人事副業 / 案件獲得
提案のまとめ方|人事の副業で、課題を一つに絞ったあと、依頼側が判断できる一枚の提案に落とす型
課題を一つに絞ったら、それを依頼側に提案する段階に入ります。ここで長い資料を作る人がいますが、依頼側の判断する人(経営者や人事責任者)は、副業の人の提案に長い時間を割けません。読まれない提案は、通りません。結論を先に書くと、提案は「現状の数・直す一つ・やること・依頼側にお願いすること・見る数・期間」の六つを一枚に収め、判断する人が数分で「やる・やらない」を決められる形にすると通ります。提案の目的は自分の考えを伝えることではなく、依頼側が判断できる材料を渡すことです。課題の絞り方は課題の言語化に、提案が通ったあとの三か月の組み立ては稼働開始から九十日の設計にまとめています。
提案が通らない理由
まず、提案が通らない典型を見ておくと、何を避けるかが分かります。
| 通らない提案 | 依頼側に起きていること |
|---|---|
| 長い。数枚にわたる | 判断する人が読まない。担当が要約して伝え、意図が変わる |
| 現状の数が無い | 「なぜそれをやるのか」が分からない |
| やることが複数ある | どれから始まるのか、何が変わるのかが分からない |
| 依頼側にお願いすることが無い | 依頼側は何もしなくてよいと思い、判断や分担が動かない |
| 見る数が無い | 成果をどう確かめるか分からず、やる意味が判断できない |
| 期間が無い | いつ結果が出るか分からず、決められない |
| 自分の得意なことを提案している | 依頼側の困りごととずれている |
| 範囲の外のことを提案している | 「それは自分たちの仕事」となり、副業の人の範囲があいまいになる |
理由の要点は、「判断する人が、何を決めればよいか分からない提案は通らない」ことです。決めることを一つにし、決めるための材料を六つそろえれば、判断は数分で済みます。
一枚に収める六つの項目
提案の一枚に入れる六つの項目と、それぞれの分量の目安です。
| 項目 | 書くこと | 分量 |
|---|---|---|
| 一 現状の数 | 現状把握で数えた、流れと数と日数。減っている段階、長い段階 | 表一つ |
| 二 直す一つ | 課題の形(何が・どこで・なぜ)と、なぜこれを最初にやるか(離脱への効き方、範囲の中で完結、数で確かめられる) | 三〜四行 |
| 三 やること | 自分が、いつ、何をするか。仕組みとして何を作るか | 箇条書き三〜五点 |
| 四 依頼側にお願いすること | 分担(日中の定型返信など)と、判断(返事の目安など) | 箇条書き二〜三点 |
| 五 見る数 | 開始時点の値と、目標の値。いつ確かめるか | 一〜二行 |
| 六 期間 | 開始日と区切りの日。区切りで何を決めるか | 一〜二行 |
項目の要点は、「二で、なぜこれを最初にやるかを書く」ことです。課題が五つ見えていることは依頼側も知っています。その中で一つを選んだ理由が書かれていないと、「ほかはやらないのか」となります。理由が書かれていれば、残りは区切りで、と受け取れます。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「現状把握のあとに十枚の資料を作って渡したが、返事が無い」という話です。資料を見ると、現状の分析、課題の一覧、それぞれの対策、参考の事例、と丁寧に書かれています。ただ、判断する人が「何を決めればよいか」が最後まで分かりません。担当は読んだが、経営者に渡せず、止まっている。丁寧さが、判断を遠ざけています。
見ていて差がつくのは、「一枚に収めて、決めることを一つにしているか」です。「一次返信の遅れを直すために、私がこれをやります。御社にはこれをお願いします。一か月後に、この数で確かめます。やってよいですか」。決めることが一つなら、経営者は数分で決められます。エラベルの登録でも、提案を一枚で出す人は、依頼側から「分かりやすい」と評価され、提案が通る速さが違います。分量を減らすことは、手を抜くことではなく、判断する人の時間に合わせることです。
