採用代行 / 採用の課題

採用ファネルのどこが詰まっているか分からない|段階ごとの数と日数を並べれば、詰まりは一か所に見える

公開 2026-09-13

半年、採れていない。応募が少ないからなのか、書類で落としすぎているのか、面接で落ちているのか、内定を出しても辞退されているのか。「全部が問題」に見えて、何から直せばよいか分からない。媒体を足すべきか、要件を緩めるべきか、条件を上げるべきか、判断できない。結論を先に書くと、採用ファネルの詰まりは、段階ごとの「数」と「日数」を一枚に並べれば、一か所に見えます。全部が問題に見えるのは、並べていないからです。並べれば、「応募は来ているが書類で九割落としている」「面接には進むが内定後に辞退されている」のように、詰まりは一か所か二か所に絞れます。絞れれば、直す先が決まります。数字の取り方は採用の数字が取れていないに、KPIの置き方は採用KPIに何を置くべきかにまとめています。

詰まりが見えない構造

ファネルのどこが詰まっているか見えないのは、次の構造で起きます。

構造起きていること
段階ごとの数を数えていない「応募が何件、面接が何件」が無い。「採れていない」の一言で終わる
日数を見ていない数は数えても、各段階に何日かかっているかを見ていない。速さの詰まりが見えない
段階の切り方が曖昧「選考中」が一括り。書類なのか、一次なのか、最終なのかが分かれていない
「全部が問題」と思っている応募も少ないし、面接も弱いし、辞退もある。全部に手を付けて、どれも中途半端
感覚で詰まりを決めている「応募が少ないから媒体を足そう」を、数字を見ずに決めている
求人ごとに分けていない複数の求人をまとめて見て、求人ごとの詰まりが混ざる
見る場が無い数字があっても、月に一度並べて見る場が無い

詰まりは、見れば見えます。見ていないだけです。

ファネルの段階の切り方

段階を、自社の選考の流れに合わせて切ります。

段階数えるもの日数
応募応募が来た数(経路ごと)
受付受付の返信を出した数応募から返信まで
書類書類を通した数/落とした数応募から判断まで
一次面接一次を設定した数/実施した数/通した数/辞退した数判断から面接まで
二次面接同上一次から二次まで
最終面接同上二次から最終まで
内定内定を出した数/承諾した数/辞退した数最終から内定まで、内定から返事まで
入社入社した数/内定後の辞退の数承諾から入社まで

段階の切り方の要点は、「自社の流れに合わせる」ことと、「各段階で辞退の数を分けて数える」ことです。「一次を通さなかった」と「一次の前に辞退された」は、直す先が違います。

