採用代行 / 求人媒体の運用
求人媒体の運用の進め方|自社でやる場合の手順
求人媒体を自社で運用しようとして、掲載した後に応募を待つだけになると、応募が来ないか、来ても確認が週に一度で連絡が数日後になり、その間に他社に決まります。原稿は掲載時のまま、媒体の営業担当からの提案は未読、どの媒体が効いているかは分からないまま、契約の期限が来て「効かなかった」で終わる。媒体の運用で最初にやるべきは掲載することではなく、「誰が、いつ、応募を見るか」を決めることです。結論を先に書くと、進め方は、見る人と見る時間を決める→応募確認と連絡の型を作る→媒体ごとの記録の表を作る→週に一度、反応を見る→原稿の冒頭と条件の表記を直す→表示の仕組みを使う→媒体担当者の提案を記録で判断する→月に一度、残す媒体とやめる媒体を決める、の八つの手順で、順番を守ると、同じ媒体で応募と面接が増え、効かない媒体の費用が減ります。代行に出す場合の切り分けは求人媒体の運用は代行に出せるかに、媒体の組み合わせ方は媒体の組み合わせ方に書いていますので、ここでは自社で進める手順に絞ります。
手順の全体
| 手順 | やること | 誰が | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 一 | 見る人と見る時間を決める | 経営者 | 最初に一度 |
| 二 | 応募確認と連絡の型を作る | 人事(いなければ経営者) | 最初に一度 |
| 三 | 媒体ごとの記録の表を作る | 人事 | 最初に一度 |
| 四 | 反応を見る | 人事 | 週に一度 |
| 五 | 原稿の冒頭と条件の表記を直す | 人事、現場が確認 | 反応が止まったとき |
| 六 | 表示の仕組みを使う | 人事、費用は経営者が承認 | 媒体の仕組みに合わせて |
| 七 | 媒体担当者の提案を記録で判断する | 人事と経営者 | 提案が来たとき |
| 八 | 残す媒体とやめる媒体を決める | 経営者 | 月に一度 |
手順の要点は、一から三が「最初に一度作る型」で、四以降が「回す」であることです。型が無いまま回そうとすると、応募確認が人によって違い、記録が残らず、判断ができません。
手順一:見る人と見る時間を決める
「誰が、毎日何時に、応募を確認するか」を決めます。「人事の〇〇が、毎朝九時と夕方五時に、全媒体の管理画面を見る」。専任の人事がいなければ、「総務の〇〇が朝九時に」「経営者が夕方に」でよく、決めることが要点です。
止まりやすいのは、「手が空いたときに見る」にしてしまうときです。手が空くときは来ず、週に一度になります。時間を決めて、予定表に入れます。十五分で済みます。応募を放置する構造は応募を放置してしまうときに書いています。
手順二:応募確認と連絡の型を作る
応募が来てから面接までの流れを、型にします。
| 段階 | いつまでに | 何をするか |
|---|---|---|
| 応募の確認 | 当日中 | 管理画面で応募を見て、受付の連絡を送る |
| 書類の判断 | 翌日まで | 要件と照らして、面接に進むか、断るかを決める |
| 面接の日程提示 | 判断の当日 | 候補日を三つ以上、応募者が選べる形で送る |
| 断りの連絡 | 判断の当日 | 丁寧に、短く。理由は書かない |
| 面接後の連絡 | 翌日まで | 結果か、次の日程を送る |
型の要点は、「いつまでに」を決めることです。応募者は複数の求人に同時に応募していて、連絡の遅い会社から順に離れます。
止まりやすいのは、書類の判断を現場や経営者に回して、返事が来ないときです。この場合は、「翌日までに返事が無ければ面接に進める」と決めておきます。判断を待って応募者を放置するより、面接で確かめるほうが失うものが少ない。
手順三:媒体ごとの記録の表を作る
媒体ごとに、応募、書類で残った数、面接、内定、入社を記録する表を作ります。
| 媒体 | 掲載開始 | 費用 | 応募 | 書類で残った | 面接 | 内定 | 入社 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 媒体A | 四月 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 媒体B | 四月 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
