採用代行 / 採用の課題
採用note・ブログが続かない|「良い記事を書く」をやめて、型・頻度・担当・素材の四つで、書かなくても続く形にする
採用のために、noteやブログを始めた。最初の三本は、社員のインタビューと会社の紹介を、時間をかけて書いた。四本目から、書けない。一本に何日もかかり、反応も無く、「何のために書いているのか」と担当者が疲弊し、更新が止まった。結論を先に書くと、採用のnoteやブログが続かないのは、「良い記事を書こう」としているからです。一本ごとに完成度を求めると、書くのが重くなり、続きません。「型」「頻度」「担当」「素材」の四つを決め、「書く」のではなく「聞いて、型に埋める」形にすれば、続きます。続いていること自体が、候補者にとっての信用です。ネタの拾い方は採用広報のネタが尽きたに、SNSでの発信は採用SNSで何を発信すればよいかにまとめています。
続かない構造
採用のnoteやブログが続かないのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 「良い記事」を目指している | 一本ごとに、構成を考え、推敲し、完成度を求める。重くて続かない |
| 型が無い | 毎回、一から構成を考える。「どう書くか」で時間が消える |
| 頻度が決まっていない | 「書けるときに書く」で、書けない |
| 担当が一人で、書く人 | 一人が、企画も聞き取りも執筆も推敲も。書く人が疲弊する |
| 素材が無い | 「何を書くか」から考える。素材が集まる仕組みが無い |
| 長い記事を書こうとしている | 数千字の記事を目指し、書き切れない |
| 反応を求めている | 「読まれない」「反応が無い」で、意味を見失う |
| 置き場と導線が無い | 書いても、候補者が見る場所につながっていない。読まれないので、続かない |
| 社員に書かせている | 「持ち回りで書く」で、社員の負担になり、質もばらつき、止まる |
構造の大半は、「書く」ことを重くしていることです。軽くすれば、続きます。
続く記事の型
「良い記事」ではなく、「型に埋める記事」にします。型があれば、構成を考えなくて済みます。
| 型 | 構成 | 長さの目安 |
|---|---|---|
| 社員の一か月 | 名前と役割/今月決めたこと/困ったことと乗り越え方/誰と働いたか/候補者に一言 | 短め。聞き取り十分から |
| 役割の一日 | 役割の名前/朝/午前/昼/午後/夕方/一日を終えて。時間ごとに何をしているか | 短め〜中 |
| 一つの案件の流れ | 案件の概要(公開できる範囲)/始まり/判断の場面/関わった人/終わり/学んだこと | 中 |
| 入社して〇か月 | 入社前に思っていたこと/最初の一週間/一か月/三か月/いま/入社前に知りたかったこと | 中 |
| よくある質問への答え | 質問/答え/補足(実態)/関連する役割 | 短め |
| 経営者の言葉 | なぜこの役割が要るか/今年取り組むこと/候補者に伝えたいこと | 短め |
| 選考の流れ | 応募/書類/一次/二次/最終/内定。各段階で何を見るか、何日か | 短め〜中 |
| 働き方の実態 | 制度の名前/実際に使っている人の数(自社の記録)/使っている人の話/使いにくい点も | 短め〜中 |
型の要点は、「構成が決まっていて、埋めれば記事になる」ことです。「社員の一か月」なら、五つの問いの答えを順に置くだけで、記事になります。
型は、八つあれば十分です。八つを順に回せば、二か月で一巡し、三か月目からは同じ型で違う内容になります。
頻度と長さの決め方
続けられる頻度と長さで始めます。
頻度は、月に二本から。 週に一本は、最初は重いです。月に二本を三か月続けてから、増やすかを決めます。「毎週」で始めて二か月で止まるより、「月に二本」で一年続くほうが、はるかに価値があります。
長さは、短くてよい。 数千字の記事は、書くのも読むのも重いです。型に埋めた数百字から千字ほどで足ります。候補者は、長い記事を読み切りません。
一本の制作時間を、決める。 「聞き取り十分、文章化三十分、本人の確認、公開」で、一本に一時間以内。それ以上かかる型は、型を直します。
「書けない月」を想定する。 繁忙期、担当者の休み。書けない月があっても、止めない。「今月は一本」で続ける。
予定を、月の初めに決める。 「第二週に社員の一か月、第四週によくある質問」。予定があれば、「今月は何を」で迷わない。
素材が溜まっていれば、前倒しで書く。 聞き取りの素材が溜まっていれば、余裕のある月に書き溜め、忙しい月に出す。
頻度と長さの要点は、「続けられる量から始めて、続いたら増やす」ことです。逆にすると、止まります。
担当と書き方の分担
「書く人」を一人にしないことで、続きます。
| 役割 | 担当 | やること |
|---|---|---|
| 聞く人 | 採用の担当者(人事か代行の担当者) | 月に一度、社員二〜三人に十分ずつ聞き取り。五つの問い |
| 書く人 | 採用の担当者、または代行の担当者 | 聞いた内容を、型に埋める。三十分以内 |
