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合否判断に関わってよいか|人事の副業で、「材料を出す」と「決める」の間に引く線と、関わり方の段階

公開 2026-09-16

書類の一次絞りをしていると、「この人は通す」「この人は見送る」を自分が決めているように感じます。面接の記録を取っていると、「この人は合う」「合わない」が自分の中に生まれます。依頼側から「あなたの判断で進めて」と言われれば、決めてよいと思えます。ただ、合否の判断そのものを副業の人が持つと、判断の責任が副業の人に移り、依頼側は自社の判断の根拠を失い、候補者から見ても「誰が決めたのか」が不透明になります。結論を先に書くと、合否への関わり方は「記録」「整理」「推奨」「確定」の四段階に分かれ、副業の人は推奨まで関わり、確定は依頼側に残すのが線です。推奨と確定の間に一段あるだけで、判断の責任は依頼側に残り、副業の人は判断の材料を最も厚く出す役になれます。判断の線全般は踏み込みすぎない線引きに、面接での役割は面接代行を受けるときの注意にまとめています。

四段階の関わり方

合否への関わり方を四段階に分け、それぞれ何をするか、誰がするかを整理します。

段階内容誰がするか出てくるもの
一 記録書類の内容、面接の発言を、事実として型に沿って書く副業の人事実の記録
二 整理記録を、依頼側の要件(見る点)ごとに、三段階と理由で並べる副業の人要件に対応した整理
三 推奨整理をもとに、「通過推奨」「要判断」「見送り推奨」の三つに分ける。理由を添える副業の人推奨と理由
四 確定推奨を見て、通す・見送るを決める依頼側(担当、面接官、判断する人)合否

四段階の要点は、「三の推奨は、判断ではなく提案」ということです。「通過推奨」は「通します」ではなく「通すことを推奨します。理由はこうです」。依頼側が推奨と違う判断をしてもよい。この一段の違いが、責任の所在を分けます。

なぜ確定を依頼側に残すのか

副業の人が確定まで担うと何が起きるかを、三つの側から整理します。

副業の人が確定すると依頼側が確定すると
依頼側自社の採用の判断を外部に委ねた形になる。判断の根拠を社内で説明できない。結果が悪いと副業の人に責任を向ける判断の根拠が社内にある。結果の責任を自社で持てる。副業の人の推奨を材料として使える
副業の人判断の責任を負う。結果が合わないと評価が下がる。範囲が判断まで広がり、時間と単価が崩れる材料の質で評価される。判断の結果には責任を負わない。範囲が守られる
候補者誰が決めたのか不透明。外部の人が決めていたと知れば不信会社が決めたと分かる。透明

理由の要点は、「依頼側にとっても、副業の人が確定するのは不利」ということです。依頼側は、任せたつもりで、自社の判断の根拠を失っています。「あなたの判断で」と言う依頼側に、確定を返すことは、依頼側を守ることでもあります。

エラベルの見解

登録の相談で多いのは、「依頼側から『任せる』と言われて一次の合否を決めていたら、採用した人が合わず、『あなたが通した人だ』と言われた」という話です。副業の人は、任されたから決めた。依頼側は、任せたつもりで、結果が悪いと副業の人の責任にした。どちらも悪気は無く、確定を誰が持つかを決めていなかったことが原因です。

見ていて差がつくのは、「推奨と確定の間の一段を、依頼側に理解してもらっているか」です。「私は通過推奨・要判断・見送り推奨の三つに分けて理由を添えます。確定は御社でお願いします。通過推奨と見送り推奨は確認だけで済むように整理するので、御社の負担は小さいです」。この説明があると、依頼側は「確認するだけ」と受け入れ、確定を持ちます。エラベルの登録でも、選考に深く関わりながら続いている人は、推奨まで、と線を引き、依頼側の確認の一段を設けています。

確定を求められたときの返し方

依頼側から「あなたが決めてよい」と言われたときの返し方を、番号付きで整理します。

  1. 任されたことへの礼を一言。 「信頼していただいてありがとうございます」。
  2. 確定を依頼側に残す理由を、依頼側の側から言う。 「合否を私が決めると、御社の採用の判断が外部にある形になり、社内で根拠を説明しにくくなります。結果が合わなかったときにも、御社が判断の根拠を持てません」。
  3. 自分の関わりを、推奨までと示す。 「私は三つに分けて理由を添えます。確定は御社のどなたかにお願いします」。
  4. 依頼側の負担を小さくする形を提案する。 「通過推奨と見送り推奨は、御社は確認だけで済むように整理します。要判断だけ、御社の判断をお願いします」。
  5. 確定者を一人決めてもらう。 担当か、面接官か、判断する人か。「どなたが確定されますか」。
  6. 確定の返事の目安を決める。 「〇営業日以内にご確認いただけると、候補者への連絡が遅れません」。
  7. 書面に、四段階の分担を書く。 「記録・整理・推奨は副業の人、確定は〇〇」。
  8. それでも「決めてほしい」なら、判断を含む範囲はお受けしていないと伝える。 丸投げ案件をどう扱うか

