採用代行 / 面接の日程調整
面接の日程調整の進め方|自社でやる場合の手順
面接の日程調整を自社で進めようとして、「候補者にご希望の日時を聞く」から始めると、候補者が出した希望が面接官の予定と合わず、別の日を聞き直し、面接官の返事を待ち、また候補者に戻す、という往復が重なります。往復のたびに一日か二日が過ぎ、面接が決まる頃には候補者は他社の面接を終えています。日程調整で最初にやるべきは、候補者に聞くことではなく、面接官の枠を先に空けて、その中から候補日を出せる状態にしておくことです。結論を先に書くと、進め方は、面接官の枠を週単位で先に空ける→誰が何次で見るかと所要時間を決める→候補日を三つ以上先に出す文面を作る→候補者と面接官の返事の期限を決める→確定の連絡と面接官への共有の型を作る→変更やキャンセルの決まりを作る→往復の回数と社内で止まった日数を記録する→週に一度、枠の空きと止まった日数を見る、の八つの手順で、順番を守ると、往復は一回か二回になり、社内で止まる日数が減り、辞退と無断欠席が減ります。代行に出す場合の切り分けは面接の日程調整は代行に出せるかに、遅くて候補者が流れる構造は日程調整が遅くて候補者が流れるときに書いていますので、ここでは自社で進める手順に絞ります。
手順の全体
| 手順 | やること | 誰が | 頻度 |
|---|---|---|---|
| 一 | 面接官の枠を週単位で先に空ける | 面接官と経営者 | 毎週 |
| 二 | 誰が何次で見るかと所要時間を決める | 人事と責任者 | 最初に一度 |
| 三 | 候補日を三つ以上先に出す文面を作る | 人事 | 最初に一度 |
| 四 | 候補者と面接官の返事の期限を決める | 人事と面接官 | 最初に一度 |
| 五 | 確定の連絡と面接官への共有の型を作る | 人事 | 最初に一度 |
| 六 | 変更やキャンセルの決まりを作る | 人事と責任者 | 最初に一度 |
| 七 | 往復の回数と社内で止まった日数を記録する | 人事 | 候補者ごと |
| 八 | 枠の空きと止まった日数を見る | 人事と経営者 | 週に一度 |
手順の要点は、一が「毎週」で、しかも最初にあることです。多くの会社は、候補者が通過してから面接官の予定を聞きに行きます。それでは候補者が待ちます。枠は候補者が現れる前に空けておき、通過した人にはその枠から候補日を出します。
手順一:面接官の枠を週単位で先に空ける
面接官ごとに、週にどの曜日のどの時間帯を面接に使うかを決め、二週間先まで予定に入れておきます。候補者が来なければ枠は空くだけで、来たときにはすぐ当てられます。
| 面接官 | 担当する回 | 週の枠の例 | 空けておく期間 |
|---|---|---|---|
| 人事 | 一次 | 平日の午前に二枠、午後に二枠 | 二週間先まで |
| 現場の責任者 | 二次 | 火曜と木曜の夕方に一枠ずつ | 二週間先まで |
| 経営者 | 最終 | 水曜の午後に一枠 | 三週間先まで |
止まりやすいのは、面接官が「候補者が決まってから予定を見る」と言うときです。この場合は、「枠を空けないと、候補者が平均で何日待つか」を手順七の記録で示します。記録が無いうちは、「先週は候補者が二人、面接官の返事待ちで四日止まった」のように、直近の事例を一つ挙げて頼みます。面接官が足りないときの組み方は面接官が足りないときに書いています。
手順二:誰が何次で見るかと所要時間を決める
一次は誰が何分、二次は誰が何分、最終は誰が何分、を決めます。所要時間が決まらないと、枠に当てられません。同席する人がいる場合は、同席の人の枠も手順一で空けておきます。
止まりやすいのは、候補者ごとに「この人は誰が見る」を決めているときです。順序が決まっていないと、通過のたびに面接官を探すことになり、そこで一日止まります。順序は先に決め、例外だけをその都度決めます。
手順三:候補日を三つ以上先に出す文面を作る
通過した候補者に送る文面を一つ作ります。「ご希望の日時をお知らせください」ではなく、手順一の枠から候補日を三つ以上並べ、「ご都合の合う日時をお選びください。いずれも難しい場合は、ご希望の曜日と時間帯をお知らせください」と結びます。候補日は、平日の昼だけでなく、夕方や朝の枠も混ぜます。在職中の候補者は昼に動けないことが多いからです。
