人事副業 / 案件獲得
課題の言語化|人事の副業で、現状把握で見えたずれを「自分の範囲で直すこと」に絞り込み、依頼側と合意する手順
ヒアリングで話を聞き、現状把握で実物を見ると、認識と実態のずれがいくつも見えてきます。一次返信が遅い、文面に変化が無い、書類確認で日数が消えている、管理の表が更新されていない。全部を直したくなりますが、副業の時間と範囲では全部はできません。結論を先に書くと、課題の言語化は、見えたずれを「何が、どこで、なぜ起きているか」の形で言葉にし、自分の範囲で直すことと依頼側に渡すことに分け、自分の範囲の中から一つに絞って依頼側と合意する作業です。ここで一つに絞れると、二週目からの作業が定まり、区切りで成果を示せます。絞れずに全部を抱えると、範囲が広がり、どれも中途半端になります。現状把握の進め方は現状把握のしかたに、範囲の考え方は案件の範囲の決め方にまとめています。
ずれを課題に変える
現状把握で見えたずれは、そのままでは課題ではありません。課題の形にする型を示します。
| ずれ(現状把握の結果) | 課題の形(何が・どこで・なぜ) |
|---|---|
| 応募から返信まで平均五日 | 一次返信が遅れている。応募から返信の間で。担当が日中の業務で手が回らないため |
| 文面が一種類で冒頭が会社説明 | 文面に候補者ごとの変化が無い。スカウトの文面で。型が一つしか無く、変える時間が無いため |
| 書類確認に平均十日 | 書類の判断が滞っている。書類確認から面接設定の間で。判断する人の返事が遅いため |
| 管理の表が一か月更新されていない | 進捗が見えていない。管理の表で。更新する担当と頻度が決まっていないため |
| 面接設定の三割が辞退 | 面接前に離脱している。設定から実施の間で。設定から実施までの日数が長く、その間の連絡が無いため |
型の要点は、「なぜ」を、人の責任ではなく構造で書くことです。「担当がさぼっている」ではなく「担当が日中の業務で手が回らない」。「判断する人が遅い」ではなく「判断の返事の目安が決まっていない」。構造で書くと、直し方が見え、依頼側も受け取れます。
範囲の中と外に分ける
課題の形にしたら、自分の範囲で直せるものと、依頼側に渡すものに分けます。
| 課題 | 自分の範囲の中か | 分け方 |
|---|---|---|
| 一次返信が遅れている | 中(一次対応が範囲なら) | 自分が一次返信を担う。日中の定型返信は依頼側 |
| 文面に変化が無い | 中(文面作成が範囲なら) | 自分が型を三つに増やし、候補者ごとに冒頭を変える |
| 書類の判断が滞っている | 外(判断は依頼側) | 依頼側に、返事の目安を決めてもらう。自分は一次絞りで判断の負荷を減らす |
| 進捗が見えていない | 中(記録・進捗管理が範囲なら) | 自分が表を更新する。更新の頻度を決める |
| 面接前に離脱している | 一部が中 | 設定から実施までの連絡文面は自分。日程を早める判断は依頼側 |
分け方の要点は、「外のことも、中の作業で負荷を減らせることがある」ことです。判断は依頼側ですが、一次絞りで判断する数を減らせば、判断は早くなります。外のことを「依頼側の問題」として突き放すのではなく、中の作業で支える形を考えます。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「現状把握で問題が五つ見えて、全部を直そうとして、一か月で疲れた」という話です。全部を直そうとすると、範囲が広がり、どれも中途半端になり、区切りで成果を示せません。依頼側から見ても、五つの作業が同時に少しずつ進んでいる状態は、何が変わったか分かりません。一つを直し切って、数で示すほうが、依頼側に伝わります。
見ていて差がつくのは、「一つに絞る理由を、依頼側に説明できるか」です。「五つ見えましたが、最初の一か月は一次返信の遅れを直します。ここが最も離脱に効いていて、私の範囲の中で直せて、数で確かめられるからです。残りの四つは、区切りで次を決めましょう」。この説明ができると、依頼側は絞ることを受け入れ、残りの課題も忘れられていないと分かります。エラベルの登録でも、最初の一か月で一つを直し切った人は、区切りで範囲を広げる相談を依頼側から受けています。
