外国人雇用の労務の副業単価の目安と決め方|確認・届出・受け入れ体制のどこまでを受けるかで決める

業務別の人事副業外国人雇用の労務 更新日 2026-10-16

外国人雇用の労務の副業は、外国人を雇っている、またはこれから雇う会社で、雇い入れから退職までの手続きと受け入れの体制を整えるのを手伝う仕事です。在留資格と仕事の中身が合っているかの確認、ハローワークへの届出の段取り、雇用契約や社内の案内を分かりやすくする工夫など、扱う範囲は広くなります。人事・労務として外国人の雇用に関わってきた人なら、経験がそのまま活きます。結論から書くと、この仕事の単価は、確認・届出・受け入れ体制のどこまでを受けるかを先に決め、資格が要る業務を範囲から外したうえで時間を見積もると、無理のない金額になります。

外国人雇用の労務の副業単価には公的な統計がなく、依頼先の人数や範囲で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順を書きます。

なぜ外国人雇用の労務は副業で切り出されるのか

外国人を雇う会社が増える一方で、社内に外国人雇用の手続きに慣れた担当者がいる会社は多くありません。日本人の雇用と同じ流れで進めると、在留資格で認められていない仕事をさせてしまう、在留期間の更新を見落とす、届出を出し忘れる、といった漏れが起きます。数人を雇うだけでは専任を置くほどではなく、慣れた人に仕組みを整えてもらいたい、という依頼が副業に向いています。

依頼の形は、受け入れを始める前に手順を整えたい会社と、すでに雇っていて漏れがないか見直したい会社に分かれます。前者は手順書や確認表をつくる仕事が中心になり、後者は今の在籍者の在留期間や届出の状況を洗い出す仕事から始まります。どちらかで最初の作業量が大きく変わるので、単価の話の前に確かめてください。仕事の中身全体は外国人雇用の労務の副業の仕事で書いています。

受ける範囲を三つに分けて見積もる

外国人雇用の労務は、大きく次の三つに分けると見積もりやすくなります。時間を工程ごとに出し、自分の時間単価を掛けて合計してください。時間単価の決め方は本業の年収と副業単価の関係を参考にしてください。

範囲やること時間が増える条件
確認の仕組み在留カードの確認の手順、在留資格と仕事の中身の照らし合わせ、更新期限の管理表在籍者が多い、在留資格の種類が多い
届出の段取り雇い入れ・離職のときの届出の流れを決め、社内の担当が出せるようにする拠点が複数ある、入退社が多い
受け入れ体制雇用契約や就業規則の要点の説明資料、生活面の相談先の整理、社内向けの案内やさしい日本語や母語の資料が要る

このうち、確認の仕組みはどの依頼でも必要になる土台です。すでに雇っている会社では、まず在籍者全員の在留資格と期限を一覧にするところから始まり、ここに思った以上の時間がかかることがあります。初回の打ち合わせで、在籍している外国人の人数と、在留カードの写しや期限の記録がどこにあるかを聞いてください。

資格が要る業務を範囲から外す

外国人雇用の労務で、単価を決める前に確かめておきたいのが、資格がなければ報酬を得て受けられない業務との線引きです。ここを曖昧にしたまま受けると、知らないうちに法律に触れるおそれがあります。

業務関わる法律副業での受け方の例
在留資格の申請書類の作成行政書士法 第1条の3・第19条作成は行政書士に任せ、必要な社内資料の準備を手伝う
労働・社会保険の届出書類の作成や提出の代行社会保険労務士法 第27条社内の担当が出せる手順を整え、作成・提出は社内か社労士が行う
外国人雇用状況の届出労働施策総合推進法 第28条届出の流れと確認項目を整え、届出は事業主として社内で行う

行政書士法第19条は、行政書士または行政書士法人でない者が、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に定める業務(官公署に提出する書類の作成など)を行うことはできないと定めています。社会保険労務士法第27条も、社会保険労務士でない者が、他人の求めに応じ報酬を得て、同法第2条第1項第1号から第2号までの事務を業として行ってはならないと定めています。副業として受けるときは、書類を代わりに作る・出すのではなく、社内の担当が自分で進められる仕組みを整えるところに範囲を置くのが一般的な考え方です。どこまでが資格の要る業務かは事案によって判断が分かれるため、個別の判断は社会保険労務士・行政書士・弁護士にご確認ください。