| 話す人 | 社員 | 十分、話すだけ。書かない |
| 確認する人 | 話した社員本人 | 公開前に読んで、事実の誤りと出したくない部分を直す |
| 承認する人 | 責任者 | 公開してよいかを、当日に判断。一週間かけない |
| 公開する人 | 採用の担当者 | 置き場に載せ、導線につなぐ |
分担の要点は、「社員に書かせない」ことと「承認を当日に」ことです。社員に書かせると負担で止まり、承認に一週間かかると流れが止まります。
「書く人」が社内にいない、または時間が無い場合、聞き取りと文章化を採用代行の担当者に出す形があります。社員は十分話し、本人が確認し、責任者が承認する。社内の負担は最小です。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「採用noteを、社員の持ち回りで週に一本書く、と決めて始め、三週目に書く社員が『書けない』と言い、四週目で止まった」というものです。社員に書かせ、頻度が週に一本で、型が無く、承認に時間がかかっていました。社員は十分話すだけ、担当者が型に埋め、月に二本、承認は当日、の形にしたら、一年続きました。「良い記事を、社員が、毎週」ではなく、「型に埋めた短い記事を、担当者が、月に二本」でした。
見ていて差がつくのは、担当者が「書かなくても続く形」を設計するかどうかです。「良い記事を書きましょう」と言う担当者と、「型を八つ作り、月に二本、社員には十分話してもらい、私が型に埋めます。承認は当日でお願いします」と、続く形を設計する担当者がいます。後者は、一年後も続いています。
発注側にできるのは、「良い記事を」ではなく「続く形を」と担当者に依頼し、承認を当日に返すことです。
素材の集め方
記事の素材を、集める仕組みです。書く前に、素材があれば、書けます。
月に一度の聞き取り。 社員二〜三人に、五つの問い(今月決めたこと、困ったことと乗り越え方、誰と働いたか、入社時からの変化、候補者に一言)を十分ずつ。採用広報のネタが尽きたに書いています。
面接と面談で聞かれた質問の記録。 面接官と担当者が、聞かれた質問を一行で記録。「よくある質問への答え」の素材。
入社した人への、一か月後の聞き取り。 「入社前に知りたかったこと」「最初の一か月で何をしたか」。「入社して〇か月」の素材。
経営者への、月に一度の十分。 「今月、決めたこと」「候補者に伝えたいこと」。「経営者の言葉」の素材。
写真の蓄積。 仕事の場面、オフィス、社員(同意のうえで)。記事に添える。撮り方と管理は使える写真・素材がない。
素材の保管。 聞いた内容、質問の記録、写真を、共有の場所に。日付と話した人と使用の有無を記録。使わなかった素材も、後で使う。
素材が溜まったら、書き溜める。 余裕のある月に、素材から二〜三本を書き、忙しい月に出す。
素材の要点は、「書く前に集まっている」ことです。「書くために素材を探す」形は、書く前に止まります。
記事の置き場と導線
書いた記事が、候補者に読まれるための置き場と導線です。
置き場。 自社の採用サイトの中か、外部のブログの仕組み(noteなど)か。自社のサイトなら管理しやすく、外部なら読まれる機会がある場合も。各サービスの仕様と規約は公式の案内で確認します。両方に置く形もあります。
求人票からの導線。 求人票に、関連する記事へのリンク。「この役割の一日はこちら」「入社して三か月の話はこちら」。
スカウトの文面からの導線。 スカウトの一段落目の後、「詳しくはこちら」で記事へ。採用広報とスカウトの連携。
面接の案内からの導線。 「面接の前に、こちらをご覧ください」で、役割の一日や選考の流れの記事へ。面接の質が上がります。
採用サイトの中の導線。 役割のページから、その役割の記事へ。社員の紹介から、その社員の記事へ。
SNSからの導線。 SNSの短い投稿から、詳しい記事へ。
記事の一覧。 記事が溜まったら、型ごと、役割ごとに整理した一覧。候補者が探せる形。
導線の要点は、「候補者の流れの中に、記事を置く」ことです。書いて置いただけでは、読まれません。求人票、スカウト、面接の案内、採用サイトから、記事につなぎます。
効果の見方
採用のnoteやブログの効果を、「反応の数」で見ないことが要点です。
面接で「読んだ」と言われたか。 面接の最初に「当社の記事をご覧になりましたか」と聞き、記録。「〇〇さんの記事を読んで」と言われれば、効いています。
求人票や採用サイトからの流れ。 記事へのアクセスが、どこから来ているか。計測の道具と設定は各サービスの公式の案内で確認。
候補者の質問の変化。 「働き方は」「最初の三か月は」の質問が減ったか。記事で答えていれば、減ります。
辞退の理由の変化。 「思っていたのと違う」が減ったか。
続いているか。 三か月、半年、一年。続いていること自体が、候補者にとって「この会社は採用に本気だ」の印です。
型ごとに、どれが読まれたか。 「社員の一か月」と「よくある質問」のどちらが読まれたか。読まれた型を増やします。
