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AIをどう使うか|人事の副業でAIを使ってよいのは「依頼側と候補者の情報を含まない作業」に限る。型の構造・一般的な知識の整理・自分の文章の整え・自分の判断の言語化には使え、候補者対応・報告・依頼側の記録を扱う作業には使わない。使う前に「情報を含むか」を問う一つの癖が全部を決める

公開 2026-09-20

副業の稼働は限られている。AIを使えば、文面も報告も資料も速くなりそうだが、どこまで使ってよいのか、依頼側に何と言えばよいのか、使いすぎて自分の力が落ちないかが気になる。結論を先に書くと、人事の副業でAIを使ってよいのは、「依頼側と候補者の情報を含まない作業」に限ります。型の構造の下書き、人事の一般的な知識の整理、自分の文章(依頼側の情報を含まないもの)の整え、自分の判断の言語化には使え、候補者への対応、依頼側への報告、依頼側の記録を扱う作業には使いません。使う前に「これは依頼側か候補者の情報を含むか」を問う一つの癖が、使い方の全部を決めます。線の根拠は、守秘(情報を外部に渡さない)と責任(送るものの責任は自分にある)の二つです。文面での前提はAIで文面を作るときの前提に、情報の扱いの線は情報の取り扱いと端末の分離に、ツールの揃え方は使うツールをそろえるにまとめています。AIのサービスの規約と、依頼側の情報管理の決まりの解釈は、依頼側と専門家にご確認ください。

使ってよい作業と使わない作業の線

線は一本で、「依頼側と候補者の情報を含むか」です。含まなければ使え、含めば使いません。

作業情報を含むか使うか
スカウトの文面の構造の下書き含まない(一般的な構造)使う
候補者向けの文面の中身含む(候補者の経歴、依頼側の状況)使わない
候補者からの返信への返答含む(やり取りの内容)使わない
依頼側への稼働報告含む(依頼側の記録の数字、状況)使わない
人事の一般的な知識の整理(選考の一般的な流れ、媒体の一般的な機能)含まない使う
自分の判断のメモの言語化(依頼側の情報を抜いたもの)含まない使う
自分の発信の下書き(判断の仕方、型の話)含まない使う。ただし送る前に五つの線で読む。発信で書いてはいけないこと
依頼側の記録の集計や分析含む使わない
議事録の作成(依頼側との打ち合わせ)含む使わない
型の文書の構造の整理(依頼側の情報を抜いた構造)含まない使う
自分の経歴やプロフィールの整え含まない(依頼側の名前を入れなければ)使う。実績の書き方は粗くしたもので
契約書の条項の一般的な意味の確認契約書そのものを貼れば含む一般的な用語の意味の確認までは使える。契約書は貼らない。判断は専門家に

線の要点は、「作業の種類ではなく、その作業に情報が要るか」で決めることです。「文面の作成」でも、構造の下書きは情報を含まず、中身は含みます。「資料の作成」でも、四段の骨格の整理は含まず、根拠の数字は含みます。同じ作業の中で、含む部分と含まない部分を分け、含まない部分だけをAIに任せます。情報の種類ごとの線は個人情報の扱いに書いています。

線の根拠は守秘と責任

なぜ「情報を含むか」が線になるのか、根拠を二つで押さえます。

根拠内容
守秘AIのサービスに情報を入力することは、そのサービスの運営者に情報を渡すことになり得る。依頼側との秘密保持、候補者の個人情報の扱いの観点で、第三者への提供と見られる。サービスの規約で入力した情報の扱いが決まっているが、規約は変わり、依頼側はそれを前提にしていない
責任候補者に送るもの、依頼側に出すものの責任は、AIではなく自分と依頼側にある。中身をAIに任せると、事実と違うこと、約束になる表現、依頼側の言い方と違う表現が混ざり、それに気づかずに送ることになる。責任を取れるのは、自分が中身を把握しているものだけ

根拠の要点は、「守秘は情報を入力しないことで守れ、責任は中身を自分で作ることで守れる」ことです。情報を含まない作業に限れば、守秘は守れます。中身を自分で作れば、責任は取れます。二つを満たす使い方が、「構造と一般的な整理はAI、中身と判断は自分」です。守秘の線を越える場面は守秘の線を越えるに、責任の線は会社の代表として話す責任に整理しています。

エラベルの見解

相談で最も多い思い込みは、「AIを使うか使わないかを、まず決めるべきだ」というものです。実際には、使うか使わないかは作業ごとに違い、一つの答えはありません。決めるべきなのは、「この作業は依頼側か候補者の情報を含むか」を、使う前に毎回問うことです。この一つの癖があれば、どのサービスが出てきても、どの作業でも、線は守れます。癖が無いと、便利さに引かれて、情報を含む作業に使い、後で分かって信頼を失います。

