スカウト代行 / iroots

irootsのスカウト代行|新卒スカウトを外注する範囲

公開 2026-09-23

irootsの運用を外に出すとき、うまくいくかどうかは委託契約書の条項に何を書くかでかなりの部分が決まります。この媒体は参画する企業の側が選ばれる仕組みで、学生は時間をかけて書き込んだレジュメをもとにスカウトを受け取ります。よくある「月◯通送信」の契約をそのまま当てはめると、手間の実態と契約の数え方がずれてしまいます。この記事では、業務範囲、成果物の数え方、品質と報告、個人情報と引き継ぎの四つの条項と、契約前の見積もりの出し方を、契約書に書く順に整理します。以下は2026年9月23日時点で公式サイトおよび運営会社のエン株式会社(旧:エン・ジャパン)のサイトに記載されている内容に基づいており、選定の型はirootsのプロフィール選定基準の作り方に、文面はirootsのスカウト文面の型に、運用はirootsの運用スケジュールと送信計画にまとめています。

業務範囲の条項:参画と企業情報は委託の外に置く

irootsの学生向けサイトは、参画企業について「社会貢献・成長環境・透明性の3軸で選抜された企業のみがirootsに参画している」としています。エン株式会社のサービス紹介ページも、「厳選された10%の企業から届くスカウト」という表現で説明しています。参画に選抜があるなら、そこで提出する情報は自社の実態そのものです。外注先が代わりに答えられる内容ではないので、業務範囲の条項では、委託に含める工程と含めない工程を分けて書くところから始めます。

次の表は、工程ごとに委託へ含めるかどうかと、条項での書き方をまとめたものです。契約書のひな形は「乙は〜を行う」と委託する側だけを書くことが多いのですが、この媒体では「甲が行う」「乙は補助する」「決定は甲が行う」を書き分けておくほうが、あとでもめません。委託に含めない工程まで書いておくと、見積もりに入っている作業の範囲も読み取りやすくなります。

工程委託に含めるか条項での書き方
参画の申し込みと運営への問い合わせ含めない甲が行うと明記する
参画時に提出する情報の準備補助のみ乙は整理を補助し、内容は甲が決める
掲載する企業情報文章の調整のみ乙が文案を整え、掲載の判断は甲が行う
選定条件の設計案の作成乙が案を出し、決定は甲が行う
レジュメを読んで文面を書く含める本数で定める(次の条項)
送信と記録含める記録する項目を別紙で指定する
返信の一次対応含める当日中の返信を条件にする
面談の実施含めない甲が行う

表で見てほしいのは、「補助」と「決定」を分けている行です。学生向けサイトは、irootsから届くものとして非公開イベントや特別先行ルート、インターンの案内などを挙げています。先行ルートを作ると選考のフローを一部変えることになり、人事だけでも決められないので、外注先には決められません。渡すものの中身は甲が決め、集客の設計と案内の文面は乙に出すという線を、業務範囲の条項にそのまま書いておきます。営業担当の支援と重なる部分もあるので、どこまで運営側が見てくれるかは、企業向けログイン画面で案内されているiroots窓口(isupport@iroots.jp)に確かめてから範囲を確定させます。

成果物の条項:送信数ではなく読んで書いた本数で数える

エン株式会社のサービス紹介ページは、irootsについて、自分の価値観を定量化するサーベイや、経験を可視化するために過去をしっかりと振り返るレジュメ等で、学生が自己理解を深められるとしています。学生向けサイトも、プロフィール・適性診断結果を閲覧した非公開企業から直接スカウトが届く仕組みだと案内しています。書き込んだ相手に定型文を送ると、書き込んだ意味が無かったと受け取られます。外注先に頼む仕事の中身は「送信作業」ではなく「読んで書くこと」になるので、成果物の数え方もそれに合わせます。