反応の数は、参考にとどめる。 候補者は反応しません。黙って読んで、面接に来ます。
効果の要点は、「面接で聞く」ことです。反応の数で判断すると、効いているのに止めてしまいます。
外注する場合の範囲
採用のnoteやブログが続かない問題を、採用代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 記事の型の作成(八つほど)、頻度と長さの設計、月の予定の作成、社員への聞き取り(月に一度、二〜三人、十分ずつ)、型への文章化、本人の確認と同意の進行(書式は専門家の確認を経て)、責任者への承認の依頼(当日に返す形の設計)、公開と導線の設定(求人票、スカウト、面接の案内、採用サイト、SNS)、素材の保管の仕組み、面接での「読んだか」の記録、三か月ごとの振り返り(続いているか、どの型が読まれたか)。
社内に残す判断。 記事を出すかどうか、置き場の決定(自社のサイトか外部か、仕様と規約は公式の案内で)、公開する内容の承認、社員の同意、経営者の言葉、公開の範囲。
外注の効きどころ。 採用のnoteやブログは、「書く人がいない」「書くのが重い」で止まります。担当者が型を作り、聞き取りと文章化を担い、導線につなげば、社内の負担は「社員が十分話す」「本人が確認する」「責任者が当日承認する」だけになり、続きます。担当者は複数の会社の採用の記事を見ているので、「候補者が読む型」を持ち込めます。
外注しても動かない場合。 社員が聞き取りに応じない、責任者の承認に一週間かかる、置き場と導線を作らない、「良い記事」を求め続ける。社内の判断で、代行を替えても直りません。
採用のnoteやブログは、書かなくても続く形にすれば、続きます。外注は、その形を作り、回す手段です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、noteやブログの相談で最も多いのは、「承認に時間がかかって、流れが止まる」ことです。担当者が記事を書いて責任者に回すと、一週間戻ってこない。その間に次の聞き取りの時期が来て、記事が溜まり、担当者が「書いても出ない」でやる気を失う。
承認は、当日に返す。「公開してよいか」の判断は、五分で済みます。「推敲」を承認に含めると、時間がかかります。事実の誤りと出してはいけない情報の確認だけを、承認の範囲にします。
発注側にできるのは、承認を「事実と公開の範囲の確認だけ、当日に」と決めることです。
まとめ
- 続かないのは良い記事を目指す・型が無い・頻度が無い・一人が書く・素材が無い・長い・反応を求める・導線が無い・社員に書かせる構造
- 型は社員の一か月・役割の一日・案件の流れ・入社して〇か月・よくある質問・経営者の言葉・選考の流れ・働き方の実態の八つほど。埋めれば記事になる
- 頻度は月に二本から・短くてよい・一本一時間以内・書けない月を想定・月の初めに予定・溜まれば書き溜め。続けられる量から
- 分担は聞く人・書く人(担当者)・話す人(社員、十分だけ)・確認する人(本人)・承認する人(責任者、当日)・公開する人。社員に書かせない
- 素材は月一の聞き取り・面接の質問の記録・入社一か月の聞き取り・経営者の十分・写真・共有の場所に保管・書き溜め。書く前に集まっている
- 置き場と導線は自社のサイトか外部か・求人票から・スカウトから・面接の案内から・採用サイトの中・SNSから・一覧。候補者の流れの中に
- 効果は面接で「読んだ」か・流れの計測・質問の変化・辞退の理由の変化・続いているか・型ごとの読まれ方。反応の数は参考
- 外注できるのは型・設計・予定・聞き取り・文章化・確認と同意の進行・承認の依頼・公開と導線・保管・記録・振り返り。社内に残るのは出すかどうか・置き場・承認・同意・経営者の言葉・公開の範囲
よくある質問
一本書くのに何日もかかります
「良い記事」を目指しているからです。型を作り、社員に十分話してもらい、型に埋めれば、一本は一時間以内です。構成を考える時間、推敲する時間を、型で無くします。長さも、数百字から千字で足ります。候補者は長い記事を読み切りません。一本に何日もかける記事を月に一本より、一時間の記事を月に二本のほうが、続き、候補者にも届きます。
社員の持ち回りで書いていますが、続きません
社員に書かせない形にします。社員は月に一度、十分話すだけ。担当者(人事か代行の担当者)が聞いて、型に埋めて書く。本人は公開前に確認するだけ。持ち回りで書かせると、書ける社員と書けない社員の差が出て、書けない社員の番で止まります。書く負担を担当者に集め、社員の負担を十分にすれば、続きます。
反応が無いので、意味があるのか分かりません
候補者は反応しません。黙って読んで、面接に来ます。効果は、面接の最初に「当社の記事をご覧になりましたか」と聞いて測ります。「〇〇さんの記事を読んで」と言われれば、効いています。面接で「働き方は」「最初の三か月は」の質問が減ることも、記事で答えられている印です。反応の数で判断すると、効いているのに止めてしまいます。続いていること自体が、候補者にとって「採用に本気な会社」の印です。