採用代行 / 求人媒体の運用
求人媒体の運用は代行に出せるか|任せる範囲の切り分け方
「求人媒体に掲載したのに応募が来ない」という相談で、掲載後に何をしているかを聞くと、「掲載して、応募が来るのを待っている」という答えが多い。求人媒体の運用は、掲載して終わりではなく、応募の確認と連絡、原稿の更新、掲載順位や表示の調整、媒体担当者とのやり取り、反応の記録と見直しの繰り返しで、これが止まっていると、どの媒体に出しても応募は来ないか、来ても対応が遅れて他社に決まります。「媒体を変えれば応募が来る」と考えて媒体を増やす前に、運用が回っているかを見ます。結論を先に書くと、求人媒体の運用は、「どの媒体に出すかの最終判断」「費用の承認」「掲載内容が実態と合っているかの確認」「面接」は会社が持ち、「日々の応募確認と連絡・原稿の更新・表示の調整・媒体担当者とのやり取り・反応の記録と見直しの提案」は代行に出せます。媒体の組み合わせ方は媒体の組み合わせ方に、媒体が多すぎる場合は媒体を増やしすぎて管理できないときに書いていますので、ここでは「代行に出す」観点に絞ります。
「判断」と「運用」を分ける
求人媒体の運用を工程に分けると、次のようになります。
一つ目は、どの媒体に出すかを決めることです。層と職種と予算から、媒体を選ぶ。選択肢と根拠は外の人が出せますが、最終判断と費用の承認は会社です。
二つ目は、掲載の準備です。原稿の入力、写真、条件の入力、媒体の審査への対応。外の人ができます。
三つ目は、日々の応募確認と連絡です。応募が来たら当日中に確認し、書類を見て、合う人には面接の日程を提示し、合わない人には丁寧に断る。外の人ができ、最も効く工程です。
四つ目は、原稿の更新です。反応を見て、原稿の冒頭、条件の表記、写真を直す。外の人ができますが、直した内容が実態と合っているかの確認は会社です。
五つ目は、表示の調整です。媒体によっては、掲載順位を上げる仕組み、更新日を新しくする操作、有料の表示枠があります。どれを使うかの提案は外の人ができ、費用が発生するものの承認は会社です。
六つ目は、媒体担当者とのやり取りです。媒体の営業担当から来る提案、掲載の延長、契約の更新。窓口は外の人ができますが、契約と費用の判断は会社です。
七つ目は、反応の記録と見直しです。媒体ごとに、応募、書類で残った数、面接、内定、入社を記録し、「この媒体は応募は多いが面接に進まない」のように見直す。外の人ができます。
八つ目は、面接です。会社にしかできません。
八つのうち、一の最終判断と費用、四の実態の確認、五と六の費用と契約、八は会社が持ち、それ以外は外に出せます。
代行に出せる工程と出せない工程
| 工程 | 会社が持つ | 代行に出せる |
|---|---|---|
| どの媒体に出すか | 最終判断と費用の承認 | 層と職種と予算からの選択肢と根拠 |
| 掲載の準備 | 原稿の材料の提供 | 入力、写真の手配、審査への対応 |
| 日々の応募確認と連絡 | ― | 当日中の確認、書類の絞り込み、日程の提示、丁寧な断り |
| 原稿の更新 | 直した内容が実態と合っているかの確認 | 反応を見て冒頭・条件・写真を直す |
| 表示の調整 | 費用が発生するものの承認 | 更新日の操作、表示枠の提案、効果の記録 |
| 媒体担当者とのやり取り | 契約と費用の判断 | 窓口、提案の整理、延長と更新の段取り |
| 反応の記録と見直し | 見直しの判断 | 媒体ごとの記録、「この媒体はここで止まる」の提示 |
| 面接 | 面接官が行う | 段取り、日程の調整 |
表の要点は、「日々の応募確認と連絡」が最も効く工程で、外に出せることです。応募者は複数の求人に同時に応募していて、連絡の遅い会社から順に離れます。社内で当日中の連絡が保てないなら、媒体を変える前に、この工程を外に出します。応募を放置する構造は応募を放置してしまうときに書いています。
もう一つの要点は、「費用が発生するものの承認」が会社に残ることです。表示枠、掲載の延長、上位のプランは、媒体の営業担当から提案が来ます。代行は「効果の記録」と「使うかどうかの根拠」を出し、承認は会社がします。媒体の料金と仕組みは変わるので、承認の前にその時点の条件を確認します。
