新卒採用担当の副業単価の目安と案件の見つけ方|1年の選考の暦に合わせて受ける範囲を決め、学生の情報と職場情報の扱いを押さえる
新卒採用の担当として働いてきた人は、説明会を企画して学生を集め、選考を回し、内定から入社までの学生の気持ちの揺れに付き合ってきた経験を持っています。新卒採用を始めたい会社や、毎年辞退が多くて困っている会社にとって、この経験は役に立ちます。新卒採用は1年の暦で動くため、副業でも、どの時期に何を受けるかで作業の量が大きく変わります。結論から書くと、新卒採用担当の副業単価は、1年の選考の暦に合わせて受ける範囲を決め、説明会・選考・内定後のつなぎに分けて値付けすると、無理のない金額になります。
人事の副業の単価には公的な統計がなく、案件の範囲や依頼先で大きく変わるため、この記事では金額の相場は書きません。自分の単価を組み立てる手順と、案件の見つけ方を書きます。新卒採用担当の経験の何が売れるかは新卒採用担当が副業でできることで詳しく書いています。
値付けにつながる作業
新卒採用担当の経験は、次のような作業に置き換えると、値付けしやすくなります。
| 新卒採用担当としての経験 | 副業で切り出せる作業 | 時間が増える条件 |
|---|---|---|
| 説明会を企画して学生を集めてきた | 説明会の内容と進め方の設計、学生の集め方の組み合わせ | 開催の回数が多い |
| 選考を回してきた | 選考の流れと評価の基準、面接官の手引き | 面接官が多い、選考の段階が多い |
| 内定者の気持ちの揺れに付き合ってきた | 内定から入社までの連絡と面談の仕組み | 内定者が多い |
| 学校とのつながりをつくってきた | 学校への声のかけ方と、つながりのつくり方の手順 | つながりが何もない |
成果物ごとに時間を見積もり、自分の時間単価を掛けます。時間単価の考え方は本業の年収と副業単価の関係で書いています。新卒採用の設計の単価の考え方は新卒採用の設計の副業単価でも書いています。
1年の暦に合わせて受ける範囲を決める
新卒採用は、時期によってやることが変わります。副業も、暦に合わせて受ける範囲を決めると、時間と報酬を合わせやすくなります。
| 時期 | 中心になる作業 | 受け方の例 |
|---|---|---|
| 募集が始まる前 | 説明会と選考の設計、求人の準備 | 設計として一括で受ける |
| 説明会と選考の時期 | 説明会の運営の手伝い、面接の日程調整 | 月の時間で受け、量の目安を決める |
| 内定から入社まで | 内定者への連絡、面談、懇親の場づくり | 内定者の数に応じて月の時間で受ける |
| 入社の後 | 1年の振り返りと、次の年への反映 | 振り返りを成果物として一括で受ける |
本業でも新卒採用を担っている場合は、本業の繁忙期と副業の繁忙期が重なります。副業では、本業が落ち着く時期にできる設計や振り返りを中心に受け、繁忙期の運用は受けないか、受ける時間を絞る形にしてください。
エラベルの見解
新卒採用担当の副業でよくある失敗は、説明会や選考の設計に力を入れ、内定後のつなぎを後回しにすることです。新卒の学生は複数の内定を持ち、入社までの間に気持ちが変わります。選考までにどれだけ力を入れても、内定後の連絡が途切れると辞退が増えます。
担当する側から見ると、価値があるのは、内定から入社までの数か月の連絡と面談を、学生の不安に合わせて設計できることです。誰がいつ学生と話し、何を伝えるかを手順にまとめて渡す。辞退が減れば、その数字が成果になります。内定後のつなぎを成果物に含めて見積もってください。
学生の情報と職場情報の扱い
新卒採用では、学生の個人情報を多く扱います。職業安定法第5条の5は、求人者や募集受託者などに、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者等の個人情報を集め、その目的の範囲内で保管・使用することを求めています。副業でエントリーシートや面接の記録に触れる場合は、受け取る範囲と保存する場所、契約が終わったときの扱いを、依頼先と決めてください。
