スカウト代行 / doda
dodaのスカウト代行|任せられる範囲と成果の測り方
dodaのスカウトを代行に出すときは、作業の分担より先に、契約書に何を書くかを決めておくと話が早く進みます。doda ダイレクトの定額プランには「利用期間、配信通数の上限があります」と明記されていて、代行に送信を任せることは、期間の決まった通数という在庫の使い方を任せることになるからです。この記事では、委託契約や発注書に書いておきたい内容を五つの条項の形に分け、それぞれの書き方と、書く前に自社の数字で見積もる方法を整理します。以下は2026年9月24日時点の公式サイトおよびヘルプの記載に基づく整理で、運営はパーソルキャリア株式会社です。
条項1 委託範囲:オファーの枠ごとに書き分ける
最初の条項は、何を任せるかです。この媒体では、企業が送る枠が通常のオファー、プレミアムオファー、面接確約オファーの三つに分かれています。枠によって消費するものが違うので、「スカウト業務一式」とまとめて書くと、任せてはいけない判断まで渡ってしまいます。
| 枠 | 委託してよい作業 | 社内に残す判断 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 通常のオファー | 抽出、文面、送信、記録 | 週の送信上限 | 消費するのは通数だけ |
| プレミアムオファー | 抽出、文面、送信、記録 | 画像や動画など素材の選定 | 約2倍の情報量の枠で、会社の見せ方が問われる |
| 面接確約オファー | 候補の抽出と文面の下書き | 送信先の決定 | 面接枠を消費し、履行が媒体を通じて確認され得る |
面接確約オファーを分けるのは、ヘルプに「面接確約オファーは面接実施をお約束するオファーです」と明記され、実施されない場合は「dodaカスタマーセンターまでお問い合わせください」と候補者に案内されているためです。例外として、本人による選考辞退や繰り返しの応募があった場合、企業の採用活動が中止となった場合、応募依頼の期限を過ぎた場合(ご紹介日から14日。採用プロジェクト担当の面接確約オファーのみ)が挙げられています。過去に辞退した候補者を確約の対象から外すことは、抽出の手順として依頼書に書いておきます。
もう一つ書いておきたいのが、応募経路の案内です。ヘルプには、面接確約オファーで紹介された求人に「オファー経由ではなくサイト経由で応募いただいた場合は、面接が実施されないこともあります」と書かれています。代行が作る確約の文面に、オファー内の応募ボタンから応募してほしい旨を入れることを、委託範囲の条件として明記しておくと、漏れを防げます。
エラベルの見解
確約の枠を代行に開放するかどうかは、代行会社の実力ではなく、自社の面接官の体制で決めるものです。基準は一つで、返信が来た翌営業日に日程を出せるかどうかです。出せるなら、送る相手の基準を条項に書いたうえで代行に任せる余地があります。出せないなら、確約は社内で送る数だけに絞ります。代行会社の側は、送る量が成果に見えやすいので、確約の枠も使いたがる傾向があります。しかし守れない確約は、候補者に対しても媒体に対しても不利に働きます。同じ業務範囲でも、この線を最初の打ち合わせで自分から持ち出す担当者と、言われるまで触れない担当者では、3か月後の状態が変わります。委託範囲の考え方はスカウト代行の範囲にもまとめています。
条項2 通数の配分権:誰が在庫の使い方を決めるか
二つ目の条項は、通数の配分を誰が決めるかです。定額プランの上限の詳細は問い合わせ扱いですが、公式ページで比較として並べられている有料プランの例は「8週/400通」で、「その他プランもございます」と添えられています。通数が期間とセットで決まる以上、配分の権限をどこに置くかで、代行の動き方が変わります。
| 型 | 配分を決める人 | 向く状況 | 条項に書くこと |
|---|---|---|---|
| 週次上限型 | 社内が週ごとの上限を決める | 最初の契約、消費の速さが読めない | 週の上限、超過時の扱い |
| 月次配分型 | 社内が月の配分を決め、週の使い方は代行に任せる | 代行が運用に慣れている | 月の配分、残通数の報告頻度 |
