複数職種があるときの優先順位|稼働を分散させず、決まりやすい順に並べる

運用・費用スカウト代行 更新日 2026-09-12

エンジニアも、営業も、管理部門も、同時に採りたい。全部をスカウト代行に頼めば、全部が進むように思えます。実際には、担当者の稼働が職種の数で割られ、どの職種も対象と文面が整わないまま、中途半端に送られます。結論を先に書くと、複数職種があるなら、同時に動かすのは二つまでにし、優先順位を「緊急度・母数・スカウトとの相性・社内の受け入れ体制」の四つで決めてください。後ろの職種は、前の職種が整ってから順に足します。一職種に絞る利点は一職種だけ頼めるかに、職種を足すときの稼働の考え方も同じ記事にまとめています。

同時に動かすと何が起きるか

三職種を同じ稼働で同時に動かすと、次のことが起きます。

対象と文面が整わない。 一職種の対象と文面を整えるには、抽出と送信と結果の確認を何度か繰り返す必要があります。三職種なら、その繰り返しが三分の一のペースになり、整うまでの期間が三倍に伸びます。

返信対応が薄くなる。 三職種から返信が来れば、対応は三方向に分かれます。当日対応が翌日、翌々日になり、面談に進む前に離れます。

判断が曖昧になる。 「ある職種は返信が来るが、別の職種は来ない」という状態で、何を変えるかを決めるのが難しくなります。一職種なら一つの数字で判断できることが、三職種では三つの数字を見て優先順位から決め直すことになります。

どれも決まらない。 結果として、三職種とも中途半端で、三か月経ってもどれも決まっていない、という状態になります。一職種に集中していれば決まっていたはずのものも、決まりません。

稼働を三倍にすれば解決しますが、費用も三倍です。多くの場合、現実的なのは、順番をつけて一つずつ進めることです。

優先順位を決める四つの基準

一.緊急度。 いつまでに要るか。欠員で業務が止まっている職種、事業の立ち上げに必要な職種は、前です。「いずれ要る」職種は、後ろです。

二.母数。 その職種の候補者が、媒体にどれだけいるか。母数が多い職種は、スカウトで動きやすく、早く結果が出ます。母数が少ない職種は、スカウトで時間がかかるか、別の手法(紹介会社)のほうが合います。担当者に母数の見立てを出してもらいます。

三.スカウトとの相性。 経歴から担う範囲が読み取れる職種、求人サイトで応募が来にくい職種は、スカウトに向きます。経歴で見極めが難しい職種、求人サイトで十分に応募が来る職種は、スカウト以外のほうが効率的です。向かない職種を前に置くと、稼働を使って成果が出ません。

四.社内の受け入れ体制。 求人票の役割が書けているか、面談者の枠が取れるか、決める人がいるか。体制が整っていない職種を前に置くと、候補者が進んでも面談が組めません。整っている職種から動かします。

四つを、職種ごとに並べます。緊急度が高く、母数があり、スカウトに向き、体制が整っている職種が、最初です。

並べ方の実際

四つの基準を、表にして並べます。

職種緊急度母数スカウトとの相性社内の体制順位
職種A高(欠員)多い向く整っている一
職種B中(増員)中程度向く求人票が未整備二(求人票を整えてから)
職種C高(立ち上げ)少ない向かない(母数不足)整っている別の手法へ
職種D低(いずれ)多い向く未整備三

この例では、Aを最初に動かし、Bは求人票を整える間に準備し、Cはスカウトではなく紹介会社に回し、DはAが整ってから足します。

緊急度が高くても、母数が無い職種(C)を前に置くと、稼働を使って成果が出ません。「急ぐから最初に」ではなく、「急ぐが、スカウトで決まりにくいなら別の手法で」という判断が要ります。

順位を決めたら、担当者と社内に共有します。「いまはAに集中し、Bは来月から」と明示すれば、担当者は稼働を迷わず配分でき、社内も「Bはまだか」と急かさずに済みます。

同時に動かす数の目安

同時に動かすのは、二職種までが目安です。

一職種目が整った状態(対象と文面が固まり、返信率が安定し、面談が組め始めた)になったら、二職種目を足します。一職種目の運用は、整った後は稼働が減るので、その分を二職種目の立ち上げに回せます。

二職種目が整ったら、三職種目を足します。このとき、一職種目が決まっていれば、その稼働を三職種目に回せます。決まっていなければ、三職種同時になるので、稼働を足すか、一職種目を一時的に薄くするかを決めます。

