採用代行 / 愛媛県
愛媛県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
採用の難しさは、県全体ではなく職種ごとに決まります。愛媛労働局は「職業別常用新規求人・求職の状況」を毎月公開しており、職種のレベルまで新規求人倍率が並んでいます。この記事では、募集する職種の数字を出発点にして、職種ごとに採用代行へ頼む工程を変えるという組み立て方を軸に整理します。県の代表値で一律に依頼するより、同じ予算で手を入れる場所がはっきりします。以下は2026年9月24日時点で愛媛労働局が公開している資料の構成に基づくもので、数値は毎月更新されるため、実際の値は同局の資料でご確認ください。
県の倍率ではなく、募集職種の行を探す
最初にやることは、自社が募集している職種が資料のどの行に当たるかを特定することです。この資料は職業の大分類だけでなく、その下の職種のレベルまで行が分かれています。求人票の職種名と資料の分類名は一致しないことが多いので、仕事の中身から当てはめます。掲載されている区分を、大分類ごとに確認しておきます。
| 大分類 | 掲載されている職種の例 |
|---|---|
| 専門的・技術的職業従事者 | 保健師・助産師・看護師、建築・土木・測量技術者、情報処理・通信技術者、医療技術者、社会福祉専門的職業従事者、製造技術者(開発を除く) |
| 事務従事者 | 一般事務従事者、会計事務従事者、営業・販売事務従事者 |
| 販売従事者 | 商品販売従事者、営業職業従事者 |
| サービス職業従事者 | 介護サービス職業従事者、保健医療サービス職業従事者、生活衛生サービス職業従事者、飲食物調理従事者、接客・給仕職業従事者、居住施設・ビル等管理人 |
| 生産工程従事者 | 製品製造・加工処理従事者(金属製品/金属製品を除く)、機械組立従事者、機械整備・修理従事者 |
| 輸送・機械運転従事者 | 自動車運転従事者、定置・建設機械運転従事者 |
| 建設・採掘従事者 | 建設躯体工事従事者、建設従事者、電気工事従事者、土木作業従事者 |
| 運搬・清掃・包装等従事者 | 運搬従事者、清掃従事者、その他の運搬・清掃・包装等従事者 |
このほか、管理的職業従事者、保安職業従事者、農林漁業従事者も個別に並びます。資料の注記には「学卒及びパートタイムを除く」「職業分類は平成21年12月改定の『日本標準職業分類』によるもの」とあり、常用フルタイムの数字だと分かります。パートの採用を考えるなら、別に公開されている「職業別常用パートタイム新規求人・求職の状況」を見ます。フルタイムとパートで同じ職種を別々に見られるので、雇用形態を変えたときの見え方も確認できます。
行が決まったら、その行を代行会社と共有します。「一般事務の募集です」ではなく「資料の一般事務従事者の行を見てください」と伝えるだけで、話の前提がそろいます。
IT関連と福祉関連は、合計と内訳を両方見る
この資料には、職業分類の大分類とは別に「IT関連職業合計」と「福祉関連職業合計」という集約項目があります。IT関連は情報処理・通信技術者などが中心ですが、分類上は専門的・技術的職業のあちこちに散らばります。福祉関連も、介護サービス、社会福祉専門的職業、保健医療サービスなどに分かれます。分類上ばらばらになる領域をわざわざ合計しているのは、この二つを一括で把握したい需要があるからだと読めます。
自社がどちらかの領域で採用するなら、合計の倍率を出発点にし、そのうえで自社が募集する個別の職種の行を見ます。合計と個別で差があれば、領域の中で難しさに偏りがあるということです。福祉関連全体の倍率が高くても、介護サービスと社会福祉専門職では状況が違う可能性があります。合計だけで判断すると、募集職種の実態からずれることがあります。
倍率を読む前に、求人数と求職者数を確かめる
