人事副業 / 案件獲得
SNS発信から案件につなげる|人事の副業で「発信が仕事になる」までの順番と、本業の情報を出さない線引き
人事の副業で、登録先や紹介のほかに「発信を見た会社から声がかかる」経路があります。自分の考えや型を外に出しておくと、それを読んだ経営者や人事担当が「この人に頼みたい」と連絡してくる形です。ただ、この経路は始めてすぐには動きません。何を出せばよいか分からず、本業の情報をどこまで書いてよいかも不安で、数回投稿して止まる人が多い。結論を先に書くと、SNS発信が案件になるのは「誰に向けて、どの業務の、どんな型を出すか」を決めて続けたときで、発信そのものを増やすより、受けたい案件と発信の中身をそろえることが先です。本業や支援先の内情を出さない線を先に引いておけば、続ける不安も減ります。案件の経路の全体像は副業案件の探し方に、媒体ごとの具体はXでの発信のしかたとnoteで実績を見せるにまとめています。
発信が案件になる構造
発信から案件が来るのは、偶然ではなく、次の流れが成り立ったときです。流れのどこかが切れていると、発信を続けても案件にはなりません。
| 段階 | 起きること | 切れやすい点 |
|---|---|---|
| 見つかる | 採用で困っている人が、検索やタイムラインで発信に出会う | 誰に向けているか分からない発信は、困っている人の目に留まらない |
| 読まれる | 自分の困りごとに近い内容だと感じて、読む | 一般論や感想は、困っている人の役に立たない |
| 信じられる | 「この人は実際にやっている」と伝わる | 型や手順が無く、意見だけだと、経験が見えない |
| 頼めると分かる | 副業で受けていること、範囲、連絡の方法が分かる | 受けていることを書いていないと、頼んでよいか分からない |
| 連絡が来る | 範囲と時間が合いそうだと判断して、連絡する | 範囲が広すぎる、連絡先が無い |
構造の要点は、「頼めると分かる」段階を作っていない発信が多いことです。良い内容を書いていても、副業で受けていることも範囲も書いていなければ、読んだ人は「参考になった」で終わります。発信を案件につなげるには、読まれる中身と、頼める案内の両方が要ります。
始める前に決めること
発信を始める前に、受けたい案件と発信の中身をそろえます。ここが決まっていないと、発信が散らばり、誰にも刺さりません。
| 決めること | 内容 | 決まっていないと |
|---|---|---|
| 受けたい業務 | 副業で受ける一つの業務(スカウト運用、求人票、一次対応など)。案件の範囲の決め方 | 発信の題材が定まらず、人事全般の感想になる |
| 向ける相手 | 人事が一人の会社の経営者か、人事担当か、はじめて採用する会社か | 誰の困りごとに答えるかが決まらない |
| 出す中身 | その業務の型、手順、判断の基準、よくあるつまずき | 意見や近況になり、経験が見えない |
| 出さない線 | 本業の社名、支援先の内情、候補者の情報、数値で特定できること | 本業の規定に触れる。信用を失う |
| 媒体 | 短い発信を重ねる場か、長い文章で型を見せる場か | 媒体ごとに中身がばらつく |
| 案内 | 副業で受けていること、範囲、時間、連絡の方法をどこに書くか | 読まれても頼めない |
| 本業の規定 | 副業の可否と、発信に関する規定(社名の扱い、業務内容の公開) | 発信そのものが規定に触れる |
決めることの要点は、「出さない線を、出す中身より先に決める」ことです。本業で扱った候補者や支援先の話は、それ自体が読まれやすいぶん、出してはいけない情報に近づきます。線を先に引いておけば、迷わずに続けられます。本業の規定と発信の関係で判断がつかない点は、勤め先の担当部署や専門家に確認してください。
エラベルの見解
相談で多いのは、「発信は続けているのに、案件の連絡が一件も来ない」という声です。発信を見ると、採用に関する意見や業界の話題への感想が中心で、「この人に何を頼めるか」が読み取れません。読んだ人が「勉強になった」と思っても、頼む対象としては見えていない状態です。発信の量ではなく、頼める形になっているかが問題です。