返し方の要点は、「四で、依頼側の負担が小さいことを示す」ことです。依頼側が確定を副業の人に渡したいのは、判断の手間を減らしたいからです。確認だけで済む形にすれば、依頼側は確定を持てます。

段階ごとの記録の残し方

四段階のそれぞれで、何を記録として残すかを整理します。記録は、判断の責任の所在を示すものになります。

段階残すもの置き場
記録書類の内容と面接の発言を、事実として。所感は別欄依頼側の環境の中(応募者管理の仕組み、共有フォルダ)
整理見る点ごとの三段階と理由同上
推奨三分類と理由。「推奨」であることを明記同上
確定誰が、いつ、何と決めたか。推奨と違う判断なら、その旨同上。依頼側が書く。副業の人は「確定をお願いします」の依頼と、確定の返事を記録

記録の要点は、「確定の記録を、依頼側が書く」ことです。副業の人が「〇〇さんが通過と決めた」と書くのではなく、依頼側が自分で「通過」と書く。依頼側の環境の中の表に、確定の欄を設け、依頼側が埋める形にします。情報の取り扱いと端末の分離を参照してください。

関わりすぎる失敗

合否に関わりすぎる失敗を整理します。

失敗起きる構造直し方
「任せる」と言われて確定する任されたと思う推奨まで。確定者を決めてもらう
推奨を「通します」と書く言葉が判断になっている「通過を推奨します。理由は」
所感で推奨を決める印象が強い型に沿った整理から推奨を出す
要判断を自分で決める判断する人が忙しい上げる。決めない
確定の記録を自分が書く依頼側が書かない依頼側の環境に確定の欄を設け、依頼側が埋める
確定の返事が来ないので進める候補者を待たせたくない期限付きで確定を求める。来なければ「確定待ち」と記録し、候補者には「結果は〇日以内に」
推奨と違う判断に異を唱える自分の推奨が正しいと思う確定は依頼側。推奨と違う判断も記録に残すだけ
見送り推奨の候補者について、候補者に自分の判断を伝える候補者に納得してほしい結果の連絡は依頼側の判断のあと、依頼側の方針で
結果が悪いと「自分の推奨のせい」と抱え込む責任感推奨は材料。確定は依頼側。区切りで型を直す
書面に分担が無い面談で決めなかった初回打ち合わせで四段階を書面に

失敗の要点は、「推奨と違う判断に異を唱えない」ことも含む点です。副業の人の推奨が正しくても、確定は依頼側の判断です。異を唱えると、確定を副業の人が握っている形に戻ります。推奨と違う判断は、記録に残すだけにします。

エラベルの見解

担当する側として登録した人の話を聞くと、選考に深く関わりながら続いている人は、「自分の推奨が通るかどうか」に関心を持っていません。型に沿って記録し、整理し、推奨を出し、確定は依頼側。推奨と違う判断が出ても、記録に残して次に進む。区切りで、推奨と確定のずれを見て、型を直す。この距離感があると、判断の責任は依頼側に残り、副業の人は「材料の質」で評価されます。

依頼側から見ると、副業の人が合否を確定することは、短期的には楽でも、自社の採用の判断が外にある形になり、後で困ります。エラベルは、企業と担当者の間に立つ窓口として、選考に関わる案件では、担当者の役割を推奨までとし、確定は依頼側に残す形をお伝えしています。推奨と確定の間の一段を設けることが、依頼側と担当者の両方を守ります。

まとめ

よくある質問

一次絞りで「見送り推奨」にした候補者を、依頼側が確認せずに全員見送りにしています

確認の形になっていない状態です。「見送り推奨は確認だけで済むように整理しています」と伝えていても、確認自体が行われていなければ、実質的に副業の人が確定していることになります。「見送り推奨の中に、要件の一部が高い候補者が〇名います。念のためご確認ください」と、確認を促す形で送ります。それでも確認されないなら、区切りで「確定の確認が行われていないので、判断の責任が私に寄っています。確認の時間をいただくか、確定者を変えていただけますか」と伝えます。確認が無い推奨は、確定と同じです。

推奨と違う判断が続いて、自分の推奨に意味が無いように感じます

推奨と確定がずれることは、型の精度を上げる材料です。区切りで、推奨と確定を並べ、どこがずれているかを依頼側と見ます。依頼側の見る点が型に無ければ、型に足す。依頼側の基準が型より厳しければ、三段階の基準を直す。ずれが縮まれば、推奨の意味は上がります。ずれが縮まらず、依頼側が型と無関係に判断しているなら、型を依頼側の判断に合わせるか、推奨の段階を省いて整理までにするかを、区切りで相談します。推奨に意味を持たせるのは、型の調整です。

候補者から「誰が合否を決めているのか」と聞かれました

「選考の判断は会社が行っています」と答えます。副業の人が推奨まで関わっていることは、候補者に伝える必要はありません。候補者にとって重要なのは、会社が判断していることであって、社内の分担ではありません。もし副業の人が確定まで担っていたら、この質問に正直に答えられず、答えれば候補者は不信を持ちます。確定を依頼側に残していれば、「会社が判断しています」と、事実として答えられます。