採用代行 / 群馬県
群馬県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
中途採用の母集団は、誰かが会社を辞めることで生まれます。その前提から見ると、群馬県の令和8年7月分の数字は独特です。新規求人数は11,968人で6.6%増えた一方、新規求職者のうち事業主都合による離職者は前年同月比30.8%減、雇用保険の初回受給者数は38.6%減でした。求人は増え、辞める人は減り、その結果として就職件数は1,401件で3.6%減っています。この記事では、母集団が薄くなる県で、代行に頼む打ち手をどの順番で並べるかを整理します。以下は2026年9月24日時点で群馬労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
求人は増え、辞める人は減った令和8年7月
令和8年7月分の原数値を、前年同月と並べます。六つの項目のうち、増えているのは新規求人数だけです。残りの五つは、求職者の側も決まった数も減っています。
| 項目 | 令和8年7月 | 前年同月 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 新規求人数 | 11,968人 | 11,231人 | 6.6%増 |
| 月間有効求人数 | 32,576人 | 32,731人 | 0.5%減 |
| 新規求職者数 | 5,554人 | 5,854人 | 5.1%減 |
| 月間有効求職者数 | 26,422人 | 27,174人 | 2.8%減 |
| 就職件数(全数) | 1,401件 | 1,453件 | 3.6%減 |
| 充足数 | 1,356人 | 1,381人 | 1.8%減 |
季節調整値では、有効求人倍率が1.30倍で前月より0.02ポイント上昇し、新規求人倍率は2.13倍で0.09ポイント低下しました。有効求人倍率1.30倍は全国14位にあたる水準で、全国平均の1.18倍を上回っています。資料には、有効求人倍率は月間有効求職者数の減少(前月比0.1%減)と月間有効求人数の増加(前月比1.4%増)によって上昇し、新規求人倍率は新規求職者数の増加と新規求人数の減少(前月比2.1%減)によって低下したと書かれています。
前年同月と比べた構図は単純です。競合の出稿が増え、新しく動く人が減り、決まった数が減りました。求人が増えて求職者が減れば、取り合いになります。就職件数の3.6%減は、その結果と読めます。
雇用保険の四つの数字が、同じ方向を指している
母集団が薄くなっているかどうかは、一か月の求職者数だけでは判断しにくいものです。群馬労働局の労働市場月報には雇用保険の指標が並んでいて、これを合わせて読むと、離職そのものが減っているかどうかを確かめられます。求職者数の減少が一か月の振れなのか、離職の減少に裏付けられたものなのかを見分けるためです。
| 指標 | 令和8年7月 | 前年同月比 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 受給資格決定件数 | 1,411件 | 23.7%減 | 新たに失業給付の対象になる人が減っている |
| 初回受給者数 | 1,484人 | 38.6%減 | 実際に受け始める人はさらに大きく減っている |
| 受給者実人員 | 7,049人 | 5.3%減 | 受給中の人の総数も減っている |
| 資格取得者数/資格喪失者数 | 9,404人/8,390人 | — | 取得が喪失を1,014人上回り、雇用されている人が増えている |
受給資格決定件数は速報値のため修正があり得る旨が注記されています。それでも四つの指標は同じ方向を指していて、県内では離職が減り、雇用が増えています。県の経済としては良い状態です。
中途採用の側から見ると、意味は逆になります。離職が減れば求職に出る人が減り、雇用が増えれば在職者は動きにくくなり、求人が増えれば競合が増えます。良い雇用情勢と、採りやすい採用環境は別のものです。この前提を代行会社と共有しないまま「応募を増やしてください」と頼むと、母数がないところから数を求めることになります。
