経験年数は単価にどう効くか|年数ではなく「同じ仕事を何回やったか」で見られる

報酬・契約・税務単価・契約・税務 更新日 2026-10-15

人事の副業を始めようとする人から、「人事歴が3年しかないのですが、単価はどのくらいで出せますか」「15年やっているので高めに出してよいですか」と聞かれることがあります。経験年数は分かりやすい物差しなので、単価の根拠にしたくなる気持ちは自然です。ただ、依頼側が単価を判断するときに見ているのは、年数そのものではありません。結論から書くと、同じ種類の仕事を何回、どの規模でやり切ったかが単価に効き、年数はその回数を推し量るための目安として使われているにすぎません。

この記事では、依頼側が年数の代わりに何を見ているかを整理し、年数が短い人と長い人それぞれの単価の考え方を書きます。収入の見込みは案件によって大きく異なり、ここで示すのは考え方です。

依頼側が年数の代わりに見ているもの

副業の人事に仕事を頼む会社は、たいてい何かに困っています。スカウトの返信が来ない、面接の辞退が多い、採用計画が立てられない、といった具体的な困りごとです。依頼側が知りたいのは、「この人は、うちと同じ困りごとを前に解いたことがあるか」です。

その判断の材料として、依頼側は次のようなことを確かめます。

経験年数は、この四つを一つずつ確かめる手間を省くための代わりの数字として使われます。10年やっていればそれなりの回数をこなしているだろう、という推測です。裏を返せば、四つを具体的に示せれば、年数の数字はあまり問われなくなります。

年数と単価が結びつく場合・結びつかない場合

経験年数が単価にそのまま効く場面もあります。年数の中身によって、単価への効き方は変わります。

年数の中身単価への効き方理由
同じ業務を規模を広げながら続けてきた効きやすい回数と規模の両方が年数に比例している
複数の会社・事業で同じ業務をした効きやすい環境が変わっても再現できることを示せる
同じ会社で同じ業務を同じ規模で続けた効きにくい回数は多くても、環境が一つしかない
管理職として部門運営をしてきた受ける業務による実務の案件では直接使われないことがある
人事の中で複数の領域を少しずつ経験した効きにくい一つの業務を深くやった回数が見えにくい

この表で注目してほしいのは、三行目です。同じ会社で同じ業務を長く続けてきた人は、本人の感覚では十分な経験があるのに、副業では単価が思ったほど出ないことがあります。依頼側から見ると、その会社のやり方でしかやったことがない可能性を否定できないからです。この場合は、年数を前に出すより、その会社の中でやり方を変えた経験(媒体を切り替えた、選考の段階を見直した)を具体的に示したほうが単価の根拠になります。

エラベルの見解

担当者の経歴を見て単価を考えるとき、私たちは年数より先に「立ち上げ」と「立て直し」の回数を数えます。仕組みがない状態から採用を始めた経験と、うまくいっていない採用を直した経験です。副業で依頼が来る案件の多くは、このどちらかだからです。

人事歴12年でも、ずっと整った仕組みを回してきた人は、立ち上げの案件では最初の数か月で戸惑うことがあります。逆に人事歴4年でも、小さな会社で採用を一から作った経験が2回ある人は、同じ種類の案件で初月から動けます。依頼側にとって価値が高いのは後者で、単価もそれに合わせて出せます。経歴を整理するときは、年数の横に「立ち上げ◯回・立て直し◯回」と書き出してみてください。単価の根拠がどこにあるかが見えてきます。

年数が短い人の単価の考え方

人事の経験が数年の人でも、副業の単価を控えめにしすぎる必要はありません。考え方は二つあります。

一つ目は、受ける業務を経験の深い範囲に絞ることです。人事全般を広く受けようとすると、経験の浅い領域が混ざって単価の根拠が弱くなります。たとえば、スカウト運用を2年間集中してやってきたなら、スカウト運用だけを受けます。範囲が狭いぶん、その範囲での回数と結果を示しやすく、単価も出しやすくなります。

二つ目は、最初の1〜2件で記録を作ることです。副業の実績がないうちは、依頼側も判断材料が少なく、単価は控えめになりがちです。その代わり、最初の案件で稼働時間と結果を記録しておけば、次の案件では「前の案件では月14時間で返信率がこう変わった」と示せます。副業での実績は、本業の年数よりも依頼側に伝わりやすい根拠になります。報告の仕方は単価の上げ方でも書いています。

年数が長い人が単価を上げられないとき

経験が十年を超えているのに、副業の単価が思うように上がらないことがあります。原因はたいてい次のどれかです。

三つ目は、本人が気づきにくい点です。依頼側の多くは、本業の会社より規模が小さく、予算も人手も限られています。大きな会社で通用したやり方をそのまま当てはめると、依頼側には重すぎることがあります。年数が長い人ほど、相手の規模に合わせて手順を削る力が問われます。この力を示せると、年数が単価にきちんと反映されるようになります。経歴の売り方は大手人事の経験は単価に効くかでも扱っています。

エラベルの見解

経験が長い人の単価の出し方で、もう一つ伝えたいことがあります。時間単価ではなく、短い時間で終わることに値段を付けるという考え方です。経験が長い人は、同じ業務を経験が浅い人より短い時間で終えられることが多くあります。時間単価で受けると、早く終わるほど請求額が減るという、経験が長いほど損をする形になります。

たとえば、面接の評価基準を作る仕事なら、経験の浅い人が20時間かけるところを8時間で作れるかもしれません。この場合は時間単価で出すより、「評価基準の作成一式で◯円、2週間で納品」と成果物単位で出したほうが、経験の長さが金額に表れます。依頼側にとっても、総額が先に分かるほうが判断しやすくなります。

まとめ

よくある質問

人事の経験が1〜2年でも副業はできますか

できる案件はあります。ただし、人事全般を受けるのではなく、本業で集中してやってきた業務に絞ったほうが単価の根拠を作りやすくなります。最初の案件で稼働時間と結果を記録しておくと、次の案件で示せる材料になります。本業の会社の副業規程も先に確認してください。

経歴書に経験年数は書かないほうがよいですか

書いて構いません。ただし年数だけで終わらせず、その年数の中で何を何回やったかを添えてください。「人事歴8年」より「人事歴8年、うち採用の立ち上げ2社・スカウト運用4職種」のほうが、依頼側は単価を判断しやすくなります。書き方は職務経歴書の書き方で詳しく扱っています。

年数が長いのに単価を下げてほしいと言われました

まず、依頼側が想定している業務の範囲と、自分の見積もりの前提が合っているかを確かめてください。範囲が想定より狭ければ、それに合わせて見積もりを直すのが筋です。範囲が同じなのに単価だけを下げてほしいと言われた場合は、作業の一部を依頼側に持ってもらうなど、範囲の調整で応える方法を検討してください。

出典

本記事は 2026-10-15 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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