スカウト代行 / ONE CAREER
ONE CAREERのスカウト代行|新卒スカウトを外注する範囲
ワンキャリアの運用を代行会社に出すとき、手元の業務委託契約のひな形をそのまま使うと、媒体側のサービスと重なる業務や、この媒体では意味の薄い成果の数え方が紛れ込みます。この記事では、委託契約に書く条項の順番に沿って、ワンキャリアならではの書き方を整理します。軸は、媒体側にある支援を先に差し引くこと、学生一名あたりの受信数に上限がある前提で成果を数えること、費用を自社の数字で見積もってから条項に落とすことの三つです。以下は2026年9月23日時点で株式会社ワンキャリアの公式サイトに記載されている内容に基づいており、料金は公開されていないため、契約前に運営に確認してください。
業務範囲の条項は、媒体側のサービスを差し引いてから書く
委託契約の最初の条項は業務範囲です。ワンキャリアでは、ここを書く前に媒体側で用意されているものを確かめておく必要があります。採用計画のページはオプションサービスとして、PV数・エントリー数の高い掲載ページの内容を参考に掲載ページの内容を作成する「求人掲載代行」と、同様に掲載ページのバナーを作成する「バナー広告」を挙げています。さらに、カスタマーサクセスチームが採用成功をサポートするとし、導入後の運用サポートとして導入ガイド、ヘルプセンター、最新トレンドレポート、チャットサポート、活用セミナー、施策の振り返り・フォローを挙げています。原稿づくりと振り返りが媒体側にある以上、代行会社の業務範囲に同じ言葉を書くと、同じ仕事に二度払うことになりかねません。
媒体側のサービスと機能を差し引いたあとに何が残るかを、条項の文言に近い形で整理したのが次の表です。左から、業務の名前、媒体側にある対応するもの、契約書での書き方の順に置いています。スカウトの機能としては、詳細条件でのターゲット検索、一括・個別配信、テンプレート管理、開封・反応率の分析が挙がっています(使用できる機能はプランによって異なるとされています)。
| 業務 | 媒体側にあるもの | 契約書での書き方 |
|---|---|---|
| 掲載ページの原稿・バナー | 求人掲載代行、バナー広告(オプション) | 媒体側を使うなら「範囲外」と明記。使わないなら原稿作成を範囲に入れる |
| 検索条件の設計と候補の抽出 | 詳細条件でのターゲット検索 | 条件案の作成は代行、採否に関わる条件の決定は社内 |
| プロフィールを読んで一行目を書く | 該当なし | 代行の中心業務として範囲に入れる |
| 一括・個別配信、テンプレートの管理 | 一括・個別配信、テンプレート管理 | 配信の作業は代行、テンプレートの承認は社内 |
| 振り返り | カスタマーサクセスの施策の振り返り・フォロー | 代行は数字の集計まで。場はカスタマーサクセスと共通にする |
| 選考時期の判断 | 採用計画機能(競合の選考スケジュールなど) | 社内に残す(範囲外と明記) |
表のうち「範囲外と明記」とした行は、契約書に書き忘れやすいところです。書いていないと、代行会社は善意で掲載原稿の直しや時期の提案まで広げ、請求の根拠があいまいになります。もう一つ、オプションのDMはアクティブ学生の多いユーザーにターゲットを絞ったメールを配信するものとされており、スカウトと同じ学生に届きえます。媒体側でDMを配信する週は、同じ層を代行の送信対象から外すという一文を範囲の条項に入れておくと、同じ会社から二度届く事態を防げます。
成果と報告の条項は、送信数ではなく受諾で数える
スカウトサービスのページは、学生1名あたりの受信数に上限を設けるなど、エンドユーザーファーストなUI/UXの磨きこみにより高い受諾率を実現しているとし、2024年4月時点で受諾率29.0%を記録しているとしています(同サイトの注記では、2024年4月末時点の26卒学生に関する実績)。受信に上限がある以上、送信数を増やしても届かない相手がいます。「月◯通送信」という成果の書き方では、枠の取り合いに勝てたのかどうかが報告から読めません。また29.0%は媒体全体の特定時点の実績なので、自社の目標値としてそのまま条項に入れるものではありません。
成果の条項には、数え方ごとに「成果として置くか、報告にとどめるか」を書き分けます。次の表は、この媒体で使われやすい数え方を、向き不向きと条項での扱いに分けたものです。
| 数え方 | この媒体での向き不向き | 条項での扱い |
