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現状把握のしかた|人事の副業で、ヒアリングで聞いた話を「実物」で確かめ、数と流れで一枚にする手順

公開 2026-09-16

ヒアリングで依頼側の話を聞いたあと、その話が実態と合っているかを確かめる作業が現状把握です。「応募が来ない」という話を、媒体の管理画面で応募数を数えて確かめる。「文面は悪くないと思う」という話を、実際の文面を読んで確かめる。「すぐ返信している」という話を、応募日と返信日を並べて確かめる。結論を先に書くと、現状把握は、ヒアリングで聞いた認識を「文面・数・管理の表・媒体の画面」という実物で確かめ、応募から内定までの流れを数で追い、認識と実態のずれを一枚にする作業です。ここを飛ばして依頼側の認識のまま動くと、原因と違う場所を直すことになります。ヒアリングの進め方はヒアリングで押さえる項目に、把握したあとに直すことを決める作業は課題の言語化にまとめています。

何を見るか

現状把握で見る実物を、四つに分けます。それぞれ、何を確かめるかを示します。

実物何を確かめるかどこにあるか
文面スカウト文、求人票、応募者への返信の文面。誰に向けて、何を伝えているか。型があるか媒体の管理画面、依頼側のテンプレート、送信済みのメール
送信数、応募数、返信数、書類通過数、面接数、内定数。期間ごとに媒体の管理画面、応募のメール、管理の表
管理の表応募者ごとの状況、日付、担当。あるか、更新されているか依頼側の共有フォルダ、応募者管理の仕組み
媒体の画面掲載の状態、検索の条件、送信の設定、応募の通知先媒体の管理画面

見るものの要点は、「四つとも、依頼側の環境の中で見る」ことです。ダウンロードせず、印刷せず、画面上で見て、数と気づきだけを自分の整理に書きます。応募者の名前は整理に書きません。情報の扱いは情報の取り扱いと端末の分離を参照してください。

数を数える

依頼側が数を把握していないことは多く、数えることが現状把握の中心になります。数え方の型を示します。

段階数えるもの見方
送信スカウトの送信数(期間ごと)送っているか。時期に偏りがないか
応募・返信応募数、スカウトへの返信数送信に対する返信の割合。応募の経路ごとの数
一次対応応募日から一次返信までの日数返信の遅れ。曜日による偏り
書類書類の確認数、通過数、確認にかかった日数通過の割合。確認の遅れ
面接面接の設定数、実施数、辞退数設定から実施までの離脱
内定内定数、承諾数承諾の割合
期間応募から内定までの日数全体の長さ。どこで日数が消えているか

数え方の要点は、「段階ごとの数と、段階の間の日数」の両方を数えることです。数だけ見ると「応募が少ない」で終わりますが、日数を見ると「応募から返信まで一週間空いている」が見え、離脱の原因が分かります。数は、依頼側の環境の中で数え、自分の整理には数だけを書きます。

エラベルの見解

登録の相談で多いのは、「依頼側から『応募が少ない』と言われて、スカウトの数を増やした」という話です。実物を見ると、応募は月に数十件あり、少なくなかった。少なかったのは、書類確認を経て面接に進んだ数で、書類確認に平均十日かかっていて、その間に候補者が他社で決まっていた。応募数ではなく、書類確認の日数が原因でした。数えていれば、スカウトを増やす前に、書類確認の日数を縮める提案ができたはずです。

見ていて差がつくのは、「段階の間の日数を数えているか」です。数は依頼側も何となく把握していますが、日数は把握していないことがほとんどです。応募日と返信日、書類の受領日と確認日、面接の設定日と実施日。この日数を並べると、依頼側が気づいていない止まりどころが見えます。エラベルの登録でも、最初の週に日数まで数えて渡している人は、依頼側から「見えていなかったものが見えた」と評価され、範囲内の提案が通りやすくなっています。

流れを追う

数を段階ごとに並べたら、応募から内定までの流れとして追います。流れの追い方を、番号付きで整理します。

  1. 段階を、依頼側の実際の流れで並べる。 ヒアリングで聞いた流れと、実物の流れが違うことがある。実物に合わせる。
  2. 各段階の数を入れる。 送信→応募→一次返信→書類確認→面接設定→面接実施→内定→承諾。
  3. 段階の間の日数を入れる。 平均と、最長。最長が長い段階は、止まった案件がある。
  4. 数が大きく減る段階を見る。 応募から面接設定で大きく減っているなら、書類確認か一次対応に原因がある可能性。
  5. 日数が長い段階を見る。 一週間以上空いている段階は、離脱の原因になりやすい。
  6. 誰が担当している段階かを重ねる。 減っている段階、長い段階の担当が誰か。担当が忙しいのか、判断する人の返事が遅いのか。
  7. 文面と重ねる。 返信の割合が低いなら、文面を読む。文面に型があるか、誰に向けているか。
  8. 自分の範囲と重ねる。 減っている段階、長い段階が、自分の範囲(一次対応、書類の一次絞り、文面)の中にあるか、外(判断、面接)にあるか。

追い方の要点は、「八で、自分の範囲と重ねる」ことです。原因が自分の範囲の中にあれば、自分の作業で直せます。外にあれば、依頼側に伝えて、依頼側が直す。この切り分けが、次の課題の言語化につながります。

