採用代行 / 静岡県
静岡県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
静岡県は東西に長い県で、その形がそのまま労働市場の分かれ方になっています。静岡労働局が公表している令和8年7月分の資料では、地域別の有効求人倍率が東部1.03倍、中部1.21倍、西部0.91倍で、県内で0.30ポイント開いています。さらに職業別の倍率の高低と、正社員の求人割合55.3%という特徴が重なります。この記事では、地域と職業と雇用形態の三つで自社の位置を地図のように定め、その位置ごとに代行に頼む工程を選ぶ手順を整理します。以下は2026年9月24日時点で静岡労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
東部・中部・西部で、倍率が0.30ポイント開く
資料には、地域別有効求人倍率は東部1.03倍、中部1.21倍、西部0.91倍となり、中部地域で前年同月と比較し上回ったと記載されています。同じ県内で、求人が求職者を上回る地域と下回る地域が並んでいるうえ、前年と比べた方向も分かれています。表の右端は、倍率の水準から採用側が受ける環境を読み替えたものです。
| 地域 | 有効求人倍率 | 前年同月との比較 | 採用側から見た環境 |
|---|---|---|---|
| 東部 | 1.03倍 | 上回ったとの記載なし | ほぼ均衡 |
| 中部 | 1.21倍 | 上回った | 求人が求職者を2割上回る。競合が強い |
| 西部 | 0.91倍 | 上回ったとの記載なし | 求職者のほうが多い。応募は集まり得る |
中部なら母集団の確保と条件の設計、西部なら選別と決定率の改善が論点になり、同じ県内でも依頼する工程が逆になります。しかも中部だけが前年同月を上回っているので、中部の拠点では競合が強まる方向にあると読めます。東部と西部は、少なくとも前年より厳しくなったという記載はありません。
地図の一つ目の軸は、この地域です。自社の拠点が東部・中部・西部のどこにあるかを確かめ、複数の拠点があるなら拠点ごとに分けて考えます。県全体の倍率で始まる提案は、この表を見ていないと考えてよいでしょう。
職業の高低を重ねると、自社の位置が四通りに分かれる
地図の二つ目の軸は職業です。資料には職業別の有効求人倍率についても記載があり、令和8年7月分では倍率が高い職業として保安の職業、建設・採掘、介護関連の職業が、倍率が低い職業として事務、運搬・清掃・包装等が挙げられています。介護の職業については特別集計のため、他の項目と重複する部分があるとされています。
地域と職業を重ねると、自社の位置はおおむね四通りに分かれます。中部の高倍率職種は最も厳しく、西部の低倍率職種は最も緩い。中部の低倍率職種と西部の高倍率職種は、その中間です。東部は地域としてはほぼ均衡なので、職業の側の高低が効いてきます。
たとえば西部の事務職なら、応募は集まりやすい位置にいます。中部の建設職なら、地域でも職業でも厳しい側に立っています。同じ静岡県の企業でも、この二社が同じ代行サービスを同じ範囲で頼むのは、どちらかにとって合わない買い方です。自社の拠点と募集職種を一行ずつ書き出し、四通りのどこに入るかを先に決めてから相談に行くと、提案の前提がそろいます。
正社員の求人割合55.3%が意味すること
地図の三つ目の軸が雇用形態です。静岡県では、正社員の有効求人倍率が1.03倍で全国値0.98倍を0.05ポイント上回り、正社員の有効求人数は32,373人で前年同月を13か月ぶりに上回りました。正社員の求人割合は55.3%です。正社員の求人割合は、正社員の月間有効求人数を月間有効求人数(全数)で除して算出されていて、有効求人の半分以上が正社員の求人ということになります。
| 区分 | 正社員有効求人倍率の直近の並び |
|---|---|
| 静岡県 | 1.04 → 1.04 → 0.98 → 0.99 → 1.00 → 1.03 |
| 全国 | 1.02 → 0.99 → 0.95 → 0.94 → 0.96 → 0.98 |
静岡県は全国を上回る水準で推移していて、正社員の求人割合の推移も49.3%から55.3%へと上がってきています。さらに注記には、正社員の有効求人倍率はパートタイムを除く常用の月間有効求職者数で除して算出しており、その求職者数には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となるとされています。実際の正社員の需給は、公表値より逼迫している可能性があるということです。
求人の半分以上が正社員で、その倍率が全国より高いということは、正社員の枠を取り合う度合いが全国より強いということです。正社員採用では、候補者が複数の正社員求人を並べて比べる前提で条件を決めることになります。地域では緩い場所があるのに、正社員では全国より厳しいという組み合わせが、この県の読みにくさです。
エラベルの見解
静岡県の資料で実用的なのは、地域と職業の両方が同じ資料に載っていることだと考えています。相談で多い思い込みは、「静岡県は倍率が高くないので、採用は難しくない」というものです。実際には、西部は0.91倍でも、正社員の倍率は全国を上回り、中部の高倍率職種では地域でも職業でも厳しい側に立ちます。同じ料金の代行でも、自社の位置を三つの軸で確かめてから工程を組む担当者と、県全体の倍率で工程を組む担当者では、最初の一か月にやることが違ってきます。担当者を選ぶときは、面談で「うちの拠点と職種はどこに入りますか」と聞いてみてください。地域を分けて読む考え方は島根県の採用代行でも扱いました。
位置ごとに、代行に頼む工程を変える
