人事副業 / 案件獲得
実績の積み上げ方|人事の副業で、案件の数ではなく「型・数・評価」を一件ごとに残して、次に使える形で積む
副業を始めたばかりの人が「実績を積みたい」と言うとき、多くは案件の数を思い浮かべます。三件、五件、十件。ただ、案件の数が増えても、そこから何も残していなければ、次の依頼側に見せられるものは「〇件やりました」だけです。逆に、一件でも、型と数と評価が残っていれば、次の依頼側は判断できます。結論を先に書くと、実績は案件の数ではなく、一件ごとに「一般化した型」「業務の種類と数」「依頼側の評価」の三つを残し、実績台帳として更新し続けることで積み上がります。三つを残す習慣があれば、一件目の終わりには、二件目で使える実績がすでにあります。実績の示し方は実績の示し方に、評価のもらい方はレビューをもらうにまとめています。
実績として残す三つ
一件の案件から残すものを三つに分け、それぞれの形と使い道を示します。
| 残すもの | 形 | 使い道 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 一 一般化した型 | 手順、文面の雛形、判断の基準、崩れたときの見方。社名・名前・数値・時期を消したもの | 次の案件で最初から使える。発信の材料。面談で「こうやります」と示せる | 依頼側に渡した型を一般化 |
| 二 業務の種類と数 | 「スカウト文面〇通、一次返信〇件、書類の一次絞り〇件、期間〇か月」 | プロフィールの経験の欄。職務経歴書。単価の根拠 | 稼働の記録 |
| 三 依頼側の評価 | 何を頼んで、何が変わって、どう働く人か。一般化したもの | プロフィール、面談、発信 | 区切りの数と、レビュー |
三つの要点は、「どれも、案件の途中から残せる」ことです。型は三か月目に作り、数は稼働の記録から拾い、評価は区切りの数から作る。案件が終わってから思い出して作るのではなく、途中で残しておけば、終わりに整えるだけです。
実績台帳を作る
三つを、案件ごとに一つの表にまとめたものを、実績台帳と呼びます。自分の側に持ち、依頼側の情報を含めません。
| 項目 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 案件の種別 | 業種と規模、人事の体制 | 「中小の事業会社、人事一名」 |
| 受けた業務 | 一つの業務と、含むこと・含まないこと | 「スカウト運用の一次対応まで。面接の設定と合否は含まず」 |
| 期間と時間 | 何か月、週何時間 | 「三か月、週六時間」 |
| 業務の数 | 種類ごとの数 | 「文面〇通、返信〇件、一次絞り〇件」 |
| 変化 | 見る数の変化を、程度で | 「応募から返信までの日数が大きく短縮。面接設定が増加」 |
| 残した型 | 一般化した型の名前と置き場所 | 「一次返信の型(三段階の文面と分担)」 |
| 評価 | 一般化したレビューの要点 | 「決めた曜日に稼働し翌朝に届く。範囲外は区切りで整理」 |
| 学んだこと | 次の案件で変えること | 「判断の返事の目安を、初回打ち合わせで決める」 |
台帳の要点は、「学んだこと」の列を書くことです。実績は、うまくいったことだけでなく、次に変えることも含みます。一件目で判断待ちに苦労したなら、二件目では初回打ち合わせで目安を決める。この積み上げが、二件目を一件目より楽にします。台帳に応募者の名前や依頼側の社名は書きません。情報の取り扱いと端末の分離を参照してください。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「三件やったが、プロフィールに書けることが『人事の副業を三件経験』しかない」という話です。三件とも、終わったあとに何も残していない。型は依頼側に渡したままで自分の側に一般化したものが無く、数は稼働の記録を残していなかったので分からず、評価はもらっていない。三件の経験は本人の中にはありますが、次の依頼側に見せる形になっていません。
見ていて差がつくのは、「一件目の途中から、実績台帳を書き始めているか」です。稼働の記録を残していれば数は拾え、三か月目に型を作っていれば一般化はすぐでき、区切りの数があれば評価の要点は書ける。一件目が終わった時点で、台帳に一行が埋まっている人は、二件目のプロフィールが一件目より具体的になります。エラベルの登録でも、一件目の終わりに台帳を更新している人は、二件目の面談で「前の案件では」と具体的に話せ、決まるのが早い。
一件ごとに更新する手順
案件の始まりから終わりまでで、台帳をどう更新するかを、番号付きで整理します。
- 案件が決まったら、台帳に一行を作る。 種別、受けた業務、期間と時間を先に埋める。
- 稼働ごとの記録を、業務の種類と数で残す。 稼働管理の方法。ここが数の出典になる。
- 一か月目の四週目に、開始時点の数を台帳にメモする。 程度で書けるように、元の値は依頼側の環境の中に。
- 三か月目に型を作ったら、一般化した版を自分の側に置く。 台帳には名前と置き場所だけ。
- 区切りの数を出したら、変化を程度で台帳に書く。 「大きく短縮」「二倍近く」。
- レビューをもらったら、一般化した要点を台帳に書く。 もらえなければ、区切りの数から自分の言葉で。
- 案件が終わったら、学んだことを書く。 次の案件で変えること、一つか二つ。
- 台帳から、プロフィールと職務経歴書を更新する。 台帳が元で、プロフィールは台帳の抜粋。
- 一般化した型を、発信の材料にする。 noteで実績を見せる。
- 次の案件の初回打ち合わせで、学んだことを使う。
手順の要点は、「八で、台帳が元でプロフィールは抜粋」という関係にすることです。プロフィールを直接更新すると、案件ごとに書き方がずれます。台帳を更新し、そこから抜粋すれば、プロフィールの粒度がそろいます。
