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面接代行を受けるときの注意|人事の副業で、面接を「実施する」のと「設計・記録する」のを分け、判断を依頼側に残す形

公開 2026-09-16

「面接の数が多くて手が回らない。一次面接をやってもらえないか」。人事の副業では、こう頼まれることがあります。面接は、人事の経験がある人にとって慣れた業務で、依頼側にとっては最も時間を取られる工程です。ただ、面接の実施そのものを外部の人が担うと、候補者は「会社の人と話している」と思い、評価が副業の人の主観になり、合否や条件の判断まで求められます。結論を先に書くと、面接代行は「設計・準備・記録・進行」と「評価の決定・合否・条件の提示」に分け、前者は受け、後者は依頼側に残す形で受けるのが線です。面接を丸ごと引き受けるのではなく、依頼側が判断できる材料を面接から取り出す役に徹します。会社の代表として話す責任は会社の代表として話す責任に、判断の線全般は踏み込みすぎない線引きにまとめています。

面接代行の中身を分解する

「面接をやる」を分解すると、副業の人が受けられる部分と、受けない部分が見えます。

工程内容副業の人が受けられるか
設計見る点を三つに絞る、質問の案を作る、評価の型を作る受けられる。依頼側の要件に沿って
準備候補者の要約、日程調整、面接官への事前の共有受けられる
進行面接の場で、時間を管理し、質問の順に沿って聞く条件付き。依頼側の担当が同席するか、進行役であることを候補者に示す
記録候補者の発言を、評価の型に沿って記録する受けられる。事実の記録に徹する
評価の整理記録を、見る点ごとに三段階と理由で整理する受けられる。ただし「整理」であって「決定」ではない
評価の決定候補者を通すか見送るかの評価を確定する受けない。依頼側の面接官か判断する人
合否の判断次に進めるか、見送るか受けない。依頼側
条件の提示年収、勤務条件、入社日受けない。依頼側
候補者への結果連絡通過・見送りの連絡依頼側の判断のあと、依頼側の名前で。文面の下書きは受けられる

分解の要点は、「進行は条件付き、評価の決定から先は受けない」ことです。面接の進行を副業の人が担う場合、候補者にはその人が会社の面接官に見えます。評価の決定まで担うと、副業の人の主観が合否を決める形になり、依頼側は判断の根拠を持てません。

依頼側と決める役割

面接代行を受けるとき、依頼側と決める役割を整理します。

項目決めること
面接の段階一次だけか、二次以降も関わるか一次の進行と記録まで。二次以降は依頼側
同席依頼側の担当が同席するか同席が基本。同席できない場合は、進行役として候補者に示す
候補者への見え方副業の人をどう紹介するか「採用担当の〇〇(役割)」。面接官としての評価者ではなく、進行と記録の役と示すか、依頼側と決める
評価の型見る点、段階、理由の書き方依頼側の要件に沿って、副業の人が作り、依頼側が確認
評価の決定者誰が確定するか依頼側の面接官か判断する人。副業の人は整理まで
判断に迷う候補者どう扱うか判断する人に上げる。副業の人が決めない
候補者の質問への対応面接中に条件や社風を聞かれたら「担当から」か、同席の担当が答える。会社の代表として話す責任
記録の置き場どこに残すか依頼側の環境の中。自分の側に残さない

役割の要点は、「評価の決定者を、副業の人以外に決める」ことです。副業の人が記録と整理を出し、依頼側の誰かが確定する。この一段があるだけで、判断の責任は依頼側に残り、副業の人は材料の役に徹せます。

エラベルの見解

登録の相談で多いのは、「一次面接を任され、自分の評価で通した候補者が二次で全員見送られ、依頼側から『見る目が無い』と言われた」という話です。副業の人の評価の基準と、依頼側の面接官の基準が違っていた。評価の型が無く、副業の人の主観で通していた。依頼側は、副業の人の評価を「会社の一次の判断」として扱い、結果が合わなかったときに副業の人に責任を向けました。

見ていて差がつくのは、「評価の型を、依頼側の要件から作っているか」です。見る点を三つ、各三段階、理由を一行。この型を依頼側の要件から作り、依頼側が確認し、面接ではその型に沿って記録する。副業の人の主観ではなく、依頼側の基準で整理された記録が出ます。エラベルの登録でも、面接代行を続けている人は、型で記録し、決定は依頼側に残しています。「見る目」ではなく「型」で仕事をしている人が、面接代行で信頼されています。

面接代行を受ける手順

面接代行を受けるときの手順を、番号付きで整理します。

  1. 「面接をやってほしい」の中身を分解して聞く。 設計か、進行か、評価か、合否か。依頼側は分けて考えていないことが多い。
  2. 受ける部分と受けない部分を伝える。 「設計・準備・進行・記録・評価の整理まで受けます。評価の決定と合否は御社でお願いします」。
  3. 評価の型を、依頼側の要件から作る。 見る点を三つ、各三段階、理由を一行。依頼側が確認。現場との関係の作り方
  4. 候補者への見え方を決める。 進行役として示すか、面接官の一人として示すか。名義はどの名義で候補者に接するか
  5. 同席の有無を決める。 依頼側の担当が同席する形が基本。できない場合は、面接中の質問への対応を決める。
  6. 面接では、型に沿って質問し、記録する。 候補者の発言を事実として記録。自分の印象は「所感」として分けて書く。
  7. 面接後、記録を型に沿って整理し、依頼側に渡す。 整理であって決定ではない、と明記。
  8. 判断に迷う候補者は、判断する人に上げる。 「見る点の一と二が高く、三が低い。判断をお願いします」。
  9. 合否と結果連絡は依頼側。 文面の下書きは受けられる。
  10. 区切りで、型の精度を見直す。 一次で通した候補者が二次でどうなったか。型を直す。

