人材開発・研修担当の副業単価の目安と案件の見つけ方|登壇の時間だけでなく、設計・教材・振り返りまで含めて値付けする

経歴別の人事副業人材開発・研修担当 更新日 2026-10-16

人材開発や研修の担当として研修をつくり、運営してきた人は、受講者に何を身につけてほしいかを決め、教材をつくり、講師として話し、終わった後に効果を確かめてきた経験を持っています。研修の担当者がいない会社や、研修をやっているが効果が見えない会社にとって、この経験は役に立ちます。ところが、研修の副業の単価は「一回の登壇でいくら」と考えられがちで、準備にかかる時間が見えなくなります。結論から書くと、人材開発・研修担当の副業単価は、登壇の時間だけでなく、研修の設計・教材づくり・振り返りまで含めて値付けすると、無理のない金額になります。

人事の副業の単価には公的な統計がなく、案件の範囲や依頼先で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順と、案件の見つけ方を書きます。人材開発・研修担当の経験の何が売れるかは人材開発・研修担当が副業でできることで詳しく書いています。

登壇の時間だけで値付けしない

研修の仕事は、登壇している時間よりも、その前後にかかる時間のほうが長いことがほとんどです。次のように分けて考えます。

段階やること時間が増える条件
設計依頼先の課題を聞き、受講者に何を身につけてほしいかを決める課題があいまい、関係者が多い
教材づくり資料、演習、ワークシートをつくる新しくつくる部分が多い、依頼先に合わせる部分が多い
登壇研修を進め、受講者の質問に答える回数が多い、拠点が多い
振り返り受講者の声と、職場での変化を確かめ、次に生かす効果を確かめる方法を新しくつくる

登壇の時間だけで単価を決めると、設計や教材づくりにかかった時間が報酬に入りません。とくに、依頼先に合わせて新しく教材をつくる場合は、登壇の何倍もの時間がかかることがあります。講師として登壇する場合の単価の考え方は研修講師の副業単価でも書いています。

段階ごとに単価を組み立てる

単価は、段階ごとに時間を見積もって組み立てます。

  1. 設計を見積もる:聞き取りの回数と時間、目標をまとめる時間を出す
  2. 教材づくりを見積もる:手持ちの教材を直して使う部分と、新しくつくる部分に分けて時間を出す
  3. 登壇を見積もる:一回あたりの時間と回数、移動の時間を出す
  4. 振り返りを見積もる:受講者の声を集めてまとめる時間、職場での変化を確かめる時間を出す
  5. 合計して提示する:段階ごとの時間 × 時間単価 を合計し、段階ごとに分けて示す

時間単価の考え方は本業の年収と副業単価の関係で書いています。同じ研修を何回も行う場合は、二回目以降は設計と教材づくりの時間が減るため、回数に応じて単価を見直すことができます。

エラベルの見解

人材開発・研修担当の副業でよくある失敗は、本業でつくった研修の教材を、そのまま副業で使うことです。本業の会社の教材は、その会社の資料であり、秘密保持や著作権の点で問題になることがあります。そのうえ、依頼先の課題に合っていない研修は、受講者に響きません。

担当する側から見ると、価値があるのは、依頼先の課題を聞き取り、その課題に合わせて研修を組み立て直せることです。自分の経験から一般的な型として組み直した教材を土台に、依頼先に合わせる部分を足していく。この組み立て直しを成果物として見積もれる人は、依頼先から頼られます。

講師料の源泉徴収と、受けるときの条件

研修の講師として報酬を受け取るときは、税金の扱いも知っておく必要があります。所得税法第204条は、居住者に対し国内において講演料などの報酬や料金の支払をする者は、その支払の際に所得税を徴収し、徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければならないと定めています。このため、依頼先から講師料を受け取るときに、所得税が差し引かれていることがあります。受け取る額と、差し引かれた額を確かめ、確定申告のときに使えるよう記録しておいてください。設計や教材づくりなど、講演料にあたるかどうかの区分は、依頼先や税理士に確かめてください。

業務委託で受ける場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。段階ごとの作業の範囲と報酬、教材の扱い(依頼先に渡すのか、自分が持ち続けるのか)も、書面で確かめてください。

本業に勤めながら副業をする場合は、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示すとおり、まず勤め先の副業・兼業に関するルールを確認し、秘密保持義務や競業避止義務を意識してください。20万円を超える副収入がある場合は、確定申告が必要です。個別の判断は弁護士・税理士にご確認ください。

案件の見つけ方

人材開発・研修担当の経験を活かせる案件は、次のような場所で見つけやすくなります。

最初の案件では、自分が得意なテーマに絞り、設計から振り返りまで一通り受けると、成果を示しやすくなります。新人の受け入れの研修など、採用とつながるテーマは、依頼先にとっても効果が見えやすい題材です。

エラベルの見解

もう一つ見てほしいのは、研修の副業は、振り返りまで受けると次の依頼につながりやすいということです。研修をやって終わりにすると、依頼先には「よかった」という感想しか残らず、次も頼むかどうかの判断材料がありません。

研修の後に、受講者の職場での変化を上司に聞き、まとめて報告してください。何が変わり、何が変わらなかったかを示せば、次に何をすればよいかを依頼先と一緒に考えられます。振り返りを成果物に入れて見積もることが、継続の相談につながります。

まとめ

よくある質問

人材開発・研修担当の副業単価の相場はいくらですか

案件の範囲や依頼先によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。設計・教材づくり・登壇・振り返りの段階ごとに時間を見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。

登壇だけを頼まれたらどうすればよいですか

登壇だけでも、依頼先の受講者に合わせるための準備の時間はかかります。準備の時間を含めて見積もってください。教材を依頼先が用意する場合でも、内容を理解して話すための時間は必要です。

つくった教材は誰のものになりますか

契約の決め方によります。依頼先に渡すのか、自分が持ち続けて他の案件でも使えるのかを、契約のときに決めてください。判断に迷う場合は、弁護士にご相談ください。

出典

本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。

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