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有給を使って対応してよいか|人事の副業のために本業の有給を使うことは、一般に使い道は本人の自由と整理されているが、「副業の許可の条件」「使う頻度」「本業の繁忙期との重なり」「有給が消えたときの休み」の四つを見てから決める。使えるかどうかより、使い続けて本業と休みが崩れないかで判断する

公開 2026-09-20

副業の依頼側から、平日の日中に打ち合わせや面接の同席を頼まれた。本業の有給を使えば対応できるが、副業のために有給を使ってよいのか。会社に何か言われないか、使い続けて大丈夫か。結論を先に書くと、本業の有給を副業のために使うことは、一般に、有給の使い道は本人の自由と整理されています。ただし、使えるかどうかと、使い続けてよいかは別の話です。「副業の許可の条件に触れないか」「使う頻度はどのくらいか」「本業の繁忙期と重なっていないか」「有給が副業で消えたとき、自分の休みは残るか」の四つを見てから決めます。使えるからと使い続けると、本業の休みが消え、本業に響き、副業の許可の前提も崩れます。使えるかどうかより、使い続けて本業と休みが崩れないかで判断します。会社の規則と個別の判断は、会社と専門家にご確認ください。出張が要る案件は出張が必要な案件に、本業への影響は本業のパフォーマンスへの影響に、休みの設計は休む設計にまとめています。

有給の使い道の一般的な整理と確認先

有給を副業に使うことについて、一般的にどう整理されているかと、何を確認するかです。

項目一般的な整理確認先
有給の使い道一般に、有給の使い道は本人の自由と整理されており、会社が使い道を理由に取得を拒むことは原則としてできないと理解されている会社の就業規則と、個別の判断は専門家に
副業の許可の条件副業を許可制にしている会社では、許可の条件に「本業の勤務に支障がないこと」などが含まれることが多い自分の会社の副業の規則と、許可を得たときの条件
有給の申請時の理由一般に、理由の申告は求められないと整理されているが、会社の運用で聞かれることがある会社の申請の運用
会社が時季を変更できる場合会社の業務の正常な運営を妨げる場合に、会社が時季の変更を求めることがあると整理されている会社の規則と運用
副業の頻度が高い場合の扱い使い道が自由でも、副業で頻繁に有給を使い、本業に支障が出れば、副業の許可の条件に触れる可能性がある会社の副業の規則

整理の要点は、「使えるかどうか」と「副業の許可の条件に触れないか」は別だということです。有給の使い道が自由でも、副業の許可の条件に「本業に支障がないこと」があれば、有給を副業で使い続けて本業に支障が出た時点で、許可の前提が崩れます。使えるかではなく、許可の条件と本業への影響で判断します。ここに書いた整理は一般的なもので、会社の規則と個別の状況で変わるため、会社と専門家にご確認ください。許可の条件は副業許可の申請の出し方に、本業に知られる経路は副業は会社にばれるかに書いています。

使う前に見る四つのこと

有給を副業に使う前に、四つを見ます。

見ること見方使わない方がよい状態
一、副業の許可の条件許可の条件に「本業に支障がないこと」「勤務時間外で行うこと」などがあるか有給を使うことが、条件の「本業に支障」と見なされる可能性がある
二、使う頻度月に何日、年に何日を副業に使うことになるか月に何度も使う。年の有給の多くが副業で消える
三、本業の繁忙期との重なり使う日が、本業の繁忙期、締め切り、重要な会議と重なっていないか重なっている。本業の同僚に負担がかかる
四、有給が消えたときの休み副業で有給を使った分、自分の休みは残るか。体調や家族の予定のための有給が残るか副業で使うと、体調や家族のための有給が残らない

四つの要点は、「二」の頻度を、最初に見ることです。一度だけなら、多くの場合は問題になりません。月に何度も使うようになると、本業の同僚が気づき、有給の残りが減り、本業の繁忙期と重なる機会も増えます。「月に一度まで」「年に何日まで」と、自分で上限を決めておきます。上限を超えそうな案件は、平日日中の対応が多すぎる案件で、副業の枠に合っていません。案件の選び方は平日夜だけで受けられる案件に、休みの確保は休む設計に整理しています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、有給を副業に使って問題になる担当者は、「一度使えたから」と、使う頻度が増えていった人です。最初は依頼側の重要な面接に一度だけ、次は定例の打ち合わせに毎月、やがて平日の日中の対応を有給で埋める形になり、本業の同僚が「最近、休みが多い」と気づき、有給の残りが減って体調不良のときに取れなくなっています。有給の使い道は自由でも、使い続けた結果として、本業と休みが崩れています。