書く順番
一枚を書く順番を、番号付きで整理します。書く順番と、読まれる順番は同じにします。
- 見る数から書く。 「応募から一次返信までの日数を、平均五日から一日以内に」。最初にこれを決めると、残りが定まる。
- 現状の数を表にする。 現状把握の一枚から、見る数に関わる部分だけを抜く。全部を載せない。
- 直す一つを、課題の形で書く。 何が・どこで・なぜ。続けて、なぜ最初にこれか。
- やることを書く。 自分が作る仕組み(返信の文面の型、返信の枠)と、いつから。
- 依頼側にお願いすることを書く。 分担と判断。お願いが無いと、依頼側は動かない。
- 期間を書く。 開始日、区切りの日、区切りで決めること(続ける・広げる・止める)。
- 一枚に収まるかを見る。 収まらなければ、現状の数の表を削る。文を短くする。
- 担当に先に見せる。 担当が読んで分かるか、判断する人に渡せるか。担当の言葉で直す。
- 判断する人に渡す。 担当から渡してもらうか、両方に送る。
- 口頭で説明する時間を、十分でもらう。 一枚を読み上げるのではなく、決めてほしいことを最初に言う。
順番の要点は、「一で、見る数から書く」ことです。見る数が決まると、現状のどの数を載せるか、やることの何が要るかが決まります。現状から書き始めると、全部を載せたくなり、一枚に収まりません。
口頭で説明する順番
一枚を渡すだけでなく、口頭で説明する機会があれば、順番を決めておきます。十分の目安です。
| 順 | 言うこと | 目安 |
|---|---|---|
| 一 | 決めてほしいこと。「一次返信の遅れを直す取り組みを、来週から始めてよいか」 | 一分 |
| 二 | なぜそれか。現状の数を一つだけ。「応募から返信まで平均五日で、その間に辞退が出ています」 | 二分 |
| 三 | 自分がやること。仕組みを一つ | 二分 |
| 四 | 依頼側にお願いすること。分担と判断 | 二分 |
| 五 | 見る数と期間。「一か月後に、平均一日以内になっているかで確かめます」 | 一分 |
| 六 | 質問を受ける | 二分 |
説明の要点は、「一で、決めてほしいことを最初に言う」ことです。現状の説明から始めると、判断する人は「で、何を決めればよいのか」と待つことになります。決めることを先に言えば、残りの説明は「決めるための材料」として聞かれます。
通らないときの直し方
提案が通らなかったとき、理由別に直し方を整理します。
| 通らなかった理由 | 直し方 |
|---|---|
| 「それより応募を増やしてほしい」 | 依頼側の認識と自分の課題がずれている。現状の数で、応募より先に直す点があることを示す。それでも通らなければ、依頼側の望む課題で一つ選ぶ |
| 「お願いすることが多い」 | 依頼側の分担を減らす。自分の範囲で吸収できる部分を増やす。判断だけをお願いする形に |
| 「時間がかかりすぎる」 | 期間を短くする。区切りを二週間にして、途中の数を見せる |
| 「効果が分からない」 | 見る数を、依頼側が気にしている数(面接数、内定数)につなげて説明する |
| 「担当に任せている」 | 担当が判断できる範囲に提案を縮める。判断する人の決裁が要る部分は分ける |
| 返事が無い | 担当に、判断する人に渡っているかを聞く。渡っていなければ、両方に送り直す |
| 「全部やってほしい」 | 一つに絞る理由を、時間と成果で説明する。課題の言語化 |
直し方の要点は、「通らない理由を聞く」ことです。理由を聞かずに提案を作り直すと、同じところで止まります。理由が分かれば、直す場所は一か所です。
ありがちな失敗
提案のまとめ方で起きやすい失敗を整理します。
| 失敗 | 起きる構造 | 直し方 |
|---|---|---|
| 長い資料を作る | 丁寧に見せたい | 一枚に。分量は判断する人の時間に合わせる |
