ヘッドハンターの副業単価の目安と案件の見つけ方|幹部の要件定義と探し方の設計を成果物にし、紹介にあたる仕事とは線を引く

経歴別の人事副業ヘッドハンター 更新日 2026-10-16

ヘッドハンターとして経営幹部や専門職を探してきた人は、経営者から本当に求める人の像を引き出し、転職市場に出てこない人を探し出し、口説いて動かしてきた経験を持っています。幹部の採用に困っている会社にとって、この経験は大きな価値があります。ただし、人を探して引き合わせる仕事をしてきた人が副業をするときは、自分が「紹介」をしていないかに、とくに注意が要ります。結論から書くと、ヘッドハンターの副業単価は、幹部の要件定義と探し方の設計を成果物にして値付けし、候補者を引き合わせる仕事は有料職業紹介の許可が要るおそれがあるため受けないことが前提になります。

人事の副業の単価には公的な統計がなく、案件の範囲や依頼先で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順と、案件の見つけ方を書きます。ヘッドハンターの経験の何が売れるかはヘッドハンターが副業でできることで詳しく書いています。

紹介にあたる仕事との線引き

まず、線引きを確かめておきます。職業安定法第4条は、職業紹介を、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることと定めています。同法第30条は、有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないと定めています。

ヘッドハンターの本業そのものである「候補者を探して、報酬を受けて引き合わせる」仕事を副業で行うと、職業紹介にあたるおそれがあります。副業として受けるのは、依頼先の会社が自分で幹部を探し、口説き、迎えるための設計と支援に絞ってください。どこまでが受けられる範囲かは事案によって判断が分かれるため、判断に迷う場合は労働局や弁護士に確かめてください。

依頼先が自分で探すための設計を値付けする

ヘッドハンターの経験は、依頼先が自分で幹部を探し、迎えるための作業に置き換えると、値付けしやすくなります。

ヘッドハンターとしての経験副業で切り出せる作業時間が増える条件
経営者から求める人の像を引き出してきた幹部の要件定義(役割・権限・最初の一年で期待すること)経営陣の考えがそろっていない
転職市場に出てこない人を探してきた依頼先が自分で探すための経路の設計(人のつながり、スカウトの対象の条件)対象の人が限られる
候補者を口説いてきた経営者が候補者と会うときの伝え方と、面談の進め方の準備経営者が慣れていない
条件の交渉に付き合ってきた幹部の条件の考え方と、提示の幅の整理社内の処遇との釣り合いが難しい

成果物ごとに時間を見積もり、自分の時間単価を掛けます。時間単価の考え方は本業の年収と副業単価の関係で書いています。幹部の要件定義は、経営陣の考えをそろえるところから始まることが多く、聞き取りの時間を多めに見積もってください。

エラベルの見解

ヘッドハンターの副業でよくある失敗は、依頼先から「誰かいい人を知りませんか」と頼まれ、知人を引き合わせてしまうことです。ヘッドハンターは多くの人のつながりを持っているため、依頼先はそれを期待します。けれども、報酬を受けて人を引き合わせると、職業紹介にあたるおそれがあるうえ、本業の会社との競業にもなりかねません。

担当する側から見ると、価値があるのは、依頼先の経営者が自分で幹部を探し、口説けるようにすることです。要件を言葉にし、探す経路を設計し、経営者が候補者と会うときの伝え方を一緒に準備する。人を引き合わせる代わりに、探す力を依頼先に残せる人は、長く頼られます。

候補者の情報と、前職の秘密の扱い

幹部の採用の支援では、候補者の経歴や処遇、前職での立場など、とくに慎重に扱うべき情報に触れます。職業安定法第5条の5は、求人者や募集受託者などに、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者等の個人情報を集め、その目的の範囲内で保管・使用することを求めています。依頼先の候補者の情報は、依頼先との間で決めた範囲で扱い、契約が終わったらどう消すかも決めてください。

幹部の候補者は、前職の経営の情報に触れていることが多くあります。不正競争防止法第2条第6項は、営業秘密を、秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないものと定めています。依頼先の経営者が候補者と会うときに、前職の具体的な経営の情報を聞き出さないよう、聞いてよい範囲を一緒に決めておいてください。個別の判断は弁護士にご確認ください。

本業との競業と、受けるときの条件

ヘッドハンティングの会社に勤めながら副業をする場合は、本業との関係にとくに注意が要ります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、労働者は副業・兼業を希望する場合にも、まず自身が勤めている企業の副業・兼業に関するルールを確認する必要があるとし、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要であるとしています。本業の顧客や、本業で接している候補者に関わる仕事は、副業では受けないでください。

業務委託で受ける場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。受ける作業の範囲に、候補者を引き合わせる仕事が含まれていないことも、契約のときに確かめてください。20万円を超える副収入がある場合は、確定申告が必要です。個別の判断は弁護士・税理士にご確認ください。

エラベルの見解

もう一つ見てほしいのは、ヘッドハンターの経験は、幹部の要件定義だけでも大きな価値になるということです。幹部の採用がうまくいかない会社の多くは、どんな人が欲しいのかが経営陣の中でそろっていません。「優秀な人」「経験のある人」という言葉のまま探し始め、会ってみて「何か違う」となることを繰り返しています。

最初の一年で何を担ってほしいのか、どこまでの権限を渡すのか、既存の役員とどう役割を分けるのかを言葉にする作業は、ヘッドハンターとして多くの経営者と話してきた人ならではの成果物です。要件定義を独立した成果物として受けると、依頼先にとっての価値がはっきりします。

まとめ

よくある質問

ヘッドハンターの副業単価の相場はいくらですか

案件の範囲や依頼先によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。要件定義や探し方の設計など成果物ごとに時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。

知人の経営幹部を依頼先に紹介してもよいですか

報酬を受けて人を引き合わせる形は、職業紹介にあたるおそれがあり、有料職業紹介の許可が要ることがあります。本業との競業にもなりかねないため、受けないでください。判断に迷う場合は、労働局や弁護士に確かめてください。

依頼先の経営者が候補者と会うとき、何を準備すればよいですか

会社の方針と、候補者に担ってほしい役割、最初の一年で期待することを、経営者が自分の言葉で話せるように準備してください。前職の具体的な経営の情報を聞き出さないよう、聞いてよい範囲も決めておくと安心です。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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