採用代行 / 採用の課題

何から手を付ければよいか分からない|「全部が問題」を、止まっている段階の特定と、費用ゼロで今週できる三つに分解する

公開 2026-09-13

採用がうまくいっていない。応募は少なく、来ても合わず、面接で落ち、内定を出せば辞退される。求人票も古い、媒体も惰性、面接も感覚、対応も遅い。「全部が問題」に見えて、何から手を付ければよいか分からない。動けないまま、また一か月が過ぎる。結論を先に書くと、「全部が問題」は、手を付けられない状態です。「止まっている段階を一つ特定する」「費用ゼロで今週できることを三つやる」に分解すれば、動けます。全部を直そうとせず、最初の一週間で「一つの段階」と「三つの行動」を決め、一か月・三か月・半年の見取り図の中で、順に進めます。詰まりの見つけ方は採用ファネルのどこが詰まっているか分からないに、効果の測り方は施策の効果を測る仕組みがないにまとめています。

手を付けられない構造

何から手を付ければよいか分からないのは、次の構造で起きます。

構造起きていること
「全部が問題」に見える求人票、媒体、面接、対応。どれも直したいが、どれから直すかが無い
止まっている段階を、見ていない応募が少ないのか、書類で落としすぎか、面接で落ちるか、辞退されるか。段階で見ていない
数字が無い「うまくいっていない」の中身が、数字で見えない
大きく直そうとしている「採用の仕組みを全部作り直す」と考えて、着手できない
費用がかかると思っている「媒体を足す」「代行に頼む」「サイトを作る」と、費用のかかることばかり浮かぶ
責任者の合意が無い「何から手を付けるか」を、人事が一人で悩んでいる。責任者と決めていない
過去にやって効かなかった「求人票を直したが変わらなかった」で、次に手を付ける気力が無い
時間が無い応募の対応で手一杯で、直す時間が取れない

構造の大半は、「全部」で考えていることです。「一つ」と「三つ」に分解します。

最初の一週間でやること

動き出す最初の一週間です。

やること
一日目応募者の表(無ければ媒体の管理画面と受信箱)から、直近三か月の「応募・書類通過・面接・内定・辞退」の数を、段階ごとに数える。日数(応募から返信、判断、面接、内定まで)も
二日目数えた数字を一枚に並べ、「止まっている段階」を一つ特定する。率が最も低い段階か、日数が最も長い段階
三日目止まっている段階に対して、「費用ゼロで今週できること」を三つ挙げる(次の章)
四日目責任者に、一枚(数字、止まっている段階、三つの行動)を見せ、合意する。十五分
五日目三つの行動のうち、一つ目を始める

一週間の要点は、「数える→一つ特定する→三つ挙げる→合意する→一つ始める」です。この五つで、「全部が問題」は「一つの段階に、三つの行動」になります。

数える数字が無い場合、一日目は「今日から記録を始める」にします。過去の数字が無くても、止まっている段階は、応募の対応の実感(返信が遅れている、面接が組めない、辞退が多い)から仮に特定して、動きます。採用の数字が取れていない

止まっている段階の特定

段階ごとの数字から、止まっている段階を一つ特定します。

兆候止まっている段階最初に見る先
応募がほぼ無い応募求人票の一行目と役割、経路の利用者の層
応募はあるが、書類で九割落ちる応募の質要件の書き方(必須とあれば良い)、経路
書類は通るが、面接の前に辞退が多い応募から面接まで返信の速さ、日程の速さ、案内の中身
面接で大半が落ちる面接書類の基準と面接の観点の対応、面接官の基準
最終まで進むが、内定を辞退される内定内定までの速さ、条件のすり合わせ、動機づけ
承諾したが、入社前に辞退内定から入社内定後の接点
入社したが、三か月で辞める受け入れ最初の三か月の型、教える人
各段階の日数が全部長い運用全体担当、期限、判定の速さ

特定の要点は、「一つに絞る」ことです。二つあれば、上流(応募に近いほう)から。上流を直さずに下流を直しても、流れてくる人が変わりません。

「全部の段階で少しずつ」に見える場合、共通の原因(担当がいない、期限が無い、判定が遅い)があります。その場合は、段階ではなく「運用全体」を止まっている段階として扱います。

