採用代行 / 和歌山県
和歌山県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
和歌山県で採用代行から毎月の報告を受ける企業に向けて、この記事では、県の統計をどこまで判断に使ってよいかを、労働局自身が書いた注意書きから組み立てます。和歌山労働局の令和8年7月分の資料には、冒頭に【ご留意ください】として、産業別や安定所別の求人数とその増減は「総体的に数が少ないため、特定企業の求人の動向により大きく変動する場合があります」と明記されています。統計を出す側が、細かく分けた数字の扱いに注意を促しているわけです。この留意点をそのまま報告のルールに置き換えると、数字に振り回されない依頼の形ができます。以下は2026年9月24日時点で和歌山労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
資料の1ページ目にある二つの【ご留意ください】
資料冒頭の留意点は二つあります。一つ目は「原数値については、季節調整は行われていないため、前月との比較はできません」というものです。統計の基本ですが、実務ではしばしば見落とされます。原数値で「先月より増えた」と報告されても、季節の影響が除かれていないので、その増減に意味があるとは言えません。
二つ目が、この県に固有の注意です。産業別と安定所別の数字は母数が小さいため、一社が大量に求人を出したり取り下げたりするだけで、大きく動きます。増減率だけを見て「この産業は伸びている」と判断すると、実態から離れることがあります。
この二つは、資料の1ページ目に書かれています。代行会社の提案や報告がこの留意点に沿っているかは、読めばすぐに分かります。留意点に触れずに産業別の増減率を並べる提案は、資料を冒頭から読んでいない可能性がある、という見方ができます。
前月と比べる数字、前年と比べる数字を分けて読む
留意点を踏まえて、県全体の数値を確認します。季節調整値は前月との比較に、原数値は前年同月との比較に使います。同じ項目でも、使う系列で見え方が変わります。
| 項目 | 季節調整値 | 前月比 | 原数値 | 前年同月比 |
|---|---|---|---|---|
| 有効求人 | 14,350人 | 0.2%増(6か月ぶり増) | 14,066人 | 10.2%減(14か月連続減) |
| 新規求人 | 5,204人 | 3.9%増(2か月ぶり増) | 5,309人 | 8.2%減(10か月連続減) |
| 有効求職者 | 15,322人 | 0.7%増(3か月連続増) | 15,445人 | 5.0%増(12か月連続増) |
| 新規求職者 | 3,120人 | 0.6%増(5か月連続増) | 3,050人 | 4.5%増(2か月連続増) |
原数値で見ると、有効求人14,066人に対して有効求職者15,445人で、求職者のほうが多い状態です。求人は14か月連続で減り、求職者は12か月連続で増えています。1年以上、同じ方向に動いてきたということです。一方で季節調整値では、有効求人が6か月ぶりに増えました。直近では底を打った可能性もある、という読み方ができます。
この二つの見え方は矛盾していません。前年と比べれば求人はまだ少なく、前月と比べればわずかに戻り始めている、という状態です。報告を受けるときに、どちらの比較なのかが書かれていないと、同じ月の数字から逆の結論が出てしまいます。
正社員0.85倍と離職者の増加から、選考の速さを決める
和歌山県で押さえておきたいのは、正社員の有効求人倍率(原数値)が0.85倍で、1倍を下回っていることです。正社員の求人に対して、求職者のほうが多い状態です。雇用形態別と、求職者の態様別の数字もあわせて並べます。
| 区分 | 令和8年7月 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 正社員の有効求人倍率(原数値) | 0.85倍 | — |
| 正社員の有効求人 | 6,932人 | 4.4%減 |
| パートタイムを除く新規求人 | 3,019人 | 1.7%減 |
| パートタイムの新規求人 | 2,290人 | 15.6%減 |
| 新規求職者のうち在職者 | 692人 | 1.7%減 |
| 新規求職者のうち離職者 | 2,012人 | 7.4%増 |
パート求人の減り方が大きく、パートタイムを除く求人は1.7%減にとどまります。正社員でもパートでも、競合の求人は減っており、募集が集まりにくい環境ではありません。求職者の側では、在職者が減り、離職者が増えています。
離職者が中心の母集団は、入社時期の調整がしやすく、選考の速さが効きます。応募から内定までを短くし、入社日の候補を早めに示せる企業のほうが選ばれやすくなります。ただし、求人が14か月連続で減るなかで離職者が増えているので、再就職の難しさを抱えた人も含まれている可能性があります。面接では、前職を離れた経緯を責めるような聞き方を避け、仕事の中身と条件を具体的に説明するほうが、この層には伝わります。
エラベルの見解
