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外国人雇用と在留資格|就労できる範囲の確かめ方と、副業の人事が持つ線

公開 2026-09-22

副業で人事を受けていると、依頼先から「外国人の応募が来たが、採用してよいか」と聞かれることがあります。ここで「在留カードを見れば分かります」とだけ答えると、在留カードのどこを見るのか、在留資格の名前を見た後に何を確かめるのかが抜けます。逆に「専門家に聞いてください」で止めると、依頼先は応募者を待たせたまま動けません。この記事は、外国人の採用に関わるときに副業の人事が知っておく前提を、出入国在留管理庁の記載と厚生労働省の指針に沿って整理したものです。結論を先に書くと、在留資格は「就労が認められるもの(活動の内容に応じたもの)」「就労が認められないもの」「身分や地位に基づくもの(就労に制限がないもの)」に分かれ、就労できるかどうかは在留資格ごとに決まっています。就労が認められない在留資格の人をアルバイト等で雇うには資格外活動許可が必要で、包括許可は原則として週28時間以内とされています。そして、労働関係法令と社会保険関係法令は国籍にかかわらず適用されます。副業の人事が持つのは、確認の手順を作り、依頼先の運用に落とすところまでで、個別の判断は行政書士や弁護士、届出や社会保険の手続は社会保険労務士にご確認ください。届出の実務は外国人雇用状況の届出に、特定技能と技能実習は特定技能・技能実習の実務にまとめています。

在留資格は三つに分かれる

出入国在留管理庁の在留資格一覧表では、在留資格は「日本で行う活動内容に応じたもの」と「身分や地位に応じたもの」に分かれ、前者はさらに就労が認められるものと認められないものに分かれています。採用の場面では、この三つの区別が出発点になります。

区分在留資格の例就労の扱い
就労が認められる(活動に応じた)教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習その在留資格で認められた活動の範囲内で就労できる
就労が認められない文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在就労はできない。資格外活動許可を受けた範囲での就労は可能
身分や地位に応じた永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者就労に制限がない

要点は、「就労が認められる在留資格を持っている」ことと「その仕事をしてよい」ことが別だということです。一覧表では、たとえば「技術・人文知識・国際業務」の該当例として機械工学等の技術者、通訳、デザイナー等が挙げられ、「技能」の該当例として外国料理の調理師、スポーツ指導者等が挙げられています。在留資格ごとに認められた活動の範囲があり、その範囲を外れる仕事をさせることはできません。依頼先が「エンジニアとして採るつもりだったが、入社後に営業をしてもらいたい」と言い出したときに、この点が問題になります。

確認の手順:在留カードで何を見るか

厚生労働省の指針は、事業主が確認すべき事項と確認の方法を定めています。届出との関係もあるので、確認の手順は依頼先の運用に落としておきます。

何を見るか。指針では、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域のほか、中長期在留者については在留カードの番号を確認することとされています。資格外活動の許可を受けて就労する人を雇い入れる場合は当該許可の有無、特定技能の在留資格の人については法務大臣が指定する特定産業分野、特定活動の人については法務大臣が特に指定する活動も含まれます。

どう見るか。指針では、在留カード(在留カードを所持しない人は旅券または在留資格証明書)の提示を求めて確認する方法が示されています。資格外活動の許可を受けて就労する人については、在留資格証明書に許可を受けている旨が記載されていない場合、資格外活動許可書や就労資格証明書も含めて確認するとされています。特定技能や特定活動の人については、在留カードに加えて指定書の提示を求めて確認するとされています。

誰に求めるか。指針は、通常の注意力をもって外国人であると判断できる場合に確認すること、とし、氏名や言語などから外国人であることが一般的に明らかである場合をいう、と説明しています。通称として日本名を用いていて日本語が堪能な人など、通常の注意力では判断できない場合にまで確認を求めるものではない、とも書かれています。あわせて、確認・届出が必要な事項以外の確認は必要がなく、プライバシーの保護の観点から十分に留意するように、ともされています。

副業の人事がやること。依頼先の採用の流れに、「内定を出す前に在留カードの提示を求めて、指針の事項を確認する」工程を入れ、確認の記録の様式を作ります。応募の段階で国籍を聞く運用にはせず、確認は内定の前後の段階に置きます。在留資格の該当性の個別の判断は、行政書士や弁護士にご確認ください。

エラベルの見解

担当する側から見ると、外国人の採用の支援で難易度が分かれるのは、「在留資格を知っているか」ではなく「依頼先の仕事の中身を、在留資格の活動の範囲と突き合わせられるか」です。相談で見ていると、つまずく形は、在留カードの在留資格の名前だけを見て「就労できる資格だから大丈夫」と進め、入社後に任せる仕事がその在留資格で認められた活動の範囲から外れていた、というものです。副業の人事は依頼先の職務の中身を要件定義で扱う立場にいるので、「この人に任せる仕事は、この在留資格の活動の範囲に入るか」を確かめる工程を、要件定義の段階で入れられます。

もう一つは、在留期間です。一覧表では在留資格ごとに在留期間が定められており、更新の手続が要ります。採用の時点で在留期間の満了日を記録し、更新の時期を人事の年間の予定に入れておく運用を作れる人は、依頼先にとって価値があります。エラベルでは、依頼側が担当者の経歴を見て選ぶ仕組みなので、外国人の採用に関わった経験がある人は、「在留資格と職務の突き合わせと、在留期間の管理の運用を作れる」と経歴に書いておくと、この案件で選ばれやすくなります。

資格外活動許可と、週28時間

どういう制度か。出入国在留管理庁の説明では、資格外活動許可は、許可された在留資格に応じた活動以外で収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行う場合に必要とされています。永住者や定住者など身分や地位に基づく在留資格は対象外とされています。