エラベルの見解
相談で多いのは、「媒体を三つ使っているが応募が来ない。もう一つ足すべきか」というご相談です。運用を聞くと、応募の確認は週に一度、連絡は数日後、原稿は掲載時のまま半年、媒体担当者からの提案は未読、媒体ごとの記録は無し、でした。媒体を足す前に、担当者が応募確認を当日中にし、原稿の冒頭を直し、媒体ごとに記録を付けたところ、同じ三つの媒体で応募と面接が増えました。記録を見ると、三つのうち一つは応募が来るが面接に進まない媒体で、その媒体をやめて費用を減らせました。
見ていて差がつくのは、「掲載後に運用しているか」です。媒体を足す会社の多くは、運用が止まっているのに媒体の選択の問題だと考えています。エラベルでは、媒体の運用を任された担当者に、最初の一週間で応募確認を当日中にすることと、媒体ごとの記録を付け始めることをお願いしています。
代行に出したほうがよい状況
次の状況では、媒体の運用を代行に出したほうが進みます。
一つ目は、応募の確認と連絡が当日中にできていないときです。社内に見る人と見る時間が無い。この工程だけでも外に出すと、面接に来る率が変わります。
二つ目は、原稿を掲載時のまま更新していないときです。反応を見て直す担当と型が無い。外に出すと、更新が回ります。
三つ目は、複数の媒体を使っていて、どれが効いているか分からないときです。媒体ごとの記録を付けて、「この媒体はここで止まる」を示す作業は、外の人が向いています。
四つ目は、媒体担当者からの提案を判断できないときです。表示枠、上位プラン、延長の提案が来て、効果が分からないまま承認しているか、未読で放置している。外の人が効果の記録と根拠を出すと、判断できます。
五つ目は、専任の人事がいなくて、経営者や総務が片手間で見ているときです。片手間だと、応募確認が遅れ、原稿は更新されず、提案は放置されます。運用を外に出すと、社内は承認と面接だけで済みます。
代行に出さないほうがよい状況
逆に、次の状況では、媒体の運用を外に出しても進みません。
一つ目は、原稿の材料(なぜ採るか、日々の中身の割合、条件の数字)が無いときです。運用を外に出しても、原稿が「営業業務全般」のままでは応募は来ません。先に原稿の材料を揃えます。原稿の作り方は求人原稿の作成の進め方に書いています。
二つ目は、面接の枠を社内で確保できないときです。応募確認と連絡を速くしても、面接が二週間先しか取れないと、その間に他社に決まります。面接官の枠を先に確保します。
三つ目は、費用の承認に時間がかかりすぎるときです。表示枠や延長の提案を、承認に一か月かかると、効く時期を逃します。承認の期限と、誰が決めるかを先に決めます。
四つ目は、「代行に出せば媒体を選んでくれて、応募が来る」と考えているときです。媒体の最終判断と費用は会社で、代行は運用を回す役です。運用を回しても、原稿の材料と面接の枠と条件が無ければ応募は来ません。
担当者の選び方
媒体の運用を任せる担当者は、次の点で選びます。
一つ目は、応募確認と連絡を当日中に回す型を持っているかです。「応募が来たら〇時間以内に確認、書類を見て〇日以内に日程提示、合わない人には〇日以内に断り」の型を、過去の案件で回していた人。
二つ目は、媒体ごとの記録を付けて見直した経験があるかです。「この媒体は応募は多いが面接に進まない」「この媒体は数は少ないが決まる」を、数字で示せる人。感覚だけの人は、媒体を足す提案しかしません。
三つ目は、媒体担当者の提案を、効果の記録と照らして判断できるかです。提案をそのまま通す人でも、全部断る人でもなく、「前回この表示枠を使ったときの応募の変化はこうだった」と示せる人。
四つ目は、原稿を反応で直す習慣があるかです。掲載時のまま放置せず、応募の数と書類で残る率を見て、冒頭と条件の表記を直す人。担当者の経歴の見方は担当者の経歴の見方に、対応できる媒体の範囲の確認は対応可能な媒体の範囲を確認するに書いています。
出す前に用意しておくもの
媒体の運用を代行に出す前に、次を用意しておくと、最初の一週間が速くなります。
