スカウト代行 / Green
Greenのスカウトテンプレートの作り方
Greenのスカウト文面には、書く前から決まっている部分があります。公式ヘルプには、スカウトを送る時点では求職者の名前が非公開のため名前タグを使えないとあり、件名については、求職者側から見えるタイトルは職種名の編集で変更できると書かれています。つまりスカウトは、宛名なし、件名は求人の職種名という条件で読まれます。この記事では、その条件のもとで送る一通の完成形を先に示し、段落ごとに何をどう書いたかを分解します。以下は2026年9月24日時点の公式ヘルプの記載に基づきます。
宛名も件名も書けない一通の完成形
最初に、完成形を一つ置きます。架空の会社が、基幹システムの刷新を担う社内SEを探している想定です。公式の文例では、呼びかけに「A00000000様」という求職者コードの表記が使われているので、ここでもその形にしています。
A00000000様
おそらく多くのご連絡が届いていると思いますので、要点だけお伝えします。三分ほどお時間をいただけると幸いです。
職務経歴書に書かれていた、社内の受発注システムを要件定義から一人で担当されたという記述を読んでご連絡しました。外部に任せずに内部で設計まで通した経験を評価しています。
当社では基幹システムの刷新を来期に控えていて、ベンダーとの折衝から仕様の決定までを担っていただきたいと考えています。要件を決める段階から入っていただく想定です。
当社は受注件数が三年で四倍になり、既存のシステムが処理量に追いついていません。そのため刷新は先送りできない課題で、外部から来た方の判断がそのまま通る状況です。裁量が大きいというのは、そういう事情によるものです。
ご応募いただいた後、書類の確認をさせていただいたうえで面談をご案内します。もし少しでもご興味を持っていただけたら、一行のご返信でも構いません。いますぐの転職をお考えでない場合でも、同じ職種の方とお話しする機会としてお使いいただけると嬉しいです。
この一通は、Greenが公開している「返信率の高いスカウトの共通項」に沿って組んでいます。ヘルプの「スカウト文章作成で押さえるポイント」には、Green運営チームで膨大なスカウトを分析した結果、返信率の高いスカウトには5つの共通項があると書かれています。次の表は、五つの共通項と、完成形のどの段落で何を書いたかを対にしたものです。
| 位置 | 公式の共通項 | 完成形で書いたこと |
|---|---|---|
| 冒頭 | ④相手への配慮を示す | 多くの連絡が届いている前提で、要点だけと断る |
| 二段目 | ①求職者の評価ポイントを明記する | 職務経歴書の記述と、それを評価した理由 |
| 三段目 | ②求職者に期待する役割/貢献を明記する | 刷新でどの工程を担ってほしいか |
| 四段目 | ③会社/仕事の魅力に根拠やエビデンスを添える | 受注件数の伸びと、裁量が大きい理由 |
| 末尾 | ⑤気軽な返信を促す | 一行の返信でよいこと、書類選考の案内 |
冒頭と二段目は、名前の代わりに経歴で呼びかける
冒頭に配慮の一文を置くのは、ヘルプが④の配慮を序文で伝えるよう示しているからです。その背景として、ヘルプにはIT/Web業界は売り手市場と言われ、人気求職者は月間50通以上のスカウトを受け取っていると書かれています。受け取る側が多くの文面に目を通している前提なので、完成形では「要点だけ」と断り、読む時間の目安まで添えています。
二段目では、名前を呼べない代わりに経歴への言及で個別性を出します。ヘルプは①について、求職者は「自分のどこが評価されてスカウトを送ってくれたのか」が気になっていると説明しています。避けたい例として「ご経歴を拝見しまして、ぜひ当社でご活躍頂きたく」という書き方を挙げ、これでは「本当に自分宛である必要があったのか?」と思う方も少なくないはずだとしています。完成形の二段目が、記述の引用と評価した理由の二文でできているのはそのためです。
名前の扱いには、テンプレートを使い回すときの落とし穴があります。ヘルプの「名前タグ(名前の自動変換機能)における注意点」には、メッセージで「#{name}」を使うと自動的に求職者の名前が表示されるものの、応募を受けた方にのみ反映され、スカウト文面では反映されないと書かれています。場面ごとの扱いを整理すると、次のとおりです。
| 場面 | 名前タグ | 文面での扱い |
|---|---|---|