エラベルの見解

外国人雇用の労務の単価でよくある失敗は、「手続きを全部やってほしい」という依頼をそのまま一つの金額で受けることです。全部の中には、在留資格の申請書類や保険の届出の作成など、資格がないと報酬を得て受けられない業務が混ざっています。後から気づいて範囲を外すと、見積もりの根拠が崩れ、依頼先からは「話が違う」と受け止められます。

担当する側から見ると、この仕事は見積もりの最初に「受けられる範囲」と「専門家に渡す範囲」を表にして見せることで、話がこじれにくくなります。専門家に渡す範囲についても、どの士業に何を頼むか、そのために社内で何をそろえておくかまで整理して渡せれば、それ自体が依頼先にとっての価値になります。範囲を切ることは単価を下げることではなく、責任の持てる仕事に絞ることだと考えてください。

確認の責任をどう伝えるか

外国人雇用で依頼先にとって最も重いのは、在留資格で認められていない仕事をさせてしまうことです。出入国管理及び難民認定法第73条の2は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者などを、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金に処し、またはこれを併科すると定めています。同条第2項は、その外国人の活動が在留資格に照らして認められないものであることなどを知らなかったことを理由として処罰を免れることはできない、ただし過失がないときはこの限りでない、としています。

つまり、確認を怠った結果として知らなかった、という言い分は通りにくいということです。副業の担当者が整える確認の仕組みは、依頼先がこの過失をつくらないための土台になります。ただし、確認そのものの責任は雇う側の事業主にあります。契約では、担当者は手順と確認表を整え、確認の実施と判断は依頼先が行う、という役割の分け方を書いておいてください。

また、労働施策総合推進法第28条は、事業主が外国人を新たに雇い入れた場合や、雇用する外国人が離職した場合に、氏名や在留資格、在留期間などを確認し、厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出ることを定めています。届出の方法や対象は厚生労働省のページで確認できます。届出の詳しい流れは外国人雇用状況の届出で書いています。

エラベルの見解

もう一つ見てほしいのは、外国人雇用の漏れは、採用の段階でつくられていることが多いということです。求人を出す時点で、その仕事がどの在留資格で認められるかを確かめていないと、内定を出してから「この仕事ではこの在留資格は難しい」と分かり、採用が止まります。労務の手順をどれだけ整えても、採用の入口でここを見ていなければ、同じことが繰り返されます。

採用に関わってきた人は、求人をつくる段階で在留資格との照らし合わせを入れる、という提案ができます。採用の流れに確認の手順を一つ足すだけで、後の労務の手戻りが減ります。労務だけでなく採用の入口まで見て仕組みを組めることは、ほかの担当者との違いとして説明しやすく、単価の根拠にもなります。

まとめ

よくある質問

外国人雇用の労務の副業単価の相場はいくらですか

依頼先の人数や業務の範囲によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。確認・届出・受け入れ体制に分けて時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。

社会保険労務士の資格がなくても受けられますか

届出の手順を整える、確認表をつくる、社内向けの説明資料をつくるといった、社内の担当が自分で進めるための支援は受けられる範囲に入ることが多いと考えられています。ただし、書類の作成や提出を代わりに行うと、社会保険労務士法や行政書士法の業務制限に関わるおそれがあります。どこまでが受けられる範囲かは、社会保険労務士・行政書士・弁護士にご確認ください。

母語での資料づくりまで頼まれたらどうすればよいですか

翻訳は、労務の仕組みづくりとは別の作業として見積もってください。自分で翻訳できない言語の場合は、やさしい日本語で原稿をつくり、翻訳は依頼先が専門の業者に頼む形にすると、範囲がはっきりします。雇用契約の内容に関わる資料は、訳の誤りが行き違いにつながるため、確認の手順も一緒に決めておいてください。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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