見ていて差がつくのは、AIを「速くする道具」と見ているか、「情報を渡す先」と見ているかです。前者だけで見ている人は、速くなる作業なら何でも入力します。後者の視点も持っている人は、入力する前に「これを渡してよいか」を考え、渡してよいものだけを入力します。エラベルでは、担当者が依頼側と候補者の情報を外部のサービスに入力しないことを、情報の扱いの前提にしています。AIを使うかどうかは担当者の判断ですが、情報の線は担当者の判断で動かせるものではありません。

使うと効く四つの場面

情報を含まない作業のうち、AIを使うと副業の稼働が減る場面を四つに絞ります。

場面使い方効き方
一、型の構造の下書き「スカウトの文面の構造」「面接の準備の資料の項目」「稼働報告の骨格」のような、一般的な構造の案を出させる一から考える時間が減る。出てきた構造を、自分の判断で削り、案件ごとに中身を埋める
二、一般的な知識の整理「選考の一般的な流れ」「媒体の一般的な機能の違い」「業務委託と雇用の一般的な整理」のような、案件に依らない知識を整理させる調べる時間が減る。ただし、数値や仕様や法令の解釈は、出典を確認するか専門家に
三、自分の文章の整え依頼側の情報を含まない文(発信の下書き、自分の経歴、型の説明)を、短くする、言い換える書く時間が減る。送る前に自分で読む
四、自分の判断の言語化「返信が来ないときに自分がやっていること」のような、頭の中の判断を言葉にする補助。依頼側の情報は抜いて判断のメモが溜まりやすくなる。発信と経歴の材料になる。発信のネタの見つけ方

四つの要点は、「一」の構造の下書きが、最も効くことです。文面、資料、報告の構造を一から考える時間は、副業の稼働の中で大きく、構造の下書きをAIに出させれば、その時間はほぼ消えます。中身は自分で埋めるので、情報の線は守れ、責任も取れます。構造と中身の分け方はAIで文面を作るときの前提に、型の育て方は事例を流用しないに書いています。

使ってはいけない四つの場面

情報を含む作業のうち、特に使いたくなるが使ってはいけない場面を四つに絞ります。

場面なぜ使いたくなるかなぜ使わないか
一、候補者への対応返信の量が多く、速くしたい候補者の情報(経歴、やり取り)を入力することになる。候補者は依頼側の外の人で、情報の同意が無い
二、依頼側への報告毎月の報告を速く書きたい依頼側の記録の数字と状況を入力することになる。報告の中身は依頼側の情報そのもの
三、依頼側の記録の集計と分析数字を見るのが速くなる依頼側の記録を丸ごと入力することになる。集計は表計算で、自分で
四、議事録の作成打ち合わせの録音から起こしたい打ち合わせの内容は依頼側の情報。録音そのものも、依頼側の許可が要る

四つの要点は、「使いたくなる場面ほど、情報を含む」ことです。候補者対応、報告、記録、議事録は、副業の稼働の中で時間がかかる作業で、だからこそAIに任せたくなりますが、どれも依頼側と候補者の情報そのものです。この四つは、型を持ち、記録を整え、手順を固定することで速くします。AIではなく、型で速くする方法は稼働報告のフォーマット議事録の残し方候補者への対応で気をつけることに整理しています。

依頼側の決まりとサービスの規約の確認

自分の線を守っていても、依頼側の決まりと、サービスの規約が別にあります。両方を確認します。

確認すること誰に結果ごとの扱い
依頼側でAIの利用が認められているか依頼側の担当者、情報管理の窓口禁止なら使わない。条件付きなら条件に従う。無ければ自分の線で
依頼側が指定するサービスがあるか同上指定があればそれを使う。依頼側が契約しているサービスは、依頼側の管理下にある
依頼側が入力を禁じている情報の範囲同上自分の線(依頼側と候補者の情報を入力しない)より厳しければ、依頼側に従う
サービスの規約で、入力した情報がどう扱われるかサービスの規約。解釈は専門家に情報を含まない作業に限っていれば、規約の影響は小さいが、規約は読んでおく
サービスの規約が変わったか定期的に変わることがある。使い続けるなら、たまに見直す
本業の会社のAIの利用の決まり本業の規定本業の端末や回線でAIを使わないのは前提。本業の決まりが副業に及ぶかは、規定を確認

確認の要点は、「依頼側の決まりが、自分の線より厳しければ、依頼側に従う」ことです。依頼側が「AIの利用は一切不可」なら、構造の下書きにも使いません。依頼側の決まりは、契約の最初に、端末と回線の確認と同じ場で聞きます。確認の項目はネットワーク環境の注意に、本業との線は本業と利益相反になる案件に書いています。規約と決まりの解釈は、専門家にご確認ください。