認識と実態のずれを見つける

ヒアリングで聞いた認識と、実物で見た実態を並べて、ずれを見つけます。並べ方の型です。

領域ヒアリングでの認識実物で見た実態ずれ
応募数「応募が来ない」月に数十件。経路の一つに偏っている数はある。経路の偏り
一次返信「すぐ返している」応募から返信まで平均五日。週末をまたぐと十日遅れている。週末が空白
文面「文面は悪くない」一種類の文面を全員に送っている。冒頭が会社の説明型はあるが、候補者ごとの変化が無い
書類確認「担当が確認している」確認に平均十日。判断する人の返事待ち担当ではなく判断の遅れ
管理の表「表で管理している」表はあるが、一か月更新されていない実態を反映していない
面接「面接まで来れば決まる」設定した面接の三割が辞退設定から実施の間に離脱

ずれの要点は、「依頼側を責める材料にしない」ことです。ずれは、依頼側が忙しくて見えていなかっただけのことがほとんどです。ずれを「見えていなかったこと」として渡すと、依頼側は受け取れます。「言っていたことと違う」として渡すと、関係が悪くなります。

一枚にまとめる

現状把握の結果を、一枚にまとめて依頼側に渡します。型を示します。

項目書くこと
見たもの文面、数、表、媒体の画面。いつの期間か
流れと数段階ごとの数と、段階の間の日数を、一つの表に
減っている段階・長い段階どこで数が減り、どこで日数が消えているか
認識と実態のずれ上の表。責めない書き方で
自分の範囲の中にあること自分の作業で直せること
自分の範囲の外にあること依頼側に判断・対応をお願いすること
分かっていないこと実物からも分からなかったこと。次に確かめること
数えた数の扱い応募者の名前は書かない。数と日数だけ

まとめの要点は、「範囲の中と外を分けて書く」ことです。全部を自分が直すように書くと、範囲が広がります。外のことは、依頼側に渡す。この分け方が、次の課題の言語化で、自分の作業を決める土台になります。

把握で止まる失敗

現状把握で起きやすい失敗を整理します。

失敗起きる構造直し方
実物を見ずに聞いた話で動く見る権限が届いていない権限を最初の打ち合わせで確保。届くまで動かない
数だけ見て日数を見ない数のほうが分かりやすい段階の間の日数を並べる
応募者の情報を自分の整理に書く具体的に書きたい数と日数だけ。名前は書かない
ダウンロードして数える画面上だと数えにくい依頼側の環境の中で数える。表計算が要るなら依頼側の共有フォルダで
把握に時間をかけすぎる全部を正確に見ようとする一週間で一枚に。分かっていないことは分かっていないと書く
ずれを責める書き方で渡す事実を書く「見えていなかったこと」として書く
範囲の外のことまで自分で直そうとする原因が見えると直したくなる外のことは依頼側に渡す
一枚を渡さない自分の頭の中で分かった気になる渡す。依頼側が同じ実態を見る
本業の会社の数と比べて判断する自分の常識で見る依頼側の業界と規模の中で見る
把握で満足して、次に進まない分かったことで安心する課題の言語化へ

失敗の要点は、「把握は一週間で一枚に」ということです。正確さを追うと終わらず、把握だけで一か月が消えます。分かっていないことは分かっていないと書いて、次に進みます。

エラベルの見解

担当する側として登録した人の話を聞くと、依頼側との関係が最初の一か月で決まった人は、現状把握の一枚を「依頼側と同じものを見るための道具」として使っています。副業の人が見た実態を、依頼側の担当と判断する人が同じ一枚で見る。それだけで、その後の会話が「認識」ではなく「実態」で進みます。一枚を渡さず、自分の頭の中で分かった気になった人は、提案が依頼側の認識とぶつかり、通りません。

依頼側から見ると、自分たちの採用を数と日数で見せられる経験は、初めてであることが多い。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口ですが、最初の週に現状把握の一枚を渡せる人は、依頼側から「状況を見てくれる人」として信頼され、二週目以降の作業が依頼側の協力を得て進みます。把握の型を一つ持っていただくことが、案件の立ち上がりを決めます。

まとめ

よくある質問

権限が届かず、実物が見られません

権限が届くまでは、ヒアリングの整理と、権限が要らない作業(自分の型の準備)にとどめ、「権限が届き次第、現状把握に入ります」と依頼側に伝えます。届かないまま動くと、認識だけで作業することになります。届くのが遅い場合は、権限の発行日を書面で確認し、届かなければ稼働を止めることも伝えます。権限が届かない会社は、その後の情報の受け渡しも滞りやすいので、初回打ち合わせで発行日を決めておきます。初回打ち合わせの進め方を参照してください。

数えても、母数が少なくて何も言えません

母数が少ないなら、「少ない」こと自体が実態です。月に数件の応募では、返信の割合や通過の割合は意味を持ちませんが、「応募が月に数件」「送信が月に十数通」という数は、依頼側が動いている量を示します。量が少ないことが分かれば、直す点は割合ではなく量になります。少ない母数で割合を語らず、量と日数を書いて渡します。

依頼側が「そんなはずはない」と実態を認めません

一枚に、見たもの(どの画面の、いつの期間か)を明記し、依頼側が同じものを見られる形にします。数と日数は、依頼側の環境の中にある事実なので、一緒に見れば認めざるを得ません。認めないのは、責められていると感じているからであることが多いので、「見えていなかったことが見えました」という書き方に戻し、誰が悪いという話にしないことです。それでも認めない場合は、自分の範囲の中で直せることだけを進め、外のことは記録に残して待ちます。