人事副業 / 案件獲得
引き継ぎ資料の残し方|人事の副業で、案件を終えるときに「型・状態・未完了・連絡先」の四つを残して関係を保つ
副業の案件は、いつか終わります。区切りで終える、依頼側の採用が終わる、自分の時間が取れなくなる。終わり方は色々ですが、終えるときに何を残すかで、その後の関係が決まります。引き継ぎが無いと、直した仕組みは自分がいなくなった週から止まり、依頼側は「いなくなったら元に戻った」と感じます。結論を先に書くと、引き継ぎ資料は「型(仕組みの手順と文面)」「いまの状態(進行中の応募者と数)」「未完了の一覧(残った課題と判断待ち)」「連絡と権限の整理(返したもの・止めたもの)」の四つを残すと、依頼側は自分がいなくても回せ、次の依頼や紹介につながります。型の書き方は資料の作り方に、終えたあとに続けてもらう考え方は継続してもらうためににまとめています。
引き継ぎで残す四つ
残すものを四つに分け、それぞれの中身を示します。
| 残すもの | 中身 | 誰が使うか |
|---|---|---|
| 一 型 | 直した仕組みの手順、文面の雛形、見る数、崩れたときの見方。役割名で | 担当、次の担当 |
| 二 いまの状態 | 進行中の応募者の段階と次の対応(依頼側の環境の中の表で)、直近の数 | 担当 |
| 三 未完了の一覧 | 残った課題、判断待ち、途中の作業。どこまでやって、次に何をすればよいか | 担当、判断する人 |
| 四 連絡と権限の整理 | 返した権限、止めたアカウント、自分の側に残っていないことの確認、以後の連絡先(あれば) | 担当 |
四つの要点は、「一の型は、副業の途中から作っておく」ことです。終わりが決まってから型を作ると、時間が足りません。三か月目に型にして渡す設計にしておけば、引き継ぎの型はすでにある状態で終われます。稼働開始から九十日の設計を参照してください。
終わりが決まってからの手順
終わりが決まってから、最後の稼働までの手順を番号付きで整理します。二〜四週間の目安です。
- 終わりの日を、依頼側と書面で決める。 最後の稼働日と、引き継ぎを渡す日。契約期間の決め方
- 型を確定する。 途中で作っていた型を、最新の手順と文面に直す。自分の名前と判断を、役割名と基準に置き換える。
- いまの状態を、依頼側の環境の中の表で整える。 進行中の応募者の段階と次の対応を、担当が見て分かる形に。自分の側には作らない。
- 未完了の一覧を作る。 残った課題(優先順位付き)、判断待ち(期限付き)、途中の作業(どこまでやったか)。
- 担当に、型で一度回してもらう。 自分が見ている間に、担当が型どおりに一週間回す。迷った箇所を型に足す。
- 引き継ぎの打ち合わせを持つ。 四つを渡し、担当の質問に答える。判断する人にも四つを送る。
- 権限を返す。 依頼側の環境の自分専用のアカウントを止めてもらう。媒体の権限、共有フォルダの権限。
- 自分の側に残っていないことを確認する。 端末、メール、メモ。応募者の情報と依頼側の内情が無いこと。契約と請求の控えは残す。
- 最後の請求と、区切りの数を送る。 開始時点から終了時点までの数の変化。請求書の書き方
- 以後の連絡について、一言添える。 「型で迷った点があれば、〇〇までご連絡ください」。範囲と時間を決めた形で。
手順の要点は、「五で、担当に型で回してもらう」ことです。型を渡しただけでは、担当が使えるかどうか分かりません。自分が見ている間に一度回してもらうと、型の抜けが見つかり、担当は自信を持って引き継げます。
エラベルの見解
登録の相談で多いのは、「案件を終えたあとに、依頼側から『あの仕組みが止まった』と連絡が来た」という話です。型は渡していたが、担当が使い方を分からず、元のやり方に戻っていた。渡すだけでは、引き継ぎになっていません。担当が回せるところまで見届けて、初めて引き継ぎです。
見ていて差がつくのは、「終わる前に、担当に一週間回してもらっているか」です。自分がいる間に担当が回すと、型のどこで迷うかが分かり、そこを足せます。担当は「自分でも回せる」と分かり、副業の人がいなくなっても仕組みが残ります。エラベルの登録でも、案件を終えたあとに依頼側から次の相談や紹介が来る人は、この見届けをしています。終わり方が、次の始まりを決めます。
未完了の一覧の書き方
四つのうち、未完了の一覧は、書き方で依頼側の受け取り方が変わります。型を示します。
| 項目 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 残った課題 | 優先順位、課題の形(何が・どこで・なぜ)、範囲の中か外か、次にやるなら何から | 「一 書類確認の日数。判断の返事の目安が未決。判断する人が目安を決めるところから」 |
| 判断待ち | 項目、選択肢、期限、誰の判断か | 「応募者二件の一次絞りの判断。AかB。今週中。担当」 |
| 途中の作業 | どこまでやったか、残りは何か、置き場所 | 「スカウト文面の型三つ目。冒頭まで作成。共有フォルダの〇〇」 |
| 手を付けなかったこと | 気づいていたが範囲外か時間が無かったこと | 「面接の辞退率。設定から実施までの連絡が無い。範囲外として記録」 |
一覧の要点は、「手を付けなかったことも書く」ことです。書かないと、依頼側は気づかないまま、あとで「知っていたなら言ってほしかった」となります。書いておけば、次の担当や次の副業の人が、そこから始められます。
情報を残さない線
引き継ぎは、依頼側に残すものと、自分の側に残さないものを、はっきり分けます。
| 依頼側に残す | 自分の側に残さない | 自分の側に残す |
|---|---|---|
| 型(役割名、手順、文面の雛形) | 応募者の情報(名前、連絡先、経歴、評価) | 契約の控え |