面談(カジュアル面談)がある場合は、「面談→応募」を最初に足します。

段階ごとに数と日数を並べる型

段階ごとの数と日数を、一枚に並べます。

縦に段階、横に「数」「通過の率」「辞退の数」「日数」。 求人ごとに一枚。月に一度。

通過の率は、前の段階に対して。 「書類を通した数÷応募の数」「一次を通した数÷一次を実施した数」。段階ごとの率が、詰まりの目安です。

辞退の数は、段階ごとに。 「一次の前に辞退」「内定の後に辞退」。辞退の理由も添えます。

日数は、平均と最長。 平均が目安を超えていれば遅い。最長が極端なら、特定の候補者が放置されています。

経路ごとにも並べる。 応募・書類通過・面接・内定を、経路ごとに。経路によって、詰まる段階が違うことがあります。

先月の数字を、隣に置く。 変化が見えます。

一枚の型ができれば、毎月同じ形で出せ、比べられます。数字の取り方は採用の数字が取れていないに書いています。

詰まりの読み方と直す先

一枚を見て、詰まりを読み、直す先を決めます。

詰まりの兆候読み方直す先
応募が極端に少ない経路か求人票が届いていない媒体の見直し、求人票の一行目、知名度の代わりの材料。どの媒体を使えばよいか分からない
応募はあるが、書類で九割落ちる要件に合わない応募が来ている。求人票の要件が伝わっていないか、経路が合っていない要件の書き方(必須とあれば良い)、経路の見直し。必須要件と歓迎要件の線が引けない
書類は通るが、一次の前に辞退が多い応募から面接までが遅い、案内が雑返信と日程の速さ、案内の中身。日程調整が遅くて候補者が流れる
一次で大半が落ちる書類の判断と面接の観点がずれている。または面接官が厳しすぎる書類の基準と面接の観点の対応、面接官の基準。面接官によって評価がばらつく
一次は通るが、二次・最終で落ちる段階ごとの観点が重複しているか、責任者の基準が別段階ごとの観点の分け方、責任者の基準の言語化
最終まで進むが、内定を辞退される条件、速さ、訴求、他社との比較年収のすり合わせ、内定までの速さ、動機づけ。年収交渉で毎回折り合わない
内定を承諾したが、入社前に辞退承諾から入社までの接点が無い、他社の内定承諾後の接点、入社までの連絡
各段階の日数が長い面接官の判定が遅い、日程が組めない判定の期限、面接の枠の先押さえ

読み方の要点は、「率が最も低い段階」と「日数が最も長い段階」を探すことです。その二つが、詰まりです。

詰まりが一か所なら、そこだけ直します。二か所なら、上流(応募に近いほう)から直します。上流を直さずに下流を直しても、下流に流れてくる人が変わらないからです。

エラベルの見解

相談で最も多い失敗は、「採れていないので、媒体を二つ足し、要件を緩め、年収を上げた。三つ同時に変えて、応募は増えたが、内定後の辞退は変わらず、何が効いたか分からなかった」というものです。段階ごとに並べると、応募は足りていて、書類も一次も通っていて、詰まりは「内定後の辞退」の一か所でした。辞退の理由は「他社の条件」より「内定までの日数」。最終から内定まで二週間かかっていました。内定の判断を三日にしたら、辞退が減りました。媒体も要件も、変える必要はありませんでした。

見ていて差がつくのは、担当者が「一枚に並べてから提案する」かどうかです。「応募を増やしましょう」と最初に言う担当者と、「段階ごとの数と日数を並べました。詰まりは内定後の辞退で、日数が原因です。まずここを」と、並べてから絞る担当者がいます。後者は、変えなくてよいものを変えません。

発注側にできるのは、担当者に「何を直すか」の前に「段階ごとの一枚」を出してもらうことです。

複数の求人の見方

複数の求人が動いている場合の見方です。

求人ごとに、一枚を分ける。 まとめて見ると、求人ごとの詰まりが混ざります。営業職は応募が少なく、事務職は内定後の辞退が多い、のように、詰まりは求人で違います。

共通の詰まりを探す。 全部の求人で日数が長いなら、選考の運用(判定の期限、日程の枠)の問題で、求人ごとではなく全体で直します。

求人ごとに違う詰まりは、求人ごとに直す。 営業職は経路、事務職は内定の速さ、のように。

優先順位を付ける。 全部の求人を同時に直さず、「採れないと最も困る求人」から。優先順位の付け方はとりあえず募集を出しているだけになっているに書いています。

経路ごとの一枚も、求人ごとに。 「この求人は紹介会社から面接に進む人が来ているが、媒体からは来ていない」のように、求人と経路の組み合わせで見ます。

複数の求人を見る要点は、「まとめない」ことです。まとめると、平均されて詰まりが見えなくなります。

詰まりを直した後の確認

詰まりを直したら、効果を確認します。

翌月の一枚で、直した段階の率と日数を見る。 「内定後の辞退が三件から一件に」「最終から内定までの日数が二週間から三日に」。数字で。

一つだけ変えて、一つだけ見る。 同時に複数を変えると、何が効いたか分かりません。詰まりが一か所なら、一つだけ変えます。

三か月、同じ形で見る。 一か月の変動は、たまたまのことがあります。三か月で傾向を見ます。

直した段階が改善したら、次の詰まりを探す。 詰まりが一つ解消すると、次の段階の詰まりが見えてきます。「内定後の辞退が減ったら、今度は最終で落ちる率が目立つ」のように。

