採用代行 / 長野県
長野県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
同じ月の同じ県で、「三つ上回った」とも「六つ上回った」とも書かれています。長野労働局の令和8年7月分の資料では、地域別では東信・中信・南信の三地域が前年同月を上回り、安定所別では長野所・上田所・佐久所・木曽福島所・大町所・伊那所の六所が上回りました。違うのは集計の単位だけですが、自社の拠点がどちらの単位のどこに入るかで、見える景色が変わります。この記事では、長野県で採用を立て直す担当者が代行会社に相談する前の最初の1か月に、どの資料をどの順番で確認するかを、週ごとの手順として整理します。以下は2026年9月24日時点で長野労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
1週目:拠点を管轄する安定所を特定する
最初に県全体の数字を押さえ、そのうえで自社の拠点がどの単位に入るかを確認します。令和8年7月分の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍で、前月より0.01ポイント上回りました。月間有効求人数は43,012人で前月比1.1%増加、月間有効求職者数は33,442人で前月比0.2%増加です。資料には全国15位と記載されていて、全国のなかでは上位にあたります。
長野県の地域区分は北信・東信・中信・南信の四つです。令和8年7月分で前年同月を上回ったのは東信・中信・南信の三地域なので、四つのうち一つは上回っていません。一方で安定所別では、長野所・上田所・佐久所・木曽福島所・大町所・伊那所の六所が上回っています。
1週目の作業は、自社の拠点の所在地から管轄の安定所を確かめ、その安定所がどの地域に属するかを書き出すことです。通勤圏として想定する範囲が隣の安定所にまたがるなら、それも書き出します。複数の拠点がある企業は、拠点ごとに一行ずつ作ります。この一覧が、以降の3週間の作業と、代行会社への依頼書の土台になります。
2週目:地域と安定所の数字が食い違うときの読み方
拠点の安定所と地域が分かったら、今月それぞれが前年同月を上回ったかどうかを確認します。地域は複数の安定所をまとめたものなので、二つの結論が一致しないことがあります。食い違ったときにどちらを前提にするかを、先に決めておきます。
| 起こること | 理由 | 採用計画での扱い |
|---|---|---|
| 地域は上回ったが、拠点の所は下回った | 域内の他の所が地域の数字を押し上げている | 拠点の所の数字を前提にする |
| 地域は上回らなかったが、拠点の所は上回った | 拠点の所の動きが地域の数字に埋もれている | 同上 |
| 地域の数字が特定の所の動きに近い | 規模の大きい安定所が地域の平均を強く引っ張る | 規模の小さい所の拠点では、地域の数字を使わない |
県庁所在地を含む安定所は求人数も求職者数も多いので、地域の平均はその所の動きに近づきます。逆に、規模の小さい所の状況は地域の数字に埋もれます。二つが一致しない場合は、安定所の数字を採用計画の前提にします。応募してくる人は、地域の平均からではなく、その所の管内から来るからです。
長野県は南北に長く、地域ごとに主要な産業も交通も違います。県内をひとつの市場として扱わないという前提が、ほかの県以上に必要になります。2週目の終わりには、拠点ごとに「県」「地域」「安定所」の三つの数字が並んだ表ができているはずです。
エラベルの見解
商談で「長野県は上向きです」と言われたら、それが地域の話なのか安定所の話なのかを聞いてください。地域の話なら、自社の拠点がある所も同じ方向かを確かめる。この一往復で、提案の前提が自社に合っているかが分かります。担当者によって差が出るのは、まさにこの一段です。県の代表値で話す担当者と、拠点の安定所まで降りて話す担当者では、同じ料金でも、最初に提案してくる打ち手が違います。面談では、拠点の所の名前を出して「この所の今月の動きは」と聞いてみると、資料を読んでいるかがすぐに分かります。県の代表値は、拠点の採用環境を説明しません。地域を分けて読む考え方は島根県の採用代行でも扱いました。
3週目:バランスシートと賃金情報で、職種の問題か条件の問題かを分ける
3週目は、拠点の需給から自社の募集職種へと降ります。長野労働局は、雇用情勢のほかに月次の資料を同じページで公開しています。バランスシートと賃金情報が毎月同じ月次で更新されるので、職種の過不足と条件の相場を同じ月で確認できます。
| 資料 | 分かること | 使う順番 |
|---|---|---|
| 求人・求職バランスシート | 職種ごとの求人と求職の突き合わせ | 1:自社の募集職種の過不足を確認する |
| 求人募集賃金情報 | 求人側の提示額 | 2:他社の提示水準を確認する |
| 求職者希望賃金情報 | 求職者側の希望額 | 3:応募する側の希望を確認する |
| 労働市場年報 | 年度単位の集計 | 4:中期の傾向を確かめるときに使う |
三つの月次資料を並べると、課題が職種の側にあるのか、条件の側にあるのかを切り分けられます。職種そのものが不足しているなら経路を増やす話、条件が希望に届いていないなら条件の話です。混ぜたまま「応募が来ない」と相談すると、打ち手が定まりません。