費用ゼロで今週できる三つ

止まっている段階ごとに、費用ゼロで今週できる三つの例です。

止まっている段階今週できる三つ
応募一、求人票の一行目を「何を決める役割か」に書き直す。二、社員に「〇〇ができる人、知り合いにいたら」と具体的に頼む。三、過去の応募者(同意のある人)に、募集の案内を送る
応募の質一、要件を「必須」と「あれば良い」に分けて書き直す。二、「入社後に教えること」を求人票に足す。三、「合わない人」を一つ書く
応募から面接まで一、応募への返信を当日にする(担当と時間を決める)。二、面接官の枠を、来週と再来週に先に押さえる。三、面接の案内に、場所・形式・面接官・所要時間を入れる
面接一、観点を三つに絞り、質問を用意する。二、面接官向けの一枚を作り、次の面接から渡す。三、面接の直後に五分で判定を書く型を決める
内定一、最終面接の前に、社内で額と余地を決めておく。二、面接の最後に「〇日までに結果を」と期限を伝える。三、内定の条件を書面で、内訳を明記する
内定から入社一、承諾の翌日に、一緒に働く人から一言を送る。二、入社までの接点の予定を一枚にする。三、家族に説明できる材料を渡す
受け入れ一、最初の一か月の予定を書面にする。二、教える人を一人決め、業務を調整する。三、毎日十分の接点を決める
運用全体一、応募を見る担当と時間を決める。二、各段階の期限(返信は当日、判断は三日、判定は当日)を決める。三、候補者の表を一つにして、日付の列を持つ

三つの要点は、「費用ゼロ」と「今週」です。媒体を足す、代行に頼む、サイトを作る、は費用と時間がかかり、「今週」にはできません。まず、費用ゼロで今週できることを三つやり、翌月の数字を見ます。

三つは、一つずつ順に。同時に三つ変えると、何が効いたか分からなくなります。施策の効果を測る仕組みがない

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「全部が問題なので、採用の仕組みを全部作り直すと決めて、半年の計画を立て、計画を立てている間、採用は止まったまま」というものです。計画は立派でしたが、半年間、応募への返信は相変わらず三日後で、候補者は流れ続けていました。「止まっている段階」を「応募から面接まで」に特定し、「返信を当日に、枠を先に押さえ、案内に中身を入れる」の三つを今週やったら、翌月の辞退が減りました。全部の作り直しより、一つの段階の三つの行動でした。

見ていて差がつくのは、担当者が「今週できること」を出すかどうかです。「採用の全体を見直しましょう」と言う担当者と、「まず直近三か月の数字を数えて、止まっている段階を一つ特定し、費用ゼロで今週できることを三つ決めましょう。今日から」と、今週の行動に落とす担当者がいます。後者は、来週には動いています。

発注側にできるのは、担当者に「全体の改善」ではなく「今週できる三つ」を求めることです。

順番の決め方

三つをやった後、次に何をするかの順番です。

翌月の数字を見て、効いたかを確認する。 止まっていた段階の率と日数が変わったか。

効いたら、次の段階へ。 一つの段階が動くと、次の段階の詰まりが見えます。「応募から面接までの辞退が減ったら、今度は面接で落ちる率が目立つ」。次の段階に、また三つ。

効かなかったら、三つを見直すか、段階の特定を見直す。 「返信を当日にしたが辞退が減らない」なら、辞退の理由を聞いて、原因が速さ以外(案内の中身、面接官の印象)にあるかを見る。

費用ゼロの三つが尽きたら、費用のかかる施策を検討する。 求人票と速さと対応を直しても応募が来ないなら、経路(媒体、スカウト、紹介)の検討。それまでは、費用をかけない。採用予算がない中で何から手を付けるか

責任者の判断が要るものは、材料を揃えて上げる。 条件の見直し、要件の変更、面接官の指名、体制の追加。人事だけで決められないものは、数字と三つの行動の結果を材料に。

「効いたこと」を型にする。 「返信を当日にしたら辞退が減った」は、以後の運用の型。戻さない。

順番の要点は、「一つの段階が動いたら、次の段階へ」です。上流から下流へ、順に。

一か月・三か月・半年の見取り図

「全部」を、時間の軸に並べた見取り図です。

時期やること見る数字
最初の一週間数える、止まっている段階を一つ特定、費用ゼロの三つを決める、責任者と合意、一つ始める
一か月三つを順にやる。応募の対応の運用(担当、時間、期限、表)を整える止まっていた段階の率と日数の変化
三か月次の段階に三つ。求人票、面接の観点、内定の速さ、受け入れの型のうち、詰まりに合うものを順に段階ごとの率と日数。応募・面接・内定・辞退の数
半年費用ゼロで直せるものが一巡。経路の見直し(媒体、スカウト、紹介)を、記録を根拠に検討。効いたことを型にする経路ごとの費用と面接に進んだ数。入社の数と定着
一年体制(人事、代行、面接官)と、要員計画との対応を見直す。年間の採用の時期を設計年間の応募・面接・内定・入社・定着。効いた施策の一覧

