人事副業 / 求人原稿のライティング

求人原稿のライティングの副業の実務|1案件の流れ

公開 2026-09-20

求人原稿のライティングの副業を初めて受けるとき、見えにくいのは「書く前と書いた後に何があるか」です。募集文には「求人票の作成」とだけあり、実際には、材料の聞き取り、現場の確認、直しの往復、掲載後の反応の共有と、書く時間の前後に工程が付きます。順番を知っていれば、契約前に決めておけます。結論を先に書くと、1案件は「契約前→聞き取り→材料の整理と構成→初稿と現場の確認→納品と掲載と反応の記録→書き直しと終了」の六つの段階で進み、契約前に範囲・本数・直しの回数・材料の有無・現場の確認・掲載作業の有無・納期を決め、聞き取りで六つの材料を取り、応募者が最初に見る項目の順に構成し、現場が実態との一致を読んでから納品し、掲載後の反応を記録して書き直し、引き継げる形で終えます。案件の型と求められる経験は求人原稿のライティングの副業案件に書いていますので、ここでは「1案件の流れ」に絞ります。

契約前:決めておくこと

求人原稿は、一本の区切りが見えやすい分、「直し」と「材料」で揉めます。契約前に決めます。

決めること確かめる中身決めていないと起きること
範囲と本数書き直しか新規か。何職種、何本、何経路か「ついでにこの職種も」が足される
直しの回数初稿のあと、何回まで直すか。回数を超えたときの扱い直しが際限なく続く
材料の有無なぜ採るかの一文、中身の割合、条件の数字があるか。無ければ聞き取りを範囲に入れるか材料作りを無償でやる
現場の確認現場が初稿を読む時間を取れるか。誰が読むか人事だけで確認し、実態と違う原稿になる
掲載作業媒体への入力を含むか。含むならアカウントの扱いと審査の差し戻し入力と審査対応が後から足される
反応の共有掲載後の応募数と応募者の質を共有してもらえるか納品して終わりになり、直せず、実績にもならない
納期聞き取りの日程と、現場の確認の日程を含めた納期現場の確認待ちで納期が遅れ、自分のせいになる

止まりやすいのは、「一本いくら」だけ決めて始めるときです。一本の中に聞き取りと直しが何回入るかで、稼働は数倍変わります。範囲の決め方は業務範囲の決め方に、見積もりの出し方は見積もりの出し方に書いています。

聞き取り:六つの材料を取る

書く前に、六つの材料を取ります。人事だけでなく、現場の責任者か経営者から聞くのが基本です。

材料聞くこと落とし穴
なぜ採るか欠員か、増員か、新しい仕事か。採れないと何が困るか「良い人が欲しい」で終わる
中身の割合一日、一週間の仕事の割合。「幅広く」の中身「幅広く担当」のまま書く
誰の下か上司は誰か、どういう人か、どう任せるか「風通しの良い」で済ませる
条件の数字年収の幅、勤務時間、休日、手当、在宅。会社が出した数字数字を出せない。「応相談」が並ぶ
現場の言葉いまその仕事をうまくやっている人は何が違うか。現場が使う言葉人事の言葉に翻訳されて、応募者に伝わらない
いまの原稿と反応いまの原稿、応募数、応募者の質、面接で「聞いていたのと違う」があったか反応を見ずに書き直す

止まりやすいのは、人事だけから聞いて書き始めるときです。「なぜ採るか」と「現場の言葉」は、現場でないと出ません。現場の時間が取れない案件は、聞き取りの質問表を渡して書いてもらう形にします。聞き方は質問の仕方に書いています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、この仕事は「現場が読む時間を取れるか」で、その後の難易度が決まります。人事だけで確認して掲載した原稿は、綺麗でも、面接で「聞いていたのと違う」を生み、辞退が増えます。そのとき責められるのは原稿です。エラベルで担当者を選ぶ企業には、「初稿を現場の責任者が読む時間を、掲載の前に取ってください」と、私たちから先に伝えています。受ける側がその場で使える判断としては、契約前の納期に「現場の確認」の日程を入れて渡すこと。日程に入っていれば、会社も「現場は忙しいから」とは言いにくくなります。それでも現場の時間が取れない案件は、実態との一致を会社が確かめる旨を書面に残してから納品します。

材料の整理と構成:応募者が最初に見る項目の順に

材料が揃ったら、その職種の応募者が最初に見る項目の順に並べます。会社が言いたい順ではなく、応募者が読む順です。

職種の例応募者が最初に見る項目会社が先に書きたがる項目
エンジニア技術の中身、開発の進め方、誰と作るか、評価会社の理念、事業の成長
営業商材、売り方(新規か既存か)、評価と給与の仕組み、上司会社の勢い、やりがい
経理決算の範囲、締めの実態、システム、人数と分担会社の安定
カスタマーサポートチャネルと相手、クレームの扱い、時間帯とシフト、在宅お客様の笑顔

経路ごとの違いも構成に入れます。自社サイトは長く読まれ、求人媒体は項目に沿って見られ、スカウトは一行目で決まり、紹介会社向けは要件の必須と歓迎が読まれます。同じ材料から、経路ごとに構成を変えます。