|---|---|---|
| 送信数(一括・個別の合計) | 上限があり、増やしても届くとは限らない | 報告項目にとどめ、成果にはしない |
| 個別配信の本数 | 一括と手間がまったく違う | 一括と分けて数え、単価も分ける |
| 開封率・受諾率 | 条件と文面の良し悪しが出る | 条件別・テンプレート別に報告させる |
| 受諾数 | 成果に近い | 目標として置く。初月の実績が出てから値を決める |
| 面談設定数 | 相手のある話で下限を置きにくい | 報告項目にとどめる |
報告の項目には、条件別のテンプレートを何本持ち、その月に何本差し替えたかも入れておきます。テンプレート管理の機能がある媒体なので、条件ごとに複数の文面を持つのが前提です。差し替えの本数がゼロの月が続くなら、運用が止まっているサインとして読めます。報告の場は、カスタマーサクセスとの打ち合わせと一本にし、同じ表を使って見る形を条項に書いておくと、数字の定義がずれません。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「代行を入れれば送信数が増えて、受諾も増える」というものです。受信数に上限がある媒体では、送る数を増やす余地は思ったほど大きくありません。代行費を使うべきなのは、プロフィールの記述を読んで一行目を書く個別配信の部分です。だから契約では、一括と個別の単価を分け、個別配信には一通あたり何分を想定しているかまで書いてもらいます。同じ月額でも、読む時間を持っている担当者と、一括配信の操作だけをする担当者とでは、受諾の中身が変わります。会社の名前で選ぶ前に、その担当者がプロフィールを読む仕事をしてきた人かを確かめてください。
対応時限と社内の役割の条項
受諾率が高い媒体では、受諾が社内の面談枠を超えることがあります。週に何枠出せるかは社内でしか決められないので、契約には「代行は受諾後の一次返信まで、面談の設定と実施は社内」のように境目を書き、社内が週ごとの面談枠を代行に伝える取り決めも入れておきます。返信の速さは「当日中」「翌営業日の午前中まで」のように具体的に書きます。採用計画のページは、学生から寄せられた6万件以上の体験談を閲覧可能としており、ここは学生のクチコミが集まる場です。対応の遅さは体験談に残りうるので、返信の時限は品質の条項として扱います。
社内に残す判断も、条項の中で名前を付けておきます。スカウトサービスのページは、8万人以上の学生が活動実績、ガクチカを入力しているとしています(同サイトの注記では2025年1月末時点の26卒学生に関する実績)。記述を読む作業は外に出せても、その記述が自社のどの仕事とつながるかの判断は社内にしかありません。代行が書いた一行目を週に一度まとめて社内が確認する、という手順を業務の流れとして書いておくと、確認が後回しになりません。競合企業の選考スケジュールが閲覧できる機能についても、見た結果どう動くかは採用計画の判断なので、社内の役割として残します。
費用の条項は、自社の数字で見積もってから書く
料金は公開されておらず、使用できる機能もプランによって異なるとされています。分からないなりに見積もるには、自社で三つの数字を用意します。週に出せる面談枠、個別配信にかける一通あたりの分数、採用が決まるまでの月数です。面談枠から月の受諾目標を置き、自社の初月の実績(まだなければ控えめな仮置き)の受諾率で割ると、月の送信本数が出ます。そのうち個別配信の本数に一通の分数を掛けたものが代行の作業時間になり、代行会社にこの時間に対する単価を聞けば、月額の提案が妥当かどうかを自社の物差しで比べられます。
比べる相手は代行会社だけではありません。株式会社ワンキャリアのサービス一覧は、新卒紹介について成功報酬型の新卒紹介サービスであり、キャリア支援の面談を丁寧に行うため選考通過率・内定承諾率が高いことが特徴としています。社内に手が無い場合、「運用を外に出す」以外に「結果に対して払う」という選択肢があるということです。次の表は、三つの選択肢を費用の出方と、見積もりのために誰に何を聞くかで並べたものです。
| 選択肢 | 費用の出方 | 見積もりのために聞くこと | 社内に残るもの |
|---|---|---|---|
| 自社で運用する | 媒体の利用料 | 運営に、自社のプランで使える機能と金額 | 運用のノウハウ |
| 代行を入れる | 媒体の利用料+代行費 | 代行会社に、個別配信の単価と一通の想定分数 | 記録の引き渡しを条項にすれば残る |