見ていて差がつくのは、「一つの業務の型を、繰り返し出しているか」です。「スカウトの文面は、件名・冒頭・本文・締めの四つに分けて、冒頭だけを候補者ごとに変える」といった型を、角度を変えて何度も出す。読む側は「この人はスカウトの人だ」と覚え、スカウトで困ったときに思い出します。人事全般を語る発信は、誰の頭にも残りません。エラベルは、登録の時点で範囲と時間を書いていただく窓口ですが、発信でも同じで、範囲が一つに絞れている人ほど、声がかかっています。
発信から案件までの手順
決めることが決まったら、手順に沿って始めます。番号付きで整理します。
- 本業の規定を確認し、出さない線を書き出す。 社名、支援先、候補者、特定できる数値。この四つは出さないと決め、迷ったときに戻る基準にします。
- 一つの業務を決め、その業務の型を三つほど書き出す。 文面の構成、選考の基準の作り方、返信対応の手順など、自分が実際に使っているものを、自分の言葉で。
- 媒体を一つ選ぶ。 短い発信を重ねる場と、長い文章で型を見せる場のどちらかから始めます。二つ同時に始めると、どちらも薄くなります。
- 案内を先に置く。 プロフィールや固定の投稿に、副業で受けていること、範囲、時間、連絡の方法を書きます。発信を始める前に置いておけば、最初の投稿から頼める状態になります。
- 型を、角度を変えて出し続ける。 同じ型を、「つまずく点」「直し方」「判断の基準」「手順」と角度を変えて出します。一つの型で十本は書けます。
- 反応より、連絡の有無を見る。 反応の数は案件と関係が薄い。連絡が来るか、来た連絡の範囲が自分の範囲と合っているかを見ます。
- 連絡が来たら、登録先や紹介の案件と同じ条件で見る。 型があるか、成果物が明確か、期間が区切れるか、判断を含まないか。面談で聞かれることを参照してください。
- 書面と条件は、直接の案件として整える。 発信から来る案件は仲介を通さないので、契約・請求・範囲の線引きを自分で回します。企業から直接受けるにはに手順があります。
手順の要点は、「四を発信より先にやる」ことです。案内が無いまま発信を重ねると、読まれても頼めない期間が続き、その間の発信は案件につながりません。
続かない原因と、よくある失敗
発信は、始めるより続けるほうが難しい。続かない原因と、続いていても案件にならない失敗を分けて挙げます。
| 種類 | 原因・失敗 | 直し方 |
|---|---|---|
| 続かない | 何を書けばよいか毎回考えている | 型を三つ書き出し、角度を変えて出す。題材を毎回探さない |
| 続かない | 反応が無くて止まる | 反応ではなく連絡の有無を見る。連絡が来るまで数か月かかることがある |
| 続かない | 本業の情報を出してよいか毎回迷う | 出さない線を先に書き出し、迷ったら出さない |
| 続かない | 完成度を上げようとして書けない | 型の一つを、一つの角度で短く出す。長く書くのは長い媒体で |
| 案件にならない | 意見や感想が中心で、経験が見えない | 型と手順を出す。「私はこうしている」を書く |
| 案件にならない | 人事全般を語り、何の人か分からない | 一つの業務に絞る |
| 案件にならない | 案内が無く、頼んでよいか分からない | プロフィールと固定の投稿に、範囲と連絡の方法 |
| 案件にならない | 反応の多い話題に寄っていく | 受けたい案件と発信の中身をそろえ直す |
| 信用を失う | 支援先や候補者の話を、匿名でも特定できる形で書く | 業種・規模・状況までにとどめ、数値と時期をぼかす |
| 規定に触れる | 本業の社名や業務内容を出す | 本業の規定を確認し、社名は出さない |
失敗の要点は、「反応の多さと、案件になるかは別」という点です。反応が多い発信は、広い相手に向けた意見や話題であることが多く、頼む対象としては見えにくい。反応が少なくても、一つの業務の型を出し続けている発信のほうが、連絡につながります。
案件になったときの受け方
発信を見て連絡が来た案件は、登録先の案件とも紹介の案件とも違う特徴があります。受けるときの注意です。
| 特徴 | 起きること | 対応 |
|---|---|---|
| 相手は発信の一部しか知らない | 発信の内容と、頼みたいことがずれていることがある | 最初の面談で、受ける範囲を自分の言葉で伝える |
