採用代行 / 神奈川県

神奈川県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

神奈川県の有効求人倍率は、令和8年7月(受理地別・季節調整値)で0.84倍、全国47位です。数字だけを見れば応募が集まりやすい県ですが、実際の採用の現場でそう感じている担当者は多くないはずです。神奈川労働局の労働市場月報には、その理由を測るための「県外依存率」という指標が置かれています。この記事では、神奈川県の求職者は東京の求人と比べて動くという前提に立ち、応募から内定までのどの段階で県外に流れているかを見つけて、採用代行に頼む工程を決める順番で整理します。以下は2026年9月24日時点で公表されている令和8年7月分の数値と資料の構成に基づきます。

0.84倍を「採用しやすい」と読まない

まず、全国のなかでの位置を確認します。令和8年7月の都道府県別有効求人倍率(受理地別・季節調整値)の上位と下位は、次のとおりです。隣の東京都が1位にある点が、神奈川県の数字を読むうえでの前提になります。

順位都道府県有効求人倍率
1東京都1.69倍
46北海道0.91倍
47神奈川県0.84倍
—全国平均1.18倍

神奈川県は47都道府県のうち唯一0.9倍を下回り、全国平均との差は0.34ポイント、隣の東京都との差は0.85ポイントあります。県内の需給だけを見れば、求人1件あたりの求職者は多く、応募は集まりやすいはずです。ところが、神奈川県の求職者は東京の求人にも応募できます。県内の倍率が低くても、条件の比較は県境をまたいで起きます。

0.84倍は県内の求人と求職者だけで割った数字で、東京の求人と比べられる分は入っていないと読むほうが、現場の感覚に近くなります。応募数が足りない、応募はあるが辞退される、内定後に辞退される、といった症状は、県内の需給では説明できず、県外の求人と比べられた結果である可能性があります。

県外依存率で、県境をまたぐ動きを測る

神奈川労働局の労働市場月報には、「8.一般職業紹介状況全数『諸比率』」という表があります。就職率、充足率、新規求人倍率と有効求人倍率(受理地別と就業地別の両方)、雇用保険受給者の割合と並んで、県外依存率が載っています。県内の求職者が、どれだけ県外の求人に頼っているかの度合いを示す指標です。この項目を毎月公表している労働局は多くなく、神奈川県の労働市場を説明するうえで、県境をまたぐ動きが欠かせないということだと読めます。

注記には、県外依存率はパートタイムを除くこと、雇用保険の欄は受給資格決定件数に対する割合で、同決定件数は速報値のため修正があり得ることが明記されています。諸比率の表で見る指標を、採用の症状と結びつけておくと、毎月の読み方が決まります。

指標何を示すか採用の症状との結びつき
県外依存率県外の求人への依存の度合い応募数が足りない理由が県外への流出かどうかの目安
就職率求職に対してどれだけ決まったか求職者側から見た決まりにくさ
充足率求人に対してどれだけ埋まったか求人側から見た埋まりにくさ
受理地別と就業地別の倍率求人を出す窓口と働く場所のずれ県の数字と自社の実感がずれる理由

資料の注記では、受理地別は求人を受理したハローワークが所在する都道府県ごとの集計、就業地別は求人票をもとに実際に就業する都道府県ごとの集計と定義されています。東京の本社でまとめて求人を出し、勤務地が神奈川という企業では、受理地別では東京に、就業地別では神奈川に計上されます。自社の求人がどちらに数えられているかを把握しておくと、県の数字と自社の実感のずれを説明できます。

エラベルの見解

神奈川県の採用の相談で、倍率の低さを好材料として説明する提案に出会うことがあります。県内の倍率は全国で最も低いのだから、人は集まるはずだという前提です。同じ料金・同じ業務範囲でも、結果が分かれるのはここです。県外依存率を見て「応募が足りないのは東京に流れているからかもしれない」と仮説を立てる担当者と、県内の数字だけで送信数を積み増す担当者では、打つ手がまったく違います。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、東京と神奈川の両方で採用を担当した経験がある人を探して相談することもできます。面談では「東京の同じ職種はいくらで募集していますか」と聞いてみてください。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめていますが、神奈川県は事情が逆です。

職業の行で、需給と賃金を同時に見る

県外と比べられる前提で条件を見直すなら、まず県内での自社の位置を確かめます。神奈川労働局の求人・求職・賃金バランスシートは、職業ごとに有効求人数、有効求職者数、求人倍率、求人の賃金の上限と下限を同じ行に並べています。どれだけ人が足りないかと、いくらで募集されているかを一度に見られる構成です。

職業の区分は細かく、専門的・技術的職業なら製造技術者(開発/開発を除く)、建築・土木・測量技術者、情報処理・通信技術者、医療技術者など、事務従事者なら一般事務、会計事務、生産関連事務、営業・販売事務、外勤事務、運輸・郵便事務、事務用機器操作、生産工程従事者なら製品製造・加工処理(金属製品/金属製品を除く)、機械組立、機械整備・修理、製品検査などに分かれます。自社の募集職業を中分類で特定し、その行の倍率と賃金の範囲を確かめ、自社の提示額がその範囲のどこにあるかを見ます。

