採用代行 / 石川県
石川県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
求人票の下限額を決めるとき、その額が応募者の希望に届くかどうかは、県の平均では分かりません。石川労働局が公表している令和8年7月内容の県中央圏 雇用賃金情報を見ると、同じ圏域のなかでも所によって答えが逆になります。金沢所では求職者の希望額が求人の下限を15,738円上回り、白山所では2,257円下回ります。この記事では、拠点の所ごとに求人票の下限額を決める作業を軸に、条件の見直しと採用代行への依頼をどう組み合わせるかを整理します。以下は2026年9月24日時点で石川労働局が公表している資料の数値に基づきます。
県中央圏の四つの所で、下限と希望の関係が割れる
石川労働局の雇用賃金情報は圏域ごとにまとめられており、県中央圏にはハローワーク金沢(津幡含む)・小松・白山・羽咋の四つが含まれます。津幡が金沢に含まれる点は、拠点がどの所の管内かを確かめるときに効きます。まず、職業計のフルタイムの数字を並べ、求人の下限と求職者の希望の差を添えます。
| ハローワーク | 求人募集賃金(上限) | 求人募集賃金(下限) | 求職者希望賃金 | 下限と希望の関係 |
|---|---|---|---|---|
| 金沢 | 309,774円 | 231,762円 | 247,500円 | 希望が15,738円上回る |
| 小松 | 293,391円 | 221,950円 | 240,913円 | 希望が18,963円上回る |
| 白山 | 290,242円 | 222,585円 | 220,328円 | 希望が2,257円下回る |
| 羽咋 | 301,970円 | 212,719円 | 211,389円 | 希望が1,330円下回る |
資料の注記では、求人募集賃金は上限の平均値と下限の平均値であること、対象とした新規求職者はハローワーク利用登録者のみであること、「-」は1人以下のため未掲載であることが示されています。四つの所のあいだで、上限の差は19,532円、下限の差は19,043円あり、通勤圏としてつながっている範囲でも2万円近い開きがあります。
表の右の列を見ると、金沢と小松では希望が下限を上回り、白山と羽咋では下回っています。上二つと下二つで、向きが逆です。県の平均でならすと、この分岐は見えなくなります。
下限で希望に届かない所と、届く所で、最初の手が変わる
金沢と小松に拠点がある場合、求人の下限額が平均的な水準だと、求職者の希望に届きません。求人票に幅を書いても、下限だけを見た求職者は応募を見送る可能性があります。この場合に最初に手を付けるのは条件の設計で、下限を引き上げるか、上限の側にどんな経験があれば届くかを具体的に書いて訴求するかを決めます。下限を上げる余地がないなら、昇給の目安や手当など、下限以外で見せられるものを整理します。
白山と羽咋に拠点がある場合は、状況が違います。下限が希望を上回っているので、条件面での障害は小さいと読めます。ここで応募が集まらないなら、原因は条件以外にあります。求人票に仕事の中身が伝わるように書けているか、選考の進め方が遅くないか、勤務地までの通勤の負担が大きくないか、を先に見直します。同じ「応募が来ない」でも、所によって見直す場所が逆になるということです。
代行会社に相談するときは、この分岐を先に伝えておくと、提案が具体的になります。金沢や小松なら条件の相場の確認と求人票の書き直し、白山や羽咋なら求人票の内容と選考の進め方の見直しが中心になります。
エラベルの見解
賃金の資料を公表している県は増えてきましたが、所ごとに分けて出している県は多くありません。同じ料金・同じ業務範囲でも結果が分かれるのは、担当者がこの所ごとの分岐を読めるかどうかです。「石川県の相場は」から話を始める担当者は、金沢と羽咋で求人の下限が19,043円違い、希望額との関係まで逆になることを見ていません。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、面談では拠点の所を伝えたうえで、「この所では希望額と下限のどちらが上ですか」と聞いてみてください。上回っているなら条件の話、下回っているなら条件以外の話、と切り分けて答えられる担当者なら、依頼する工程を最初から絞れます。条件設計の考え方は三重県の採用代行でも扱いました。
パートは時給より、時間帯と通勤を見直す
同じ資料にはパートタイムの数字も載っています。こちらはフルタイムとは違う構図です。所ごとの違いより、形態としての共通点のほうが目立ちます。
| ハローワーク | 求人募集賃金(上限) | 求人募集賃金(下限) | 求職者希望賃金 | 下限と希望の関係 |
|---|---|---|---|---|
| 金沢 | 1,355円 | 1,219円 | 1,144円 | 希望が75円下回る |
| 小松 | 1,288円 | 1,181円 | 1,148円 | 希望が33円下回る |
| 白山 | 1,297円 | 1,166円 | 1,112円 | 希望が54円下回る |
| 羽咋 | 1,234円 | 1,159円 | 1,092円 | 希望が67円下回る |
四つの所すべてで、希望額が求人の下限を下回っています。フルタイムでは所によって向きが逆でしたが、パートではすべての所で同じ向きです。パートの採用で応募が集まらない場合、時給の水準が原因である可能性は低いと読めます。勤務時間帯、日数、勤務地までの距離といった別の要素を先に見直します。
なお資料には、求職者希望賃金は求職者が希望する賃金だが、石川県最低賃金を下回らないこととなっている、という注記があります。希望額の下限の側は、制度によって支えられている数字です。パートの時給を議論するときは、この前提も踏まえておきます。