職場の情報の提供の決まりも押さえておきます。青少年の雇用の促進等に関する法律第13条は、学校を卒業する見込みの学生などを対象に募集を行う者や募集受託者に、募集・採用の状況、職業能力の開発・向上や職場への定着の取り組みの状況など、厚生労働省令で定める情報を提供するよう努めることを求めています。同法第14条は、ハローワークや職業紹介事業者に求人を申し込むときにも、この情報を提供するよう努めることを求めています。説明会や求人の設計の中で、どの情報をどこで学生に示すかを依頼先と決めておくと、学生の会社選びを助け、入社後のずれも減らせます。個別の判断は社会保険労務士・弁護士にご確認ください。
案件の見つけ方と、受けるときの条件
新卒採用担当の経験を活かせる案件は、次のような場所で見つけやすくなります。
- 新卒採用を始めたい会社:これまで中途採用だけで、新卒採用の進め方が分からない会社
- 内定の辞退が多い会社:内定後のつなぎを見直したい会社
- 人事の副業の仲介サービス:新卒採用の経験と、受けられる時期を登録しておく
業務委託で受ける場合は、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)第3条が、業務委託事業者に、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電磁的方法で直ちに明示することを求めています。受ける時期と作業の範囲、量の目安を書面で確かめてください。
本業に勤めながら副業をする場合は、厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が示すとおり、まず勤め先の副業・兼業に関するルールを確認し、秘密保持義務や競業避止義務を意識してください。本業と同じ学生を取り合う会社の案件や、本業で接した学生に関わる仕事は、副業では受けないでください。20万円を超える副収入がある場合は、確定申告が必要です。個別の判断は弁護士・税理士にご確認ください。
エラベルの見解
もう一つ見てほしいのは、新卒採用担当の経験は、1年の振り返りを成果物にすると、次の年の依頼につながりやすいということです。新卒採用を回している会社の多くは、選考が終わるとすぐ次の募集が始まり、振り返る時間がとれていません。どの経路から来た学生が内定まで進み、どこで辞退が出たかが分からないまま、同じやり方を繰り返しています。
入社の後に、応募から入社までの各段階の人数を並べ、どこで減っているかを見て、次の年に何を変えるかをまとめて渡してください。振り返りを独立した成果物として受けると、次の年の設計の依頼につながりやすくなります。
まとめ
- 新卒採用担当の副業単価は、説明会・選考・内定後のつなぎに分けて値付けする
- 1年の選考の暦に合わせて、設計・運用・振り返りの受け方を変える
- 本業の繁忙期と重なる時期の運用は、受けないか時間を絞る
- 学生の個人情報は目的の範囲で扱い、職場情報の提供の決まりも設計に入れる
- 内定後のつなぎと1年の振り返りを成果物に含める
よくある質問
新卒採用担当の副業単価の相場はいくらですか
案件の範囲や依頼先によって大きく異なり、公的な統計もないため、一律の相場はお伝えできません。時期ごとの作業を成果物や月の時間で見積もり、自分の時間単価を掛けて単価の根拠をつくってください。
説明会で依頼先の社員として話してもよいですか
依頼先の会社を代表して話す形になるため、話してよい内容を依頼先と決めてください。報酬を受けて募集に関わる形が委託募集にあたるかどうかも、依頼先と確かめてください。
本業でも新卒採用を担っている場合、副業はいつ受ければよいですか
本業の繁忙期を避け、募集が始まる前の設計や、入社の後の振り返りを中心に受ける形が無理がありません。受ける時期を最初に決めておくと、本業に支障が出にくくなります。
- e-Gov法令検索「青少年の雇用の促進等に関する法律」(第13条・第14条)
- e-Gov法令検索「職業安定法」(第5条の5)
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(第3条)
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定)
本記事は 2026-10-16 時点の公開情報にもとづいて作成しています。
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