一つ目は、いま使っている媒体の一覧と、管理画面のログイン情報と、契約の期限です。担当者が現状を読むために要ります。ログイン情報の共有の仕方は、媒体の規約と社内の情報管理の決まりに沿います。個人情報の扱いは、専門家にご確認ください。
二つ目は、原稿の材料です。なぜ採るか、日々の中身の割合、条件の数字、上司の言葉。原稿が「営業業務全般」のままなら、運用の前に原稿を直します。
三つ目は、面接官の枠です。週に何回、誰が、いつ面接に出られるか。応募確認を速くしても、枠が無いと止まります。
四つ目は、費用の承認の期限と、決める人です。表示枠や延長の提案が来たとき、何日以内に誰が決めるか。
五つ目は、これまでの応募と面接の記録です。あれば、担当者は媒体ごとの傾向を最初に読めます。無ければ、無いことを伝えます。
媒体との契約、表示枠の料金、掲載の延長の条件は、媒体ごとに違い、時期によって変わります。承認の前に、その時点の条件を媒体に確認します。
エラベルの見解
担当する側から見ると、媒体の運用で最も効くのは、「応募確認を当日中にすること」と「媒体ごとの記録を付けること」の二つです。前者で面接に来る率が変わり、後者で「どの媒体を残し、どれをやめるか」が数字で決まり、費用が減ります。媒体を足すのは、この二つを回した後です。
エラベルでは、媒体の運用を任せる案件で担当者を紹介するとき、最初の一週間で管理画面と契約の期限を確認し、応募確認を当日中に切り替え、媒体ごとの記録を付け始め、原稿の冒頭が「なぜ採るか」になっているかを確認するところまでをお願いしています。ログイン情報の共有と個人情報の扱いは、専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- 求人媒体の運用は掲載して終わりではない。応募確認と連絡・原稿の更新・表示の調整・媒体担当者とのやり取り・記録と見直しの繰り返し
- 「どの媒体に出すか」の最終判断・費用の承認・実態との一致の確認・面接は会社。日々の応募確認と連絡・原稿の更新・表示の調整・媒体担当者との窓口・記録と見直しの提案は代行に出せる
- 最も効くのは応募確認と連絡を当日中にすること。媒体を変える前にここを見る
- 出したほうがよいのは応募確認が遅い・原稿を更新していない・どの媒体が効いているか分からない・提案を判断できない・片手間で見ているとき
- 出さないほうがよいのは原稿の材料が無い・面接の枠が無い・費用の承認が遅すぎる・「媒体を選んでくれて応募が来る」と考えているとき
- 担当者は当日中に回す型・媒体ごとの記録と見直し・提案を効果で判断・原稿を反応で直す習慣で選ぶ
- 出す前に媒体の一覧と管理画面と契約の期限・原稿の材料・面接官の枠・承認の期限と決める人・これまでの記録を用意する
- 媒体の料金と仕組みは変わる。承認の前にその時点の条件を確認する
よくある質問
媒体の管理画面のログイン情報を代行に渡してもよいですか
媒体の規約で、第三者への共有の可否や、代理の運用者の登録の仕組みが決まっています。共有する前に、媒体の規約を確認し、代理の運用者として登録できる仕組みがあればそれを使います。応募者の個人情報を扱うので、社内の情報管理の決まりと、代行との契約で扱いを決めます。個人情報の扱いは、専門家にご確認ください。
代行に出しても、媒体は自分で選びたいのですが
媒体の最終判断と費用の承認は、代行に出しても会社に残ります。代行は「層と職種と予算から、この媒体が向く」という選択肢と根拠、「この媒体は応募は来るが面接に進まない」という記録を出し、選ぶのは会社です。自分で選びたい場合も、記録は代行に付けてもらうと、次に選ぶときの根拠になります。
媒体の営業担当から表示枠や上位プランの提案が来ます。どう判断すればよいですか
提案をそのまま通す必要も、全部断る必要もありません。判断の材料は、「前回その表示枠を使ったときに、応募がどう変わったか」の記録です。記録が無ければ、一度だけ短い期間で試して記録を取り、次からはその記録で判断します。代行に出している場合は、担当者が提案を整理し、記録と照らして「使う根拠」または「使わない根拠」を出します。料金と仕組みは変わるので、承認の前にその時点の条件を確認します。