公開されている増減率は、母数が分からないまま読むと判断を誤ります。和歌山県の令和8年7月分では、農林漁業の新規求人が60.5%減、サービス業が28.9%減、宿泊業・飲食サービス業が26.4%減と、大きく振れています。率だけを見れば産業全体が縮んでいるように見えますが、農林漁業の60.5%減は112人減という絶対数です。労働局が留意点で書いているとおり、数十人から百人程度の動きは、一社の求人で説明がつきます。小さな数字は方向だけを読み、水準の判断には使わない。代行会社の報告で率が大きく動いたときは、絶対数と前月以前の動きを毎回添えてもらうようにしてください。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめています。
産業別の増減は、率より絶対数と複数月で読む
留意点を踏まえたうえで、令和8年7月分の新規求人(原数値)の前年同月差を産業別に見ます。
| 産業 | 前年同月差 | 増減率 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| E製造業 | 84人増 | 12.9% | 数十人規模の増加。一社の動きの可能性もある |
| D建設業 | 38人増 | 10.1% | 率に比べて絶対数は小さい |
| Rサービス業 | 194人減 | 28.9%減 | 百人を超える減少。翌月以降も続くかを見る |
| M宿泊業、飲食サービス業 | 119人減 | 26.4%減 | 百人規模の減少 |
| AB農、林、漁業 | 112人減 | 60.5%減 | 率は大きいが、母数が小さい |
| P医療・福祉 | 97人減 | 5.9%減 | 率は小さいが、絶対数は他と同程度 |
増えているのは製造業と建設業の二つです。ただし製造業が84人増、建設業が38人増で、いずれも資料の留意点のとおり、一社の動向で説明がつく規模です。医療・福祉は5.9%減と率は小さく見えますが、減った人数は97人で、率の大きい産業と同じくらいです。
率に驚くより、絶対数を確かめるほうが実態に近づきます。そのうえで、同じ産業の増減を数か月並べ、方向が続いているかを確認します。続いていれば傾向、単月だけなら一社の動きの可能性が高いと判断できます。
留意点をそのまま報告のルールにする
代行会社と契約するときは、数字の扱いを報告のルールとして書いておきます。季節調整値と原数値を区別すること、原数値では前月比を使わないこと、産業別の数字は複数月を並べた形で出すこと、増減率には絶対数を添えること。これは和歌山労働局の留意点をそのまま運用に置き換えたものです。
自社の数字で見積もりを立てるには、自社の産業の新規求人の絶対数を、少なくとも数か月分並べて確かめます。そのうえで、月に採りたい人数に、過去の応募から入社までの割合の逆数を掛けて必要な応募数を出します。離職者が増えている局面なので、応募から入社までの目標日数も決めておき、代行に頼む工程を日程調整と連絡の速さに寄せると、作業量と費用の見当がつきます。
商談では、資料の留意点に触れるか、季節調整値と原数値を区別するか、産業別の増減率をそのまま結論にしないか、正社員の倍率が1倍を割っていることに触れるか、離職者の増加を把握しているかを確かめてください。労働条件や助成金の適用が関わる点について、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
同じ料金・同じ業務範囲でも、担当者によって毎月の報告の信頼度が変わります。和歌山県のように母数の小さい県では、「応募が大幅に増えました」「競合の求人が急減しています」といった大きな率が、報告の中で目立ちやすくなります。数字の扱いに慣れた担当者は、率を出すときに絶対数と比較の相手を添え、単月の振れと傾向を分けて書きます。そうでない担当者の報告は、読むたびに判断が揺れます。報告の見本を一枚見せてもらうのが、担当者を選ぶときにいちばん早い確認です。近隣県の状況は奈良県の採用代行、兵庫県の採用代行にもまとめました。なお雇用情勢の数値は毎月更新されるため、最新の数値は和歌山労働局の統計情報をご確認ください。
まとめ
- 和歌山労働局は、原数値で前月と比べないこと、産業別・安定所別の数字は一社の動きで大きく変わることを資料の冒頭で注意している
- 季節調整値は前月比、原数値は前年同月比に使い、報告ではどちらの比較かを明示してもらう
- 正社員の有効求人倍率は0.85倍で1倍を割り、離職者が増えているため、選考の速さが効く
- 産業別の増減は率ではなく絶対数と複数月で読み、方向だけを判断に使う
- 留意点を報告のルールに置き換え、契約前に決めておく
よくある質問
Q. 原数値で前月と比べてはいけないのはなぜですか
原数値には季節の影響が含まれているためです。和歌山労働局も資料の冒頭で「前月との比較はできません」と明記しています。前月との比較には季節調整値を、原数値は前年同月との比較に使ってください。
Q. 自社の産業の求人が大きく減っている場合、採用しやすくなったと考えてよいですか
率だけで判断するのは避けたほうが安全です。母数が小さい産業では、一社の動きで率が大きく動きます。絶対数を確かめ、同じ方向の動きが数か月続いているかを見てから判断してください。
Q. 和歌山県で正社員を募集する場合、何を優先すればよいですか
正社員の有効求人倍率は0.85倍で、求職者のほうが多い状態です。離職者が増えているので、応募から内定、入社までを早く進める設計を優先すると、候補者に選ばれやすくなります。