三つの軸で位置が決まったら、依頼する工程を選びます。位置によって、頼むべき工程が逆になることもあります。社内に残す判断も位置ごとに違うので、表の右端まで決めてから見積もりを取ってください。
| 自社の位置 | 環境 | 代行に頼む工程の中心 | 社内に残す判断 |
|---|---|---|---|
| 中部・高倍率職種・正社員 | 地域でも職業でも厳しく、正社員は比べられる | 母集団の経路を増やすこと、条件の比較に備えた材料集め | 提示条件の上限 |
| 西部・低倍率職種・正社員 | 応募は集まる前提 | 応募の選別と日程調整、決定率を上げる選考の設計 | 見極めの基準 |
| 東部・いずれかの職種 | 地域はほぼ均衡 | 工程全体のバランスを見て、詰まっている段を特定する | 優先する工程の決定 |
| パート採用 | 正社員とは別の市場 | 正社員と別に見積もり、別に運用する | 正社員とパートの優先順位 |
表の上の段と二段目は、同じ県内の企業でも頼む工程が逆になる例です。中部の建設職で選別の工程に費用をかけても、応募がそもそも足りなければ効果は出ません。西部の事務職で母集団の経路を増やしても、選別と決定の工程が詰まっていれば、応募が増えるほど対応が追いつかなくなります。
正社員の求人割合が上がっている局面では、正社員での募集が標準になり、条件の比較も起きやすくなります。どの位置にいる企業でも、正社員を募集するなら、候補者が比べる相手の求人を想定して条件を決める準備が要ります。この準備は、代行会社に材料を集めてもらい、社内で上限を決める分担にすると進めやすくなります。
ハローワーク単位の資料で、位置を毎月確かめる
地域の三区分よりさらに細かく見たいときは、静岡労働局が公開している各ハローワークの資料(管内の労働市場の状況・職業安定業務統計資料)を使います。所ごとの数字を確認できるので、拠点の所の状況を直接つかめます。地域の倍率と所の倍率が食い違う場合は、所の数字を前提にします。
代行会社との運用では、毎月、拠点の地域の倍率、募集職種の倍率の位置、正社員の求人割合の推移を確認し、必要に応じてハローワーク単位の資料を開きます。報告には、この三つを毎月同じ形で並べてもらいます。位置が変わった月、たとえば中部の前年同月比の向きが変わった月や、自社の職種が倍率の高い側から外れた月は、依頼する工程を見直す合図です。
契約前には、拠点の地域とハローワーク、募集職種が倍率の高い側か低い側か、雇用形態を決め、報告に地域別と職種別の両方を入れてもらうよう取り決めます。費用の見積もりは位置によって前提が変わり、応募を集める工程が中心なら「必要な応募数 × 一件あたりの獲得の手間」、選別が中心なら「月の応募数 × 一件あたりの対応時間」で作業量を出して比べます。必要な応募数は「採用したい人数 ÷ 自社の応募から採用までの割合」で逆算します。労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴うため、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
東海の県を見始めて、静岡県は県内の分かれ方が最も明確だと感じています。そのぶん、代行に出してよい範囲も位置によって変わります。西部の低倍率職種なら、応募の一次選別や日程調整まで外に出しても成果に結びつきやすい一方、見極めの基準は社内に残しておく必要があります。中部の高倍率職種なら、経路を増やす工程は外に出せても、条件をどこまで上げるかという判断を渡すと、比べられる局面で手が打てなくなります。位置を確かめずに「全部お任せ」で契約すると、どちらの位置でも、社内に残すべき判断まで外に出てしまいがちです。近隣県の状況は愛知県の採用代行、三重県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 静岡県の令和8年7月分の地域別倍率は東部1.03倍、中部1.21倍、西部0.91倍。中部だけが前年同月を上回った
- 職業別では保安・建設・採掘・介護関連が高く、事務・運搬・清掃・包装等が低い。地域と重ねて自社の位置を決める
- 正社員の求人割合は55.3%で、正社員の倍率は全国を上回る。正社員は比べられる前提で条件を決める
- 位置によって代行に頼む工程は逆になる。中部の高倍率職種は経路、西部の低倍率職種は選別
- ハローワーク単位の資料で毎月位置を確かめ、位置が変わった月に依頼する工程を見直す
よくある質問
Q. 静岡県の採用環境は、県全体で見てよいですか
県全体で見るのはおすすめしません。令和8年7月分の地域別倍率は東部1.03倍、中部1.21倍、西部0.91倍で、0.30ポイントの幅があり、前年と比べた方向も地域で違います。拠点の地域と、できればハローワーク単位で確認してください。
Q. 正社員の採用が難しいのはなぜですか
静岡県は正社員の求人割合が55.3%と高く、正社員の有効求人倍率も1.03倍で全国値を上回っています。正社員の枠を取り合う度合いが全国より強く、候補者に比べられやすい環境です。注記のとおり、実際の正社員の需給は公表値より逼迫している可能性もあります。
Q. 代行会社にはどの工程を頼めばよいですか
自社の位置によって変わります。中部の倍率の高い職種なら母集団の経路を増やす工程、西部の倍率の低い職種なら応募の選別と日程調整が中心です。拠点と職種と形態を伝えたうえで、位置に合った工程を提案してもらってください。
※雇用情勢の数値は毎月更新されます。掲載した内容は2026年9月24日時点で静岡労働局が公表している令和8年7月分の数値であり、最新の数値は同局の統計情報をご確認ください。