| スカウト送信時 | 使用できない(求職者側の名前が非公開) | 求職者コードで呼びかけ、経歴への言及から入る |
| 応募を受けた後 | 使用できる(変換後は求職者のフルネーム+様) | 応募後の連絡用テンプレートで使う |
応募前の段階で使った場合は、何も変換されずに「#{name}」とそのまま表示されてしまうと警告されています。名前以外の自動変換タグは現時点で用意がないとも書かれているので、職種名や社名を差し込む仕組みもありません。応募後用の文面をスカウトに流用しないことを、テンプレートの運用ルールにしておきます。
三段目と四段目は、主張ではなく因果を書く
三段目は、②の期待する役割と貢献です。完成形では「ベンダーとの折衝から仕様の決定まで」と、担ってほしい工程を具体的に書いています。「中心メンバーとして活躍していただきたい」のような抽象的な書き方では、相手は自分がその役割に合うかを判断できません。役割は、工程や範囲の言葉で書くと伝わります。文面の基本形はスカウト文面の作り方にもまとめています。
四段目は、③の魅力の根拠です。ヘルプは、「エンジニアとしての成長機会が大きい会社です」という書き方では、どんな点で成長機会があるのか、なぜ大きいのかの2点が不明で、受け取った求職者は自社で働く自分の姿を想像できなくなると説明しています。完成形では、受注件数の伸びという事実、システムが追いついていないという結果、だから判断が通るという裁量の理由を順につないでいます。「裁量が大きい」という主張を、事業の事情から導かれる結論として書くのがこの段落の役割です。
エラベルの見解
五つの共通項のうち、実際の文面でいちばん抜けるのは③の根拠です。①と②は、候補者のレジュメと募集要項があれば書けます。けれども③は、事業の数字や体制の事情といった社内の事実を持ってこないと書けません。成長機会がある、裁量が大きい、風通しがいいといった表現は、根拠がなければどの会社でも書けるので差がつきません。外部の担当者に文面を任せる場合、この段落の材料を誰が集めるかで仕上がりが分かれます。社内の事実を聞き出すところまでやる担当者か、渡された募集要項の範囲で書く担当者かを、依頼の前に確かめてください。一度根拠の段落を作れば、複数のポジションで使い回せます。
末尾は、返信の敷居と書類選考の一文で閉じる
末尾は⑤の気軽な返信を促す段落です。公式の文例にも、「「気になる」の一言でも構いません」という誘い方や、「ご応募いただける際は、志望理由や提出書類などは必要ございません」という案内が例示されています。完成形では「一行のご返信でも構いません」とし、いますぐ転職を考えていない人にも返信の理由を用意しています。
完成形の末尾には、書類選考の一文も入れています。ヘルプは、スカウトの文面は面談確約から応募促進まで企業のニーズによって変更可能だとしつつ、求職者によっては面接や面談の確約と捉える可能性があるとして、応募時に書類選考をする場合はその旨をスカウト内で案内するよう推奨しています。書類選考を挟むなら、この一文を入れておくと、認識の食い違いを防げます。
末尾で誘導してはいけない先もあります。ヘルプの「スカウトメールを送る際の禁止事項」には、Green外での直接メール等でのやり取りや、別の媒体や自社のコーポレートサイト等での募集への応募を促すことが禁止されていると書かれ、該当行為が確認された場合は掲載停止等の措置をとる可能性があるとされています。文面に入れやすい表現なので、言い換えとあわせて確認項目にしておきます。
| 避ける表現 | 理由 | 言い換え |
|---|---|---|
| 「詳しくはこちらのメールアドレスへ」 | Green外でのやり取りを促す | 「このメッセージにご返信ください」 |
| 「当社の採用サイトからご応募ください」 | 別サイトでの応募を促す | 「この求人からご応募ください」 |
| 「他媒体でも募集していますのでそちらから」 | 別の媒体への誘導 | 書かない |
件名と、送り先ごとに差し替える部分
件名は文面ごとには変えられません。ヘルプによれば、スカウト送信時に求職者から見えるタイトルは職種名の編集で対応でき、記事編集から求人編集に入り、該当求人を編集して「この内容で申請する」ボタンを押す流れです。弊社承認後(当日もしくは翌営業日)に掲載情報が変更されるとも書かれています。件名で開封率を上げるという打ち手は取れないので、求人の職種名の書き方を見直す工程を、文面の改善とは別に持っておきます。ヘルプには「求人を分割し応募率・反応率をあげる方法」という記事も置かれています。