| 文面の要素 | 書くこと |
|---|---|
| 候補日 | 三つ以上。曜日と時間帯を散らす |
| 所要時間 | 手順二で決めた時間 |
| 形式 | 対面か、接続先か |
| 面接官 | 名前と役職 |
| 返信の期限 | 手順四で決めた期限 |
| 合わないとき | 希望の曜日と時間帯を聞く一文 |
止まりやすいのは、候補日を一つか二つしか出さないときです。合わなければ往復が増えます。三つ以上なら、たいてい一回で決まります。
エラベルの見解
これをやる前に、先に手順一の「枠を先に空ける」を決めておかないと、手順三以降は効きません。相談で多いのは、「候補日を先に出す文面に変えたのに、往復が減らない」というご相談です。聞くと、文面は変えたものの、候補日を出す前に面接官に「来週いつ空いていますか」と聞いていて、その返事に二日かかっていました。候補者から見れば、通過の連絡から候補日が届くまでに二日空いていて、文面を変える前と変わりません。往復が減るのは、候補日が通過の翌日までに届き、しかも三つ以上あるときです。それには、枠が候補者の出現より前に空いている必要があります。エラベルで日程調整を担当する人には、文面を変える前に、面接官の枠を二週間先まで空けてもらうことから始めてもらっています。順番を逆にすると、担当者が速くても効果が出ません。
手順四:候補者と面接官の返事の期限を決める
候補者への返信は当日中、面接官の確認は翌日まで、のように期限を決めます。面接官の期限は、面接官本人と合意しておきます。面接官が返せない日は、代わりに誰が返すかも決めます。
| 場面 | 誰が | 期限 |
|---|---|---|
| 候補者からの連絡に返す | 人事 | 当日中 |
| 候補日の確認を面接官に取る | 面接官 | 翌日まで。返せない日は上長か人事が判断 |
| 確定の連絡を候補者に出す | 人事 | 面接官の確認が取れた当日中 |
止まりやすいのは、面接官の期限が決まっておらず、「忙しいので週末に見ます」で三日止まるときです。候補者への期限を決めても、面接官の期限が無いと、社内で止まった日数がそのまま候補者の待ち時間になります。
手順五:確定の連絡と面接官への共有の型を作る
日程が決まったら、候補者には日時、所要時間、場所か接続先、持ち物、面接官の名前と役職を送ります。面接官には、予定に入れ、経歴書と、その回で見る観点を前日までに渡します。共有の型を一つ決めておくと、誰がやっても抜けません。
止まりやすいのは、面接官への共有が「予定に入れるだけ」になっているときです。面接官が当日に経歴書を初めて見ると、面接の質が下がり、評価もばらつきます。観点の渡し方は面接官によって評価がばらつくときに書いています。
手順六:変更やキャンセルの決まりを作る
候補者からの変更は何回まで受けるか、面接官からの変更は当日中に代わりの枠を出すか、無断欠席のときに再連絡するか、を会社として決めておきます。前日に確認の連絡を出すことも、ここで決めます。
止まりやすいのは、変更の申し出のたびに「どうしましょう」と責任者に聞いているときです。決まりがあれば人事がその場で返せます。無断欠席の減らし方は面接のドタキャン・無断欠席を減らすときに書いています。
手順七:往復の回数と社内で止まった日数を記録する
候補者ごとに、通過の連絡日、候補日を出した日、候補者の返信日、面接官の確認日、確定の連絡日、面接日を一行で残します。この表から、「往復が何回か」「面接官の確認待ちで何日止まったか」「通過から面接まで何日か」が読めます。
| 列 | 何が分かる |
|---|---|
| 通過の連絡日と候補日を出した日 | 候補日が翌日までに出ているか |
| 候補者の返信日 | 候補者側で止まった日数 |
| 面接官の確認日 | 社内で止まった日数 |
| 確定の連絡日と面接日 | 通過から面接までの日数 |
| 往復の回数 | 候補日の出し方が合っているか |
表の要点は、「候補者側で止まった日数」と「社内で止まった日数」を分けて読めることです。日程調整が遅いとき、原因が候補者にあるのか社内にあるのかが、ここで初めて分かります。