| 全量委任型 | 代行が期間全体の配分を決める | 代行の実績が確認できている | 期間終盤に余った場合の使い方 |
最初の契約では、週次上限型が扱いやすいと考えます。在庫の消費速度が読めない段階で月単位の裁量を渡すと、前半で使い切ったときに調整が効きません。どの型でも、期間の前半で想定を超えて消費したときに追加購入するかどうかは、プランによって扱いが変わる可能性があるため、可否と条件を契約前に媒体側へ確認しておきます。
契約前に確認する項目は、非公開の部分があっても自社の数字で見積もれます。媒体費も代行費も一覧の料金は公開されていませんが、何を聞けば数字が出るかは決まっています。次の表は、何と何を掛ければ代行に払う額の妥当性が見えるかを並べたものです。
| 見積もる項目 | 掛け合わせるもの | 数字の出どころ |
|---|---|---|
| 週あたりの送信数 | 総通数 ÷ 契約週数 | 媒体の担当者に総通数と期間を聞く |
| 代行費の一通あたり | 代行の月額 ÷ 月の送信数 | 代行の見積もりと上の数字 |
| 面接一件あたりの費用 | (媒体費+代行費)÷ 見込みの面接数 | 自社の面接枠と過去の返信率(なければ仮の値) |
一通あたりの代行費が安く見えても、Web履歴書を読む時間が含まれていなければ、同じ作業の値段ではありません。面接一件あたりまで直してから比べると、見積もりの書き方の違いに惑わされにくくなります。並べ方はスカウト代行の費用比較でも整理しています。
条項3 媒体の支援と重なる作業を外す
三つ目は、代行に頼まない作業を書く条項です。doda ダイレクトの公式ページのよくある質問には、「貴社専任のカスタマーサクセスが1000社以上の導入実績をもとに、応募効果の高いスカウト文面や貴社の魅力をPRするテクニック等をご提案いたします」と書かれています。続けて、オンラインで視聴できる採用力向上動画などのサポートコンテンツがあることも案内されています。
立ち上げの支援についても記述があります。「doda ダイレクト」は、お申込み日以降であれば利用開始日前から「求人票/スカウトメール作成・配信予約/転職希望者検索」に着手できるとされています。代行会社の提案に「文面の改善提案」や「立ち上げ支援」が入っているなら、媒体側で受けられる支援と重なっていないかを照らし合わせます。
重なりを外すと、代行に残る価値は、手を動かす量と、複数の媒体をまたいだ運用に絞られることが多いはずです。媒体の支援で受けられる作業を、代行の見積もりから外すことを条項として書いておけば、二重に払う事態を避けられます。その分の予算は、送信の前に経歴を読む時間に回せます。
条項4 応募後の一次連絡と書類の受け取り
四つ目は、応募が来たあとの連絡を誰が持つかです。ヘルプの「企業からのメッセージ画面について教えてください」には、「応募前や、応募後企業からメッセージが届いていない場合には返信することができません」と書かれています。企業が先に一通送らないと候補者は返信できないので、この一通を誰がいつまでに送るかは、条項として決めておく必要があります。
書き方は三通りあります。代行が定型の一通を送れば速さは出ますが、内容は定型に寄ります。社内が送れば内容は濃くなりますが、遅れるおそれがあります。応募が少ないうちは社内で書き、増えてきたら代行が定型を送って社内が要点を追記する、という段階的な書き方にすると、両方の弱点を抑えられます。
書類の受け取りもこの条項に含めます。ヘルプには、dodaスカウトサービスについて「アップロードした職務経歴書は、応募時に企業が参照することはありません」とあり、必要になった場合は「応募・選考状況」から「企業からのメッセージ」画面を開いてファイルを添付する流れが案内されています。また、企業に直接応募する求人は、応募後の合否連絡や面接調整を「dodaを介さず、企業と直接行うことができます」とされ、「厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者による紹介」に該当しない求人とも書かれています。選考の連絡と候補者の書類を代行が扱う場合は、個人情報の取り扱いと記録の引き渡し方法を条項に入れ、法令の解釈が関わる部分は個別に専門家へご確認ください。