この資料では、求人数と求職者数が倍率と同じ表に並びます。倍率だけでなく、分母と分子の大きさまで見えるということです。職種を細かく分けるほど一つの行の母数は小さくなり、数件の求人の出入りで倍率が大きく振れます。同じ倍率でも、母数が小さい行と大きい行では意味が違います。
確認の手順は次のとおりです。まず募集職種の倍率を見て、次にその行の求人数と求職者数の絶対値を見ます。母数が小さい場合は、資料に載っている前年同月から当月までの月次の推移で振れ幅を確かめます。母数が大きい場合は、直近の倍率を傾向として扱ってかまいません。月次の推移が12か月分並んでいるので、単月の数字が異常値かどうかをその場で判断できます。
求職者数の絶対値は、母集団の見込みを立てるときにも使えます。その行の求職者のうち、自社の勤務地や条件に合いそうな人がどれくらいいるかを代行会社と話すとき、倍率だけより具体的な会話になります。
エラベルの見解
県全体の有効求人倍率が同じでも、看護師の行と一般事務の行では状況がまったく違います。前者なら母集団の確保が課題で、後者なら応募者の選別が課題です。打ち手が逆なのに、県の代表値で話すとこの違いが消えてしまいます。同じ料金・同じ業務範囲でも結果が分かれるのは、担当者が職種の行まで下りて話せるかどうかです。エラベルでは担当者の経歴を見てから選べるので、面談では「この職種の行の求職者数を見て、母集団をどう見込みますか」と聞いてみてください。倍率と母数を分けて答える担当者は、提案の中で職種ごとに工程を変えてきます。県平均の一般論が返ってくるなら、その時点で見送る判断ができます。地方企業の採用の考え方は地方企業の採用にもまとめています。
倍率の高い職種と低い職種で、頼む工程を入れ替える
職種ごとの数字が出たら、依頼する工程を職種ごとに変えます。一社の中で複数の職種を募集していると、全職種に同じ依頼範囲を当てはめがちですが、倍率の高い職種と低い職種では手をかけるべき工程が違います。愛媛の資料は職種の行まで出ているので、この切り分けを数字で説明できます。
| 募集職種の状態 | 代行に工数を寄せる工程 | 社内に残す判断 |
|---|---|---|
| 倍率が高く、求職者の母数が小さい | 母集団の確保、求人票と条件の見直し、媒体の追加 | 条件をどこまで動かせるか |
| 倍率が低く、求職者の母数が大きい | 書類選考の基準づくり、一次対応、日程調整 | 最終的な見極めの基準 |
| IT関連・福祉関連で、合計と個別に差がある | 個別職種の行に合わせた訴求の作り分け | 領域内のどの職種を優先するか |
| パートを併用する | フルタイムとは別の資料での母集団の見立て | 雇用形態を切り替えるかどうか |
表の一行目と二行目は、頼む工程がほぼ正反対になっています。倍率が高い職種で書類選考の代行に予算を使っても応募が来なければ意味がなく、倍率が低い職種で母集団づくりに予算を使っても選別の手が足りなくなります。同じ社内でも、職種によって依頼範囲が違ってよいと考えると、見積もりの組み方も変わります。
見積もりは職種ごとに分けて取ります。職種ごとに「月の必要採用数 ÷ 応募から採用までの歩留まり」で必要な応募数を出し、倍率の高い職種は母集団づくりの工数、低い職種は選考の工数として代行会社に見積もってもらいます。歩留まりは自社の過去の実績から出し、無ければ代行会社に同じ職種での実績の幅を聞きます。
競合は、産業の中分類と事業所規模で絞る
職種の数字が候補者側の難しさを示すのに対し、求人側の競合の動きは「主要産業別新規求人の動向」で見ます。この資料には産業の中分類が並び、製造業なら食料品製造業、繊維工業、パルプ・紙・紙加工製造業、金属製品製造業、はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業といった区分があります。医療、福祉は医療業と社会保険・社会福祉・介護事業に、宿泊業、飲食サービス業は宿泊業と飲食サービス業に分かれます。サービス業の中に職業紹介・労働派遣業が独立して載っている点も、人の動きを読む材料になります。