手順八:週に一度、枠の空きと止まった日数を見る
週に一度、来週と再来週の枠が空いているか、先週の候補者が社内で何日止まったかを見ます。枠が足りない週があれば、手順一に戻って面接官と話します。社内で止まった日数が続く面接官がいれば、手順四の期限を見直すか、代わりの人を決めます。
止まりやすいのは、記録を取っているのに見ていないときです。週に一度、経営者に「先週の候補者は社内で平均何日止まった」を一行で伝える形にすると、枠の話が経営者の判断になります。
外の人に頼む場合の境目
八つの手順のうち、一の枠を空ける決定、二の順序、六の決まりは会社が持ちます。三の文面、四の期限の運用、五の連絡と共有、七の記録、八の見方の整理は、外の人に出せます。切り分けの詳しい話は面接の日程調整は代行に出せるかに書いています。
外に出す判断の目安は、「枠は空いているが、往復と連絡と記録が回っていない」ときです。枠が空いていないまま外に出しても、外の人は候補日を出せません。逆に、枠が空いていて人事が当日中に返せているなら、外に出す必要はありません。
エラベルの見解
担当する側から見ると、日程調整で会社ごとに差がつくのは、手順四の「面接官の返事の期限」があるかどうかです。候補者への当日返信は担当者が自分で守れますが、面接官の返事は担当者には動かせません。期限が決まっている会社では、担当者は「明日までにご確認ください」と言え、返事が無ければ代わりの人に聞けます。期限が決まっていない会社では、担当者は面接官の返事を待つしかなく、候補者には「確認中です」としか言えません。同じ担当者が同じ文面で同じ速さで動いても、面接官の期限がある会社と無い会社で、通過から面接までの日数は数日変わります。エラベルでは、日程調整を担当する人に、最初の一週間で手順一の枠と手順四の期限を会社と決めてもらい、手順七の表を作るところまでをお願いしています。ここまでできると、二週目からは「社内で止まった日数」が数字で出て、枠と期限の話を担当者の頑張りではなく会社の判断に戻せます。
まとめ
- 日程調整は「候補者に希望を聞く」ではなく、面接官の枠を先に空けるところから始める
- 手順は枠を先に空ける→順序と所要時間→候補日を三つ以上先に出す文面→返事の期限→確定と共有の型→変更の決まり→記録→週に一度見るの八つ
- 候補日は通過の翌日までに三つ以上。曜日と時間帯を散らすと往復が一回で済む
- 面接官の返事にも期限と代わりの人を決める。ここが無いと社内で止まった日数が候補者の待ち時間になる
- 記録の表は候補者側で止まった日数と社内で止まった日数を分けて読めるようにする
- 外に出せるのは文面・期限の運用・連絡と共有・記録・見方の整理。枠の決定・順序・変更の決まりは会社が持つ
よくある質問
面接官の予定を二週間先まで空けてもらうのは無理があります
空けておくのは「面接に使うかもしれない時間」で、候補者が来なければ他の業務に使えます。週に数枠から始めて、埋まる週が続くなら増やします。空けてもらうときは、「空けないと候補者が平均で何日待つか」を手順七の記録で示すと、面接官の側も判断しやすくなります。それでも空かない場合は、面接官の数を増やすか、一次を人事だけで行うかを考えます。
候補者が三つの候補日のどれも合わないと言います
在職中の候補者は平日の昼に動けないことが多いので、候補日に夕方や朝の枠を混ぜます。それでも合わない場合は、候補者の希望の曜日と時間帯を聞き、その枠を面接官に頼みます。往復が増えるのはこのときだけなので、記録に「候補者側の都合」と残しておくと、社内の遅れと区別できます。
日程調整の速さは、辞退にどのくらい影響しますか
一つの数字で示せるものではなく、職種と市場で変わります。分かっているのは、候補者は複数の会社の選考を同時に進めていて、先に面接が決まった会社から順に進むことです。通過から面接までの日数が他社より長ければ、その分だけ他社が先に進みます。影響の大きさを知りたいなら、手順七の表で「通過から面接までの日数」と「辞退の有無」を並べて、自社の数字で見ます。辞退が続くときの見直し方は内定辞退が続くときに見直す3点に書いています。