数え方手間の実態との一致契約後に起きやすいこと
月◯通送信合わない通数を満たすために定型文が増える
読んで書いた文面を月◯本合う本数の上限が読む時間で決まる
面談設定を月◯件一部合う相手のある話なので下限を置きにくい

成果物は「読んで書いた文面の本数」を主にし、面談設定の件数は報告の項目として持つ形が、この媒体には合っています。面談件数を成果物に据えると、下限を達成するために送る相手を広げる動きが出やすくなるからです。条項には、一本あたりに想定する読む時間も書いておきます。レジュメを読むのに五分かかるなら、二十本で二時間弱です。この前提が書いてあれば、提案された本数が読む時間と釣り合っているかを契約前に確かめられます。

エラベルの見解

同じ「月◯本」の契約でも、担当者によって一本の重さはかなり変わります。レジュメを最後まで読んで、本人が書いた言葉を自分の言い方で返せる担当者もいれば、冒頭の数行と所属だけを見て書く担当者もいます。契約書の本数は同じなので、差が出るのは文面の一行目です。見積もりを比べる前に、候補の担当者に、個人が特定できない形に加工したレジュメを一つ渡して、一通だけ書いてもらってください。

何分かかったか、どの記述を拾ったかを聞けば、その人が本数契約に向くかどうかはおおよそ分かります。単価を下げる交渉は、そのあとで十分です。読む時間を削った分は、書き込んだ学生ほどはっきり気づきます。

品質確認と報告の条項:同じ表を同じ場で見る

「読んで書いた」かどうかは、文面を見れば分かります。品質の条項には、毎週、送った文面のうち数本を社内が読むことと、差し戻しの基準を書いておきます。たとえば「一行目にレジュメのどこを読んだかが書かれていない文面は差し戻す」といった一文があるだけで、定型化に早く気づけます。差し戻しが続いたときに担当者の交代を求められるかどうかも、この条項で決めておくと安心です。

報告の条項では、振り返りの場を一本にすることを書きます。運営の営業担当との打ち合わせと、外注先の週次報告が別々に走ると、数字の定義がずれていきます。見る項目は四つで足りますが、それぞれの定義を先にそろえておかないと、同じ「返信率」でも別の数字が出てきます。

報告項目契約で決めておく定義数字から判断すること
読んで書いた本数下書きを含めるか、送信済みだけか読む時間が確保されているか
開封率分母を送信数に置くか件名と冒頭の書き方
返信率辞退の返信を含めるか相手の選び方と文面
渡したものへの参加率申し込みで数えるか、当日の参加で数えるか渡している中身の強さ

四つ目の参加率を契約に入れるのは、限定の案内として送る媒体だからです。送信数や返信率だけを報告されても、イベントや先行ルートが機能しているかは判断できません。エン株式会社はirootsのほかに、エン転職ダイレクト、エンカレッジ、Talent Analytics、HR OnBoardといった人事・採用担当者向けのサービスを提供しています。複数を併用する場合は、面談の記録に入り口を書く欄を設けることまで報告の条項に入れておくと、あとで効果を分けられます。

個人情報と引き継ぎの条項:誰がどこまで見て、何を残すか

外注先が学生のレジュメを読む以上、誰がどこまで見られるかを契約書に書いておく必要があります。管理画面に外部の担当者を入れられるか、権限を機能ごとに分けられるかは公開されていないので、運営に確認してから条項を書きます。外部の担当者が入れない仕様であれば、そもそもこの形の外注が成り立つかから見直すことになります。取り扱いに迷う場合や、職業安定法・個人情報保護法の解釈が関わる場合は、個別の判断を専門家にご確認ください。条項に書いておきたいのは、次のような項目です。

引き渡すものは具体的に書きます。使った選定条件、送った文面、条件別の反応を、媒体の管理画面の外にも残しておく約束です。外注が終わったあとに社内で回せるかどうかは、この記録の残り方で決まります。持ち出してはいけない個人情報と、引き渡してほしい運用の記録を同じ条項の中で分けて書くと、終了時の手戻りが少なくなります。