| 媒体C | 五月 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
費用の欄は、その時点の契約の金額を入れます。媒体の料金は変わるので、契約のたびに書き換えます。
止まりやすいのは、「応募」だけ記録して、その後を記録しないときです。応募の数だけでは、「応募は多いが面接に進まない媒体」と「数は少ないが決まる媒体」の区別がつきません。入社まで記録して、初めて残す媒体とやめる媒体が決まります。
エラベルの見解
相談で多いのは、「媒体を三つ使っていて、どれが効いているか分からない」というご相談です。記録を聞くと、応募の数は媒体の管理画面で見られるが、その応募が面接に進んだか、内定になったかは、媒体ごとに追っておらず、「感覚では媒体Aが一番来る」でした。手順三の表を付けてもらったところ、応募が一番多い媒体Aは面接にほとんど進まず、応募が一番少ない媒体Cから二名入社していて、媒体Aをやめて費用を減らし、媒体Cに寄せる判断ができました。
見ていて差がつくのは、「入社まで媒体ごとに記録しているか」です。記録が応募で止まっている会社は、応募の多い媒体を「効いている」と誤解し、費用を掛け続けます。エラベルでは、自社で媒体を運用している会社に、まず手順三の表だけを付け始めてもらっています。
手順四:週に一度、反応を見る
週に一度、決めた曜日に、記録の表を見ます。見るのは三つです。
一つ目は、応募の数の変化です。掲載した週から減っていくのが普通で、止まったら手順五か六の出番です。
二つ目は、書類で残る率です。応募は来るが書類で九割落としているなら、原稿が合わない人を呼んでいます。手順五で要件の言葉を直します。
三つ目は、面接に来る率です。日程を提示したのに来ない、辞退されるなら、連絡の速さか、面接までの日数が長すぎるか、原稿と実態の差です。
止まりやすいのは、「毎週見ても変わらない」で見なくなるときです。変わらないことも情報で、「二週間応募が止まったら手順五」のように、次の動きの引き金にします。
手順五:原稿の冒頭と条件の表記を直す
応募が止まったとき、書類で残る率が低いときに、原稿を直します。直すのは二か所に絞ります。
一つ目は、冒頭です。応募者は一覧で冒頭の数行を見て、開くかどうかを決めます。冒頭に「なぜ採るか」の一文と「日々の中身の割合」があるか。「営業業務全般」から始まっているなら、差し替えます。
二つ目は、条件の表記です。給与の範囲、時間、休日、在宅の可否が数字で書かれているか。「応相談」なら数字にします。
直した内容が実態と合っているかは、現場と経営者が読んで確認します。原稿の材料の集め方は求人原稿の作成の進め方に書いています。給与と労働時間と休日の表記には決まりがあります。直す前に、専門家にご確認ください。
手順六:表示の仕組みを使う
媒体には、掲載の順位や表示に関わる仕組みがあります。更新日を新しくすると一覧の上に来る、有料の表示枠がある、原稿の一部を変えると再掲載扱いになる、など。仕組みは媒体ごとに違い、変わります。
使い方の要点は、「記録を取ってから判断する」ことです。更新日の操作のような費用の掛からないものは、決めた曜日に行い、応募の変化を記録します。有料の表示枠は、一度だけ短い期間で試して記録を取り、効いたなら続け、効かなければやめます。
止まりやすいのは、媒体の仕組みを知らないまま掲載だけしているときです。掲載時に媒体担当者に「応募を増やすために、掲載側でできる操作は何か」を聞いておきます。料金が掛かるものは、その時点の条件を確認してから使います。
手順七:媒体担当者の提案を記録で判断する
媒体の営業担当から、表示枠、上位プラン、掲載の延長、新しい商品の提案が来ます。判断の材料は、手順三の記録です。
「前回この表示枠を使ったとき、応募がどう変わったか」「この媒体からの入社は何名か」「費用に対して入社は見合っているか」。記録があれば、提案をそのまま通すことも、全部断ることもなく、根拠で判断できます。
止まりやすいのは、提案を未読で放置するか、そのまま承認するかのどちらかになるときです。「提案が来たら、記録と照らして、〇日以内に返事をする」と決めておきます。
手順八:月に一度、残す媒体とやめる媒体を決める
月に一度、手順三の表を見て、媒体ごとに「残す・様子を見る・やめる」を決めます。