資料の表記の注記も押さえておきます。令和8年5月分より、季節調整していない数値を「原数値」と表現するとされ、従来の「実数値」と同義です。また令和3年9月以降の数値には、ハローワークに来所せずオンライン上で求職登録した求職者数や、インターネットサービスの求人に直接応募して就職が確認された件数が含まれます。令和3年9月を挟んだ比較では数値の範囲が違うので、中期の傾向を語るときは注意が要ります。
4週目:判断の文言を記録し、見直しの合図を決める
最後の週は、翌月以降の運用の準備です。長野労働局は令和8年7月分の雇用情勢について、堅調に推移しているという判断を示し、そのうえで物価上昇・中東情勢等が雇用に与える影響を注視する必要があるという注記を続けています。判断の本文と留意事項をセットで読むのが、この種の公表文の使い方です。
前半の「堅調に推移している」は、足元の環境が安定していて、極端な手を打つ局面ではないことを示します。後半の「注視する必要がある」は、前提が変わり得るので、計画に見直しの機会を組み込むべきだということです。留意事項を落として引用すると、前提の変化に備えない計画になります。判断の文言が変わった月を、計画を点検する合図にすると決めておくと、数値の変化より早く動けることがあります。
有効求人倍率は毎年1月に過去5年間分について季節変動を踏まえて再計算され、令和7年12月以前の数値は改定されている旨の注記もあります。過去の数値と比べるときは、いつ公表された資料かを揃えます。4週目の終わりには、毎月確認する項目(拠点の安定所の動き、職種の過不足、賃金の水準、判断の文言)を一枚にまとめておきます。
1か月分の準備を、代行会社への依頼書に落とす
ここまでの4週間で作った材料は、そのまま代行会社への依頼書になります。依頼書に書く項目と、自社の数字での見積もり方を並べると次のとおりです。金額や人数は、自社の実績と資料の数字で埋めてください。
| 依頼書の項目 | 書く中身 | 自社の数字での見積もり方 |
|---|---|---|
| 拠点と管轄の安定所 | 1週目の一覧 | 拠点ごとに、県・地域・安定所の三つの数字を並べる |
| 報告に使う単位 | 地域別か安定所別か | 月ごとに単位を変えないよう、最初に一つに決める |
| 募集職種 | バランスシートの区分で特定した職種 | 職種の過不足から、経路を増やすか条件を見直すかを決める |
| 条件の検証 | 求人募集賃金と求職者希望賃金の位置 | 自社の提示額が両者のどこにあるかを出す |
| 見直しの合図 | 労働局の判断の文言 | 文言が変わった月に計画を点検する |
報告に使う単位を最初に決めておくと、毎月の報告が一貫します。単位を月ごとに変えると、良くなったのか悪くなったのかが分からなくなります。代行会社の見極めでは、地域別と安定所別を分けて話すか、労働局の判断の文言と留意事項まで引用するか、バランスシートと賃金情報を毎月使えるかを確認してください。月次で出ている資料を年に一度しか見ていないなら、使いこなしているとは言えません。労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴うため、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
1か月の準備を代行会社に丸ごと任せたくなるかもしれませんが、外に出してよいのは、毎月の資料を集めて拠点ごとの表を更新する作業までだと考えています。どの拠点を優先するか、職種の不足と条件の不足のどちらから手を付けるかという判断は、社内に残してください。ここを渡すと、代行会社は動かしやすい工程から手を付けがちで、拠点ごとの事情が後回しになります。長野県には毎月更新される資料がそろっているので、判断の軸は自社で持ち、作業の手を借りる形が合います。地方企業の採用体制は地方企業の採用体制にもまとめています。近隣県の状況は静岡県の採用代行、愛知県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 長野県の令和8年7月分は、地域別で三つ、安定所別で六つが前年同月を上回った。単位が違うので、片方の結論をもう片方に当てはめない
- 1週目は拠点を管轄する安定所を特定し、2週目は地域と安定所の数字が食い違うときに安定所の数字を前提にする
- 3週目はバランスシートと賃金情報で、職種の問題か条件の問題かを切り分ける
- 4週目は労働局の判断の文言と留意事項を記録し、文言が変わった月を計画の点検の合図にする
- 1か月の準備は依頼書に落とし、報告の単位を最初に決める。判断の軸は社内に残す
よくある質問
Q. 長野県の有効求人倍率1.29倍は、自社の拠点にも当てはまりますか
当てはまらないことがあります。令和8年7月分では、地域別と安定所別で前年同月を上回ったものの数が違い、拠点の安定所によって方向が異なります。管轄の安定所の数字を確認してから計画を立ててください。
Q. 代行会社には、どの単位で報告してもらうのがよいですか
拠点の安定所の単位を基本にし、必要に応じて地域の数字を添える形をおすすめします。大切なのは、最初に決めた単位を月ごとに変えないことです。単位が変わると、良くなったのか悪くなったのかが読めなくなります。
Q. 応募が来ない原因は、どう切り分ければよいですか
バランスシートで募集職種の過不足を確認し、求人募集賃金と求職者希望賃金で条件の位置を確認します。職種が不足しているなら経路を増やす話、条件が希望に届いていないなら条件の話です。二つを混ぜたまま相談すると、打ち手が定まりません。
※雇用情勢の数値は毎月更新されます。掲載した内容は2026年9月24日時点で長野労働局が公表している令和8年7月分の数値であり、最新の数値は同局の統計情報をご確認ください。