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副業案件の面談で聞かれること|「できますか」より「どう進めますか」に答える準備をする
副業の案件で、依頼側と面談することになった。転職の面接とは違うと分かっているが、何を聞かれ、どう答えればよいか分からない。結論を先に書くと、副業案件の面談で依頼側が確かめたいのは、「この人に、この課題を、この稼働で任せられるか」です。聞かれるのは「できますか」ではなく「どう進めますか」で、答えるのは経歴ではなく、依頼側の課題に対する具体的な進め方です。こちらから聞くべきことはこちらから聞くべき質問に、面談の後の条件の詰め方は条件のすり合わせで決めることにまとめています。
転職の面接との違い
副業案件の面談は、転職の面接と、確かめられることが違います。
| 転職の面接 | 副業案件の面談 | |
|---|---|---|
| 確かめること | 入社後の可能性、組織との相性、成長 | いま解ける課題、すぐ動けるか、稼働が合うか |
| 中心の質問 | 志望動機、経歴、強み弱み | 課題への見立て、進め方、実績、稼働 |
| 時間 | 複数回、各一時間 | 一回、三十分から一時間 |
| 決める人 | 人事と現場と経営 | 依頼側の担当者(採用担当か経営者) |
| 決まり方 | 選考の段階を経て | 面談で合えば、条件の話へ |
副業案件の面談は、「選考」というより「打ち合わせ」に近い。依頼側は、課題を話し、受ける側は、進め方を話す。合えば条件の話に進み、合わなければ終わる。
よく聞かれる六つ
副業案件の面談で、よく聞かれることは六つです。
一.課題への見立て。 「うちの状況を聞いて、どこに問題があると思いますか」。依頼側の課題を聞いたうえで、何が原因で、何から手をつけるかを問われます。
二.進め方。 「受けていただくとしたら、最初の一か月はどう進めますか」。具体的な手順と、期間と、依頼側にやってもらうこと。
三.実績。 「似た課題を扱ったことはありますか」。実績の示し方の「課題・打ち手・変化」で答える。
四.稼働と時間帯。 「週にどのくらい、いつ動けますか」「返信への対応は、どのくらいの速さでできますか」。固定できる時間と、時間帯の制約。
五.報酬。 「費用の目安を教えてください」。その場で金額を言わず、見積もりの手順を。見積もりの出し方の形で。
六.本業との関係。 「本業は何をされていますか」「副業は本業の会社に認められていますか」「競合ではないですか」。
六つに、事前に答えを用意しておきます。特に一と二は、依頼側の課題を聞いてからでないと答えられないので、聞く時間を面談の前半に取ります。
それぞれへの答え方
六つの質問への、答え方の要点です。
課題への見立て。 依頼側の話を聞いて、「返信が来ないなら、対象か文面か条件のどれか。まず送っている対象を数件見せていただければ、どこかが分かります」と、原因の候補と、確かめ方を。断定せず、「見てから」の姿勢で。
進め方。 「最初の二週間で対象と文面を整え、三週目から少量を送り、一か月で返信率と返信対応が回るかを見ます。御社には、役割の定義と面談枠の確保をお願いします」。手順、期間、依頼側の宿題。
実績。 「〇〇業界の〇〇規模の会社で、返信率が低い状態から、対象の基準と一段落目を変えて、面談設定が倍になりました」。課題・打ち手・変化を、三行で。依頼側の課題に近いものを一つか二つ。
稼働と時間帯。 「週に〇時間、〇曜の〇時以降で固定できます。平日日中の返信は、昼と夕方に確認できます」。多く見せない。返信対応の速さは、実際にできる範囲で。
報酬。 「業務の範囲を確認して、工程と時間で見積もりをお出しします。目安として、月額固定か時給で」。その場で金額を言わない。形だけ伝えて、持ち帰る。
本業との関係。 「本業は〇〇業界の人事です。副業は会社の規定で認められており、届出済みです。御社と競合する業務はありません」。隠さず、簡潔に。
答え方の共通点は、「具体的に、正直に、断定せず」です。
聞かれて困る質問への対応
答えにくい質問もあります。対応の型です。
「本業の会社名は」。 副業規定や秘密保持で言えない場合、「規定の関係で、業種と規模でお伝えしています」。多くの依頼側は理解します。
「今すぐ、いくらでできますか」。 「業務の範囲を確認してから、見積もりでお出しします。その場で金額を言うと、範囲がずれることがあるので」。持ち帰る一言を。
「全部お任せできますか」。 「作業はお任せいただけますが、対象の条件と役割の定義と通す基準は、御社で決めていただく必要があります」。丸投げを受けない。
「成果を保証できますか」。 「保証はできません。返信率や面談数は、対象と文面と御社の体制で決まります。三か月で数字を見て、続けるか判断する形を提案します」。保証しない。
「他の案件も持っていますか」。 「持っていますが、御社には週〇時間を固定で稼働します」。掛け持ちを隠さず、固定の時間で答える。
「うちの業界の経験はありますか」。 無ければ、「無いですが、採用の運用の型は業界をまたいで同じです。業界の固有の点は、最初に教えていただければ」。無理に有ると言わない。
困る質問への対応の共通点は、「隠さない、盛らない、保証しない、持ち帰る」です。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「面談で『できます』を連発して、受けてから『そんなつもりじゃなかった』となった」というものです。依頼側の「これもできますか」「全部お任せできますか」「すぐ始められますか」に、全部「できます」。契約してみると、範囲は広く、稼働は足りず、判断まで任されている。面談で「作業はできますが、判断は御社で」「範囲を確認してから見積もりを」と言っていれば、避けられました。