県内の範囲に収まっていても、東京の同じ職業と比べられることがあります。東京の水準は、東京労働局の資料や求人媒体で同じ職業の募集額を確かめます。県内の範囲のどこにあるかと、東京と比べてどうかの二段で見るのが、神奈川県での条件の見方です。倍率が低く賃金も範囲内なのに応募が来ないなら、条件以外に原因があり、求人の書き方や接触の仕方を見直します。

県外に流れる段階ごとに、代行に頼む工程を決める

ここまでの見立てを、採用の症状ごとに依頼の中身に落とします。県外の求人と比べられる場面は、応募の前、選考中、内定後の三つに分かれます。どの段階で流れているかによって、頼む工程が変わります。

流れている段階起きていること代行に頼む工程社内に残す判断
応募の前求人が東京の求人と並べて見られ、選ばれていない求人票の書き直し、通勤や在宅勤務の条件の打ち出し、企業側からの接触提示額と勤務条件の幅
選考中並行して受けている東京の会社で先に決まる日程調整の短縮、選考間の連絡選考の回数と決裁の日数
内定後条件を比べられて辞退される提示後のフォロー、辞退理由の記録条件の再提示をするかどうか

どの段階で流れているかは、自社の過去の記録から分かります。応募数、面接の辞退数、内定の辞退数を段階ごとに数え、どこで落ちている割合が大きいかを見ます。記録がなければ、最初の数か月は代行会社に段階ごとの数を記録してもらうところから始めます。

見積もりは、この段階に合わせて取ります。応募の前で流れているなら求人票と接触の工数、選考中なら日程調整と連絡の工数が中心です。月額の中身は、担当者の週あたりの稼働時間と掛け持ちの社数で確かめ、報告には倍率だけでなく就職率や充足率も含めてもらいます。

月報の11ファイルから、場面ごとに開くものを決める

神奈川労働市場月報は、項目ごとに別のファイルとして公開されています。一般職業紹介状況の主要項目(パート含む)、全数(パートを含む/除く)、中高年齢者の就職紹介状況(パートを除く)、パートタイム職業紹介状況、産業別・規模別新規求人状況、年齢別常用職業紹介状況(パートタイム含む)、「諸比率」、求人倍率の推移(季節調整済)、雇用保険の推移、すべての項目、の11です。毎月すべてを読む必要はなく、場面ごとに開くファイルを決めておけば足ります。

場面開くファイル見るもの
今月の概況1 一般職業紹介状況(パート含む)主要項目県全体の動き
正社員採用の検討3 一般職業紹介状況全数(パートを除く)パートを除いた需給
産業と規模で競合を見る6 産業別・規模別新規求人状況同業・同規模の求人の動き
年齢層で母集団を見る7 年齢別常用職業紹介状況狙う年齢層の需給
県外への流れを見る8 「諸比率」県外依存率、就職率、充足率

6と7は、県の代表値の0.84倍とは違う、自社に近い前提をつくるのに向いています。安定所の単位も細かく、横浜、戸塚、川崎、横須賀、平塚、小田原、藤沢、相模原、厚木、松田、横浜南、川崎北、港北、大和などが並びます。都県境に近い所とそうでない所では、東京と比べられる度合いが違うので、拠点の所も確かめておきます。

なお、労働関係の法令や助成金の適用、候補者の個人情報の扱いについては個別の判断が伴います。個別の判断は専門家にご確認ください。

エラベルの見解

外に出してよいのは、段階ごとの数の記録、求人票の書き直し、日程調整や連絡のように、決めた条件の範囲で動かせる工程までです。東京と比べられて負けているからといって、提示額や勤務条件の幅まで代行会社に委ねると、内定のたびに条件が揺れ、社内の処遇の整合が崩れます。神奈川労働局が県外依存率を毎月出しているのは、県内の数字だけでは説明できないことを資料の側が認めているからだと読めます。担当する側から見ても、どの段階で流れているかの記録と、東京と比べたときの条件の幅が最初に共有されている案件ほど、打つ手を絞り込めます。近隣の状況は東京都の採用代行にもまとめました。

まとめ

よくある質問

Q. 神奈川県は求人倍率が低いのに、なぜ採用が難しいのですか

神奈川県の求職者は、東京の求人にも応募できるためと考えられます。県内の倍率が低くても、条件の比較は県境をまたいで起きます。神奈川労働局が県外依存率という指標を毎月公表しているのも、県境をまたぐ動きが大きいことの表れと読めます。

Q. 県外依存率は、どこで確認できますか

神奈川労働局の労働市場月報のうち、「8.一般職業紹介状況全数『諸比率』」の表に掲載されています。パートタイムを除いた数字であることが注記されています。月報は項目ごとに別のファイルで公開されているため、この表だけを開くこともできます。

Q. 東京の本社から求人を出していますが、どの数字を見ればよいですか

受理地別の数字では、求人は本社のある東京に計上されます。勤務地が神奈川なら、就業地別の数字のほうが実際に働く場所の需給に近くなります。月報の諸比率には両方が併記されているので、並べて見ると自社の求人の位置が分かります。

出典