見ていて差がつくのは、有給を使う前に、依頼側に「平日の日中は動けません」と伝えているかです。伝えている人は、依頼側が平日日中の対応を最初から想定せず、打ち合わせは夜か早朝、面接の同席はオンラインか事後の振り返りで、という形になり、有給を使う場面がそもそも減っています。伝えていない人は、依頼側が社員と同じ感覚で平日日中に頼み、断れずに有給で対応する形になっています。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、稼働できる時間帯を登録の時点で明確にしている担当者には、その時間帯で回る依頼側がついています。有給は、副業を回す手段ではなく、自分と家族のための休みです。

有給を使ってよい場面と避ける場面

有給を副業に使ってよい場面と、避ける場面を分けます。

使ってよい場面理由避ける場面理由
年に数回の、代替が効かない重要な場面(依頼側の役員との初回の顔合わせ、契約の締結など)頻度が低く、代替案がない毎月の定例の打ち合わせ頻度が高い。オンラインや夜に変えられる
出張が要る案件で、契約の前に回数の上限を決めた出張上限が決まっている。契約の条件依頼側の「来てほしい」に都度応じる出張上限がなく、増える
本業の繁忙期の外で、同僚に負担がかからない日本業に支障がない本業の締め切り、重要な会議、繁忙期と重なる日本業に支障が出る。許可の条件に触れる
自分と家族のための有給が十分に残る範囲休みが消えない有給の残りが少ない状態で、副業に使う体調や家族の予定のための休みが消える
副業の許可の条件を確認し、触れないと判断できる場合許可の前提が崩れない許可の条件を確認していない、または「本業に支障がないこと」に触れる可能性がある許可の前提が崩れる

場面の要点は、「代替が効かない、年に数回の場面」に限ることです。毎月の定例、平日日中の対応、都度の出張は、代替案(オンライン、夜、事後の振り返り、回数の上限)で減らせるもので、有給で埋めるものではありません。有給で埋め始めると、依頼側は「平日の日中も動ける人」と認識し、頼む頻度が増えます。最初から「平日の日中は動けません。年に数回の重要な場面だけ、調整して伺います」と伝えておきます。代替案の出し方は出張が必要な案件に、対面の場面は対面が必要になる場面に書いています。

使わずに済ませる代替案

有給を使う前に、使わずに済む形を探します。

頼まれたこと有給を使わない形
平日日中の打ち合わせ早朝か夜のオンライン。本業の昼休みは本業の規則を確認し、本業の端末や場所を使わない
平日日中の面接の同席オンラインの同席(本業の時間外に時刻をずらせる場合)。面接官向けの準備資料と事後の振り返りで代える
平日日中の候補者への電話電話は依頼側の社員が担い、文面と日程調整を自分が担う。夜の時間帯に電話できる候補者には自分が
平日日中の急ぎの連絡「平日の日中は返せません。夜に返します」と先に伝える。急ぎの定義を決め、急ぎだけ経路を開ける
平日の出張週末か、本業の休日に。回数の上限を決める
依頼側の社内の行事への参加参加しない。準備と事後で貢献する

代替案の要点は、「平日の日中は動けません」を、契約の前に伝えることです。伝えていれば、依頼側は平日日中の対応を最初から自分に頼まず、代替案が標準になります。伝えていないと、頼まれるたびに断るか有給を使うかになり、断るのは負担で、有給は消えます。最初の一言で、有給を使う場面のほとんどが消えます。時間帯の伝え方は週何時間から受けられるかに、平日日中の連絡は平日夜だけで受けられる案件に、断り方は無理なときの伝え方に整理しています。

有給の使い方が本業に知られる経路

有給を副業に使うと、本業に副業が知られる経路が増えます。伝えていない場合は、特に見ておきます。

経路何が起きるか避け方
有給の頻度と曜日の偏り「毎月第二火曜に休む」など、規則的な有給を同僚が不思議に思う頻度を下げる。規則的にしない
有給の日に本業の関係者と鉢合わせる依頼側の近くで本業の関係者に会う依頼側の場所と本業の関係者の行動範囲を考える
有給の理由を聞かれて答えに詰まる「何をするの?」に不自然な答え理由の申告は一般に求められないと整理されているが、聞かれる運用の会社もある。答え方を決めておく
依頼側の社員が本業の会社と接点を持つ依頼側が本業の会社の取引先や競合本業と関係のある依頼側を避ける。本業と利益相反になる案件
有給の日に本業の端末で副業の連絡をする本業の端末の記録に残る本業の端末を使わない
有給の日の発信副業の日に発信し、本業の同僚が見る発信の内容と時刻に気をつける。SNS発信から案件につなげる