一つに絞る基準
自分の範囲の中にある課題が複数あるとき、最初の一つを選ぶ基準です。
| 基準 | 見方 | 優先 |
|---|---|---|
| 離脱への効き方 | その課題が、応募から内定までの流れのどこで、どれだけ数を減らしているか | 減らしている量が大きいもの |
| 自分の範囲の中で完結するか | 依頼側の判断を待たずに直せるか | 完結するもの |
| 数で確かめられるか | 直した結果が、数か日数で見えるか | 見えるもの |
| 一か月で直し切れるか | 副業の枠の時間で、区切りまでに終わるか | 終わるもの |
| 依頼側の担当が困っていることか | ヒアリングで担当が語った困りごとと重なるか | 重なるもの |
| 型を作れば続くか | 一度直せば、その後も回る仕組みになるか | 仕組みになるもの |
基準の要点は、「数で確かめられるものを選ぶ」ことです。区切りで「一次返信が平均五日から一日になりました」と示せれば、依頼側は続ける判断ができます。「文面を良くしました」では、示せません。
依頼側と合意する
一つに絞ったら、依頼側と合意します。合意のとり方を、番号付きで整理します。
- 課題の一覧を、範囲の中と外に分けて渡す。 現状把握の一枚に、課題の形と、中か外かを足す。
- 最初の一か月で直す一つを、理由とともに示す。 離脱への効き方、範囲の中で完結、数で確かめられる、の三つで説明する。
- 直した結果を何で見るかを決める。 「応募から一次返信までの日数を、平均一日以内に」のように、数か日数で。
- 外の課題について、依頼側にお願いすることを示す。 「書類の判断の返事の目安を、三営業日以内と決めていただけますか」。依頼側が決めなくても、自分の一つは進める。
- 残りの課題は、区切りで次を決めると伝える。 忘れていないことを示す。
- 合意した内容を、書面で送る。 一つの課題、見る数、依頼側へのお願い、残りの課題、区切りの日。
- 担当と判断する人の両方に送る。 担当だけだと、判断する人が知らないまま進む。
- 翌週から、その一つに集中する。 途中で別の課題に手を出さない。
合意の要点は、「三で、見る数を決める」ことです。何で見るかを決めずに始めると、区切りで成果を示せず、続けるかの判断が感覚になります。
言語化で起きる失敗
課題の言語化で起きやすい失敗を整理します。
| 失敗 | 起きる構造 | 直し方 |
|---|---|---|
| 全部を直そうとする | 見えた問題を放っておけない | 一つに絞る。残りは区切りで |
| 「なぜ」を人の責任で書く | 事実を書いているつもり | 構造で書く。担当が悪いのではなく、仕組みが無い |
| 範囲の外を自分で直そうとする | 原因が見えると直したくなる | 外は依頼側に渡す。中の作業で支える |
| 数で確かめられない課題を選ぶ | 「文面を良くする」が分かりやすい | 数か日数で見えるものに |
| 見る数を決めずに始める | 早く動きたい | 決めてから。決めないと区切りで示せない |
| 依頼側の困りごとと関係ない課題を選ぶ | 自分の得意なことを選ぶ | 担当の困りごとと重なるものを |
| 合意を口頭で済ませる | 打ち合わせで話した気になる | 書面で送る。担当と判断する人の両方に |
| 途中で別の課題に手を出す | 目についたものを直す | 一つに集中。気づいたことは記録して区切りで |
| 課題の言語化に時間をかけすぎる | 完璧な整理を目指す | 一週間で。二週目には作業に入る |
| 依頼側が課題を認めない | 責められていると感じている | 構造で書き直す。範囲の中の一つだけで始める |
失敗の要点は、「絞れないこと」が最も多い失敗であり、絞ることは能力の問題ではなく決断の問題だという点です。
合意後に最初にやること
合意したら、二週目から作業に入ります。最初にやることを整理します。
| やること | 内容 |
|---|---|
