採用代行 / 熊本県
熊本県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
熊本県の採用環境は、九州の隣県とは向きが逆に動いています。熊本労働局が公表している令和8年7月分の資料では、有効求人数が5か月連続で増え、有効求職者数は2か月連続で減りました。求人が増えて求職者が減る、需給が締まる方向の動きです。この局面では、応募を待って選ぶ設計のままでは母集団が埋まりにくくなります。この記事では、締まる局面で採用代行に頼む工程を「集める」「決める」の上流側に寄せるという考え方を軸に、依頼の組み立て方を整理します。以下は2026年9月24日時点で熊本労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
求人は5か月増え、求職者は2か月減った
最初に、需給の向きを確かめます。令和8年7月分の主な数字は次のとおりです。倍率は季節調整値と原数値が混ざっているので、報告に使うときに取り違えないよう種類を添えています。
| 項目 | 数値 | 増減 |
|---|---|---|
| 有効求人数(季節調整値) | 34,116人 | 前月比0.2%増(5か月連続で増加) |
| 有効求職者数(季節調整値) | 28,532人 | 前月比1.0%減(2か月連続で減少) |
| 有効求人倍率(季節調整値) | 1.20倍 | 前月から0.02ポイント上回った |
| 正社員有効求人倍率(原数値) | 1.08倍 | 前年同月を0.04ポイント上回った |
資料には「求職者1人当たりの有効求人数の割合を示す有効求人倍率(季節調整値)は、前月から0.02ポイント上回り、1.20倍となりました」と記載されています。目を引くのは、正社員の倍率が1倍を超えていることです。同じシリーズで見た沖縄県の正社員有効求人倍率は0.76倍でしたが、熊本県は1.08倍で、前年同月より上がっています。正社員の採用では、求人を出す側が不利な位置に立っていると考えたほうが、計画を立てやすくなります。
九州の県を並べると、鹿児島県は有効求人数が41か月連続で減っている一方で、熊本県は5か月連続で増えています。隣の県でもここまで違うので、「九州の採用事情」という括りの一般論は、熊本県の計画には使えません。
増えているのはフルタイム、パートは6か月減っている
求人の中身を見ると、増えているのはフルタイムの求人です。新規の数字は次のとおりです。雇用形態によって向きが逆なので、正社員を採るかパートを採るかで、読み方が変わります。
| 項目 | 数値 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 新規求人数(原数値) | 11,947人 | 7.5%増(3か月ぶりに増加) |
| うち一般パートタイム求人 | 3,669人 | 5.9%減(6か月連続で減少) |
| 新規求職申込件数(原数値) | 5,647人 | 1.6%増(3か月ぶりに増加) |
新規求人が7.5%増える一方で、パートタイムの求人は6か月続けて減っています。資料にも、一般フルタイム求人が4か月連続で増加と記載されています。フルタイムの正社員を採る企業は、増えている競合の求人と同じ候補者を取り合うことになります。
逆に、パートの求人は減っているので、パートの採用は相対的に競合が少ない環境です。正社員の採用に苦戦しているなら、パートから始めて正社員に切り替える道筋を用意できるかを、社内で一度検討する価値があります。業務の中身や勤務時間を切り出せるかどうかは社内でしか決められないので、代行会社に相談する前に整理しておきます。
自社の産業が、増えている側か減っている側か
新規求人数の前年同月比を産業別に見ると、建設業、製造業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉が増加しています。サービス業(他に分類されないもの)は43.4%増と大きく伸び、減っているのは運輸業・郵便業(3.3%減)だけです。主要産業のほとんどで求人が増えています。サービス業(他に分類されないもの)には人材派遣業や職業紹介業、各種の事業サービスが含まれ、求人の増加がこの分類に集中している面もあると読めます。
医療・福祉は、鹿児島県では新規求人が7か月連続で減っていましたが、熊本県では増えています。自社の産業がどちら側にあるかで、代行に頼む中身が変わります。
| 自社の産業の状況 | 読み方 | 依頼の中身 |
|---|---|---|
| 増加側(建設、製造、卸売・小売、宿泊・飲食、医療・福祉など) | 同業の求人が増え、条件を比べられる | 母集団の確保と、同業との差が出る求人票の書き分け |
| サービス業(他に分類されないもの) | 求人の増加が集中している分類 | 求人票の差別化と、提示の速さ |
| 運輸業・郵便業 | 求人は減っているが、需給は別に確かめる | 拠点のエリアの倍率を見てから工程を選ぶ |
エラベルの見解
熊本県の数字を見ると、この局面での代行の役割は、作業の肩代わりから経路の追加に変わると考えています。求職者が減って求人が増えている状況では、ハローワークと求人媒体に出して待つだけでは母集団が埋まりません。企業の側から接触する経路を増やすことになりますが、スカウトの運用は社内に知見がないことが多い領域です。ここで結果が分かれるのは担当者です。同じ料金でも、どの媒体で、月にどれだけ、誰が経歴を読んで送るのかまで具体的に提案できる担当者と、「スカウトを回します」で終わる担当者では、三か月後の接触数が違ってきます。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、スカウト運用の経験がある人を指名して相談できます。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめています。