求職に出る理由の内訳で、接触の仕方を変える
同じ「求職者」でも、なぜ求職に出たかで打ち手が変わります。新規求職者(常用・パートを除く)の内訳を前年同月比で見ると、在職者は7.0%減、離職者は17.1%減、うち事業主都合は30.8%減、うち自己都合は11.1%減で、すべての区分で減っています。減り方が最も大きいのが事業主都合の離職者です。
事業主都合の離職は、企業側の都合で人がまとまって市場に出る経路です。それが3割減っているということは、県内で人員の整理が起きていないということになります。早く決めたい層、即戦力を含む層が細っているので、スピードで押す設計より、条件と接触の質で選ばれる設計のほうが合います。
| 優先度 | 工程 | この県で優先する理由 |
|---|---|---|
| 高 | 在職者に届く接触の設計(面談の時間帯、連絡の手段と速さ) | 残っている母集団の中心は在職中の求職者 |
| 高 | 条件の水準 | 比較する時間のある層が中心なので、比べられる前提で決める |
| 中 | 内定から入社までの期間の見込み | 在職者は退職交渉の期間が要る |
| 中 | 未経験者や異業種からの受け入れ | 経験者だけでは母集団が足りない |
| 低 | 応募数を増やすための追加出稿 | 母数が減っている局面では伸びしろが小さい |
代行会社の提案がこの表の下の段から始まっているなら、群馬県の今の数字とは順番が逆です。在職者が7.0%減とはいえ、面談を平日の夜や土曜に設定できるか、連絡にすぐ応じられるかは、そのまま結果に効きます。この工程を代行に出すなら、候補者への一次連絡を何時間以内に返すかまで契約で決めておくと、社内の対応とのずれが起きにくくなります。
エラベルの見解
事業主都合の離職者が30.8%減という数字は、採用の相談ではまず出てきません。求職者の総数や倍率は見ても、その人たちがなぜ求職に出たかまでは見ないからです。ところがこの内訳は、母集団の性格を決めます。事業主都合で離職した人は次を早く決めたい。自己都合や在職中の人は、条件を比べる時間があります。同じ「求職者100人」でも、内訳が違えば打ち手が変わります。担当する側から見ると、在職者が中心の母集団では、夜や週末の面談調整、連絡の早さといった地味な工程が成果を分けます。同じ料金でも、ここに時間を割ける担当者かどうかで結果が変わるので、担当者を選ぶときは稼働できる曜日と時間帯を確かめてください。母集団の層ごとの設計は滋賀県の採用代行でも扱いました。
産業の中分類まで降りると、競合の量が別物になる
令和8年7月分の新規求人数を産業別に見ると、医療・福祉が3,477人(10.7%増)で最大、サービス業が1,497人(26.2%増)、宿泊業・飲食業が539人(82.1%増)と突出して伸びています。宿泊業・飲食業の伸びには、前年の落ち込みからの反動を含む可能性があります。一方で情報通信業は月に73人(11.0%減)にとどまりました。製造業は1,827人で1.5%減ですが、この「1.5%減」は、中分類まで降りるとまったく別の姿になります。
| 製造業の業種 | 前年同月比 | 自社がこの業種なら |
|---|---|---|
| 業務用機械器具製造業 | 43.6%増 | 同業の求人が大きく増えている。条件の比較に備える |
| プラスチック製品 | 43.0%増 | 同上 |
| 輸送用機械器具 | 31.9%増 | 同上 |
| 食料品 | 8.4%減 | 競合の出稿はやや控えめ |
| 金属製品 | 13.9%減 | 同上 |
| 電気機械器具 | 18.1%減 | 同上 |
| はん用機械器具 | 42.0%減 | 競合の出稿が大きく減っている |
| 生産用機械器具製造業 | 60.9%減 | 同上 |
内訳は60.9%減から43.6%増まで開いています。「製造業は横ばい」という説明は、生産用機械器具製造業の企業にとっても、業務用機械器具製造業の企業にとっても、自社の話ではありません。情報通信業で採用する場合は、月73人という求人規模から見て求職者側の層も薄いことが示唆されるので、県内の経験者だけを前提にせず、県外からの転居や在宅勤務を含めた設計が要ります。
自社の苦戦が市場のせいかを確かめてから、依頼の範囲を決める