経路の要点は、「頻度と規則性」が最も気づかれやすいことです。年に数回の不規則な有給は気づかれませんが、毎月同じ曜日の有給は、同僚が「何かある」と感じます。副業を伝えていない場合は、頻度を下げ、規則的にしないことが、経路を減らします。ただし、伝えていない状態で有給を副業に使い続けるより、伝えてよい状態にする方が、根本の解決です。伝えてよい状態の作り方は副業は会社にばれるかに、許可の申請は副業許可の申請の出し方に書いています。

判断の順番

有給を副業に使うかどうかを判断する順番です。

順番内容
一、代替案で済まないかを見るオンライン、夜、早朝、事後の振り返り、回数の上限
二、副業の許可の条件を確認する「本業に支障がないこと」などの条件に触れないか。会社の規則と専門家に
三、年間の上限を自分で決める「副業のための有給は年に何日まで」
四、本業の繁忙期と重ならないかを見る締め切り、重要な会議、同僚の負担
五、自分と家族のための有給が残るかを見る体調、家族の予定のための有給を先に確保する
六、使う場面を「代替が効かない、年に数回」に限る定例や都度の対応には使わない
七、使った日を記録する年間の上限との比較。頻度と規則性の確認
八、上限を超えそうなら、案件の条件を見直す平日日中の対応が多すぎる案件。範囲を絞るか、契約の更新時に条件を直す

順番の要点は、「一」の代替案を、有給の前に見ることです。有給が使えると分かっていると、代替案を考えずに有給で対応しがちです。有給は、代替案がないときの最後の手段で、最初の手段ではありません。代替案で済む場面を有給で対応していると、依頼側の期待が「平日日中も動ける人」に変わり、有給の消費が増えます。案件の条件の見直しは更新時の条件見直しに、稼働の記録は稼働時間の管理と申告に整理しています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「有給の使い道は自由だから、副業に使っても問題ない」というものです。一般的な整理としてはそうですが、副業の許可の条件、使う頻度、本業の繁忙期、自分の休みの四つを見ずに使い続けると、本業の同僚の負担、有給の枯渇、許可の前提の崩れ、という形で問題になります。使えるかどうかと、使い続けてよいかは別で、判断するのは後者です。

順番として、代替案で済まないかを見て、副業の許可の条件を確認し、年間の上限を決め、本業の繁忙期と重ならないかを見て、自分と家族のための有給を先に確保し、使う場面を代替が効かない年に数回に限り、使った日を記録し、上限を超えそうなら案件の条件を見直す。この順番で、有給は「副業を回す手段」ではなく「代替がないときの最後の手段」になります。エラベルでは、依頼側が担当者を選ぶ仕組みなので、稼働できる時間帯を登録の時点で明確にしている担当者には、平日日中の対応を求めない依頼側がついています。有給は、自分と家族のための休みとして残すものです。会社の規則と個別の判断は、会社と専門家にご確認ください。

まとめ

よくある質問

副業の許可を得ていますが、許可の条件に有給のことは書かれていません

条件に書かれていなくても、「本業の勤務に支障がないこと」のような一般的な条件があれば、有給を副業で使い続けて本業に支障が出た時点で、その条件に触れる可能性があります。書かれていないから自由、ではなく、使う頻度を自分で抑え、本業の繁忙期を避け、同僚に負担がかからない形にします。不安なら、許可を得た担当部署に「年に数回、副業のために有給を使うことがあるが、問題ないか」と確認しておくと、後で問題になりません。個別の判断は専門家にご確認ください。許可の条件は副業許可の申請の出し方に整理しています。

依頼側の重要な面接に同席を頼まれ、平日の日中しか無理と言われました

年に数回の、代替が効かない場面なら、四つを見たうえで有給を使う選択肢はあります。ただ、その前に、「オンラインで同席できないか」「面接官向けの準備資料と事後の振り返りで補えないか」「時刻を早朝や夕方以降にずらせないか」を依頼側に相談します。それでも平日の日中の対面が要るなら、「今回は伺いますが、次回以降はオンラインか事後の形で」と、続かない形にして受けます。一度受けると次も頼まれるので、次回の形を先に決めておきます。代替案の出し方は出張が必要な案件に書いています。

有給を副業に使ったことを、本業の会社に説明する必要がありますか

一般に、有給の理由の申告は求められないと整理されていますが、会社の運用で聞かれることはあります。副業を伝えている場合は、「副業の打ち合わせで」と答えて構いません。伝えていない場合は、伝えてよい状態にできるかを考える機会です。答えに詰まる状態で有給を副業に使い続けるより、副業を伝え、許可の条件の中で使う方が、本業との関係が安定します。会社の運用と個別の判断は、会社と専門家にご確認ください。伝えてよい状態の作り方は副業は会社にばれるかに整理しています。