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ポートフォリオの作り方|職務経歴書と違い、「成果物」と「変化」を一枚ずつ見せる

公開 2026-09-12

デザイナーやライターの副業ではポートフォリオが当たり前ですが、人事の副業では、何を見せればよいか分かりにくい。「作ったもの」が、文面や制度や仕組みで、見せにくいからです。結論を先に書くと、人事の副業のポートフォリオは、職務経歴書とは別に、「課題と変化」「成果物の見本」「進め方の型」を一枚ずつ見せる資料です。守秘を守って抽象化しても、依頼側は「この人の仕事の質」を判断できます。実績の示し方は実績の示し方に、副業用の職務経歴書は副業用の職務経歴書にまとめています。

職務経歴書との違い

職務経歴書とポートフォリオは、役割が違います。

職務経歴書ポートフォリオ
目的経歴の全体を示す仕事の質を見せる
中身いつ、どこで、何を担当したかどんな課題に、何を作り、何が変わったか
時系列の文章案件ごとの一枚
依頼側の見方経験の有無を確認する「うちの課題に、この質で対応してもらえるか」を判断する
分量二〜三枚三〜五枚。案件ごとに一枚

職務経歴書は「何をしてきたか」、ポートフォリオは「どうやってきたか」です。依頼側は、職務経歴書で経験の有無を確認し、ポートフォリオで質を判断します。両方あると、依頼側の判断が速くなります。

人事の副業で、ポートフォリオが無い人は多い。あるだけで、依頼側の印象は変わります。

ポートフォリオに入れる五つの要素

ポートフォリオには、次の五つを入れます。

一.課題と変化(案件ごとに一枚)。 実績の示し方で書いた「課題・打ち手・変化」を、一つの案件につき一枚に。業種と規模、課題、打ち手、変化の前後、期間、自分の関与の範囲。

二.成果物の見本。 実際に作ったものの見本。スカウトの文面(会社名と個人を伏せて)、対象の基準の書面、面接の観点と質問の一覧、求人票、レポートの型。守秘を守って抽象化したもの。

三.進め方の型。 案件を受けたとき、どう進めるか。「最初の二週間で対象と文面を整え、三週目から送り、月に一度の定例で見直す」。依頼側は、契約後の流れを想像できます。

四.得意領域と、得意でない領域。 「スカウトの運用と面接の設計が得意。労務は専門家と連携」。得意でない領域を明示すると、信頼されます。

五.依頼側に求めること。 「成果を出すために、御社に求めること」。面談枠の確保、役割の定義、決める人。最初から示せば、契約後のずれが減ります。

五つのうち、一と二が核です。三から五は、依頼側との面談で話すことの先出しで、あれば面談が速く進みます。

守秘を守った見せ方

人事の成果物は、会社の情報と候補者の情報を含みます。守秘を守って見せる方法があります。

文面の見本は、会社名・役割の固有名詞・個人名を伏せる。 「〇〇(役割)を決める役割で、〇〇(課題)に詰まっています」の形に。文面の構造と言葉づかいは残る。

対象の基準は、業種を抽象化する。 「〇〇業界の〇〇職」を「BtoBの営業職」程度に。基準の作り方(経歴のどこを見るか)は残る。

面接の観点と質問は、そのまま見せられることが多い。 会社の固有の情報を含まなければ。

レポートの型は、数字を伏せるか、比率に。 型(項目と構成)が見せたいもので、数字は要らない。

求人票は、会社が特定される情報を伏せる。 役割の記述の書き方が見せたいもの。

依頼先の了承を得る。 副業の依頼先には、「抽象化した形で見本として使ってよいか」を聞いておく。了承があれば安心。前職の分は、秘密保持契約を確認。

自分で作った「見本用」を用意する。 実際の案件の成果物を使えない場合、架空の会社を想定して、見本を作る。「見本用に作ったもの」と明示すれば、質は伝わる。

守秘を守っても、成果物の質は見せられます。固有名詞と数字を伏せても、構造と言葉づかいと考え方は残るからです。

形式と分量

ポートフォリオの形式と分量の目安です。

形式。 PDFが扱いやすい。依頼側にメールで送れ、面談で画面に出せる。ウェブページの形もあるが、公開範囲に注意。

分量。 三〜五枚。案件ごとの「課題と変化」が二〜三枚、成果物の見本が一〜二枚、進め方・得意領域・依頼側に求めることが一枚。長いと読まれない。

一枚の構成。 上に課題、中に打ち手、下に変化。見出しと箇条書きで、一目で分かる形。文章を長く書かない。

順番。 依頼側の課題に近い案件を、最初に。全部の案件を入れず、依頼側ごとに選んで三つ程度。

見せる場面。 最初の連絡で職務経歴書と一緒に送るか、面談の前に送るか、面談で見せるか。依頼側の課題を聞いてから、合う案件を選んで送る形が、最も響く。

汎用版と、依頼側向けの版。 汎用版を一つ持ち、依頼側の課題に合わせて案件を入れ替えた版を作る。入れ替えは、順番と選択だけで、一枚ずつは使い回せる。

ポートフォリオは、一度作れば、案件ごとに順番を変えるだけで使えます。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「職務経歴書だけを送って、面談で『具体的にどんな文面を書くのか』と聞かれ、その場で説明して伝わらなかった」というものです。文面の質は、口頭では伝わりません。見本が一枚あれば、依頼側は一目で判断できました。人事の副業で、成果物を見せる習慣が無いことが、機会を逃しています。