| 見る数の、いまの値を記録する | 「応募から一次返信まで、平均五日」を、開始時点の値として書面に |
| 直す仕組みを一つ作る | 一次返信なら、返信の文面の型と、返信の枠(火木の夜と土曜午前)。文面なら、型を三つ |
| 依頼側の分担を確認する | 日中の定型返信は依頼側、本返信は自分。分担が動いているか一週目で確認 |
| 週次で数を追う | 毎週、見る数の値を記録する。変わっていなければ、仕組みを直す |
| 気づいたことは記録して、手を出さない | 別の課題に気づいても、記録して区切りで |
| 区切りの二週間前に、数をまとめる | 開始時点と現在の値。変わった理由。次の課題の案 |
最初の要点は、「開始時点の値を記録する」ことです。記録していないと、区切りで「良くなった気がする」しか言えません。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、区切りで契約が続いた人は、最初の一か月で一つの課題を直し切り、開始時点と区切りの値を並べて示しています。「一次返信が平均五日から一日になり、面接設定が月に三件から七件になりました」。依頼側は、この数で続けるかを判断します。五つの課題を少しずつ進めた人は、区切りで示す数が無く、「頑張ってくれているが、何が変わったか分からない」で終わっています。
依頼側から見ると、副業の人が課題を一つに絞って理由を説明し、見る数を決めて、区切りで示す。この一連の型は、社内の人事からもなかなか受けない経験です。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口ですが、最初の一か月でこの型を回した人は、区切りで依頼側から範囲を広げる相談を受け、二つ目の課題に進んでいます。課題を絞ることは、成果を小さくすることではなく、成果を示せる形にすることです。
まとめ
- 課題の言語化はずれを「何が・どこで・なぜ」の形にし、範囲の中と外に分け、中から一つに絞って合意する作業
- 「なぜ」は人の責任ではなく構造で書く。依頼側が受け取れる
- 外の課題も中の作業で負荷を減らせることがある。突き放さない
- 絞る基準は離脱への効き方・範囲の中で完結・数で確かめられる・一か月で直し切れる・担当の困りごと・仕組みになる
- 合意は一覧→一つと理由→見る数→外のお願い→残りは区切りで→書面→両方に送る→集中
- 合意後は開始時点の値を記録し、仕組みを一つ作り、週次で追い、気づいたことは記録して区切りで
よくある質問
依頼側が「全部やってほしい」と言います
「全部やると、どれも中途半端になり、一か月後に何が変わったか示せません。最初の一か月は一つに絞って直し切り、数で示します。残りは区切りで順に進めます」と伝えます。依頼側は、副業の人の時間が限られていることを忘れがちなので、枠の時間と、一つを直すのに要る時間を示すと納得しやすい。それでも全部を求めるなら、範囲と時間の話に戻り、書面の範囲を示します。全部を受けて中途半端になるより、一つを断って直し切るほうが、依頼側の評価は高くなります。
自分の範囲の中に、直せる課題がありません
原因が全部、判断や面接といった依頼側の側にある場合です。その場合は、範囲の中の作業で、外の負荷を減らす形を考えます。判断が遅いなら、一次絞りで判断する数を減らす。面接の辞退が多いなら、設定から実施までの連絡文面を作る。それでも中に何も無ければ、「いまの範囲では直せる課題が無い」ことを依頼側に伝え、範囲を変えるか、依頼側が外の課題を直すまで待つかを相談します。範囲の外を無理に直そうとしないことが大切です。
一か月で直し切れませんでした。区切りでどう伝えればよいですか
開始時点の値と、区切り時点の値を並べ、変わった分と変わらなかった分を、理由とともに伝えます。「平均五日が三日になりました。一日を目指していましたが、依頼側の日中の定型返信が回っていない週があり、そこで日数が伸びています」。直し切れなかった理由が構造で書けていれば、依頼側は次の一か月で何を変えればよいかが分かります。「頑張りましたが届きませんでした」では、次が決まりません。数と理由で伝えることが、続く判断につながります。