採用代行 / 採用の課題
不合格連絡が遅い・出していない|「言いにくい」を理由にせず、期限・文面・理由の三つを型にして、全員に出す
面接で「通さない」と決まった候補者への連絡が、一週間経っても出ていない。「言いにくい」「後でまとめて」で先延ばしになり、候補者から「結果はまだですか」と問い合わせが来る。書類で落とした人には、連絡自体を出していない。口コミには「連絡が来ない会社」と書かれている。結論を先に書くと、不合格の連絡は、採用の中で最も後回しにされ、最も口コミに書かれる接点です。「言いにくい」は理由になりません。期限(三日以内)、文面の型、理由の書き方の三つを決め、書類でも面接でも、全員に出します。出さないことの損失は、出す手間よりはるかに大きいです。候補者体験の全体は候補者体験が悪いまま放置されているに、応募の放置は応募を放置してしまうにまとめています。
不合格連絡が遅れる・出ない構造
不合格の連絡が遅れる、または出ないのは、次の構造で起きます。
| 構造 | 起きていること |
|---|---|
| 「言いにくい」で先延ばし | 断る連絡は気が重く、後回しになる。後回しにするほど、さらに出しにくくなる |
| 「まとめて出す」にしている | 週に一度、月に一度まとめて。その間、候補者は待つ |
| 面接官の判定が出ていない | 面接の後、面接官が「通す・通さない」を決めず、連絡が出せない |
| 書類の不合格は「出さなくてよい」と思っている | 「応募が多いので、書類で落ちた人には連絡しない」が慣習になっている |
| 「保留」のまま放置 | 「他の候補者を見てから」で、保留の候補者に何も伝えていない |
| 文面が無い | 毎回考えるので、面倒で後回し |
| 理由を書けない | 「総合的に判断」しか書けず、書くことに抵抗がある |
| 担当が決まっていない | 誰が出すかが無い。面接官か、人事か、責任者か |
不合格の連絡が出ないのは、「意地悪」ではなく、「重い」からです。重さを、型で軽くします。
出さないことの損失
不合格の連絡を出さない、遅らせることの損失です。
口コミに書かれる。 「連絡が来ない」「結果を一か月待たされた」は、口コミで最も多い書き込みの一つです。応募の前の候補者が読み、応募をやめます。
候補者の知人に伝わる。 候補者は、知人に「あの会社は連絡が来なかった」と話します。知人は、その会社に応募しません。
問い合わせの対応に、時間が消える。 「結果はまだですか」への返事は、不合格の連絡を出すより手間がかかります。
紹介会社の優先順位が下がる。 紹介会社経由の候補者に連絡が遅ければ、紹介会社は「対応の悪い会社」と見て、良い候補者を送らなくなります。
「保留」の候補者を失う。 保留のまま放置した候補者は、他社に決まります。後で「やはり通したい」と思っても、いません。
個人情報の扱いの問題。 不合格の連絡を出さないまま、応募者の情報を持ち続ける状態は、個人情報の扱いとしても問題になります。扱いは社内の規程と法令に沿い、専門家に確認します。
将来の応募者を失う。 今回は不合格でも、数年後に合う人になっているかもしれません。丁寧に断られた人は、再応募します。放置された人は、しません。
損失は、見えにくいです。「出さなくても、何も起きていない」ように見えます。ただ、応募が減り、口コミが悪くなり、紹介会社が離れる形で、見えないところで起きています。
期限の決め方
不合格の連絡の期限を決めます。
| 段階 | 期限 | 前提 |
|---|---|---|
| 書類 | 応募から三日以内 | 書類の判断の基準が書面にあり、担当が毎日応募を見ている |
| 面接 | 面接から三日以内 | 面接官が面接の直後に五分で判定を出す |
| 最終面接 | 面接から三日以内(内定の場合も同じ) | 責任者が面接の直後に判定を出す |
| 保留 | 保留と決めた日に、「保留である」ことと「いつまでに決めるか」を伝える | 保留を放置しない |
| 問い合わせへの返事 | 当日 | 窓口が決まっている |
期限の要点は、「面接の最後に、候補者に期限を伝える」ことです。「〇日までにお伝えします」と伝えれば、守るしかなくなります。伝えていない期限は、守られません。
期限を守れない場合(面接官の判定が遅れた、責任者が不在)は、期限の日に「遅れています。〇日までにお伝えします」と連絡します。黙って遅らせるより、遅れると伝えるほうが、候補者は待てます。
文面の型
不合格の連絡の文面を、型にします。毎回考えなくて済みます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 宛名 | 候補者の名前。「応募者各位」のような一斉の形にしない |
| 感謝 | 応募と、面接の時間への感謝。一文 |
