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外国人雇用状況の届出|対象・期限・方法と、採用の流れへの組み込み方

公開 2026-09-22

外国人の採用に関わる副業の人事が、いちばん落としやすいのが届出です。在留資格の確認は採用の判断に直結するので意識に残りますが、届出は入社の後や退職の後に来る手続で、しかも期限があり、怠ると罰金の対象になります。依頼先に人事の手続を回す人がいない場合、この届出が誰の担当にもならないまま過ぎることがあります。この記事は、外国人雇用状況の届出を依頼先の運用に組み込むための前提を、厚生労働省の記載に沿って整理したものです。結論を先に書くと、届出は労働施策総合推進法第28条に基づく事業主の義務で、対象は特別永住者と在留資格「外交」「公用」を除く外国人労働者です。期限は雇用保険の被保険者になるかどうかで分かれ、被保険者になる場合は雇入れが翌月10日まで・離職が翌日から起算して10日以内、被保険者にならない場合は雇入れも離職も翌月末日までとされています。届出を怠ったり虚偽の届出を行った場合には30万円以下の罰金の対象になります。副業の人事が持つのは、確認と届出を採用の流れに組み込み、誰が出すかを決めるところまでで、個別の判断や手続の代行は社会保険労務士にご確認ください。在留資格の確かめ方は外国人雇用と在留資格に、特定技能と技能実習は特定技能・技能実習の実務にまとめています。

届出の根拠と、対象になる人

根拠。厚生労働省は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)に基づき、事業主に届出を義務づけている、としています。同法第28条は、事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合またはその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格、在留期間その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない、と定めています。

対象。厚生労働省の説明では、対象は外国人労働者(在留資格「外交」「公用」および特別永住者を除く)です。特別永住者については、特別の法的地位が与えられており日本における活動に制限がないため、届出制度の対象外とされ、確認・届出の必要はないとされています。

注意すべき点。アルバイト等で雇用保険の被保険者にならない人も対象に含まれます。厚生労働省の資料のチェックリストにも、「アルバイト等の雇用保険被保険者とならない外国人労働者も含め、日本国籍を持たない方で、特別永住者並びに在留資格が『外交』及び『公用』以外の外国人に対する届出をしている」という項目があります。依頼先が「正社員だけ届け出ればよい」と思っていることがあるので、最初に確かめます。

期限と方法:雇用保険の被保険者かどうかで分かれる

区分雇入れの届出離職の届出方法
雇用保険の被保険者になる雇い入れた日の属する月の翌月10日まで(雇用保険の資格取得届と併せて)離職した日の翌日から起算して10日以内(資格喪失届と併せて)e-Gov から申請
雇用保険の被保険者にならない雇い入れた日の属する月の翌月末日まで離職した日の属する月の翌月末日まで外国人雇用状況届出システムから申請、またはハローワークに書面で提出

厚生労働省の指針も同じ整理で、被保険者資格を有する外国人労働者については雇用保険法施行規則の届出と併せて必要事項を届け出ること、有さない外国人労働者については様式第三号に必要事項を記載して届け出ること、としています。届出先は、事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)の長です。

罰則。厚生労働省は、届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金の対象になる、としています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、この届出で結果が分かれるのは、知識ではなく「採用の流れのどこに工程を置くか」です。相談で見ていると、届出が漏れる依頼先には共通の形があります。在留資格の確認は面接の担当者がやり、雇用保険の手続は総務がやり、届出だけが誰の担当にもなっていない、という形です。特に、雇用保険の被保険者にならないアルバイトは、雇用保険の手続が発生しないので、届出も一緒に落ちます。期限も被保険者の場合と違い、翌月末日までなので、月をまたいで忘れます。

副業の人事が入るなら、最初にやるのは知識を教えることではなく、採用の流れの図に「在留カード等の確認」「届出」の二つの工程を書き込み、それぞれ誰がやるかを名前で決めることです。あわせて、雇用保険の被保険者になる人とならない人で期限が違うことを、期限の一覧にして渡します。依頼先に社会保険労務士がいるなら、届出を社労士が持つのか社内が持つのかも決めておきます。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、「手続を落とさない運用を作れる」ことは、人事の実務を任せたい依頼先が見ている点の一つです。

何を確認して、何を届け出るか

厚生労働省の指針は、確認し届け出るべき事項を、雇用保険の被保険者資格を有するかどうかで分けて定めています。

被保険者資格を有する場合。氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域のほか、職種、賃金、住所等の雇用保険の資格取得届または資格喪失届に記載すべき事項。中長期在留者については、これらに加えて在留カードの番号。

被保険者資格を有さない場合。氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域。中長期在留者については、これらに加えて在留カードの番号。

在留資格に関する追加の事項。資格外活動の許可を受けて就労する人を雇い入れる場合は当該許可の有無、特定技能の在留資格の人については法務大臣が指定する特定産業分野、特定活動の在留資格の人については法務大臣が特に指定する活動が含まれます。