担当者の稼働が多い(専任に近い)なら、同時に三職種まで持てることもあります。稼働が少ない(週に数時間)なら、一職種ずつが限界です。契約時の稼働の条件と照らして決めます。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「全部の職種を同時に頼めば、全部が進む」というものです。実際には、全部が進まなくなります。担当者の稼働は決まっていて、職種の数で割られるだけです。三職種を同時に頼んで三か月後にどれも決まらず、「代行が悪い」となる会社が多くあります。

見ていて差がつくのは、担当者が「順番をつけましょう」と最初に言えるかどうかです。全部を引き受けて稼働を分散させる担当者と、「この稼働では二職種が限界です。まずどれを優先しますか」と言う担当者がいます。後者は、その場では契約の範囲を狭めますが、結果を出します。

発注側にできるのは、「全部同時に」ではなく「どの順で」と担当者に聞くことです。担当者は、母数と相性から順番の案を出せます。その案と、社内の緊急度と体制を合わせて、順位を決めてください。

後ろに回した職種の扱い

順位が後ろになった職種は、放置ではなく、準備に回します。

求人票の役割を整える。 前の職種が動いている間に、後ろの職種の役割の記述を社内で整えます。動かす番が来たとき、すぐに対象と文面を作れます。

ペルソナと対象の条件を用意する。 担当者に、後ろの職種の母数の見立てと、対象の条件の案を出してもらいます。稼働はほとんど使いません。

面談体制を整える。 面談者と枠、決める人、通す基準。動かす番までに整えておきます。

別の手法を並行する。 スカウトの順番待ちの間、求人サイトへの掲載や紹介会社への依頼で動かせる職種は、動かします。スカウトが全部の職種の唯一の手段である必要はありません。

候補者との関係を保つ。 後ろの職種で、すでに接点のある候補者がいれば、「いまは募集を止めているが、〇月頃に再開する」と伝えて関係を残します。

準備が整った職種は、動かす番が来たときの立ち上げが速くなります。順番待ちの期間を、準備の期間にします。

順位を見直す周期

順位は、一度決めたら固定ではありません。月に一度、定例会で見直します。

見直す材料は、次のとおりです。前の職種が決まったか、整ったか。緊急度が変わったか(欠員が出た、計画が変わった)。母数の見立てが実際と違ったか。社内の体制が整ったか、崩れたか。

前の職種が決まれば、次を前に出します。前の職種が三か月動かなければ、原因を切り分けたうえで、後ろの職種と入れ替えることも検討します。母数が無い、相性が悪いと分かった職種は、スカウトから外して別の手法に回します。

順位の変更は、担当者と社内に共有します。「今月からBを前に出す。Aは維持」と明示すれば、稼働の配分が変わります。共有しないと、担当者はAに稼働を使い続けます。

エラベルの見解

担当する側から見ると、複数職種で最も困るのは「順位が決まっていないのに、全部の進捗を毎回聞かれる」ことです。三職種を渡され、「Aはどうか」「Bはどうか」「Cはどうか」と定例会で聞かれる。全部に答えようとすると、全部が中途半端であることを説明することになります。

順位が決まっていれば、「今月はAに集中し、面談が〇件組めた。Bは来月から」と答えられます。発注側も、「Aに集中している」と分かっていれば、Bの進捗を急かしません。

発注側にできるのは、順位を決めて共有し、定例会では前の職種の進捗を主に聞くことです。後ろの職種は「準備の進捗」を聞く。それだけで、担当者は稼働を迷わず使えます。複数職種の成否は、担当者の能力より、発注側の順位付けで決まります。

まとめ

よくある質問

三職種とも急ぎです。順番をつけられません

三職種とも急ぎでも、稼働が同じなら同時には進みません。四つの基準のうち、母数とスカウトとの相性で並べてください。母数があり、スカウトに向く職種を最初に動かし、母数が無い職種は紹介会社に回します。急ぎだからこそ、決まりやすい順に動かすほうが、全体としては早く決まります。

担当者の稼働を増やせば、同時に三職種できますか

できることもありますが、費用が増えます。稼働を三倍にするなら、担当者を分ける(職種ごとに別の担当者)形も検討してください。一人の担当者が三職種を持つより、三人が一職種ずつ持つほうが、それぞれの職種に集中できます。ただし、文面のルールと記録は一本にします。

後ろに回した職種を、社内から急かされます

順位を決めた理由(緊急度・母数・相性・体制)を社内に共有し、後ろの職種は「準備を進めている」と伝えてください。準備(求人票の整備、面談体制)に社内が関わる形にすれば、「放置されている」という感覚は減ります。加えて、スカウト以外の手法で動かせる職種は、並行で動かします。

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