集める工程は、待つ採用から接触する採用へ
締まる局面では、指標ごとに代行に頼む中身を対応させると、優先順位がはっきりします。ここまでに見た数字を、そのまま依頼の中身に置き換えてみます。どの指標がどの工程につながるかを代行会社と共有しておくと、提案の妥当性を判断しやすくなります。
| 指標の状態 | 読み取れること | 代行に頼む内容 |
|---|---|---|
| 有効求人数が5か月連続増 | 競合の求人が増えている | 母集団の確保と、接触する経路の追加 |
| 有効求職者数が2か月連続減 | 待っていても集まりにくい | スカウト媒体の選定と運用(送信から返信管理まで) |
| 正社員有効求人倍率1.08倍 | 正社員は求人側が不利 | 条件の相場確認と、提示の幅の設計 |
| 新規求人7.5%増 | 求人の出し合いになっている | 同業との差が出る項目を特定した求人票の書き分け |
上の二行が中心です。応募を待つ設計では足りない局面なので、企業側から接触する工程を代行に寄せる価値があります。一方で、応募の一次選別の強化や選考基準の厳格化は、この局面では優先度が下がります。応募が潤沢でない局面で絞る工程に投資すると、細っている母集団をさらに細らせることになるからです。絞る工程より、集める工程と決める工程に予算を回すという順番で考えます。
集める工程の見積もりは、「月の必要採用数 ÷ 接触から採用までの歩留まり」で月に必要な接触数を出し、それを代行会社の送信や運用の工数に置き換えて比べます。歩留まりは自社の過去の実績から、無ければ代行会社に同じ業種・同じ地域での実績の幅を聞きます。月額の中身は、担当者の週あたりの稼働時間と掛け持ちの社数で確かめます。
決める工程は、内定までの日数と拠点のエリアで詰める
集めた候補者を逃さないために、決める工程も上流と同じ重さで設計します。求職者が減っている状況では、候補者は複数の会社を並行して受けています。内定までの日数が長いほど不利になるので、応募から内定までの日数を計測し、どこで止まっているかを見つけて短くする作業を代行会社に頼みます。内定辞退があれば、その理由を記録して次の提示に反映します。
もう一つ、拠点のエリアを確かめます。熊本労働局は、熊本、上益城、八代、菊池、玉名、天草、球磨、宇城、阿蘇、水俣のハローワークごとの数値も公表しており、県内を10のエリアに分けて見られます。資料にはこのほか、雇用保険の受給手続を扱う運輸支局の記載もあります。同じシリーズの沖縄県ではハローワーク別の倍率が0.86倍から2.00倍まで開いていたように、県内でも地域差がある前提で、県全体の1.20倍をすべての拠点に当てはめないようにします。自社の拠点が属するハローワークの倍率を月次資料で確かめ、県全体との差が大きければ計画を修正します。資料には都道府県別の有効求人倍率を並べた図もあり、全国の中での位置の確認にも使えます。
契約の前には、対象とする拠点のエリア、雇用形態、依頼する工程が上流か応募後か、報告に含める指標(接触数、応募数、内定までの日数)の四つを決めておきます。なお、労働関係の法令や助成金の適用、候補者の個人情報の扱いについては個別の判断が伴います。個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
相談で多い思い込みは、「応募者対応を外に出せば、採用担当の手が空いて採用が進む」というものです。締まる局面では、そもそも応募が増えていないことが多く、応募者対応を委託しても処理する件数が少なければ効果は限られます。先に外に出すべきは、接触する経路をつくる工程と、内定までの日数を縮める工程です。担当する側から見ると、この局面の案件は、自社の拠点のエリアの倍率と、過去の内定辞退の理由が最初に共有されていると、どこに時間を使うべきかをすぐに判断できます。委託範囲の考え方は地方企業の採用代行にまとめています。近隣県の状況は鹿児島県の採用代行、沖縄県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 熊本県の令和8年7月分は、有効求人数が5か月連続で増え、有効求職者数が2か月連続で減っており、需給が締まる方向にある
- 正社員有効求人倍率(原数値)は1.08倍で前年同月を上回り、正社員の採用では求人側が不利な位置に立つ
- 新規求人は7.5%増えたが、一般パートタイム求人は6か月連続で減っており、パートから始める道筋も検討する価値がある
- 代行に頼む工程は、接触する経路をつくる「集める」工程と、内定までの日数を縮める「決める」工程を優先する
- 県内10のハローワークのうち自社の拠点のエリアの数字を確かめ、県全体の倍率を当てはめない
よくある質問
Q. 熊本県の採用は、今は難しい局面ですか
令和8年7月分の資料では、有効求人数が増え有効求職者数が減っており、需給は締まる方向です。正社員有効求人倍率も1.08倍で、前年同月を上回っています。業種や拠点のエリアによって違いがあるため、自社の数字を個別に確かめてください。
Q. 締まる局面で、代行に任せる工程はどこがよいですか
スカウト媒体の運用など、企業側から接触する経路をつくる工程と、応募から内定までの日数を縮める工程が優先です。応募の一次選別の強化は、応募が潤沢でない局面では後回しにしてかまいません。任せる前に、月に必要な接触数を自社の数字で出しておくと見積もりを比べやすくなります。
Q. パートの採用は、熊本県ではどうですか
令和8年7月分では一般パートタイム求人が6か月連続で減っており、フルタイムと比べて競合は少ない環境です。正社員の採用に苦戦している場合、パートから始めて正社員に切り替える道筋を検討する価値があります。業務や勤務時間を切り出せるかは、社内で先に整理しておきます。