| 結果 | 「今回は、ご縁がなかったという結論になりました」のように、明確に。曖昧にしない |
| 理由(書く場合) | 要件に対する事実の範囲で、一行。次の章 |
| 今後 | 「今後、別の職種で募集する際に、改めてご応募いただければ」(再応募を歓迎する場合)。しない場合は書かない |
| 個人情報の扱い | 応募書類の扱い(返却、破棄など)を、社内の規程に沿って一文 |
| 署名 | 担当者の名前と連絡先。人が出していることが分かる形 |
文面は、短くて構いません。長い文面は、言い訳に見えます。要素が揃っていて、候補者の名前が入っていて、人が出していることが分かれば、定型でも「雑」とは受け取られません。
書類の不合格と面接の不合格で、文面を二つ持ちます。面接の不合格には、面接の時間への感謝を入れます。
理由を書くかどうかと書き方
不合格の理由を書くかどうかは、会社の方針です。書く場合の書き方です。
書く利点。 候補者が納得しやすい。「総合的に判断」より、信用される。紹介会社経由なら、紹介会社が次の推薦の方向を決められる。
書く注意。 人格や私的な事情に触れない。要件に対する事実の範囲で。「〇〇の経験が、募集の要件に対して浅かった」「役割の認識が、募集の内容と異なっていた」。
書かない判断。 理由を書くことで候補者との争いになる懸念がある場合、書かない方針もあります。方針は、法令上の扱いも含めて専門家に確認します。
書き方の型。 「今回の募集では、〇〇(要件)を重く見ており、その点で、他の候補者の方を優先する結論となりました」。候補者の欠点ではなく、募集の要件との対応で書きます。
書いてはいけないこと。 「年齢」「性別」「家族の事情」「健康」など、法令上の扱いがあるものを理由に書かない。そもそも選考の理由にしない。専門家に確認します。
面接官の記録が、理由の元。 面接の記録が「観点ごとに根拠を場面で」書かれていれば、理由は記録から作れます。記録が「弱い」だけなら、理由は書けません。
理由を書く方針にするなら、面接の記録の型が前提です。記録の型は評価基準が言語化できていないに書いています。
エラベルの見解
相談で最も多い失敗は、「書類で落とした人には連絡しないのが慣習で、応募者の半分に何も連絡していなかった。口コミに『応募しても返事が来ない』と書かれ、応募が減った」というものです。書類の不合格の文面を一つ作り、応募から三日以内に全員に出すようにしたら、口コミの書き込みが変わり、問い合わせも減りました。文面を一つ作る手間は、三十分でした。
見ていて差がつくのは、担当者が「不合格の連絡を、自分の仕事として引き受ける」かどうかです。「面接官から判定が来たら連絡します」と待つ担当者と、「面接の直後に判定を出す型を面接官に渡し、判定が来た日に文面の型で出します。書類の不合格も、三日以内に全員に出します」と、期限を自分で管理する担当者がいます。後者がいれば、不合格の連絡は遅れません。
発注側にできるのは、「不合格の連絡は、全員に、三日以内に」を、選考の決まりとして置き、担当者に期限の管理を任せることです。
紹介会社経由の場合
紹介会社経由の候補者への不合格は、紹介会社を通します。
紹介会社に、期限内に伝える。 候補者への直接の連絡ではなく、紹介会社への連絡。期限は同じ(三日以内)。
理由を、要件の言葉で伝える。 「〇〇の経験が、要件に対して浅かった」。紹介会社は、次の推薦の方向を決められます。理由が無いと、推薦が止まります。
候補者への伝え方は、紹介会社に任せる。 紹介会社の担当者が、候補者に伝えます。会社から候補者に直接連絡しない(契約による)。
紹介会社からの「理由をもう少し」に、答える。 記録に基づいて、要件に対する事実の範囲で。人格や私的な事情には触れない。
紹介会社に感謝を伝える。 「ご推薦ありがとうございました。今回はご縁がありませんでしたが、〇〇の要件に合う方がいれば、引き続きお願いします」。関係を続けます。
紹介会社への不合格の連絡が遅い会社は、紹介会社の中で「対応の悪い会社」になり、推薦が減ります。紹介会社との関係は紹介会社から候補者が来ないに書いています。
運用の型
不合格の連絡を、遅れず、漏れなく出す運用です。
| 項目 | 型 |
|---|---|
| 担当 | 一人。人事か、採用代行の担当者。面接官や責任者に任せない |
| 判定の期限 | 面接の直後に五分で判定。書類は応募から三日以内に判断 |
| 連絡の期限 | 判定が出た日か翌日。遅くとも面接から三日以内 |
| 文面 | 書類用と面接用の二つの型。担当者が候補者の名前と職種を入れて出す |
| 理由 | 方針に沿って、記録から要件の言葉で一行(書く場合) |
| 保留 | 保留と決めた日に、保留であることと期限を伝える。期限が来たら、通す・通さないを決めて連絡 |
| 記録 | 候補者の表に、「不合格の連絡日」の列を持つ。空欄が残っていれば、出ていない |