本文は、送り先の種類によって差し替えます。テンプレート機能があり、追加・編集の方法と、テンプレートの順番を変更する方法の記事がヘルプに別に置かれているので、使用頻度の高いものを上に並べられます。持っておくと有効な単位と、差し替える部分は次のとおりです。
| テンプレートの単位 | 差し替える部分 | 理由 |
|---|---|---|
| スカウト用 | 完成形のとおり、冒頭から五段で組む | 名前タグが使えない |
| 会いたい用 | 冒頭を「気になる」への礼にし、経緯に触れる | 候補者から接点があった相手に送る |
| 貴社に注目ラベル用 | 事業の概要を省き、募集の背景から入る | 自社の求人や記事を見た前提で書ける |
| 応募後の連絡用 | 名前タグで呼びかける | 応募者には名前が反映される |
「会いたい」は、ヘルプによれば求職者から「気になる」があった際にのみ送れる機能で、担当者名、担当者の役職、本文を記入して送ります。自動で署名が付くので本文には不要であることと、前回使用した文面が初期値として入力されていることが注意書きにあります。前回の文面が残ったまま送ると個別性が消えるので、送信前に書き換える工程を入れます。
貴社に注目ラベルは、自社のGreen上の求人・PR記事を半年以内に閲覧した求職者か、自社の求人記事と類似性が高い求人を閲覧していると機械学習で判断された求職者に付きます。ヘルプには、このラベルの方にスカウトを送ると通常よりも平均2.91倍返信率が上がるとあり、2023年11月28日から12月31日の集計結果と注記されています。自社を見た前提で書けるので、「当社の求人ページをご覧いただいたようなので、事業の概要は省いて、募集の背景からお伝えします」と始められます。
エラベルの見解
この媒体では、何を書くべきかの答えを運営側がほぼ公開しています。それでも仕上がりに差がつくのは、送信の直前の確認を誰がどこまでやるかです。名前タグの記号が残っていないか、「会いたい」に前回の文面が残っていないか、Green外への誘導を書いていないか。どれもテンプレートを使い回したときに起きる事故で、一度起きると候補者からの印象は戻りません。外部の担当者に送信まで任せるなら、この三点の確認を作業の手順として書面で決め、誰が確認したかを残してください。確認の手順を持っている担当者かどうかは、過去にどんな事故を防いだかを聞くと分かります。
まとめ
- Greenのスカウトは宛名なし、件名は求人の職種名という条件で読まれる。呼びかけは求職者コードと経歴への言及で行う
- 公式の五つの共通項を、配慮、評価ポイント、役割、根拠、返信の促しの順に配置すると一通が組める
- 根拠の段落は主張ではなく因果で書く。材料は社内の事実から集める
- 末尾に書類選考の有無を書き、Green外や別媒体への誘導は入れない
- スカウト用、会いたい用、注目ラベル用、応募後用でテンプレートを分け、名前タグと前回文面の残りを送信前に確認する
よくある質問
Q. Greenのスカウトで候補者の名前を入れられますか
公式ヘルプでは、スカウト送信時は求職者の名前が非公開のため、名前タグは使えないとされています。応募前に「#{name}」を使うと、変換されずにそのまま表示されてしまうと警告されています。公式の文例では「A00000000様」という求職者コードの表記が使われています。
Q. スカウトの件名を文面ごとに変えられますか
公式ヘルプによれば、求職者から見えるタイトルは求人の職種名の編集で変更する形です。変更には求人編集からの申請が必要で、承認後(当日もしくは翌営業日)に反映されるとされています。件名を工夫したい場合は、職種名の書き方や求人の分け方を見直します。
Q. スカウトに自社サイトのURLを載せてもよいですか
公式ヘルプでは、Green外での直接のやり取りや、別の媒体や自社のコーポレートサイト等での募集への応募を促すことは禁止されています。ヘルプの「求職者に直接連絡をしても良い?」にも、掲載記事やスカウト文面にメールアドレス・URLは記載できず、確認した場合は予告なく削除する場合があると書かれています。返信や応募は、Green上のメッセージと求人から受ける形にしてください。
※機能・提供条件は変わります。掲載した内容は2026年9月24日時点の公式ヘルプの記載であり、最新の仕様は担当者の案内をご確認ください。運用側の設計はGreenのスカウト運用設計、条件の組み方はGreenの検索条件の組み方にまとめました。