見ていて差がつくのは、受ける側が「どう進めますか」に具体的に答えられるかどうかです。「経験があります」「頑張ります」で答える人と、「最初の二週間でこれ、三週目からこれ、御社にはこれをお願いします」と手順で答える人がいます。後者は、依頼側から「この人なら、任せた後の姿が想像できる」と見られます。
受ける側にできるのは、面談の前に、依頼側の課題を想定して、進め方を手順で用意しておくことです。課題は面談で聞きますが、進め方の型は、事前に持てます。
面談の場で見られていること
依頼側は、質問への答え以外にも、面談の場で見ています。
質問の質。 受ける側が、依頼側に何を聞くか。課題の背景、体制、決める人を聞く人は、「仕事の中身を分かっている」と見られます。こちらから聞くべき質問で書いた質問を。
聞く姿勢。 依頼側の話を、最後まで聞くか。途中で「それはこうです」と遮ると、「話を聞かない人」と見られます。
返答の速さと正確さ。 面談の前後のメールの返信が速いか、日程調整がスムーズか。副業の運用での返信対応の速さを、依頼側は面談の前後で見ています。
書類の質。 送った職務経歴書やポートフォリオに、誤字が無いか、読みやすいか。文面を書く仕事なら、書類の質は仕事の質と見られます。
「できない」を言えるか。 「それは私の得意ではありません」「それは専門家に」と言えるか。全部「できます」より、線を引ける人が信頼されます。
依頼側への配慮。 依頼側の忙しさ、社内の事情への理解。「御社の面談者のご負担を減らす形で」と言えるか。
面談は、質問に答える場であると同時に、仕事の仕方を見せる場です。
面談後の動き
面談が終わったら、次の動きです。
当日か翌日に、礼と要点のメールを送る。 「本日はありがとうございました。伺った課題は〇〇と理解しました。進め方は〇〇で、見積もりを〇日までにお出しします」。理解の確認と、次の一歩。
見積もりを、約束した日までに出す。 見積もりの出し方の形で。工程・時間・含まない業務・期間と見直し・依頼側にお願いすること。
依頼側の返事を待つ。 一週間ほどで返事が無ければ、一度だけ「ご検討状況はいかがですか」。追いかけ続けない。
合わないと感じたら、自分から断る。 依頼側の体制が無い、丸投げの気配、報酬が下限を下回りそう。面談で見えたなら、「今回は私の稼働と合わないため」と、早めに。
面談の記録を残す。 依頼側の課題、聞かれたこと、答えたこと、気づいたこと。次の面談の準備に使えます。
面談後の動きの速さは、依頼側にとって「この人に頼んだら、こういう速さで動く」という予告です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、面談で最も困るのは「依頼側が、課題を話さずに、こちらの経歴だけを聞いてくる」ことです。転職の面接のように、経歴と志望動機と強み弱みを聞かれ、依頼側の課題は最後まで出てこない。それでは、進め方も見積もりも出せません。
依頼側が課題を話さないなら、受ける側から聞きます。「まず、御社の採用でいま何に困っているかを伺えますか。それに合わせて、進め方をお話しします」。面談の前半を、依頼側の課題を聞く時間にする。
受ける側にできるのは、面談を「聞かれる場」ではなく「課題を聞いて、進め方を話す場」にすることです。そう位置づければ、面談は打ち合わせになり、依頼側との関係は対等になります。
まとめ
- 副業案件の面談は選考ではなく打ち合わせ。依頼側は「この人に、この課題を、この稼働で任せられるか」を確かめる
- よく聞かれるのは課題への見立て・進め方・実績・稼働と時間帯・報酬・本業との関係の六つ
- 答え方は具体的に、正直に、断定せず。見立ては「見てから」、進め方は手順と期間と宿題、実績は課題・打ち手・変化、稼働は固定できる時間、報酬は持ち帰る、本業は隠さず
- 困る質問には隠さない、盛らない、保証しない、持ち帰る
- 見られているのは質問の質・聞く姿勢・返答の速さ・書類の質・「できない」を言えるか・配慮
- 面談後は当日か翌日に要点のメール・見積もりを期日までに・一度だけ確認・合わなければ自分から断る・記録を残す
- 面談を「課題を聞いて、進め方を話す場」にする
よくある質問
面談で「いくらですか」と聞かれたら、その場で答えるべきですか
その場で金額を言わず、「業務の範囲を確認して、工程と時間で見積もりをお出しします」と持ち帰ってください。その場で言うと、範囲がずれたまま金額だけが決まります。報酬の形(月額・時給・成果物)だけは、面談で伝えて構いません。見積もりは、面談の翌日から数日以内に出します。
依頼側の業界の経験が無いのですが、面談で何と言えばよいですか
無いことを隠さず、「採用の運用の型は業界をまたいで同じです。業界の固有の点(候補者の層、媒体、言葉)は、最初に教えていただければ対応できます」と伝えてください。無理に「有る」と言うと、受けてから矛盾します。業界の経験より、進め方の具体性で判断する依頼側は多いです。
面談で、依頼側が課題を話してくれません
受ける側から、「まず、御社の採用でいま何に困っているかを伺えますか」と聞いてください。課題を聞かないと、進め方も見積もりも出せません。依頼側が課題を言葉にできない場合は、「返信が来ないのか、面談で合わないのか、決まらないのか」と、選択肢で聞くと出てきます。