採用代行 / 採用サイトの運用

採用サイトの運用の進め方|自社でやる場合の手順

公開 2026-09-20

採用サイトを自社で運用しようとして、「作ったあとは気づいたときに直す」から始めると、終わった募集が半年残り、応募フォームの自動返信が止まっていることに候補者からの問い合わせで気づき、社員の話は一年前に作ったまま、候補者が検索した先は「更新の止まった場所」になります。採用サイトの運用で最初にやるべきは、記事を足すことではなく、「何を載せ、誰が更新し、募集が終わったら誰が消すか」を決めて、いまあるものが正しく動いている状態を作ることです。それができれば、記事を足すのは月に一度の作業になります。結論を先に書くと、進め方は、載せる情報と載せない情報を決める→社員の顔出しと名前の方針を決める→現状を棚卸しして直す順番を決める→募集の開始と終了を伝える流れと差し替えの担当を決める→応募フォームと導線を候補者の立場で通す→社員記事を足す型を作る→更新の担当と承認の期限を決める→月に一度、募集の一覧とフォームと閲覧と応募を確認する、の八つの手順です。代行に出す場合の切り分けは採用サイトの運用は代行に出せるかに、記事の作り方は採用広報・オウンドメディアの進め方に書いていますので、ここでは自社で進める手順に絞ります。サイトの制作ツールや費用の話はしません。

手順の全体

手順やること誰が頻度
載せる情報と載せない情報を決める経営者と人事最初に一度
社員の顔出しと名前の方針を決める経営者と人事最初に一度
現状を棚卸しして直す順番を決める人事最初に一度
募集の開始と終了を伝える流れと差し替えの担当を決める人事最初に一度
応募フォームと導線を候補者の立場で通す人事最初に一度、以後月に一度
社員記事を足す型を作る人事最初に一度
更新の担当と承認の期限を決める責任者最初に一度
募集の一覧とフォームと閲覧と応募を確認する人事月に一度

手順の要点は、三から五が「いまあるものを正しく動かす」で、六が「足す」であることです。多くの会社は六から始めて、三から五をやっていません。

手順一:載せる情報と載せない情報を決める

採用サイトに載せることと、載せない情報を決めます。載せることは、事業の中身、募集中の求人、選考の流れ、社員の話、働く環境、よくある質問。載せない情報は、顧客名、未公開の事業、社内の数字、社員の個人的な事情。載せない一覧を先に作ると、更新のたびの承認が速くなります。

載せること載せないこと
募集中の求人(内容・条件・応募方法)終わった募集
選考の流れと、何を見るか面接の質問の中身
社員の話(場面で)社員の個人的な事情、顧客名
働く環境(制度、場所、道具)社内の細かい数字

止まりやすいのは、「働く環境」を制度の一覧で終わらせるときです。候補者が知りたいのは制度の有無ではなく、「実際に使われているか」です。制度の名前より、使った社員の話を載せます。

手順二:社員の顔出しと名前の方針を決める

社員の記事や写真を載せるときに、本名か名字か仮名か、顔写真を出すか、職場の写真に誰が写ってよいか、社員本人の同意をどう取るか、退職したら下げるか残すか、後から下げたいと言われたときの手順、を決めます。個人情報に関わる部分は専門家にご確認ください。

止まりやすいのは、方針を決めずに公開して、後から「やはり下げたい」となるときです。公開前に、本人と合意した範囲を記録に残します。

手順三:現状を棚卸しして直す順番を決める

いまのサイトを候補者の立場で全ページ見て、問題を一覧にし、直す順番を決めます。順番は、「候補者が止まるもの」を先にします。

確認すること問題の例順番
募集の一覧終わった募集が残っている
応募フォーム送れない、自動返信が無い、届く先が古い
媒体やスカウトからのリンク先古いページや無いページに着く
スマートフォンでの表示読めない、ボタンが押せない
社員の話一年以上前、退職した社員
会社の情報所在地、事業の説明が古い

止まりやすいのは、「デザインを変えたい」から始めるときです。見た目より、募集とフォームが正しいことが先です。

エラベルの見解

これをやる前に、先に手順三の「棚卸し」をしておかないと、手順六の記事は効きません。相談で多いのは、「社員の記事を足したのに、応募が変わらない」というご相談です。聞くと、記事は増えていましたが、募集の一覧には終わった募集が残っていて、応募フォームの自動返信が止まっていました。候補者は記事を読んで応募し、返事が無いので他社に進んでいました。記事を足す前に、募集の一覧を直し、フォームを通して自動返信を復旧したところ、記事の効果が応募に現れるようになりました。採用サイトは、いまあるものが正しく動いていて初めて、足したものが効きます。エラベルで採用サイトの運用を担当する人には、記事の企画の前に、棚卸しとフォームの確認をしてもらっています。

手順四:募集の開始と終了を伝える流れと差し替えの担当を決める

募集が決まったら誰が誰に伝え、誰がいつまでに求人ページを作り、募集が終わったら誰が誰に伝え、誰がいつまでに消すかを決めます。「終わったら当日中に消す」を決まりにします。

場面誰が伝える誰が更新いつまでに
募集の開始採用の決裁者→人事人事の担当決裁から三営業日以内
募集の内容の変更人事→担当人事の担当変更の当日中
募集の終了人事→担当人事の担当終了の当日中

止まりやすいのは、募集の終了が誰にも伝わらないときです。内定が出て募集を止めることを、人事の中で決めて誰も更新しない。「募集の終了」を選考の段階の一つとして扱い、内定承諾と同時に更新の作業を入れます。

