社会保険労務士の副業単価の目安と案件の見つけ方|手続きの業務と採用の支援を分けて値付けし、他人から受けるための登録を確かめる

経歴別の人事副業社会保険労務士 更新日 2026-10-16

社会保険労務士の資格を持つ人は、労働・社会保険の手続きや労務の決まりに詳しく、資格がなければ受けられない業務も担えます。人事の副業でも、手続きから採用の支援までを一続きで受けられることは大きな強みです。ただし、資格を持っていても、他人の求めに応じて報酬を得て業務を行うには、決まった登録が要ります。結論から書くと、社会保険労務士の副業単価は、資格の要る手続きの業務と、資格がなくてもできる採用の支援を分けて値付けし、他人から業務を受けるための登録を確かめて始めることが前提になります。

人事の副業の単価には公的な統計がなく、案件の範囲や依頼先で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順と、案件の見つけ方を書きます。社会保険労務士の経験の何が売れるかは社会保険労務士が副業でできることで詳しく書いています。

他人から業務を受けるための登録を確かめる

まず、登録の決まりを確かめておきます。社会保険労務士法第14条の2は、社会保険労務士となる資格を有する者が社会保険労務士となるには、社会保険労務士名簿に登録を受けなければならないと定め、同条第2項は、他人の求めに応じ報酬を得て、同法第2条に規定する事務を業として行おうとする社会保険労務士は、事務所を定めて、あらかじめ社会保険労務士名簿に事務所の名称、所在地などの登録を受けなければならないと定めています。

勤め先で社会保険労務士として働いている人が、副業で他社の手続きを受ける場合は、この登録の要否を確かめる必要があります。登録の種類や手続きは、所属する社会保険労務士会に確かめてください。登録をしないまま、他人の求めに応じて報酬を得て手続きの業務を行うことはしないでください。

手続きの業務と採用の支援を分けて値付けする

社会保険労務士が副業で受けられる仕事は、資格の要る業務と、資格がなくてもできる業務に分かれます。社会保険労務士法第2条は、社会保険労務士の業務として、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成、その提出の代行、事務代理、帳簿書類の作成、労務管理などの相談・指導などを定め、同法第27条は、社会保険労務士でない者がこのうち一定の事務を報酬を得て業として行うことを禁じています。

区分例値付けの考え方
資格の要る業務届出の書類の作成と提出、帳簿書類の作成件数や従業員数に応じて、継続の顧問の形で受ける
労務の相談労務管理についての相談・指導月の時間や相談の回数で受ける
採用の支援求人の書き方、面接の進め方、採用の手順づくり成果物ごと、または月の時間で受ける

採用の支援は、資格がなくてもできる業務なので、ほかの人事の副業と同じように成果物と時間で値付けします。資格の要る業務と同じ料金の考え方でまとめると、採用の支援の時間が見えなくなります。分けて見積もると、依頼先にも何に払っているかが分かりやすくなります。時間単価の考え方は本業の年収と副業単価の関係で書いています。

エラベルの見解

社会保険労務士の副業でよくある失敗は、手続きの顧問として入ったのに、採用の相談まで無償で受け続けることです。手続きの顧問料の中で、採用の相談や面接の同席まで頼まれ、断りにくいまま時間が膨らみます。依頼先にとってはありがたいことですが、続けるほど時間単価が下がります。

担当する側から見ると、価値があるのは、労務と採用の両方が分かる立場から、採用の入口で労務の問題を防げることです。求人の書き方や労働条件の示し方を採用の段階で整えれば、入社後のトラブルを減らせます。この採用の支援を独立した作業として見積もり、顧問料とは別に示すと、依頼先にもその価値が伝わります。

勤め先との関係を確かめる

勤め先に勤めながら副業をする場合は、勤め先のルールを確かめる必要があります。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、労働者は副業・兼業を希望する場合にも、まず自身が勤めている企業の副業・兼業に関するルールを確認する必要があるとし、職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要であるとしています。勤め先が社会保険労務士事務所である場合は、勤め先の顧客と重なる相手から副業を受けることは、競業にあたるおそれがあります。

業務委託で受ける場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。手続きの業務と採用の支援の範囲を、契約で分けて確かめてください。20万円を超える副収入がある場合は、確定申告が必要です。個別の判断は所属の社会保険労務士会や弁護士・税理士にご確認ください。

案件の見つけ方

社会保険労務士の資格と人事の経験を活かせる案件は、次のような場所で見つけやすくなります。

人事の副業の担当者の多くは、資格の要る業務を受けられないため、社会保険労務士と組むことを求めています。採用の支援をほかの担当者が担い、手続きを自分が担う形で組めば、依頼先は一つの窓口で採用から労務までを任せられます。

エラベルの見解

もう一つ見てほしいのは、社会保険労務士の副業は、採用と労務のつなぎ目を担うと代わりがききにくくなるということです。採用が決まった後の入社の手続き、労働条件の書面、就業規則との整合は、採用の担当と労務の担当の間で抜けやすいところです。両方が分かる人がつなぎ目を担えば、入社の日に必要な書類がそろっていない、といったことを防げます。

内定から入社までの手続きと、労働条件の示し方を一続きの手順にまとめて渡してください。採用と労務の両方を一人で見られることは、社会保険労務士の資格を持つ人事の経験者ならではの強みです。

まとめ

よくある質問

社会保険労務士の副業単価の相場はいくらですか

案件の範囲や依頼先によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。手続きの業務と採用の支援を分けて時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。

勤務の社会保険労務士でも副業で手続きを受けられますか

他人の求めに応じて報酬を得て業務を行うには、事務所を定めた登録が要ることが定められています。登録の要否と手続きは、所属する社会保険労務士会に確かめてください。勤め先のルールも合わせて確かめることが大切です。

採用の支援だけを受けることはできますか

採用の支援は資格がなくてもできる業務なので、ほかの人事の副業と同じように受けられます。労務の知識を生かして、求人の書き方や労働条件の示し方を整えられることは、採用の支援の強みになります。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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