手順の要点は、「六で、事実と所感を分けて記録する」ことです。「経験が浅そうだった」は所感で、「〇〇の経験は一年と回答」は事実です。事実を型に沿って記録し、所感は別の欄に。依頼側は事実で判断でき、所感は参考にとどまります。

候補者への見え方

面接の進行を副業の人が担うとき、候補者にどう見えるかと、その扱いを整理します。

見え方起きること扱い
会社の面接官副業の人の言葉が会社の言葉になる。評価者だと思われる話してよいこと一覧の範囲で。条件や社風は「担当から」
進行役「この人は進行で、評価は別の人」と分かる冒頭で「本日は私が進行し、〇〇(担当)が同席します」と示すと、候補者は役割を理解する
外部の人依頼側が「外部の採用支援の方」と紹介した場合候補者が「なぜ外部の人が」と思うことがある。依頼側と、紹介の仕方を決める

見え方の要点は、「進行役として示す」形が、候補者にも副業の人にも無理がないことです。会社の面接官として振る舞うと、言葉の責任が重くなり、外部と示すと候補者が戸惑う。進行と記録の役として示し、評価は同席の担当か後の判断者、と伝えれば、候補者は自然に受け取ります。

面接代行で起きる失敗

面接代行に特有の失敗を整理します。

失敗起きる構造直し方
面接を丸ごと引き受ける「面接をやって」をそのまま受ける分解して、受ける部分と受けない部分を伝える
評価の型を作らずに面接する経験があるので型が無くてもできる型を作る。主観ではなく依頼側の基準で
自分の評価で通す・見送る一次は任されたと思う整理まで。決定は依頼側
事実と所感を混ぜて記録する印象が強い事実は型に、所感は別欄に
面接中に条件や社風を答える候補者に聞かれる「担当から」。同席の担当が答える
候補者に外部だと言わずに面接官として振る舞い、後で外部と分かる依頼側と見え方を決めていない見え方を決める。進行役として示す
判断に迷う候補者を自分で決める判断する人が忙しい上げる。決めない
一次の結果が二次と合わないのに型を直さない振り返りが無い区切りで型を見直す
面接の稼働を時間で読まない面接は一件三十分でも、準備と記録で倍かかる準備と記録の時間を稼働に含める
記録を自分の側に残す後で見返したい依頼側の環境の中に。情報の取り扱いと端末の分離

失敗の要点は、「自分の評価で通す・見送る」が最も重い失敗だという点です。一次面接を任されると、通す・見送るを自分が決めていると思いがちですが、副業の人が決めると、判断の責任が副業の人に移り、結果が合わなかったときに責任を向けられます。整理まで、と線を引きます。

エラベルの見解

担当する側として登録した人の話を聞くと、面接代行で続いている人は、自分を「面接官」ではなく「面接の設計者と記録者」と位置づけています。型を作り、進行し、事実を記録し、型に沿って整理し、決定は依頼側に渡す。依頼側から見ると、面接の質が上がり(型があるので評価がぶれない)、面接の負担が減り(準備と記録を副業の人が担う)、判断の根拠が残る(記録が事実で書かれている)。面接官として評価まで担う副業の人より、設計と記録に徹する副業の人のほうが、依頼側の評価は高い。

依頼側から見ると、面接を外部の人に任せることは、候補者との接点と判断の両方を外に出すことで、不安が大きい工程です。エラベルは、企業と担当者の間に立つ窓口として、面接に関わる案件では、担当者の役割を設計・準備・進行・記録に限り、評価の決定と合否は依頼側に残す形をお伝えしています。面接代行を「面接を代わりにやる」ではなく「面接から判断の材料を取り出す」役として受けていただくことをお勧めしています。

まとめ

よくある質問

依頼側が「一次の合否はあなたが決めていい」と言います

決めません。「一次の合否を私が決めると、判断の責任が私に移り、二次で合わなかったときに御社が根拠を持てなくなります。私は型に沿って記録と整理を出し、合否は御社のどなたかに確定していただく形でお願いします」と伝えます。依頼側が「そこまでの時間が無い」と言うなら、整理を「通過推奨・要判断・見送り推奨」の三つに分けて出し、「通過推奨と見送り推奨は御社の確認だけ、要判断だけ御社が判断」という形にすると、依頼側の負担は小さく、決定は依頼側に残ります。

面接中に候補者から条件を聞かれました。同席の担当がいません

「条件については、次の面接で担当から詳しくお伝えします。今日は経験とご希望を伺わせてください」と返し、面接後に依頼側の担当に「候補者から条件の質問がありました」と共有します。同席の担当がいない面接は、この場面が起きることを想定して、「条件・社風・評価に関する質問は担当から」という返し方を、面接の前に決めておきます。それでも候補者が納得しないなら、「面接後に担当から連絡します」と引き取り、依頼側に対応してもらいます。会社の代表として話す責任を参照してください。

一次で通した候補者が、二次で全員見送りになりました

型の精度の問題か、一次と二次で見ている点が違うかのどちらかです。区切りで、一次の記録と二次の評価を並べ、どこがずれているかを依頼側と見ます。一次の型に、二次で見ている点が入っていなければ、型に足す。一次の三段階の基準が甘ければ、基準を直す。「見る目が無い」という話にせず、「型のここがずれていた」という話にすると、依頼側も一緒に直せます。型で仕事をしていれば、直すのは型で、自分の評価ではありません。