| 確認 | 週に一度、「連絡日が空欄の候補者」を確認し、出す |
| 問い合わせ | 「結果はまだですか」が来たら、当日に返す。来ること自体を、運用の漏れの印として記録 |
運用の要点は、「候補者の表に連絡日の列を持つ」ことです。空欄が見えれば、漏れは無くなります。
外注する場合の範囲
不合格の連絡の問題を、採用代行に出す場合の範囲です。
出せる工程。 期限の設計、文面の型(書類用・面接用・保留用・遅延の連絡用)の作成、理由の書き方の型(記録との対応)、候補者の表の連絡日の列の運用、面接官への「直後に五分で判定」の型の共有、判定の催促、連絡の送信(担当者の名前で)、紹介会社への連絡と理由の伝達、問い合わせへの返事、週に一度の空欄の確認、個人情報の扱いの手順の整理(専門家の確認を経て)。
社内に残す判断。 理由を書くかどうかの方針、判定そのもの、保留の判断、個人情報の扱いの方針(専門家との連携)、再応募を歓迎するかどうかの方針。
外注の効きどころ。 不合格の連絡は、「誰も引き受けたくない仕事」です。担当者が引き受け、期限を管理し、文面の型で出し、面接官から判定を取れば、遅れも漏れも無くなります。担当者は候補者の表を毎日見ているので、空欄の確認も定例になります。
外注しても動かない場合。 面接官が判定を出さない、責任者が保留を放置する、理由の方針を決めない。社内の判断で、代行を替えても直りません。
不合格の連絡は、型と担当で出せます。外注は、型を作り、担当を置く手段です。
エラベルの見解
担当する側から見ると、不合格の連絡の相談で最も多いのは、「保留の放置」です。「他の候補者を見てから決めたい」で保留にし、保留であることを候補者に伝えず、一か月放置する。候補者は「落ちたのだろう」と思って他社に決め、会社は「やはり通したい」と思ったときには、いません。
保留は、保留と伝えれば、候補者は待てることがあります。「他の候補者の選考が〇日まであり、その後にお返事します」。伝えない保留は、不合格の連絡が無いのと同じです。
発注側にできるのは、「保留は、保留と期限を伝える」を決まりにすることです。
まとめ
- 遅れる・出ないのは言いにくい・まとめて出す・判定が出ていない・書類は出さなくてよいと思う・保留の放置・文面が無い・理由を書けない・担当が無い構造
- 出さない損失は口コミ・知人への伝播・問い合わせの手間・紹介会社の優先順位・保留の候補者を失う・個人情報の扱い・将来の応募者を失う
- 期限は書類は三日・面接は三日・最終も三日・保留は保留と期限を伝える・問い合わせは当日。面接の最後に期限を伝える。遅れるなら遅れると伝える
- 文面は名前・感謝・明確な結果・理由(書く場合)・今後・個人情報の扱い・担当者の署名。書類用と面接用の二つ
- 理由は要件に対する事実の範囲で一行・人格と私的な事情に触れない・法令上の扱いは専門家に確認・記録が元。書くかどうかは方針
- 紹介会社経由は期限内に紹介会社へ・要件の言葉で理由・候補者への伝え方は紹介会社に・感謝と関係の継続
- 運用は担当一人・判定は直後に五分・連絡は翌日まで・文面の型・保留の扱い・連絡日の列・週に一度の空欄の確認・問い合わせは当日
- 外注できるのは期限・文面・理由の型・表の運用・面接官への型・催促・送信・紹介会社への連絡・問い合わせ・空欄の確認・個人情報の手順。社内に残るのは理由の方針・判定・保留の判断・個人情報の方針・再応募の方針
よくある質問
書類で落とした人にも、連絡は要りますか
要ります。書類の不合格に連絡を出さないことは、口コミで最も多く書かれることの一つです。応募が多くても、文面の型を一つ持ち、候補者の名前を入れて、応募から三日以内に出します。自動の返信でも、名前と結果と個人情報の扱いと担当者の署名が入っていれば、雑とは受け取られません。出さない場合の損失(口コミ、応募の減少)は、出す手間よりはるかに大きいです。
不合格の理由を書くと、候補者と揉めませんか
要件に対する事実の範囲で書けば、揉めることは少ないです。「〇〇の経験が、募集の要件に対して浅かった」は、候補者の欠点ではなく、募集との対応です。人格や私的な事情に触れる書き方、法令上の扱いがあるものを理由にする書き方は避けます。書く方針にするかどうかは、会社の判断で、専門家に確認のうえ決めます。書かない方針でも、「総合的に判断」だけでなく、感謝と明確な結果と担当者の署名は入れます。
面接官が判定を出さないので、連絡できません
面接の直後に、五分で判定と記録を書く型を、選考の決まりにします。観点ごとに三択と、根拠を一〜二行。面接官が「後でまとめて」と言う状態が、不合格の連絡が遅れる最大の原因です。担当者が面接の翌日に催促し、それでも出なければ、責任者に上げます。候補者には、期限の日に「遅れています。〇日までにお伝えします」と連絡します。黙って遅らせません。