| 期待が高い | 発信で「できる人」と見えているので、広い範囲を期待される | 含むことと含まないことを書面に。スコープクリープへの対応 |
| 仲介がいない | 契約・請求・支払いを自分で回す | 締め日と支払日を先に決める。請求書の書き方 |
| 相手の状況が読めない | 人事の有無、判断する人、支払いの担当が分からない | 面談で四つの条件と支払いの仕組みを確認 |
| 発信と案件が結びつく | 案件のことを発信に書きたくなる | 支援先の話は業種・規模までにとどめ、内情は書かない |
| 発信を続ける必要がある | 案件が始まると発信が止まり、次が来なくなる | 発信の時間を週の枠に入れておく |
受け方の要点は、「発信で見えている自分と、受ける範囲を、面談でそろえる」ことです。発信を見た相手は、自分の得意な部分を読んで連絡してきます。それが受けたい範囲と合っていれば、立ち上がりは早い。ずれていれば、面談で戻します。
エラベルの見解
担当する側として登録した人の中で、発信から案件が来ている人は、発信を「営業」ではなく「型の記録」として続けています。本業で使っている型を、出さない線の内側で書き留めていくうちに、それを読んだ会社から連絡が来る。営業のつもりで書いた発信は、読む側に営業だと分かり、読まれにくい。型の記録は、読む側の役に立つので、読まれ、覚えられます。
発信を案件につなげる経路は、動き出すまでに時間がかかります。数か月続けて一件も来ないことは珍しくありません。その間、案件が無い状態が続くと、発信の内容が焦りに寄っていきます。エラベルは、範囲と時間を書いた登録に、条件が合う案件のときだけご連絡する窓口なので、発信と並行して登録しておくと、発信が動き出すまでの期間も案件を受けられます。発信は長い経路、登録は短い経路として、両方を持つ形をお勧めしています。
まとめ
- 発信が案件になるのは誰に向けて、どの業務の、どんな型を出すかを決めて続けたとき。発信の量より、受けたい案件と中身をそろえる
- 構造は見つかる→読まれる→信じられる→頼めると分かる→連絡が来る。「頼めると分かる」を作っていない発信が多い
- 始める前に受けたい業務・向ける相手・出す中身・出さない線・媒体・案内・本業の規定を決める。出さない線が先
- 手順は規定と線→型を三つ→媒体を一つ→案内を先に置く→角度を変えて出し続ける→連絡の有無を見る→四つの条件→直接の案件として整える
- 続かないのは題材・反応・迷い・完成度。案件にならないのは意見中心・人事全般・案内なし・話題に寄る
- 受けるときは発信で見えている自分と、受ける範囲を面談でそろえる。仲介がいないので契約と請求は自分で
よくある質問
本業の会社名を出さずに発信して、信じてもらえますか
社名が無くても、型と手順が具体的であれば、実際にやっている人だと伝わります。「スカウトの文面を四つに分けて、冒頭だけ変える」「書類選考の基準を三段階にして、二段階目で迷った人だけ面接する」といった型は、経験が無ければ書けません。社名より、型の具体性が信用を作ります。本業の規定で社名や業務内容の公開に制限がある場合は、その範囲に従ってください。判断がつかない点は、勤め先の担当部署や専門家に確認してください。
支援先の事例を書きたいのですが、どこまで書いてよいですか
支援先が特定できる形では書かない、が基本です。業種・規模・状況(人事が一人、はじめて採用する、など)までにとどめ、社名、数値、時期、候補者の情報は出しません。匿名にしても、業種と数値と時期がそろうと特定できることがあります。迷ったら、事例ではなく、そこから取り出した型だけを書きます。「こういう会社で、こういう型に変えたら、こう変わった」ではなく、「こういう型が有効な場面は、こういう状況」と書けば、支援先を出さずに経験が見えます。
発信を始めてどのくらいで案件が来ますか
決まった期間はありません。数か月続けて一件も来ないことは珍しくなく、来る場合も、続けた期間より、範囲が絞れているか、案内が置かれているかで決まります。発信だけを案件の経路にすると、来ない期間の焦りで発信の内容が崩れます。登録先や紹介の経路と並行し、発信は長い経路として続ける形が、無理がありません。反応の数ではなく、連絡が来るか、来た連絡の範囲が合っているかを見てください。