止まりやすいのは、会社の理念から書き始めるときです。応募者は、自分に関係のある項目から読みます。理念は、関係のある項目の後に置きます。

初稿と現場の確認:実態との一致

初稿は、現場が読みます。読んでもらうのは「文章が良いか」ではなく「実態と合っているか」です。

現場に確かめてもらうこと直し方
中身の割合は実態どおりか割合の数字と言葉を現場の言葉に直す
上司の描き方は本人と周りから見て合っているか良く見せた部分を削る
現場の言葉になっているか(人事の言葉に翻訳されていないか)現場が使う言葉に戻す
「聞いていたのと違う」が起きそうな箇所は無いか起きそうな箇所は、先に書く

直しの回数は、契約前に決めた回数の中で収めます。回数を超える直しが出るのは、材料が足りなかったときが多いので、直しではなく聞き取りの追加として扱います。

納品・掲載・反応の記録

納品は、経路ごとの形(媒体の項目、文字数)に合わせます。掲載作業を含む場合は、媒体の審査の差し戻しに対応します。掲載後は、応募数、応募者の質(要件との合い方)、面接で「聞いていたのと違う」が出たか、を会社に記録してもらい、共有を受けます。

反応読み方次に直すところ
応募が少ない条件の数字か、応募者が見る項目の不足か、経路の合わなさ条件の提案(決めるのは会社)→項目の追加→経路
応募は来るが要件と合わない必須が伝わっていない。良く見せすぎ必須の書き方、削る言葉
面接で「聞いていたのと違う」実態とのずれ。現場の確認の不足ずれた箇所を先に書く。現場の確認を入れ直す
応募も質も良いいまの型を残す他の職種、他の経路に型を広げる

止まりやすいのは、反応の共有を受けないまま次の案件に移るときです。反応が無いと、自分の書き方が正しかったかが分からず、実績として書けません。報告と共有の型は報告の仕方に書いています。

エラベルの見解

同じ料金・同じ本数でも、結果が分かれるのは、反応を見て「条件の数字に踏み込むか」です。応募が来ない原稿で、言葉と構成だけを直し続ける担当者は、二回目の直しで「効果が無い」と言われて終わります。応募数と応募者の質を並べて、「この年収の幅では、この経験の人は応募しません。幅を変えるか、求める経験を変えるか、どちらにしますか」と会社に判断を返す担当者は、原稿が同じでも、求める経験の書き方を変えて応募を変えます。会社が決めることに踏み込むのは、外の担当者にしかできない仕事です。社内の人事は、経営者に「条件が低い」とは言いにくい。エラベルで長く続いている担当者は、反応の共有を受けたときに、「原稿で直すこと」と「会社に決めてもらうこと」を分けて返しています。受ける側がその場で使える形としては、掲載後の最初の共有のときに、この二つを一行ずつ書いて返すことです。

書き直しと終了:引き継ぎと次の提案

反応を見て、一つずつ直します。一度に全部を変えると、何が効いたかが分かりません。契約の区切りが来たら、引き継げる形で終えます。

引き継ぎの型は引き継ぎの仕方に書いています。

他社の原稿と会社の情報の扱い

他社の原稿は、構成の参考にとどめ、文章は写しません。会社から受け取った材料(条件の数字、現場の言葉、組織の中身)は、その会社の原稿にだけ使い、別の会社の案件に持ち込みません。掲載前の原稿は、会社の未公開の情報なので、自分の実績として見せるときは、掲載後に、会社の許可の範囲で、会社が特定できない形にします。法令に関わる表記(募集の条件の明示、性別や年齢に関わる表現、雇用形態の書き方など)は、一般に決まりがあると整理されているので、最終確認は会社と専門家に委ねます。個別の判断は専門家にご確認ください。

稼働時間は何で決まるか

一本にかかる時間は、「聞き取りの回数×一回の時間」と「直しの回数×一回の時間」で決まり、書く時間そのものは全体の一部です。材料が揃っていて現場が読む時間を取れる案件は短く、材料が無く現場の時間が取れない案件は長くなります。契約前に材料の有無と直しの回数を決めておけば、稼働の見込みが立ちます。数値は案件ごとに違うので、最初の一本の実績で見直します。稼働の管理は稼働時間の管理に書いています。

まとめ

よくある質問

直しの回数を決めると、依頼側に嫌がられませんか

回数を決めるのは、直しを断るためではなく、直しの原因を分けるためです。「初稿のあと二回まで。それを超える直しは、材料が足りなかったことが多いので、聞き取りの追加として扱います」と伝えれば、依頼側にも「材料を先に出したほうが早い」と分かります。回数を決めない案件は、人事の好みで直しが続き、実態との一致には近づきません。

現場が忙しくて、初稿を読んでもらえません

読む時間を短くする工夫をします。原稿の全部ではなく、「中身の割合」「上司の描き方」「現場の言葉」の三箇所だけに印を付けて、「この三つが実態と合っているかだけ見てください」と渡します。それでも取れないなら、実態との一致を会社(人事)が確かめる旨を書面に残してから納品します。現場の確認無しで掲載した原稿で「聞いていたのと違う」が起きたとき、記録が無いと原稿のせいになります。

掲載後の反応を共有してもらえません

契約前に、共有の項目(応募数、要件と合った応募の数、面接での「聞いていたのと違う」の有無)と時期(掲載の二週間後と一か月後など)を決めておきます。決めていない案件では、納品後に頼んでも返ってこないことが多い。共有が無いと、直せず、実績にもなりません。共有を範囲の一部として、最初に決めます。