職業の倍率を重ねて、条件に寄せるか選別に寄せるかを決める
所ごとの賃金の次に、募集する職業の倍率を重ねます。石川労働局は職業別求人・求職の状況をフルタイムとパートで分けて公表しており、ハローワーク金沢の常用フルタイムは次のとおりです。
| 職業 | 有効求職者数 | 有効求人数 | 求人倍率 |
|---|---|---|---|
| 職業計 | 5,374人 | 7,817人 | 1.45倍 |
| 保安 | 35人 | 318人 | 9.09倍 |
| 建設・採掘 | 95人 | 607人 | 6.39倍 |
| 輸送・機械運転 | 193人 | 509人 | 2.64倍 |
| 専門・技術 | 913人 | 2,263人 | 2.48倍 |
| 販売 | 350人 | 823人 | 2.35倍 |
| サービス | 501人 | 1,160人 | 2.32倍 |
| 生産工程 | 409人 | 890人 | 2.18倍 |
| 運搬・清掃等 | 556人 | 449人 | 0.81倍 |
| 事務 | 1,392人 | 755人 | 0.54倍 |
注記には、「職業計」には「その他の職業」も含まれるので各職業の合計とは一致しない、とあります。保安の9.09倍と事務の0.54倍では、17倍近い開きがあり、同じ市場とは言えません。保安や建設・採掘のように求人が求職者を大きく上回る職業では、母集団の経路と条件に工数を寄せます。事務のように有効求職者1,392人に対して求人755人の職業では、応募が集まる前提で、絞り込みの基準をどうつくるかが依頼の中身になります。
所ごとの賃金と職業別の倍率を掛け合わせると、自社に近い前提ができます。たとえば金沢で専門・技術職を募集するなら、希望が下限を上回る所で、かつ2倍台の職業なので、条件の見直しと母集団づくりの両方が要ります。金沢で事務を募集するなら、条件より選別の基準づくりが先に来ます。
下限額を決めるまでの作業を、代行とどう分けるか
下限額を決めるまでには、いくつかの作業があります。どこまでを代行会社に頼み、どこを社内に残すかを分けておくと、見積もりも比べやすくなります。
| 作業 | 社内に残すこと | 代行に頼めること |
|---|---|---|
| 拠点の所の特定 | 勤務地と求人を出す窓口の確認 | 所の資料の収集と毎月の更新 |
| 下限と希望の比較 | 下限をいくらまで動かせるかの決裁 | 所別・形態別の差の整理 |
| 職業の倍率の確認 | 募集職種の優先順位 | 職業別資料からの抜き出しと推移の報告 |
| 条件以外の見直し | 勤務時間や日数をどこまで柔軟にできるか | 求人票の書き直しと、選考の進め方の点検 |
左の列の決裁は、社内でしか決められません。下限をいくらまで動かせるかは、「引き上げる額 × 採用予定人数 × 12か月」で年間の人件費の増分を出し、採用が遅れて欠員が続く場合の損失と並べて判断します。代行会社の見積もりは、担当者の週あたりの稼働時間と掛け持ちの社数を聞き、上の表の右の列のどこまでが月額に含まれるかを確かめます。月次の賃金情報に加えて、四半期で公表される中途採用時賃金情報まで追ってもらうかどうかも、報告の範囲として決めておきます。
なお、労働関係の法令や最低賃金の適用、助成金の扱いについては個別の判断が伴います。個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「応募が来ないのは給与が低いからだ」というものです。石川県の資料で見ると、フルタイムでも白山と羽咋では下限が希望を上回っており、パートではすべての所で下限が希望を上回っています。この場合に下限額を上げても、応募は増えにくく、人件費だけが増えます。北陸3県の有効求人倍率は福井1.55倍・富山1.46倍・石川1.44倍で、石川県は全国平均の1.18倍より高く、求人側に厳しい環境です。だからこそ、上げるべき所と上げなくてよい所を分ける意味があります。担当する側から見ても、拠点の所と下限を動かせる幅が最初に示されている案件は、提案を条件以外の工程に絞り込めます。近隣県の状況は福井県の採用代行、富山県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 石川県の県中央圏の雇用賃金情報では、フルタイムの求人の下限と求職者の希望の関係が、金沢・小松と白山・羽咋で逆になっている
- 希望が下限を上回る所では条件の設計から、下回る所では求人票の内容や選考の進め方から見直す
- パートは四つの所すべてで希望が下限を下回っており、時給より時間帯・日数・通勤を先に見直す
- ハローワーク金沢の常用フルタイムでは保安9.09倍から事務0.54倍まで開いており、職業の倍率を重ねて条件と選別のどちらに寄せるかを決める
- 下限額の決裁は社内に残し、年間の人件費の増分と欠員が続く損失を並べて判断する
よくある質問
Q. 石川県の所ごとの賃金情報は、どこで確認できますか
石川労働局の「雇用賃金情報(雇用の際の賃金等)」のページで、圏域ごとの資料が公表されています。県中央圏にはハローワーク金沢(津幡含む)・小松・白山・羽咋が含まれます。数値は更新されるため、最新の資料でご確認ください。
Q. 応募が来ないとき、まず給与を上げるべきですか
拠点の所で、求職者の希望額と求人の下限額のどちらが上かを先に確かめてください。下限が希望を上回っている所では、給与を上げても応募が増えにくいことがあります。その場合は求人票の内容や選考の進め方、通勤の負担を先に見直します。
Q. 職業別の倍率は、どう使えばよいですか
募集する職業の倍率が高ければ母集団づくりと条件に、低ければ選別の基準づくりに工数を寄せます。所ごとの賃金の関係と掛け合わせると、自社に近い前提ができます。フルタイムとパートで別の資料があるので、募集する形態に合わせて見ます。