契約前に自社の数字で本数と費用を見積もる

irootsの料金、通数、管理画面の権限は公開されていません。費用の出方が年間の定額なのか、通数に連動するのか、成果に連動するのかによって、委託契約の書き方も変わります。分からないまま契約書を作るのではなく、分からない項目は誰に聞けば数字が出るのかを整理し、手元の数字で掛け算できるところまで進めておきます。

出したい数字掛け合わせるもの誰に聞けば出るか
月に読んで書ける本数担当者の週の稼働時間 × 60 ÷ 一本あたりの分数 × 月の週数外注先
月に送る必要のある本数月に出せる面談枠 ÷ 返信率の見込み面接担当の予定は社内、返信率は仮置き
委託費本数 × 一本あたりの単価、または月額 ÷ 上限本数外注先
媒体側の費用年額か、通数連動か、成果連動かの形に応じて運営(iroots窓口)

一つ目と二つ目の本数を比べ、少ないほうに合わせるのが基本です。書ける本数が送る必要のある本数を下回るなら、担当者の稼働時間を増やすか、面談枠を減らすかを決めます。逆に送る必要のある本数のほうが少ないなら、委託する本数を絞れます。返信率はこの媒体での実績が無いうちは仮の値なので、最初の一か月で実績に置き換える前提で契約の見直し時期を決めておきます。

もう一つ決めておきたいのが、契約の起点日です。参画の審査の基準や期間は公開されていないので、送信を始められる日は運営に確かめるまで決まりません。外注先には契約日ではなく、渡すものの日程が確定した日を起点にした立ち上げ計画を出してもらいます。起点を契約日にすると、日付の入っていない曖昧な案内が送られる期間ができてしまいます。

エラベルの見解

契約書のひな形を代行会社から受け取る前に、先に社内で決めておいてほしいのが、渡すものの日程です。非公開イベントの日付と出る社員、特別先行ルートで何を省くか、この二つが決まっていないと、起点日の条項も、参加率の定義も、文面の三行目も書けません。代行会社との打ち合わせが「日程が決まったらまた」で止まり、その間も月額だけが発生する、という流れは避けたいところです。先行ルートの社内合意には時間がかかることがあるので、契約の話と並行して現場と役員に諮っておくと、契約した翌週から動けます。担当者を選ぶときも、最初の打ち合わせで渡すものの日程を聞いてくる人かどうかを見てください。

まとめ

よくある質問

Q. irootsの運用を丸ごと代行会社に任せることはできますか

参画の申し込みや提出する情報、渡すものの中身は自社の実態そのものなので、外注先が代わりに決めることはできません。任せられるのは、レジュメを読んで文面を書く工程、送信と記録、返信の一次対応が中心になります。管理画面に外部の担当者を入れられるかは公開されていないため、運営に確認してください。

Q. 代行の見積もりが「月◯通」で出てきた場合はどうすればよいですか

一本あたり何分かけて読む前提かを聞き、「読んで書いた本数」に直して比べてください。通数が多い提案は、読む時間が少ない前提になっていることがあります。担当者の週の稼働時間と一本あたりの分数を掛け合わせれば、その通数が現実的かどうかを確かめられます。

Q. 契約書で個人情報について何を書いておけばよいですか

閲覧できる担当者の範囲、管理画面の外への持ち出しの可否、契約終了時に削除するものと引き渡すものを分けて書いておくのが基本です。管理画面の権限の分け方は運営に確認が要ります。法令の解釈が関わる部分は、個別の判断を専門家にご確認ください。

仕様や提供範囲は変わります。上に挙げた内容は2026年9月23日時点の公式サイトおよび運営会社のサイトの記載です。通数・料金・管理画面の権限は公開されていないため、契約前に運営の案内でご確認ください。

出典