを回っています。翌週には、どの会社で何を聞いたかを覚えていないことも多いのです。

同じ出展費でも、当日の夜か翌日の午前中に、ブースで話した内容に触れた個別の連絡を送る会社は、次の段階に進む人数がまったく違います。合同説明会の費用対効果は、当日のブースより、その後、翌日までの動きで決まると考えてください。ここは、担当者の動き方で差が出る工程です。

打ち手:見直す順番

段階ごとの数字が取れたら、減り方が大きい段階から手を打ちます。順番は、後ろの段階からのほうが効果が出やすいことが多いです。

  1. 内定承諾の段階:内定を出した人が承諾しないなら、説明会の問題ではなく、選考中の関わり方や条件の問題です。ここを直さずに出展を増やしても、承諾者は増えません
  2. 選考の通過:応募はあるのに通らないなら、説明会で伝えている内容と、選考で見ている基準がずれています。ブースで話す内容を、求める人物像に合わせて絞ります
  3. 次の接点への申し込み:ブースの後に進まないなら、連絡の速さと内容を見直します。上の見解で書いた、翌日までの動きです
  4. ブースへの来場:ここまで直しても足りなければ、出展先を見直します。対象の層が集まる説明会か、規模や時期が合っているかを確かめます

新卒採用の合同説明会は、年間のスケジュールの中でいつ出展するかによっても集まる層が変わります。スケジュールの組み方は新卒採用の年間スケジュールで書いています。

外注する場合の範囲

合同説明会の運営の中には、外に出しやすい工程と、社内に残したほうがよい工程があります。

外に出しやすいのは、ブースで接点を持った人の情報の整理、当日中の個別連絡の下書きと送信、個別説明会の日程調整、段階ごとの人数の記録と集計です。どれも手順が決まっていて、速さと正確さが求められる仕事です。

社内に残したほうがよいのは、ブースで何を話すかの決定、当日の社員の登壇、選考の合否の判断、内定者への最後の口説きです。会社の顔として話す部分と、採るかどうかを決める部分は、社内の人が担うほうが候補者に伝わります。

エラベルの見解

合同説明会の工程を外に出すとき、発注側が見落としやすいのは、当日の夜に動ける担当者かどうかです。説明会の翌日までが勝負だとすると、外部の担当者もその時間帯に動けなければ意味がありません。月額の費用や実績だけでなく、説明会の当日と翌日に誰がどの時間帯に対応できるのかを、契約の前に確かめてください。

同じ料金・同じ業務範囲でも、説明会の翌朝に個別連絡を送り終えている担当者と、週明けにまとめて送る担当者では、結果が大きく分かれます。合同説明会の費用対効果を上げたいなら、出展先を変える前に、この部分の担い手を見直すことをおすすめします。

まとめ

よくある質問

合同説明会の出展料の相場はいくらですか

主催者、会場、規模、時期によって大きく異なるため、一律の相場はお伝えできません。比べるときは、出展料だけでなく、当日と準備にかかる人件費も含めた総額を、その説明会から内定承諾に至った人数で割って、他の採用手段と同じ基準で比べてください。

来場者が少なかった説明会は、すぐにやめるべきですか

来場者数だけで判断しないでください。少なくても、自社の対象に合う人が来て、その後の選考に進んでいれば、費用は合っている可能性があります。段階ごとの人数を記録し、内定承諾者ひとりあたりの費用で判断するのが確実です。

説明会の後の連絡は、どのくらい早く送ればよいですか

一律の決まりはありませんが、来場者は同じ日に多くの会社のブースを回っているため、記憶が新しいうちに送るほど、次の段階に進む人が増える傾向があります。当日の夜か翌日中に、ブースで話した内容に触れた個別の連絡を送れる体制を作ることをおすすめします。

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