| いまの状態の表(依頼側の環境の中) | 依頼側の内情(予算、社内の事情、採用計画) | 請求の控え |
| 未完了の一覧 | 依頼側の環境の権限 | 稼働の記録(業務の種類と数だけ) |
| 区切りの数(開始時点と終了時点) | 依頼側とのチャットの内容 | 一般化した型(社名・名前・数値・時期を消したもの) |
線の要点は、「自分の側に残す一般化した型は、依頼側に渡した型とは別物」ということです。依頼側に渡す型には依頼側の文面と手順がそのまま入りますが、自分の側に残すのは、それを一般化して、どの依頼側にも使える形にしたものです。依頼側の文面をそのまま自分の側に残さないでください。情報の取り扱いと端末の分離を参照してください。
引き継ぎで起きる失敗
引き継ぎで起きやすい失敗を整理します。
| 失敗 | 起きる構造 | 直し方 |
|---|---|---|
| 終わりが決まってから型を作り始める | 途中で作っていない | 三か月目に型にする設計。終わりが決まる前から |
| 型を渡すだけで見届けない | 時間が無い | 最後の一週間は担当に回してもらう |
| 型に自分の名前と判断が残っている | 自分がやっていた前提 | 役割名と基準に置き換える |
| いまの状態を自分の側で作る | 手元のほうが作りやすい | 依頼側の環境の中の表で |
| 未完了を書かない | 終わるので関係ないと思う | 書く。手を付けなかったことも |
| 権限を返さない | 忘れる。「念のため」 | 書面に。止めてもらったことを確認 |
| 自分の側に応募者の情報が残る | 消し忘れ | 端末、メール、メモを確認。契約と請求の控えだけ |
| 依頼側の文面をそのまま自分の型にする | 次に使いたい | 一般化する。社名・名前・数値・時期を消す |
| 最後の稼働で急に終わる | 引き継ぎの時間を取っていない | 終わりの二〜四週間前から手順に沿う |
| 以後の連絡を曖昧にする | 言いにくい | 「型で迷った点は〇〇まで」と範囲を決めて一言 |
失敗の要点は、「終わりが決まってから慌てる」ことで起きています。副業の途中から、終わることを前提に型を作り、記録を残していれば、引き継ぎは整えるだけで済みます。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の話を聞くと、案件を終えたあとに次の依頼や紹介が来る人は、引き継ぎに時間をかけています。終わりの一か月を引き継ぎに使い、担当に回してもらい、四つを渡し、権限を返す。依頼側から見ると、「最後まで丁寧だった人」で、仕組みが残っているので、次の採用のときに「また頼みたい」となります。慌てて終えた人は、仕組みが止まり、「いなくなったら戻った」と記憶されます。
エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口ですが、案件の終わり方は、担当者ご自身の動き方で決まります。依頼側から「前の担当者が残した型で回っている」と聞く案件は、次の採用のときにも同じ担当者の名前が出ます。引き継ぎは、案件の後始末ではなく、次の案件の入口です。四つを残す型を持っていただくことをお勧めしています。
まとめ
- 引き継ぎで残すのは型・いまの状態・未完了の一覧・連絡と権限の整理の四つ
- 型は副業の途中から作っておく。終わりが決まってから作ると間に合わない
- 手順は終わりの日を書面で→型を確定→状態を依頼側の環境で→未完了の一覧→担当に一週間回してもらう→打ち合わせ→権限を返す→自分の側の確認→最後の請求と数→以後の連絡を一言
- 未完了の一覧は残った課題・判断待ち・途中の作業・手を付けなかったこと。書かないと後で困る
- 依頼側に残すものと自分の側に残さないものを分ける。自分の側に残す型は一般化したもの
- 担当に回してもらって見届けることが、渡すだけとの違い。終わり方が次の始まりを決める
よくある質問
依頼側の都合で、急に終わることになりました。引き継ぎの時間がありません
最低限、型と未完了の一覧と権限の返却の三つを、最後の稼働で渡します。型は途中から作っていればそれを整えるだけ、無ければ手順の箇条書きと文面の雛形だけでも残す。いまの状態は、依頼側の環境の表がそのまま残っているので、最新にするだけ。権限の返却は、担当に止めてもらうことを書面で確認する。急な終わりでも、この三つがあれば、依頼側は回せます。急な終わりを避けるためには、契約の区切りと、終える場合の引き継ぎ期間を、最初の書面に入れておきます。
引き継ぎのあとも、依頼側から質問が来ます。どこまで応じればよいですか
終えるときに、以後の連絡の範囲と時間を一言決めておきます。「型で迷った点があれば、一か月間は書面で答えます。それ以降は、必要なら別途ご相談ください」。範囲を決めずに応じ続けると、無償の稼働が続きます。質問が型の範囲内なら、決めた期間は答える。型の範囲外(新しい課題、判断)なら、「それは新しいご依頼になります」と伝え、受けるなら条件を決め直します。引き継ぎのあとの連絡は、関係を保つためのものであって、稼働の延長ではありません。
自分の側に、型を残してよいですか
依頼側に渡した型そのもの(依頼側の文面、手順、数値)は、自分の側に残しません。残すのは、それを一般化したもので、社名・名前・数値・時期を消し、どの依頼側にも使える手順と考え方だけにしたものです。「スカウトの文面は四つに分けて冒頭だけ変える」は一般化した型で、残せます。「〇〇社向けの文面Aは、この書き出し」は依頼側の情報で、残しません。一般化した型は、次の案件と、発信や登録先のプロフィールで使えます。noteで実績を見せるを参照してください。