条項5 報告の中身と、報酬の根拠にする指標
最後の条項は、何を報告してもらい、何を報酬の根拠にするかで、報告を読む前提として共有しておきたい仕様もあります。ヘルプによれば、媒体は応募していない登録者にリマインドとして2通目のお知らせメールを配信することがあります。候補者は企業ブロック設定でスカウトサービス利用企業に登録情報を非公開にでき、職種ブロックで特定職種のオファーを届かないようにもできます。公式ページには「料金プランによって、閲覧/スカウトができるデータベースが異なって」いるとも書かれています。母集団が少ないという報告が来たら、条件の問題かプランの範囲の問題かを切り分けます。
| 系統 | 報告してもらう指標 | 報酬の根拠にするか |
|---|---|---|
| 在庫 | 残通数、残期間、週の消費数、計画との差 | する(計画どおり消化できたか) |
| 開封 | 開封数と開封率 | する(改善の幅) |
| 返信・応募 | 返信数、応募数、プレミアムと通常の応募率の差 | 参考にする |
| 確約 | 面接確約オファーの送信数と面接実施数 | 参考にする |
| 速度 | 応募から初回メッセージまでの時間 | 一次連絡を任せる場合はする |
開封を指標に置けるのは、公式ページが開封率64.8%という数値を示していて、開封が管理できる段階として存在するからです。件名の問題と本文の問題を分けて改善を依頼できます。ただしプレミアムオファーの上位表示の期間は、同じページに「2週間上位に表示され」と「一週間上位表示されます」の両方の記述があり、報告の前提として商談で確かめておきます。
エラベルの見解
この媒体の代行契約で、報酬の根拠を送信数に置くのはおすすめしません。通数が有限な媒体では、早く使い切ることに価値がなく、期間を通じて均して使い、状況に合わせて相手を選び続けるほうが成果につながります。送信数で払う契約は、代行会社にとって早く送るほど有利になり、企業が望む動き方と逆を向きます。根拠に置くなら、計画どおりに消化できたかと、開封率がどれだけ改善したかの二つです。同じ料金でも、この二つを週次で並べて報告できる担当者と、送信数だけを報告する担当者では、中身がまったく違います。運用の全体像はdodaのスカウト運用設計、条件の組み方はdodaの検索条件の組み方にまとめました。
まとめ
- dodaの代行は通数という在庫の委託になるため、作業の分担より先に契約書に書く内容を決める
- 委託範囲は枠ごとに書き分け、面接確約オファーの送信先の決定は社内に残す
- 通数の配分権は、最初の契約では社内が週の上限を決める形が扱いやすい。代行費は面接一件あたりまで直して比べる
- 媒体の専任カスタマーサクセスと重なる作業は、代行の見積もりから外す
- 報酬の根拠は送信数ではなく、計画どおりの消化と開封率の改善に置く
よくある質問
Q. dodaのスカウト代行で、面接確約オファーも任せてよいですか
抽出や文面の下書きは任せられますが、送信先の決定は社内に残すほうが安全です。面接確約オファーは面接の実施を約束するもので、実施されない場合の問い合わせ窓口が候補者向けに案内されています。返信が来た翌営業日に日程を出せる体制があるなら、送る相手の基準を決めて任せる余地があります。
Q. 代行会社の見積もりは何と比べればよいですか
月の送信数と、面接一件あたりの費用に直して比べます。代行の月額を月の送信数で割り、媒体費と合わせて見込みの面接数で割ると、書き方の違う見積もりも同じ物差しで並べられます。媒体の料金は非公開のため、総通数と期間は媒体の担当者に確認してください。
Q. 媒体のカスタマーサクセスがいるのに、代行は必要ですか
文面の提案やPRのテクニックは、媒体の専任カスタマーサクセスから受けられると公式ページに書かれています。そのため代行に頼む理由は、文面を書けないことより、送る手が足りないことや複数媒体をまたいで運用したいことに絞られます。理由が絞れれば、委託範囲と費用も絞れます。
※料金・機能・提供条件は変わります。掲載した内容は2026年9月24日時点の公式サイトおよびヘルプの記載に基づくもので、個別の契約内容については契約書と担当者の案内をご確認ください。