手順五:応募フォームと導線を候補者の立場で通す

人事が候補者になったつもりで、媒体やスカウトのリンクから採用サイトに入り、求人を見て、応募フォームを送り、自動返信が届き、社内の通知先に届くまでを、実際に通します。最初に一度、以後は月に一度行います。スマートフォンでも通します。

通すこと確認
媒体・スカウトのリンク正しい求人ページに着くか
求人ページ応募ボタンが分かるか。スマートフォンで押せるか
応募フォーム必須項目が多すぎないか。送れるか
自動返信届くか。文面が古くないか
社内の通知誰に届くか。届いた応募を誰が当日中に見るか

止まりやすいのは、「作ったときに確認したから大丈夫」で二度と通さないときです。仕組みの更新や担当の交代で、静かに壊れます。月に一度通します。

手順六:社員記事を足す型を作る

社員の話を足す型は、採用広報・オウンドメディアの進め方に書いた「候補者の五つの問い→場面を聞く取材→社員の言葉を残す原稿→月に何本と決める」をそのまま使います。採用サイトの運用としては、記事に日付を入れ、古い記事は「取材当時」と分かる形にし、退職した社員の記事の扱いを手順二の方針に沿って決めます。

止まりやすいのは、記事を足すことが目的になって、募集とフォームの確認が後回しになるときです。手順八で毎月、募集とフォームを先に確認してから記事を見ます。

手順七:更新の担当と承認の期限を決める

更新の作業をする人を一人決め、更新の仕組み(自社で編集できるか、制作会社に依頼するか)に合わせて、更新にかかる日数を把握します。承認する人を一人決め、「更新の案を受けて三営業日以内」のように期限を決めます。承認は「事実の誤りと、載せない一覧に触れていないか」だけを見ます。

止まりやすいのは、制作会社に依頼する仕組みで、依頼から反映まで一週間以上かかるときです。募集の終了が一週間残ることになります。求人ページだけは自社で編集できる仕組みにするか、制作会社と「求人の差し替えは当日中」の取り決めをします。

手順八:月に一度、募集の一覧とフォームと閲覧と応募を確認する

月に一度、募集の一覧が最新か、フォームが通るか(手順五)、どのページが見られ、どこから来て、応募まで進んだかを確認します。記事の閲覧は多くなくてよく、「募集が正しく、応募が届く」が保たれていることを先に見ます。

確認見ること
募集の一覧終わった募集が無いか。始まった募集が載っているか
フォーム通るか。自動返信と通知が届くか
閲覧どのページが見られているか。どこから来ているか
応募応募まで進んだ数。フォームで離脱していないか

止まりやすいのは、閲覧の数だけを見て一喜一憂するときです。採用サイトの閲覧は候補者が検索して来る分なので多くはなく、それでよい。見るのは「募集が正しいか」「応募が届くか」です。

外の人に頼む場合の境目

八つの手順のうち、一の決定、二の方針、三の順番の決定、七の承認は会社が持ちます。三の棚卸し、四の差し替え作業、五の確認、六の取材と原稿化、七の更新作業、八の確認と報告は、外の人に出せます。切り分けの詳しい話は採用サイトの運用は代行に出せるかに書いています。

外に出す判断の目安は、「載せる情報と方針は決まっているが、差し替えと確認と記事の追加に時間が取れない」ときです。載せる情報が決まらないまま外に出しても、更新のたびに承認で止まります。

エラベルの見解

担当する側から見ると、採用サイトの運用で会社ごとに差がつくのは、手順四の「募集の終了が伝わる流れ」があるかどうかです。募集の開始は、採用したいので伝わります。終了は、内定が出た安心で誰も伝えず、サイトに残ります。終了が伝わる会社では、担当者は当日中に消せ、候補者が終わった募集に応募することが無くなります。伝わらない会社では、担当者がどれだけこまめに見ても、終了を知る手段がありません。エラベルでは、採用サイトの運用を担当する人に、最初の一週間で載せない一覧と顔出しの方針を会社と確認し、棚卸しをして直す順番の案を出し、募集の開始と終了を伝える流れを人事と決め、フォームを一度通すところまでをお願いしています。ここまでできると、担当者は月に一度の確認と記事の追加を回し、会社は承認と募集の開始・終了の連絡だけになります。

まとめ

よくある質問

制作会社に頼まないと更新できない仕組みです

求人ページだけでも自社で編集できる仕組みに変えるか、制作会社と「求人の差し替えは当日中」の取り決めをします。それができないなら、募集の一覧を採用サイトに置かず、媒体や別の編集できるページに置いて、採用サイトからはそこへリンクする形もあります。募集が古いまま残ることが最も避けたい状態なので、その一点だけでも速く更新できる形にします。

応募フォームの項目はどのくらいがよいですか

候補者が応募の段階で迷わない程度に絞ります。氏名、連絡先、希望の職種、経歴書の添付(任意でも可)程度で足り、志望動機や自己PRを必須にすると離脱が増える傾向があります。詳しいことは書類選考や面接で聞けます。フォームで集める個人情報の項目と扱いは、方針を決めておきます。法令に関わる部分は専門家にご確認ください。

採用サイトとオウンドメディアは分けたほうがよいですか

最初は分けず、採用サイトの中に社員の話を置きます。記事が増えて、採用サイトの中で探しにくくなってから、分けるかどうかを考えます。分けると更新する場所が二つになり、片方が止まりやすくなります。一つの場所で続けることを優先します。