見取り図の要点は、「最初の三か月は費用ゼロ、半年から費用のかかる施策」です。費用ゼロで直せるものを直してから経路を検討すれば、経路の効果が正しく測れます。

見取り図は、責任者と共有します。「一週間で動き出し、三か月で段階を二つ直し、半年で経路を見直す」。時間の軸があれば、「全部を今すぐ」の焦りが減ります。

外注する場合の範囲

何から手を付ければよいか分からない問題を、採用代行に出す場合の範囲です。

出せる工程。 直近三か月の数字の集計と一枚の作成、止まっている段階の特定の案、費用ゼロで今週できる三つの案、責任者への一枚の作成、三つの実行(求人票の書き直し、返信の当日化、枠の調整、案内の文面、面接官向けの一枚、内定の書面の案、受け入れの型など)、翌月の数字の確認と次の段階の特定、一か月・三か月・半年の見取り図の作成と更新、効いた施策の型化、費用のかかる施策の検討の材料(半年から)。

社内に残す判断。 止まっている段階の確定、三つの行動の承認、責任者の判断が要る変更(条件、要件、面接官、体制)、費用のかかる施策の決定、見取り図の承認。

外注の効きどころ。 「何から手を付けるか」で止まっている会社は、「数える人」と「今週の行動に落とす人」がいません。担当者が数え、一つに特定し、三つに落とし、実行すれば、来週には動き出します。担当者は複数の会社の詰まりを見ているので、「この兆候ならこの段階、この段階ならこの三つ」の型を持ち込めます。費用のかかる施策は、費用ゼロの三つを一巡してから、記録を根拠に検討します。

外注しても動かない場合。 責任者が「全部を今すぐ」を譲らない、数字を数えさせない、費用ゼロの三つより先に媒体や代行を求める。社内の判断で、代行を替えても直りません。

「何から手を付けるか」は、一つの段階と三つの行動に分解すれば決まります。外注は、分解と実行を持ち込む手段です。

エラベルの見解

担当する側から見ると、この相談で最も多いのは、「費用のかかることから考えている」ことです。「媒体を足すか」「代行に頼むか」「サイトを作るか」。どれも費用と時間がかかり、今週にはできず、決められないまま止まる。

費用ゼロで今週できることは、どの段階にも三つあります。返信を当日に、枠を先に押さえる、一行目を書き直す、面接官に一枚を渡す、内定の条件を書面で。費用ゼロの三つが、費用のかかる施策より効くことも多いです。

発注側にできるのは、「費用をかけるか」の前に、「費用ゼロで今週できる三つは何か」を担当者に聞くことです。

まとめ

よくある質問

本当に全部が問題で、一つに絞れません

全部に見えるとき、共通の原因があります。応募を見る担当がいない、各段階の期限が無い、判定が遅い。その場合、「運用全体」を止まっている段階として扱い、「応募を見る担当と時間を決める」「各段階の期限を決める」「候補者の表を一つにして日付の列を持つ」の三つから始めます。運用が回り始めると、段階ごとの数字が取れ、次に本当に止まっている段階が見えます。「全部」のまま動かないより、「運用全体」の三つから動きます。

費用ゼロの三つをやっても、変わりませんでした

翌月の数字で、止まっていた段階の率と日数を見ます。変わっていなければ、三つが段階に合っていなかったか、段階の特定が違っていたかです。辞退の理由を聞く、候補者の質問を記録する、紹介会社に聞く、で原因を一段深く見ます。「返信を当日にしたが辞退が減らない」なら、原因は速さ以外(案内の中身、面接官の印象、条件)です。三つを変えるか、段階を変えます。一度で当たらなくても、記録があれば次が決まります。

責任者が「早く媒体を足せ」「代行に頼め」と言います

費用のかかる施策の前に、費用ゼロの三つを提案します。「媒体を足しても、返信が三日後で面接が三週間先なら、応募は流れます。まず今週、返信を当日にし、枠を先に押さえ、案内に中身を入れます。翌月の数字を見て、それでも応募が足りなければ、媒体を検討します」。数字と時間の軸で示せば、責任者は「三つを先に」を認めやすくなります。費用ゼロで直せるものを直してから経路を検討すれば、経路の効果も正しく測れます。