| 現状の数を全部載せる | 把握した全部を見せたい | 見る数に関わる部分だけ |
| やることが複数 | 一つに絞れていない | 課題の言語化に戻る |
| お願いを書かない | 依頼側に負担をかけたくない | 分担と判断は書く。書かないと動かない |
| 見る数が無い | 数で示す習慣が無い | 開始時点の値と目標の値 |
| 担当に見せずに判断する人へ | 早く通したい | 担当が渡せる形に。担当の言葉で直す |
| 現状の説明から話し始める | 順序どおり話したい | 決めてほしいことから |
| 通らない理由を聞かない | 聞きにくい | 聞く。直す場所が分かる |
| 自分の得意で提案する | 得意なことをやりたい | 依頼側の困りごとと、現状の数から |
| 範囲の外を提案する | 原因がそこにある | 外はお願いに。自分のやることは範囲の中 |
失敗の要点は、「長さ・複数・お願い無し」の三つで、提案の大半は止まります。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、提案が通る人は、提案を「依頼側の判断の材料」と考えています。自分の考えを伝える場ではなく、判断する人が数分で決められるように、材料を六つそろえて一枚にする。通らなかったら理由を聞いて、一か所だけ直す。この型があると、提案の作成に時間がかからず、通る速さも安定します。
依頼側から見ると、副業の人から一枚の提案が来て、決めることが一つで、見る数と期間が書いてある。社内の人事からも、なかなか受けない形です。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口ですが、案件の最初の一か月で一枚の提案を通した人は、区切りで次の提案も通り、範囲が広がっています。提案の型は、一件目で身につけると、二件目以降で何度も使えます。
まとめ
- 提案は依頼側が「やる・やらない」を数分で決められる材料。自分の考えを伝える場ではない
- 六つの項目は現状の数・直す一つ・やること・依頼側にお願いすること・見る数・期間。一枚に収める
- 書く順番は見る数→現状の数→直す一つ→やること→お願い→期間→一枚に収める→担当に先に→判断する人へ→口頭で十分
- 口頭は決めてほしいことを最初に。現状の説明から始めない
- 通らないときは理由を聞いて、一か所だけ直す
- 失敗は長い・複数・お願い無し。この三つで大半が止まる
よくある質問
一枚では説得力が足りない気がします
説得力は、分量ではなく、現状の数と見る数から生まれます。「応募から返信まで平均五日、その間に辞退が三件」という数は、十枚の分析より強い。判断する人は、長い資料を読む時間が無く、読まれない資料に説得力はありません。詳しい分析は、聞かれたときに答えられるように手元に持っておき、一枚には載せない。聞かれなければ、要らなかったということです。
判断する人に直接会えません。担当経由でしか渡せません
担当経由でも通る形にします。担当が読んで、自分の言葉で判断する人に説明できる一枚であることが条件です。担当に先に見せて、「これを〇〇さん(判断する人)に説明するとしたら、どう言いますか」と聞き、担当が言いにくい部分を直す。担当が説明しやすい一枚は、判断する人にも通りやすい。それでも心配なら、担当から渡してもらったうえで、判断する人にも同じものを送り、「担当の方からもお伝えいただいていますが」と添えます。
提案が通ったあと、依頼側のお願いが実行されません
分担や判断のお願いが動かないことは、よくあります。まず、自分のやることは進め、見る数の変化を週次で記録します。お願いが動いていないことで数が変わらないなら、その事実を数で示します。「日中の定型返信が入っていない週は、日数が伸びています」。責めるのではなく、数で見せると、依頼側は動く必要に気づきます。それでも動かなければ、区切りで「お願いした分担が動かないと、この課題は直し切れない」と伝え、範囲の変更か、課題の変更を相談します。