AIに頼ると弱る力

AIを使うこと自体は問題ありませんが、頼りすぎると、副業で要る力が育たなくなります。

弱る力なぜ弱るか保つ方法
相手の立場で読む力AIが作った文を、そのまま送る癖がつく送る前に自分で読むことを省かない。文章力をどう磨くか
自分の判断の型構造も中身もAIに任せると、「この状況でこう判断する」が自分に溜まらない中身と判断は自分で。判断のメモを自分で書く
記録を見て考える力記録の分析をAIに任せる(情報の線で本来できないが)と、数字から状態を読む力が育たない記録は自分で見る。数字で語る
依頼側の言い方に合わせる力AIの一般的な文体に慣れ、依頼側ごとの言い方を見なくなる依頼側の過去の文面を見て合わせる習慣を保つ
聞いたことを構造にする力ヒアリングの整理をAIに任せると、自分で工程と範囲に当てはめる力が育たない一枚に戻すのは自分で。ヒアリング力の磨き方

弱る力の要点は、「AIに任せてよいのは構造で、判断は自分でやり続ける」ことです。判断(この状況でこう書く、この数字をこう読む、この課題をこう構造にする)が自分に溜まることが、副業の担当者の価値で、次の案件で使えるものです。構造はAIに出させても、判断は自分でやれば、力は育ちます。判断の型の育て方は改善を回すにも書いています。

副業の枠での使い方の型

副業の枠の中で、AIを使う型を決めておきます。毎回迷わずに済みます。

手順内容
一、使う前に「情報を含むか」を問う含むなら使わない。含まないなら次へ
二、依頼側の決まりを確認済みか契約の最初に確認していれば、その範囲で。未確認なら確認してから
三、構造か一般的な整理に限る中身と判断は自分で
四、出てきたものを、自分の判断で削るAIの出すものは一般的で長い。自分の型と依頼側の状況に合わせて削る
五、中身を自分で埋める依頼側の状況、候補者との接点、依頼側の言い方は自分で
六、送る前に相手の立場で読む省かない
七、使ったことを、依頼側に聞かれたら答えられる形にしておく「構造の下書きに使い、御社と候補者の情報は入力していません」

型の要点は、「一」の問いを、毎回省かないことです。慣れてくると、「これくらいなら」と情報を含む作業に使いたくなります。毎回問えば、線は保てます。一つの癖が、使い方の全部を決めます。使うことを依頼側に伝える形はAIで文面を作るときの前提に整理しています。

エラベルの見解

担当する側から見ると、AIを使って副業の稼働を減らせている人は、AIを多く使っている人ではなく、使う場面を「情報を含まない構造と整理」に限っている人です。文面と資料と報告の構造の下書きをAIに出させ、中身と判断は自分でやり、送る前に自分で読む。構造の時間が消えた分、中身と判断に時間を使え、文面と報告の質はむしろ上がっています。AIに中身まで任せた人は、速く見えますが、候補者に「量産された文面」と見られ、依頼側に情報の扱いを疑われ、自分の判断の型が溜まっていません。

順番として、契約の最初に依頼側のAIの決まりを確認し、使う前に「情報を含むか」を毎回問い、含まない構造と整理に限って使い、出てきたものを自分の判断で削り、中身を自分で埋め、送る前に自分で読み、聞かれたら答えられる形にしておく。この順番で、AIは情報の線を守りながら、副業の枠を有効に使う道具になります。エラベルでは、担当者が依頼側と候補者の情報をAIを含む外部のサービスに入力しないことを前提にしています。AIは、その前提の中で使える道具で、前提の外では使えない道具です。

まとめ

よくある質問

依頼側が自社で契約しているAIのサービスを使ってよいと言っています

依頼側の管理下にあるサービスなら、依頼側の決まりの範囲で、依頼側の情報を扱う作業にも使える場合があります。ただし、候補者の情報の扱いは、依頼側のサービスであっても、候補者への同意や依頼側の個人情報の方針に関わるので、「候補者の情報を入力してよいか」を依頼側の情報管理の窓口に確認します。依頼側のサービスを使う場合も、送るものの責任は自分と依頼側にあるので、中身を自分で読むことは省きません。

AIで下書きした発信を、そのまま投稿してよいですか

自分の判断の仕方や型の話のように、依頼側と候補者の情報を含まない内容なら、下書きにAIを使うことはできますが、投稿の前に、五つの線(依頼側・候補者・本業・契約の条件・保証に見える表現)で自分で読みます。AIの下書きには、一般的な表現として、保証に見える表現(「誰でも〜できる」のような)や、出典の無い数字が混ざることがあり、そのまま投稿すると線を越えます。下書きは構造まで、中身と確認は自分で、が発信でも同じです。線は発信で書いてはいけないことに整理しています。

AIを一切使わないほうが、依頼側からの信頼は高いですか

使わないこと自体が信頼になるわけではなく、情報の線を守っていることが信頼になります。「構造の下書きに使い、御社と候補者の情報は入力していない」と線を示せる担当者と、AIを一切使わない担当者で、依頼側の信頼に差はほとんどありません。差が出るのは、線を越えて使った担当者と、そうでない担当者の間です。使うかどうかより、使うなら線を守り、聞かれたら答えられる形にしておくことが、信頼の条件です。