見ていて差がつくのは、受ける側が「見本を一枚持っている」かどうかです。持っている人は、面談で「こういう文面を書きます」と見せ、依頼側は質を判断できます。持っていない人は、「こういう感じで」と口頭で説明し、依頼側は判断を保留します。

受ける側にできるのは、成果物の見本を一枚、守秘を守った形で作っておくことです。実際の案件の成果物を使えないなら、見本用に作る。一枚あるだけで、面談の進み方が変わります。

更新の周期

ポートフォリオは、案件が終わるたびに更新します。

案件が終わったら、一枚足す。 課題・打ち手・変化を、終わった時点でまとめる。時間が経つと、変化の数字も、打ち手の理由も、思い出せなくなる。

古い案件は、下に回すか外す。 直近の案件を上に。数年前の案件は、依頼側の課題に合う場合だけ残す。

成果物の見本は、最も良いものに入れ替える。 文面の型が改善したら、新しい見本に。

得意領域は、実績に合わせて更新する。 案件を重ねて、得意が変わったら、書き換える。

四半期に一度、全体を見直す。 依頼側の課題の傾向が変わっていれば、順番と選択を変える。

更新の手間は、案件ごとに一枚を足すだけです。溜まった一枚が、次の案件の材料になります。

ポートフォリオが無くても始められる形

副業を始めたばかりで、ポートフォリオに入れる案件が無い。その場合の始め方です。

本業の実績を、一枚にする。 本業で担った課題・打ち手・変化を、守秘を守って一枚に。副業か本業かは、依頼側にとって関係ない。

見本用の成果物を作る。 架空の会社を想定して、スカウトの文面、対象の基準、面接の観点を作る。「見本用に作成」と明示。質は伝わる。

進め方の型と、得意領域と、依頼側に求めることを、一枚に。 案件が無くても、これは書ける。「こう進めます、これが得意です、これをお願いします」。考えの具体性が、実績の代わりになる。

最初の案件を、ポートフォリオを作る案件として受ける。 小さく、範囲を絞って、変化を出せる案件を。終わったときに、一枚目ができる。

依頼側に、率直に伝える。 「副業としての実績はまだ無いが、本業でこういう課題を解いた。御社の課題なら、こう進める」。実績の無さを隠すより、考えの具体性で。

ポートフォリオは、あれば有利ですが、無いと始められないものではありません。見本と考えで始めて、一件目で一枚目を作ります。

エラベルの見解

担当する側から見ると、ポートフォリオで最も困るのは「成果物の見本が、守秘を破っている」ことです。前職の会社名が残っている文面、候補者の氏名が読める記録、依頼先の数字がそのまま。見せられた側は、「この人は、うちの情報も次の依頼側に見せるのでは」と感じます。ポートフォリオの質より、守秘の意識が疑われます。

守秘を守った見本は、固有名詞と数字を伏せても、質は伝わります。伏せる手間を惜しんで、そのまま見せることは、信頼を失います。

受ける側にできるのは、見本を作るときに「この見本を、前の依頼先に見せても問題ないか」を自分に問うことです。問題があるなら、伏せるか、見本用に作り直す。それが、依頼側に「守秘を守る人」と見られる条件です。

まとめ

よくある質問

人事の副業で、ポートフォリオは本当に要りますか

無くても始められますが、あると依頼側の判断が速くなります。特に、成果物の見本(スカウトの文面、面接の観点など)は、口頭では伝わらない質を、一枚で伝えます。職務経歴書だけでは、「経験はある」までしか伝わらず、「質はどうか」を面談で確かめられることになります。

成果物を見せたいのですが、守秘が心配です

会社名・役割の固有名詞・個人名を伏せ、数字は比率に、業種は抽象化してください。文面の構造と言葉づかい、基準の作り方、面接の観点は、伏せても残ります。依頼先の了承が得られるなら得ておきます。使えなければ、架空の会社を想定した見本用を作り、「見本用に作成」と明示します。

ポートフォリオを、いつ依頼側に見せればよいですか

依頼側の課題を聞いてから、合う案件を選んで送る形が、最も響きます。最初の連絡で職務経歴書と一緒に汎用版を送り、面談の前に依頼側の課題に合わせた版を送り直す、という二段階も一つの形です。面談で画面に出して、成果物の見本を見せながら話すと、質が伝わります。