確認の方法。在留カード(在留カードを所持しない人は旅券または在留資格証明書)の提示を求めて確認します。資格外活動の許可を受けて就労する人については、資格外活動許可書や就労資格証明書を含めて確認するとされ、特定技能や特定活動の人については、在留カードに加えて指定書の提示を求めるとされています。

確認を求める範囲。指針は、通常の注意力をもって外国人であると判断できる場合に確認すること、としています。氏名や言語などから外国人であることが一般的に明らかである場合をいい、通称として日本名を用いていて日本語が堪能な人など、通常の注意力では判断できない場合にまで確認を求めるものではない、とされています。あわせて、必要な事項以外の確認・届出は必要がなく、プライバシーの保護の観点から十分に留意するように、と書かれています。

採用の流れへの組み込み方

副業の人事が実際に作るのは、次の形です。

工程いつ誰が残すもの
求人票に就労できる在留資格の条件を書く募集の前人事求人票
在留カード等の提示を求めて確認する内定の前後人事(面接の担当者ではなく手続を持つ人)確認の記録(必要な事項のみ)
在留期間の満了日を記録する確認のとき人事在留期間の一覧と、更新の時期の予定
雇用保険の被保険者になるかを判定する入社の手続のとき人事・総務(社労士がいれば連携)判定の記録
届出を出す被保険者:翌月10日まで/非被保険者:翌月末日まで決めた担当者届出の控え
離職時の届出を出す被保険者:翌日から10日以内/非被保険者:翌月末日まで決めた担当者届出の控え

要点は、確認を「面接の担当者」ではなく「手続を持つ人」の工程にすることと、雇用保険の被保険者にならない人の届出を別枠で管理することです。アルバイトの採用が多い依頼先では、月末に「今月入った非被保険者の外国人労働者」を一覧で確かめる運用を作ると、落ちにくくなります。あわせて、指針が定める雇用労務責任者(外国人労働者を常時10人以上雇用するときに選任する、人事課長等)の要否も確かめます。届出の手続の代行や個別の判断は、社会保険労務士にご確認ください。

エラベルの見解

外に出してよいのは、採用の流れへの工程の組み込み、確認の様式、期限の一覧、非被保険者の管理の仕組み、雇用労務責任者の要否の整理までで、「この人は雇用保険の被保険者に当たるか」「この届出はこの内容でよいか」「届出の代行」は、社会保険労務士の範囲です。届出そのものは事業主が行う手続で、社会保険労務士以外が業として代行できる範囲には限りがあるので、副業の人事が「私が出しておきます」と引き取る前に、依頼先の社労士と役割を確かめます。

担当する側から見ると、この案件で信頼されるのは、「自分が出す」ことではなく「落ちない仕組みを作って、誰が出すかを決める」ことです。依頼先に社労士がいれば、確認の記録を社労士に渡す形を作り、いなければ、依頼先の誰が出すかを名前で決めて、期限の一覧を渡します。副業の人事がいなくなっても回る形にしておくと、契約が終わった後も依頼先に残ります。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、「いなくなっても回る形を作る」人は、次の依頼にもつながっています。

まとめ

よくある質問

依頼先が、過去の届出を出していなかったことが分かりました

まず、対象になる人と期間を洗い出し、依頼先から管轄のハローワークに相談してもらいます。副業の人事が判断して「出さなくてよい」「まとめて出せばよい」と決める場所ではありません。あわせて、なぜ落ちたのか(確認の工程が面接の担当者にあった、非被保険者が管理されていなかった、担当者が決まっていなかった)を見て、同じことが起きない運用に直します。届出の内容や過去分の扱いは、社会保険労務士かハローワークにご確認ください。運用の直し方は法改正の追い方と情報源の考え方が使えます。

在留期間が切れそうな社員がいます。届出は要りますか

届出は雇入れと離職のときの手続で、在留期間の更新そのものについての届出ではありません。ただし、在留期間の満了日を過ぎて就労させることはできないので、採用の時点で満了日を記録し、更新の時期を人事の予定に入れる運用が要ります。更新の手続は本人が行うもので、依頼先ができるのは、時期を把握して本人に確かめ、必要な書類の準備に協力することです。在留資格の更新の可否や手続の個別の判断は、行政書士や弁護士にご確認ください。在留資格の見方は外国人雇用と在留資格に整理しています。

副業の人事が、届出を代わりに出してもよいですか

届出は事業主が行う手続で、業として代行できる範囲には限りがあります。依頼先に社会保険労務士がいる場合は、確認の記録を社労士に渡す形にし、いない場合は、依頼先の誰が出すかを決めて、期限の一覧と様式を渡します。副業の人事が「出しておきます」と口頭で引き取ると、期限が来たときに誰も出していない、ということが起きます。受ける範囲に手続そのものを入れるかどうかは、契約の前に決めておきます。受ける前に確認することは人事の副業の始め方に、範囲の線の引き方は採用代行と職業安定法に整理しています。

出典