同じ資料には事業所規模別の区分もあり、29人以下、30〜99人、100〜299人、300〜499人、500〜999人、1,000人以上に分かれます。一般(学卒を除き、パートを含む)とパートタイムの区分もあります。産業の中分類、事業所規模、雇用形態の三つで絞った数字が、自社と候補者を取り合う相手の動きに最も近いものです。
月次で見る資料は、目的ごとに分けておくと運用が楽になります。愛媛労働局は職業別・産業別・月報と複数の資料を毎月公開しているので、全部を毎月読む必要はありません。誰がどの資料を報告に添えるかまで決めておくと、読み合わせの時間が短くなります。
| 資料 | 使う場面 | 誰が見るか |
|---|---|---|
| 職業別常用新規求人・求職の状況 | 募集職種の難しさの把握 | 代行会社が毎月報告に添える |
| 職業別常用パートタイム新規求人・求職の状況 | パート採用の難しさの把握 | パートを併用する場合のみ |
| 主要産業別新規求人の動向 | 同業・同規模の競合の動き | 代行会社が毎月報告に添える |
| 産業別新規求人数の推移 | 自社の産業の中期的な傾向 | 社内で四半期ごとに確認する |
| 労働市場月報 | 県全体の動きの確認 | 社内で必要に応じて |
なお、労働関係の法令や助成金の適用、募集条件の設定については個別の判断が伴います。個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
外に出してよいのは、職種ごとの数字の収集と、それに合わせた工程の実行までです。どの職種を優先するか、条件をどこまで動かすかを代行会社に渡すと、倍率の高い職種ばかりに予算が寄り、事業にとって優先度の高い職種が後回しになることがあります。優先順位は社内で決め、その順位を代行会社に伝えてから職種ごとの工程を組んでもらう、という順番が扱いやすい形です。四国の中でも、香川県は採用時賃金が公表されていて条件の議論がしやすく、愛媛県は職種別の倍率で難しさの議論がしやすいという違いがあります。担当する側から見ても、職種ごとの優先順位が最初に示されている案件のほうが、工数の配分を迷わずに提案できます。近隣県の状況は香川県の採用代行にもまとめました。
まとめ
- 愛媛労働局は職種のレベルまで新規求人倍率を公表しており、IT関連職業合計と福祉関連職業合計という集約項目もある
- 最初に、自社の募集職種が資料のどの行に当たるかを特定し、代行会社と共有する
- 倍率だけでなく求人数と求職者数の絶対値を見て、母数が小さい行は月次の推移で振れ幅を確かめる
- 倍率の高い職種は母集団づくり、低い職種は選考に工数を寄せ、職種ごとに依頼範囲と見積もりを分ける
- 競合の動きは、産業の中分類・事業所規模・雇用形態で絞って見る
よくある質問
Q. 愛媛県の職種別の求人倍率は、どこで確認できますか
愛媛労働局の「求人・求職」のページから、「職業別常用新規求人・求職の状況」を毎月確認できます。パートタイムについては別の資料が公開されています。数値は毎月更新されるため、最新の資料でご確認ください。
Q. 複数の職種を募集する場合、代行会社は一社にまとめるべきですか
一社にまとめるかどうかより、職種ごとに依頼する工程を分けられるかが大切です。倍率の高い職種と低い職種では、手をかける工程が逆になることがあります。一社にまとめる場合も、見積もりは職種ごとに分けて出してもらうと比べやすくなります。
Q. 資料の職業分類に、自社の職種が見当たりません
求人票の職種名と資料の分類名は一致しないことが多いため、仕事の中身から近い行を当てはめます。資料の分類は平成21年12月改定の日本標準職業分類によるものとされています。判断に迷う場合は、代行会社やハローワークに当てはめ方を相談するとよいでしょう。