実績が薄い時期の見せ方
一件目の途中や、一件目が終わったばかりで、実績が薄い時期の見せ方です。
| 状態 | 見せられるもの | 見せ方 |
|---|---|---|
| 一件目の途中 | 本業の型(一般化)、本業の数と変化 | 「本業で〇年、〇〇を数千通。型を変えて返信率が上がった」。副業の案件は「進行中」と一行 |
| 一件目が終わったばかり | 台帳の一行(種別、業務、数、変化、型、評価) | 一件でも、三つがそろっていれば具体的に書ける |
| 一件目が数で示せなかった | 型と数と学んだこと | 変化が無くても、業務の数と残した型は実績。学んだことを次に活かすと書く |
| 本業の経験が浅い | 型に沿った業務の数 | 「一年で数十通。件名を変えて開封が増えた」。数が小さくても具体性が信用 |
見せ方の要点は、「案件の数が少なくても、三つがそろっていれば具体的に書ける」ことです。「三件経験」より、「一件で、この型を残し、この数をこなし、こう評価された」のほうが、次の依頼側は判断できます。経験が浅くても受けられる案件を参照してください。
積み上げが止まる失敗
実績が積み上がらない失敗を整理します。
| 失敗 | 起きる構造 | 直し方 |
|---|---|---|
| 案件の数だけ数える | 数が実績だと思う | 一件ごとに三つを残す |
| 稼働の記録を残さない | 面倒 | 業務の種類と数だけでよい。稼働の終わりに一行 |
| 型を依頼側に渡したまま | 自分の側に一般化した版が無い | 渡すときに、一般化した版も作る |
| 開始時点の数をメモしない | 変化を示せない | 四週目に台帳にメモ |
| 台帳に依頼側の社名や数値をそのまま書く | 具体的に書きたい | 業種と規模、程度に |
| 終わってから思い出して書く | 途中で残していない | 途中から。台帳は案件が決まった時点で一行 |
| 学んだことを書かない | うまくいったことだけ残す | 次に変えることを一つか二つ |
| プロフィールを直接直す | 台帳が無い | 台帳が元、プロフィールは抜粋 |
| 型を発信に使わない | 実績は依頼側に見せるものと思う | 一般化した型は、発信と面談でも使える |
| 一件目で範囲が広がり、型が残らない | 何でもやった | 一つの業務を直し切って型にする。専門特化と何でも屋のどちらがよいか |
失敗の要点は、「途中で残さない」ことで大半が起きています。案件が終わってからでは、数も型も評価も、正確に残せません。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、二件目以降が早く決まる人は、実績台帳を持っています。一件ごとに一行、三つと学んだことが書かれていて、プロフィールはそこから抜粋されている。案件が三件になれば三行、五件なら五行。次の依頼側は、行を読めば「この人に何を頼めるか」が分かります。台帳が無い人は、三件やっても「三件経験」としか書けず、一件目のときと見せ方が変わっていません。
依頼側から見ると、副業の人の実績は、案件の数より、「前の案件で何をして、何が変わって、何を残したか」です。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口ですが、登録の経験の欄が台帳の抜粋になっている人は、依頼側がその場で判断でき、面談が短い。実績は、案件をこなすことで自然に積み上がるものではなく、一件ごとに残すことで積み上がるものです。台帳の型を一つ持っていただくことをお勧めしています。
まとめ
- 実績は案件の数ではなく、一件ごとに「一般化した型」「業務の種類と数」「依頼側の評価」の三つを残すこと
- 三つは案件の途中から残せる。型は三か月目、数は稼働の記録、評価は区切りの数から
- 実績台帳は種別・業務・期間と時間・数・変化・型・評価・学んだこと。依頼側の社名と数値は書かない
- 更新は決まったら一行→稼働ごとに記録→開始時点の数→型の一般化→変化を程度で→評価→学んだこと→台帳からプロフィールを抜粋
- 実績が薄い時期は本業の型と数、一件でも三つがそろえば具体的に書ける
- 失敗は途中で残さないことで起きる。台帳が元、プロフィールは抜粋
よくある質問
一件目で数が変わりませんでした。実績になりますか
なります。実績は変化だけではなく、業務の種類と数、残した型、学んだことも含みます。「三か月で文面〇通、一次返信〇件をこなし、返信の型を三段階に整えた。判断の返事の目安が決まっていなかったことが数に影響したので、次は初回打ち合わせで決める」と台帳に書けば、次の依頼側は「この人は数をこなせて、型を作れて、原因を見ている」と判断できます。変化が無かったことを隠すより、理由と学んだことを書くほうが、信用になります。
実績台帳を、依頼側に見せてもよいですか
台帳そのものは自分の側のもので、依頼側には見せません。依頼側に見せるのは、台帳から抜粋して、一般化した形にしたプロフィールや職務経歴書です。台帳には「学んだこと」のように、依頼側に見せる必要の無い項目もあり、前の依頼側の業種や規模も、次の依頼側に全部見せるものではありません。台帳は元データ、見せるのは抜粋、と分けてください。
本業の実績も、台帳に入れてよいですか
入れて構いません。本業の型(一般化したもの)、本業の数と変化は、副業の実績が薄い時期の主な材料です。ただし、本業の社名、社内の手順書、本業の採用計画や候補者の情報は入れません。「本業で〇年、〇〇を数千通、型を変えて返信率が上がった」のように、一般化した形で一行。本業の規定で業務内容の公開に制限がある場合は、その範囲に従い、判断がつかない点は専門家に確認してください。副業の案件が積み上がるにつれ、本業の行は相対的に小さくなります。