採用代行 / 採用の課題
応募が来ない|原因を5分で切り分ける手順
求人を出して、一か月。応募がほとんど無い。媒体を変えるべきか、原稿を直すべきか、条件を上げるべきか。全部を同時に変えると、何が効いたか分からなくなります。結論を先に書くと、応募が来ない原因は、「見られていない」「見られても応募に至らない」「応募できない状態」の三つのどれかで、五分で切り分けられます。切り分けたうえで、原因に合う打ち手を一つずつ試してください。応募は来るが合わない場合は応募は来るが質が合わないに、採用代行の全体像は採用代行(RPO)とはにまとめています。
三つの原因
応募が来ない原因は、次の三つのどれかです。
一.見られていない。 求人が、候補者の目に触れていない。媒体の露出が弱い、検索に引っかからない、掲載の位置が低い、掲載期間が終わっている。
二.見られても、応募に至らない。 求人は見られているが、候補者が応募を決めない。内容が伝わらない、条件が合わない、会社の情報が薄い、応募の手間が重い。
三.応募できない状態。 応募のボタンが機能していない、応募フォームが途中で止まる、応募先のメールが届いていない、応募があったのに社内で見落としている。
三つは、対処がまったく違います。一なら露出を、二なら内容と条件を、三なら動線を直します。原因を確かめずに原稿を直しても、一や三が原因なら動きません。
五分で切り分ける手順
次の順で、五分で確認します。
手順一:応募の動線を、自分で試す(一分)。 求人を候補者の立場で開き、応募のボタンを押し、フォームを送る。届くか。届いたものを、社内の誰が見るか。ここで止まっていれば、原因は三。動線を直せば、応募は来ます。
手順二:閲覧の数字を見る(一分)。 媒体の管理画面で、求人が何回表示され、何回開かれたか。表示が少なければ、原因は一(露出)。開かれているのに応募が無ければ、原因は二(内容・条件)。
手順三:検索して、自社の求人が出るかを見る(一分)。 候補者が使いそうな職種名や条件で、媒体内を検索する。自社の求人が上位に出るか、出ないか。出なければ、原因は一。
手順四:条件を、同じ職種の他社と並べる(一分)。 同じ媒体で、同じ職種の他社の求人を三つ開き、年収の幅・勤務地・働き方・必須の要件を並べる。自社だけが厳しい項目があれば、原因は二(条件)。
手順五:原稿を、候補者の立場で読む(一分)。 何を決める役割か、誰と働くか、一日の流れは、が読めるか。会社の紹介ばかりで役割が無いなら、原因は二(内容)。
五分で、三つのどれかに絞れます。絞れたら、その原因の打ち手だけを試します。
原因一「見られていない」の打ち手
露出が原因なら、次を試します。
職種名を、候補者が検索する言葉に。 社内の呼び名ではなく、市場で使われている職種名。「〇〇スペシャリスト」より、候補者が検索する一般的な名前。
掲載の位置と期間を確認する。 媒体のプランで、掲載の位置が変わることがある。掲載期間が終わっていないか。
媒体が、その職種の候補者層に合っているか。 媒体ごとに、登録している層が違う。その職種の候補者がいない媒体では、露出しても届かない。
媒体を足す前に、いまの媒体の露出を上げる。 職種名、更新の頻度、掲載の設定。媒体を足すのは、いまの媒体で露出が上がらないと分かってから。
待つ採用に限界があるなら、探す採用へ。 露出を上げても届かない層は、スカウトで探しに行く。ダイレクトリクルーティングの全体像にまとめています。
露出の打ち手は、費用のかからないもの(職種名、更新)から試し、費用のかかるもの(プラン、媒体の追加)は後に。
原因二「応募に至らない」の打ち手
内容と条件が原因なら、どちらかを特定して、直します。
条件が原因なら。 同じ職種の他社と並べて、自社だけが厳しい項目を見直す。年収の幅、必須の要件、勤務地、働き方。全部を緩める必要はなく、他社と比べて明らかに外れている項目だけ。要件が多すぎるなら、必須を三つ程度に絞り、残りを歓迎に。
内容が原因なら。 原稿を、役割の記述から書き直す。何を決める役割か、誰と働くか、一日の流れ、いま詰まっていること、入社後の最初の仕事。会社の紹介は後に。「未経験歓迎」「アットホーム」のような言葉より、具体的な役割。
会社の情報が薄いなら。 候補者は、求人を見た後に会社名で検索する。採用サイトや会社の情報が薄いと、応募をためらう。採用サイトへの導線は依頼側向けの記事で、求人でも同じ考え方です。
応募の手間が重いなら。 応募フォームの項目が多い、履歴書の添付が必須、登録が要る。最初の応募は、名前と連絡先と簡単な経歴だけに。詳しい情報は、応募後のやり取りで。
内容と条件は、一度に両方を直さず、どちらか一つを直して、二週間ほど見ます。両方を直すと、どちらが効いたか分かりません。
原因三「応募できない状態」の打ち手
動線が原因なら、直せばすぐに応募は来ます。
応募のボタンとフォームを直す。 機能していない、途中で止まる、送信後に確認が出ない。媒体の設定か、自社のフォームの不具合。
応募の通知先を確認する。 応募があったときのメールが、誰に届くか。届いていない、迷惑メールに入っている、退職した人のアドレスに届いている。
社内の受け取りの流れを確認する。 応募が届いた後、誰が見て、誰が返事をするか。見落としていれば、応募はあっても「来ていない」に見える。
応募後の返事の速さを確認する。 応募があっても、返事が一週間後なら、候補者は離れる。応募後の返事は、当日か翌日に。
