採用代行 / 北海道

北海道の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

北海道で採用代行を検討するとき、「道内は人が採りにくい」という一般論から入ると、打ち手が定まりません。この記事では、自社がどの産業に属し、どの安定所の管轄に拠点があるかという二つの座標で、自社の市場を特定する手順を整理します。北海道労働局が公表している令和8年7月分では、新規求人(常用・原数値)27,909人のうち医療・福祉が9,319人で、全体の3分の1を占めます。一方で情報通信業は417人しかなく、同じ道内でも競合の濃さがまるで違います。産業と所の二つを決めてから相談を始めるだけで、議論の中身が具体的になります。以下は2026年9月24日時点で北海道労働局が公表している令和8年7月内容の数値に基づきます。

新規求人の3分の1を医療・福祉が占める道内の構図

主な産業別の新規求人数を並べます。医療・福祉は2位のサービス業の2.6倍、情報通信業の22倍です。

産業令和8年7月前年同月比増減
医療、福祉9,319人10.7%増901人増
サービス業(他に分類されないもの)3,524人2.6%減93人減
建設業3,224人8.1%減283人減
卸売業、小売業2,969人4.6%減144人減
製造業1,723人4.5%減82人減
運輸業、郵便業1,699人0.4%増7人増
宿泊業、飲食サービス業1,437人25.7%減498人減
情報通信業417人0.5%増2人増

資料には継続の月数も添えられています。医療・福祉は3か月ぶりに前年同月を上回り、製造業と卸売業・小売業は7か月連続で前年同月を下回りました。建設業は2か月ぶりの減少、運輸業・郵便業は2か月連続の増加、情報通信業は3か月ぶりの増加です。前月の実数も併記されており、医療・福祉は6月の8,358人から増え、建設業は6月の3,578人から減っています。前年比と前月の動きが同じ方向かを、その場で確かめられる書き方です。

自社の産業によって、読み方は大きく変わります。医療・福祉で採用するなら、道内の新規求人の3分の1と同じ求職者を取り合うことになり、しかも求人は増えています。製造業や卸売業・小売業は求人が減り続けているので、相対的には目立ちやすい位置です。情報通信業は月の新規求人が417人で、道内の経験者だけを前提にすると母集団が限られるため、転居や在宅勤務を含めた設計が必要になります。

宿泊・飲食の25.7%減は、他産業への人の流れになり得る

前年同月比で最も大きく動いたのは、宿泊業・飲食サービス業の25.7%減で、人数では498人の減少です。この数字は、立場によって意味が変わります。宿泊・飲食で採用する企業にとっては、競合の出稿が大きく減っているということです。前年の水準からの反動を含む可能性もあるので、翌月以降も続くかを見ておく必要があります。

実務で使いやすいのは、同じ求職者を狙う他産業の立場です。宿泊・飲食の求人が減れば、接客や調理の経験を持つ求職者が他の産業の求人を見る機会が増えます。小売、介護の周辺業務、観光に関わるサービス業などで、接客経験を歓迎する求人を出している企業は、この層に届く求人票になっているかを見直す価値があります。求人票に「未経験歓迎」とだけ書くより、接客の経験がどう活きるかを具体的に書くほうが、この層には伝わります。

0.98倍と「求職者が12,363人多い」は同じ月の数字

道全体の数字は、二つの系列で見え方が変わります。同じ令和8年7月分を並べます。

項目就業地別・季節調整値常用・原数値
月間有効求人数88,650人(前月比0.2%増、2か月連続の増加)74,591人(前年同月比5.8%減、3か月連続の減少)
月間有効求職者数90,594人(前月比0.3%減、2か月ぶりの減少)86,954人(前年同月比2.3%増、1か月連続の増加)
新規求人数31,684人(前月比2.2%増、2か月連続の増加)27,909人(前年同月比0.4%減、3か月連続の減少)
新規求職申込件数18,462人(前月比2.7%増、2か月ぶりの増加)15,330人(前年同月比3.1%増、2か月連続の増加)
有効求人倍率0.98倍(前月0.97倍から0.01ポイント上昇)—

季節調整値では有効求人倍率0.98倍でほぼ均衡し、前月と比べれば求人が増えて求職者が減っています。常用・原数値では求職者が求人を12,363人上回り、前年と比べれば求人が減って求職者が増えています。前月比では改善、前年比では悪化という見え方で、どちらも正しく、集計の範囲と系列が違うだけです。常用はパートを含む常用計で、臨時・季節は含みません。資料の注記には、就業地別は実際に就業する都道府県ごとに求人を集計した値、受理地別は都道府県のハローワークが受理した求人を集計した値で、求人数と求人倍率は記載がない限り受理地別であることが明記されています。

道内の雇用情勢について、労働局は「求職に対し求人の動きに弱さがみられる」と判断し、「引き続き、物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要がある」としています。採用する側から見れば、応募は集まり得る環境で、論点は量より選別と決定の工程に移っています。報告を受けるときは、どちらの系列の数字かを毎回明示してもらうことが前提になります。