| 媒体側の新卒紹介を使う | 成功報酬型 | 運営に、成功報酬の算定の基礎と条件 | 手間は減るが、運用の経験は残りにくい |
同じサービス一覧は、採用管理システム(ATS)について、応募受付から選考・入社まで採用業務を一元管理できるとし、初年度無料プランがある(新規契約の企業に限る、と注記されています)としています。日程調整や進捗管理を代行の業務に入れる前に、この仕組みで賄えるかを確かめると、委託費の行が一つ減ることがあります。紹介とスカウトを併用する場合は、どちらの入り口から来た面談かを記録に残す取り決めを、費用の条項の隣に置いておきます。そうしないと、翌年どちらにお金をかけるべきかが判断できません。
個人情報・アカウント・引き継ぎの条項
代行会社が学生のプロフィールを読む以上、誰がどこまで見られるか、目的外に使わないこと、契約終了後にどう扱うかを契約書に書いておきます。管理画面に外部の担当者を入れられるか、入れる場合の権限の範囲は公開されていないので、運営に確認したうえで条項に反映します。外部の担当者にアカウントを発行したなら、終了時に誰がいつ削除するかも書きます。個人情報の取り扱いや職業紹介に関する法令の解釈が関わる部分は、一般的な整理にとどめ、個別の判断は専門家にご確認ください。
立ち上げの時期も条項で決めておきます。公式サイトは、お問い合わせから最短6営業日で利用を開始できるとしています。早く始められるぶん、条件とテンプレートが揃わないまま配信が始まりやすいので、代行会社には契約日ではなく「条件とテンプレートが揃った日」を起点にした計画を出してもらう、と書いておきます。終了時の引き継ぎとしては、使った検索条件、条件別の受諾率、テンプレートの版を、媒体の管理画面の外にも残して渡すことを定めます。代行会社に渡す選定基準の作り方はONE CAREERのプロフィール選定基準の作り方、文面の例はONE CAREERのスカウト文面の型、年度の流れはONE CAREERの運用スケジュールと送信計画にまとめています。
エラベルの見解
担当する側から見ると、最初の打ち合わせで何を聞くかに、その人の準備の深さが出ます。契約しているプラン、求人掲載代行を使っているか、条件別のテンプレートが何本あるか、受諾から返信まで何時間かかっているか、カスタマーサクセスとの定例があるか。この五つを聞かずに提案書を出す担当者の契約書では、範囲と成果の条項が抜けやすくなります。エラベルでは会社ではなく担当者を選べるので、面談の段階でこの五つを聞いてくる人かどうかを見て決める、という使い方ができます。聞かれなかった項目は、発注側から契約書の案に書き足してください。
まとめ
- 業務範囲の条項は、求人掲載代行やカスタマーサクセスの振り返りなど、媒体側にあるものを差し引いてから書く
- 成果の条項は、受信数の上限を前提に、送信数ではなく受諾数と条件別の受諾率で置く。一括と個別は分けて数える
- 返信の時限は、クチコミが集まる媒体では品質の条項として具体的に書く
- 費用は、面談枠・一通の分数・採用までの月数から自社で見積もり、新卒紹介という選択肢とも比べる
- 個人情報、アカウントの削除、条件と文面の引き継ぎは、終了時を想定して契約時に決める
よくある質問
Q. ワンキャリアの料金は公開されていますか
2026年9月23日時点の公式サイトでは、金額は公開されていません。使用できる機能はプランによって異なるとされているため、契約前に運営に、自社のプランでの機能と金額を確認してください。
Q. 代行会社との契約で、成果は何で数えるのがよいですか
学生一名あたりの受信数に上限がある媒体なので、送信数は報告項目にとどめ、受諾数と条件別の受諾率で見るのが実態に合います。一括配信と個別配信は手間が違うので、本数も単価も分けて数えます。目標値は、自社の初月の実績が出てから決めると無理がありません。
Q. 代行会社と媒体側の新卒紹介は、どちらを選べばよいですか
どちらが向くかは、社内に運用の経験を残したいかどうかで変わります。代行なら記録の引き渡しを条項にすればノウハウが残り、新卒紹介は成功報酬型で手間は減りますが、運用の経験は残りにくくなります。両方を使う場合は、面談の記録に入り口を残して効果を比べられるようにしておきます。
※仕様や提供範囲は変わります。掲載した内容は2026年9月23日時点で公式サイトに記載されているものです。料金・プランごとの違い・管理画面の権限は、契約前に運営の案内でご確認ください。