動線の問題は、最も見落とされやすく、最も簡単に直せます。五分の切り分けの最初に確認するのは、このためです。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「応募が来ないので、原稿を三回書き直した」というものです。原稿を直しても動かず、媒体を変えても動かない。切り分けてみると、応募のフォームが途中で止まっていた。応募しようとした候補者は、いたのに届いていなかった。最初に動線を試していれば、一分で分かり、原稿を三回直す時間は要りませんでした。
見ていて差がつくのは、担当者が「切り分けてから直す」か、「思いついたところから直す」かです。原稿から直す担当者は、原因が原稿でなければ、時間を使って動きません。五分で切り分けてから直す担当者は、原因に合う打ち手を一つ試し、二週間で効果を見ます。
発注側にできるのは、「応募が来ない」と言われたら、「見られていないのか、見られても応募に至らないのか、応募できない状態か」を、担当者と一緒に確かめることです。切り分けは、五分で済みます。
打ち手の順番
三つの原因に対する打ち手を、費用と時間の小さい順に並べます。
| 順 | 打ち手 | 原因 | 費用 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| 一 | 応募の動線を試して直す | 三 | 無し | 当日 |
| 二 | 応募後の返事を当日に | 三 | 無し | 当日 |
| 三 | 職種名を候補者の言葉に | 一 | 無し | 当日 |
| 四 | 原稿を役割から書き直す | 二 | 無し | 数日 |
| 五 | 必須の要件を絞る | 二 | 無し | 数日(社内の合意) |
| 六 | 条件を他社と並べて見直す | 二 | 有り得る | 数週間(社内の合意) |
| 七 | 掲載のプランや位置を変える | 一 | 有り | 数日 |
| 八 | 媒体を足す | 一 | 有り | 数週間 |
| 九 | スカウトで探しに行く | 一 | 有り | 一〜二か月 |
一から三は、当日にできて費用がかかりません。四から六は、社内の判断が要ります。七以降は、費用がかかります。上から順に試し、効かなければ次へ。
外注する場合の範囲
応募が来ない問題を、採用代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 五分の切り分け(担当者が候補者の立場で確認)、原稿の書き直し、職種名と掲載設定の調整、媒体の選定と運用、応募後の返事と日程調整、スカウトへの切り替えと運用。
社内に残す判断。 条件を変えるかどうか(年収の幅、要件)、役割の定義(何を決める役割か)、応募者を通すかどうか。これは社内でしか決められません。
外注の効きどころ。 切り分けと原稿と動線は、経験のある担当者なら数日で整えられます。条件と役割は、担当者が「ここが他社より厳しい」「役割が読めない」と指摘し、社内が決めます。
外注しても動かない場合。 条件が市場と合っていない、役割が決まっていない。これは社内の問題で、代行を替えても動きません。担当者の指摘を、社内で受け止めます。
外注する前に、五分の切り分けだけは、自社でしておくと、担当者との話が速くなります。採用代行(RPO)とはで、出せる業務と出せない判断を整理しています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、「応募が来ない」の相談で最も多いのは「条件が市場から外れているのに、原稿を直してほしいと言われる」ことです。同じ職種の他社と並べると、年収の幅が明らかに低く、必須の要件が倍ある。原稿をどれだけ良くしても、条件で応募をやめる候補者は戻りません。担当者は「条件を見直しませんか」と言うしかなく、社内が「条件は変えられない」と言えば、打つ手がありません。
条件の見直しは、社内の判断です。担当者にできるのは、「他社と並べるとこうです」と事実を示すことまでです。
発注側にできるのは、担当者の「条件が外れている」という指摘を、原稿の問題にすり替えずに受け止めることです。条件を変えられないなら、対象の層を条件に合う範囲に絞るか、探す採用に切り替えるかの判断になります。
まとめ
- 原因は見られていない・応募に至らない・応募できない状態の三つ
- 五分で動線を試す→閲覧の数字→検索して出るか→条件を他社と並べる→原稿を候補者の立場で読む
- 見られていないなら職種名・掲載の設定・媒体の層・露出を上げてから足す・探す採用へ
- 応募に至らないなら条件か内容のどちらかを特定し、一つずつ直して二週間見る
- 応募できない状態なら動線・通知先・受け取りの流れ・返事の速さを直す。最も見落とされ、最も簡単
- 打ち手は費用と時間の小さい順に。当日にできて費用のかからないものから
- 外注できるのは切り分け・原稿・設定・媒体・返事・スカウト。社内に残るのは条件・役割・通す判断
よくある質問
原稿を何度も直しましたが、応募が来ません
原因が原稿でない可能性があります。五分の切り分けを行い、応募の動線が機能しているか、求人が表示されているか、条件が他社と比べて外れていないかを確認してください。原稿を直しても動かないなら、動線か露出か条件のどれかです。
媒体を変えれば、応募は来ますか
いまの媒体で「見られていない」ことが確認できていて、その職種の候補者がその媒体にいないなら、媒体を変える意味があります。「見られているが応募に至らない」なら、媒体を変えても同じです。閲覧の数字と、条件の比較を先に確認してください。
条件は変えられません。それでも応募を増やせますか
条件が他社と比べて外れている場合、原稿や露出で増やせる応募には限りがあります。条件に合う層(他社より条件が低くても応募する層)に対象を絞って原稿を書くか、待つ採用ではなく探す採用(スカウト)で、条件以外の訴求で動く候補者に直接声をかけるかの判断になります。給与で負ける会社の訴求にまとめています。