エラベルの見解

公開されている道の倍率は、自社の採用の難しさをそのまま示す数字ではありません。新規求人の3分の1が医療・福祉に集まる構図では、道の平均は医療・福祉の動きに強く引っ張られます。医療・福祉以外の企業にとって、道の倍率は他産業の事情が混ざった数字です。私たちが相談を受けるときも、最初に聞くのは産業と拠点の二つです。医療・福祉なら条件と選考の速さ、情報通信なら母集団をどこまで広げるか、宿泊・飲食から人が流れてくる産業なら求人票の書き方と、論点がまるで変わるからです。道の数字は背景として押さえ、判断は自社の産業の行で行う。この順番を守るだけで、提案を読む目が変わります。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめています。

22の安定所のどこに拠点があるかで前年差が4倍違う

北海道労働局は、安定所別の求人・求職の状況と、安定所別月間有効求人倍率(常用)の推移を公表しています。道内の安定所は札幌、札幌東、札幌北、函館、旭川、帯広、北見、紋別、小樽、滝川、釧路、室蘭、岩見沢、稚内、岩内、留萌、名寄、浦河、網走、苫小牧、根室、千歳の22か所です。

安定所有効求人倍率の前年差道計との比較
網走0.28ポイント低下道計の4倍の幅
小樽0.22ポイント低下道計より大きく低下
稚内0.17ポイント低下道計より大きく低下
釧路・浦河0.15ポイント低下道計より大きく低下
室蘭0.12ポイント低下道計より大きく低下
札幌北0.11ポイント低下道計より大きく低下
苫小牧0.10ポイント低下道計に近い
札幌0.08ポイント低下道計に近い
計0.07ポイント低下—

令和8年7月の前年差は、資料に並ぶ多くの所で低下しています。道全体の0.07ポイント低下に対して、網走は0.28ポイント下がりました。拠点の所によって、競合の減り方がこれだけ違うということです。安定所別の推移は平成26年度から続く長期の時系列で公開されているので、全国・全道と並べて拠点の所の水準を長く確かめることもできます。面積の広い地域では、所を特定しない議論は成り立ちにくいと考えてください。

産業と所を渡してから代行の見積もりを取る

代行会社に相談するときは、産業と所の二つを最初に渡します。そのうえで、条件の水準を確かめる資料も指定しておくと、提案が具体的になります。北海道労働局は職種別の求人賃金と求職者の希望賃金をまとめた「職種別、求人求職賃金状況」と、「中途採用時の賃金」を別に公開しています。レイバーレターには、新規求職の態様別、年齢別(男女別構成比つき)、雇用保険被保険者数の推移、正社員の有効求人倍率の推移(北海道と全国)も収められています。

自社の数字で見積もりを立てるなら、まず自社の産業の新規求人数と、拠点の所の倍率と前年差を確認します。次に、月に採りたい人数に、過去の応募から入社までの割合の逆数を掛けて、必要な応募数を出します。情報通信業のように道内の求人が少ない産業では、その応募数を道内だけで集められるかを考え、足りなければ道外からの転居や在宅勤務を含めた場合の母集団で試算し直します。代行の見積もりは、この応募数を集めるための作業量として読み直すと比べやすくなります。

商談では、自社の産業の求人数を出せるか、医療・福祉の比重に触れるか、拠点の所の数字を使えるか、季節調整値と原数値、就業地別と受理地別を区別するか、職種別の賃金情報を使えるかを確かめてください。「北海道は人が採りづらい」という一般論で終わる提案は、産業と所の違いを見ていません。労働条件の見直しや助成金の適用が関わる点について、個別の判断は専門家にご確認ください。

エラベルの見解

担当する側から見ると、北海道の案件は産業と所によって難しさの種類が違います。医療・福祉の都市部の案件は、競合の多い中で返信と日程調整の速さを競う仕事です。情報通信業の案件は、道外に住む経験者にどう届けるかを考える仕事です。網走のように前年差の大きい所では、競合が減った分をどう取りにいくかが問われます。同じ料金でも、担当者がどの種類の難しさに慣れているかで成果が分かれます。依頼先を選ぶときは、会社の対応エリアより、担当予定者が過去にどの産業のどんな地域の案件を持ったかを聞いてください。近隣県の状況は青森県の採用代行にもまとめました。なお雇用情勢の数値は毎月更新されるため、最新の数値は北海道労働局の統計情報をご確認ください。

まとめ

よくある質問

Q. 北海道の有効求人倍率は、どの数字を見ればよいですか

前月からの動きを見るなら季節調整値、前年との比較なら原数値というように、目的で使い分けます。報告を受けるときは、どの系列の数字かを毎回明示してもらうと、月ごとの比較がずれません。

Q. 情報通信業の採用は、道内だけで考えてよいですか

令和8年7月の情報通信業の新規求人は417人で、道内の経験者だけでは母集団が限られます。転居や在宅勤務を含めた場合の母集団も試算し、どちらで進めるかを決めてから依頼すると、提案が具体的になります。

Q. 拠点の安定所の数字はどこで確認できますか

北海道労働局が安定所別の求人・求職の状況と、安定所別月間有効求人倍率(常用)の推移を公表しています。推移は平成26年度からの時系列で見られるので、拠点の所の水準を長期で確かめられます。

出典