群馬労働局の月報には、産業別・規模別一般新規求人状況と産業別・規模別一般充足状況も収められています。後者を使うと、同じ産業・同じ規模帯の企業が求人を埋められているかが分かるので、自社の苦戦が自社固有のものかどうかを判断できます。同じ産業・同じ規模で充足が進んでいないなら市場の側の話で、進んでいるのに自社だけ埋まらないなら、条件や選考の工程に原因がある可能性が高くなります。
この切り分けの結果で、代行に頼む範囲が変わります。市場の側の話なら、在職者への接触や未経験者の受け入れといった母集団の組み立て直しが中心です。自社固有の話なら、求人票と選考の工程の見直しが先になります。高年齢者(55歳以上)の職業紹介状況と中高年齢者等の職業紹介等状況(パートを除く)も月報にあるので、年齢で母集団を広げる余地もここで測れます。
契約前には、募集する産業と中分類、狙う層を在職者中心とするかどうか、内定から入社までの想定期間、未経験者や異業種からの受け入れの可否、県外からの転居や在宅勤務を含めるかを決めます。必要な接触数は「採用したい人数 ÷ 自社の接触から採用までの割合」で見積もり、在職者中心の母集団で返信が遅くなる分を期間に上乗せしておきます。参照する資料は労働市場月報と労働市場速報です。労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴うため、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
群馬県の令和8年7月分は、数字の向きがそろった月でした。この局面で発注側が最初に頼みたくなるのは、媒体を増やして応募を積み上げることです。外に出してよいのは、在職者への連絡や日程調整、求人票の手直しといった、手数のかかる工程までだと考えています。未経験者を受け入れるか、県外からの転居や在宅勤務を認めるかという線は、社内で決めてから渡してください。ここを代行会社に委ねると、応募は来ても受け入れられない候補者が増え、選考の手間だけがかさみます。情報通信業の新規求人が月73人という数字を見れば、県内で完結しない設計が要る職種があることも分かります。資料を開けば、打ち手の候補は絞れます。近隣県の状況は埼玉県の採用代行、長野県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 群馬県の令和8年7月分は、新規求人が6.6%増える一方、求職者・離職者・雇用保険の受給がそろって減り、就職件数は3.6%減
- 雇用保険の四つの指標が同じ方向を指しており、良い雇用情勢と採りやすい採用環境は別のものと考える
- 事業主都合の離職者が30.8%減。在職者への接触と条件の水準を優先し、追加出稿は後回しにする
- 製造業は中分類で60.9%減から43.6%増まで開く。情報通信業は月73人で、県外や在宅を含めた設計が要る
- 産業別・規模別の充足状況で、苦戦が市場のせいか自社固有かを切り分けてから依頼範囲を決める
よくある質問
Q. 群馬県は求人倍率が高いのに、なぜ応募が集まらないのですか
令和8年7月分では、求人が増える一方で新規求職者が5.1%減り、事業主都合の離職者は30.8%減っています。求職に出る人そのものが減っているため、求人を増やしても応募は伸びにくい局面です。在職者に届く接触の設計を先に見直してください。
Q. 製造業の採用環境はどう見ればよいですか
製造業全体の1.5%減ではなく、自社の中分類の数字を見ます。令和8年7月分では、業務用機械器具製造業が43.6%増、生産用機械器具製造業が60.9%減と大きく開いているため、中分類によって競合の量がまったく違います。
Q. 代行会社に最初に頼むべきことは何ですか
在職者に届く接触の設計と、候補者への連絡の速さです。母数が減っている局面で応募数を増やす出稿から始めると、費用のわりに効果が出にくくなります。未経験者の受け入れや県外からの採用の可否は、依頼の前に社内で決めておきます。
※雇用情勢の数値は毎月更新されます。掲載した内容は2026年9月24日時点で群馬労働局が公表している令和8年7月分の数値であり、最新の数値は同局の統計情報をご確認ください。