変えたことと、結果を記録する。 「〇月に内定の判断を三日にした→内定後の辞退が減った」。次の求人で使えます。

改善しなければ、詰まりの読みが違う。 直しても変わらないなら、その段階が詰まりではなかったか、直し方が違ったか。一枚を見直します。

確認の要点は、「変えたことを、翌月の数字で見る」ことです。見なければ、直したかどうか分かりません。

外注する場合の範囲

ファネルの詰まりが見えない問題を、採用代行に出す場合の範囲です。

出せる工程。 段階の切り方の設計(自社の流れに合わせて)、段階ごとの数と日数の集計、一枚の作成(求人ごと、経路ごと、先月との比較)、詰まりの読みと直す先の案、辞退の理由の聞き取りと分類、直す先の実行(速さの改善、求人票の直し、経路の見直しなど、範囲は別途)、翌月の確認、変えたことと結果の記録、複数の求人の優先順位の案。

社内に残す判断。 段階の切り方の承認、直す先の決定、要件や条件を変える判断、求人の優先順位の決定、面接官の基準の決定。

外注の効きどころ。 詰まりが見えない会社は、「並べる人」がいません。担当者が段階ごとの一枚を毎月出し、詰まりを読み、直す先を絞れば、「全部が問題」は「一か所の問題」になります。担当者は複数の会社のファネルを見ているので、「この兆候ならこの段階」の読みを持ち込めます。ただし、他社の率を自社の目標にはしません。

外注しても動かない場合。 責任者が一枚を見ない、詰まりが見えても直す先を決めない、面接官が判定を出さず数字が取れない。社内の判断で、代行を替えても直りません。

詰まりは、並べれば見えます。外注は、並べる人を置く手段です。

エラベルの見解

担当する側から見ると、ファネルの相談で最も多いのは、「率だけ見て、日数を見ていない」ことです。「一次の通過率が低い」と言うので見ると、一次を通した人は多く、一次の前に辞退した人が多い。辞退の理由は、応募から面接まで三週間かかっていたこと。率の問題ではなく、日数の問題でした。

数と率だけでは、「落とした」と「辞退された」が混ざります。辞退を分けて数え、日数を並べると、「落としているのではなく、待たせて逃している」が見えます。

発注側にできるのは、一枚に「辞退の数」と「日数」の列を、必ずしも率だけでなく入れることです。

まとめ

よくある質問

応募が少ないので、まず媒体を足すべきですか

段階ごとの一枚を出してから決めます。応募が少なくても、来ている応募が書類と面接を通って内定まで進んでいるなら、詰まりは応募の段階で、媒体や求人票を直す判断です。応募が少なく、かつ書類で九割落ちているなら、応募の数より質の問題で、要件の書き方や経路の見直しです。応募は足りていて内定後に辞退されているなら、媒体を足しても意味がありません。並べる前に足すと、変えなくてよいものを変えます。

全部の段階で、少しずつ詰まっています

「少しずつ」は、並べて見ると、一か所か二か所が目立つことが多いです。率が最も低い段階と、日数が最も長い段階を探します。本当に全部が同じくらいなら、共通の原因(選考の運用の速さ、担当がいない)があります。その場合は、段階ごとではなく、運用全体(返信の期限、判定の期限、日程の枠)を直します。全部に少しずつ手を付けるより、共通の原因を一つ直すほうが効きます。

一次の通過率が低いのは、面接官が厳しいからですか

「一次を通さなかった」と「一次の前に辞退された」を分けて数えます。落としているなら、面接官の基準か、書類の判断との対応のずれです。辞退されているなら、応募から面接までの日数か、案内の雑さです。混ざったまま「面接官が厳しい」と決めると、直す先を間違えます。日数と辞退の理由を見てから、判断します。