包括許可と個別許可。個別許可は、雇用主である企業等の名称、所在地、業務内容等を個別に指定するもので、包括許可は、企業等の名称や所在地や業務内容等を指定しないものです。包括許可の条件として、原則として1週について28時間以内であること、活動場所において風俗営業等が営まれていないこと、が示されています。

留学生の長期休業期間。「留学」の在留資格に係る資格外活動許可の説明では、通常時は1週について28時間以内、長期休業期間中は1日について8時間以内、とされています。

副業の人事がやること。依頼先が留学生をアルバイトで雇う場合、資格外活動許可の有無を在留カード等で確認する工程と、1週28時間(長期休業期間中は1日8時間)を超えないようにシフトを組む運用を作ります。複数の勤務先で働いている場合の時間の扱いを含め、個別の判断は行政書士や弁護士にご確認ください。厚生労働省の指針でも、留学生をアルバイト等で雇用する場合には資格外活動許可が必要であり、資格外活動は原則として週28時間以内に制限されていることに留意するように、と書かれています。

労働関係法令は、国籍を問わず適用される

厚生労働省の指針は、労働者の国籍にかかわらず、労働施策総合推進法、職業安定法、労働者派遣法、雇用保険法、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、労働契約法、労働組合法、短時間・有期雇用労働法、男女雇用機会均等法、健康保険法、厚生年金保険法等の労働関係法令および社会保険関係法令が適用されるものだ、と明記しています。そのうえで、事業主は外国人労働者についてもこれらを遵守し、その在留資格の範囲内で、適正な労働条件および安全衛生の確保や、労働・社会保険の適用、人事管理の運用の透明性および公正性の確保や生活支援等を通じて、能力を有効に発揮しつつ就労できる環境が確保されるよう、適切な措置を講ずるべきだ、としています。

指針は、外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長等を雇用労務責任者として選任することも定めています。在留資格ごとの措置としては、特定技能の人については一号特定技能外国人支援と必要な届出等を適切に実施すること、技能実習生については技能実習の適正な実施と保護の基本方針の内容に留意すること、留学生については新規学卒者等の採用の際に留学生であることを理由に対象から除外しないこと、在留資格の変更の許可に要する期間を考慮して採用活動を行うよう努めること、が挙げられています。

依頼先が「外国人だから最低賃金より低くてよい」「社会保険は入れなくてよい」と考えている場合、この指針の記載を示して、国籍を問わず適用されることを伝えます。個別の適用の判断と手続は、社会保険労務士にご確認ください。

エラベルの見解

外に出してよいのは、確認の手順と様式、要件定義での職務と在留資格の突き合わせ、在留期間の管理の運用、資格外活動許可がある人のシフトの組み方、指針に沿った雇用管理の見直しの提案までで、「この人はこの在留資格で就労できるか」「この職務は在留資格の活動の範囲に入るか」「在留資格の変更や更新が認められるか」といった個別の判断は、行政書士や弁護士の範囲です。届出や社会保険の手続は社会保険労務士の範囲になります。副業の人事が「この人は雇えます」と言い切る場所ではありません。

担当する側から見ると、この線を最初に伝えられる人が、結局いちばん役に立ちます。「私は確認の手順と運用を作ります。個別の可否の判断は専門家に確認してください。確認するときに必要な情報は私が整理します」と言っておくと、依頼先は応募者を待たせずに済み、専門家に聞くときも話が早くなります。線を伝えずに「調べておきます」と引き取ると、判断が副業の人事のところで止まり、応募者が他社に決まります。エラベルでは、依頼側が担当者を選べるので、この線を示して運用を作れる人は、外国人の採用が増えている依頼先から選ばれています。

まとめ

よくある質問

応募の段階で「在留資格は何ですか」と聞いてよいですか

厚生労働省の指針は、確認・届出に必要な事項以外の確認は必要がなく、プライバシーの保護の観点から十分に留意するように、としています。応募の段階で全員に国籍や在留資格を聞く運用にせず、選考が進んで内定を出す前後の段階で、就労できる在留資格かどうかを在留カード等で確認する工程を置く形が無難です。求人票には「就労可能な在留資格をお持ちの方」のように条件を書いておくと、応募者の側も判断できます。差別的な取扱いにならない書き方の個別の判断は、専門家にご確認ください。運用の整備の進め方は法改正の追い方と情報源に整理しています。

採用後に、任せる仕事が変わったらどうすればよいですか

在留資格ごとに認められた活動の範囲があるので、任せる仕事が変わるときは、その仕事が同じ在留資格の範囲に入るかを確かめます。範囲から外れる場合は、在留資格の変更の手続が必要になることがあります。依頼先には、「職務を変えるときは、事前に在留資格の範囲に入るか確かめる」工程を、異動や配置転換の手順に入れてもらいます。指針でも、留学生を採用する際には在留資格の変更の許可を受ける必要があることに留意し、審査に要する期間を考慮して採用活動を行うよう努めること、とされています。個別の判断は行政書士や弁護士にご確認ください。

副業の人事が、外国人の採用の案件を受けるときに確かめることは

受ける前に、依頼先に行政書士や弁護士がいるか、いない場合は誰が個別の可否を判断するかを確かめます。いない場合は、「私は運用を作りますが、可否の判断は専門家に確認する必要があります」と伝え、依頼先が専門家を探す判断ができるようにします。あわせて、届出(雇入れと離職のハローワークへの届出)を誰が持つかも決めておきます。届出は期限があり、怠ると罰金の対象になるので、範囲の外に置いたまま始めないようにします。届出の実務は外国人雇用状況の届出に、受ける前に確認することは人事の副業の始め方に整理しています。

出典