判断の目安は、「入社に至っているか」「面接に進む率が他の媒体より低くないか」「費用に対して見合っているか」の三つです。応募が多いだけの媒体は、応募対応の手間を増やして面接に進まないので、「様子を見る」か「やめる」です。
やめた媒体の費用は、残す媒体に寄せるか、スカウトやリファラルなど別の経路に回します。媒体が多すぎる場合の絞り方は媒体を増やしすぎて管理できないときに書いています。
止まりやすいのは、契約の期限が来るまで判断を先送りするときです。期限の一か月前に判断の日を予定表に入れます。
外の人に頼む場合の境目
八つの手順を自社でやるとき、止まりやすいのは手順一と二と四です。見る人と時間を決めても、その人が忙しくて回らない。型を作っても、連絡が数日後になる。週に一度見る習慣が続かない。この場合は、手順二から七の「回す」部分を外の人に頼む選択があります。外の人は当日中の応募確認と連絡を型として持っていて、記録を付け、反応を見て原稿を直し、提案を整理します。
手順一の「誰が見るか」と手順八の「残す媒体とやめる媒体」の判断、費用の承認、原稿の実態との照らし合わせ、面接は、外に出せません。切り分けの詳細は求人媒体の運用は代行に出せるかに、対応できる媒体の範囲の確認は対応可能な媒体の範囲を確認するに書いています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、媒体の運用で最も効くのは、手順二の「当日中の応募確認と連絡」です。原稿も媒体も変えずに、連絡を数日後から当日中にするだけで、面接に来る率が変わります。次に効くのが手順三の記録で、「応募の多い媒体」と「決まる媒体」が別だと分かり、費用が減ります。
エラベルでは、自社で媒体を運用したい会社には、手順一の「見る人と時間」と手順二の「型」と手順三の「表」だけを先に作ってもらい、回すところで止まったときに担当者が入る形をお勧めしています。媒体の料金と仕組みはその時点で確認し、給与と労働時間の表記は専門家にご確認いただくようお伝えしています。
まとめ
- 媒体の運用は掲載して待つことではない。「誰が、いつ、応募を見るか」を決めることから始める
- 手順は見る人と時間を決める→応募確認と連絡の型→媒体ごとの記録の表→週に一度反応を見る→原稿の冒頭と条件を直す→表示の仕組みを使う→提案を記録で判断→月に一度残す媒体とやめる媒体を決めるの八つ
- 一から三が最初に一度作る型、四以降が回す
- 応募確認は当日中、日程提示と断りは判断の当日、面接後の連絡は翌日まで
- 記録は入社まで媒体ごとに。応募だけでは「応募の多い媒体」と「決まる媒体」の区別がつかない
- 原稿を直すのは冒頭と条件の表記の二か所
- 表示の仕組みと提案は記録を取ってから判断。料金と仕組みは変わるのでその時点で確認
- 止まりやすいのは手順一と二と四。回す部分だけ外の人に頼む選択がある。見る人の決定・残す媒体の判断・費用の承認・実態との照らし合わせ・面接は外に出せない
よくある質問
専任の人事がいないので、応募確認を毎日できません
毎日十五分、誰かが決まった時間に管理画面を見る、を決めます。総務でも経理でも経営者でも構いません。確認と受付の連絡だけなら、要件を知らなくてもできます。書類の判断は「翌日までに返事が無ければ面接に進める」と決めておけば、判断を待って放置することも減ります。それでも回らないなら、手順二から七の「回す」部分だけを外の人に頼みます。
媒体ごとの記録を付けたいのですが、応募者がどの媒体から来たか分からなくなります
応募の時点で、記録の表に媒体名を書きます。媒体の管理画面ごとに応募が来るので、確認したときに表に書けば分かります。応募者が複数の媒体から同じ求人に応募することもあるので、氏名で重複を確認します。面接と内定と入社の記録は、応募の行に続けて書けば、媒体ごとに追えます。表は一つにまとめ、媒体ごとに分けないのが要点です。
応募が多い媒体をやめるのは、もったいない気がします
応募が多くても面接に進まず、入社に至っていないなら、応募対応の手間と費用が掛かっているだけです。「もったいない」のは応募の数ではなく、費用と手間です。記録で「この媒体からの入社は〇名、費用は〇〇」を見て、他の媒体と比べます。やめる前に、原稿の冒頭と条件を直して一か月様子を見る、という順番でも構いませんが、それでも面接に進まないなら、やめて残す媒体に寄せます。