採用代行 / 奈良県
奈良県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方
奈良県で採用代行を検討する企業に向けて、この記事では、県内最大の求人産業である医療・福祉の動きを、自社が医療・福祉であってもなくても読み込む方法を整理します。奈良労働局が公表している令和8年7月分では、産業別の新規求人のうち医療・福祉が3,210人で、次に多い製造業の868人と比べて桁が違います。県の平均値はこの産業の動きに強く引っ張られ、賃金の相場にも影響し得ます。自社の産業の数字と、県内最大の産業の数字を並べて見るのが、奈良県で依頼の前提を固めるいちばんの近道です。以下は2026年9月24日時点で奈良労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。
主な産業のなかで医療・福祉だけが3,000人台
資料に主な産業として挙がっているものを並べます。医療・福祉の3,210人は、次に多い製造業の3.7倍です。
| 産業 | 新規求人数 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 医療、福祉 | 3,210人 | 11.7%増 |
| 製造業 | 868人 | 2.5%減 |
| サービス業(他に分類されないもの) | 680人 | 8.5%増 |
| 卸売業、小売業 | 663人 | 1.3%減 |
| 建設業 | 602人 | 30.9%増 |
| 運輸業、郵便業 | 431人 | 6.4%増 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 273人 | 31.9%減 |
| 公務(他に分類されるものを除く)・その他 | 193人 | 62.2%増 |
医療・福祉は求人が多いうえに、前年同月より11.7%増えています。この産業で採用する企業は、県内で最も競合の多い場所で、さらに競合が増えている状態にいます。条件と選考の速さが問われる環境です。
医療・福祉以外の企業にとっても、この構成は無関係ではありません。主な産業のうち一つだけが3,000人台で、ほかが数百人台という構成では、県全体の倍率や求人数の動きは、医療・福祉の動向でほぼ決まります。自社が医療・福祉でないなら、県の平均は自社の環境をほとんど表していないと考えたほうが安全です。
30%を超える増減が並ぶ月の読み方
表を見ると、建設業が30.9%増、宿泊業・飲食サービス業が31.9%減、公務等が62.2%増と、同じ月に30%を超える増減が複数の産業で起きています。母数が数百人の産業では、特定の企業がまとまった求人を出したり取り下げたりするだけで、率が大きく動きます。前年同月比の大きさにそのまま反応すると、一社の動きを産業の傾向と取り違えることがあります。
県全体の数字は、むしろ落ち着いています。新規求人倍率(季節調整値)は1.98倍で、前月の1.99倍から0.01ポイント下回りました。新規求人数は7,616人で前月より8人増(0.1%増)、新規求職者数は3,841人で27人増(0.7%増)です。資料には近畿と全国の数値も並べて掲載されており、奈良県の1.98倍はいずれの水準も下回ります。
県全体はほぼ横ばい、産業別は大きく振れる、という組み合わせです。自社の産業の数字を読むときは、率より人数を見て、同じ方向の動きが数か月続くかを確かめてから判断します。建設業の企業であれば、30.9%増を「競合が急に強まった」と受け止める前に、翌月以降も同じ水準が続くかを見てください。
医療・福祉以外の会社が、賃金資料で見るべき行
奈良労働局は、同じ月について一般職業紹介状況、労働市場の動き、求人・求職バランスシート、求人賃金・求職希望賃金情報の四つの資料を公開しています。四つ目は、求人側が提示している賃金と、求職者が希望している賃金が、月次で出る資料です。
賃金資料の読み方は、自社の産業によって変わります。医療・福祉の企業は、自社の職種の求人賃金と求職希望賃金の差を見て、自社の提示額がどちらに近いかを確かめます。医療・福祉以外の企業は、自社の職種の行に加えて、医療・福祉で求人の多い職種の行も見ておくことをおすすめします。県内最大の求人量を持つ産業が賃金を上げれば、事務や軽作業、送迎など、職種が重なる部分で他産業の採用にも影響が出ることがあるからです。
| 自社の産業 | 県の平均の使い方 | 賃金資料で見る行 |
|---|---|---|
| 医療、福祉 | 自社の環境にほぼ近い | 自社の職種の求人賃金と求職希望賃金の差 |
| 医療、福祉以外 | 背景として見るにとどめる | 自社の職種の行と、医療・福祉と重なる職種の行 |
求人賃金が求職希望賃金を下回っている職種では、応募が集まっても決まりにくくなります。その場合は、募集の量を増やすより先に、条件の見直しが要ります。職種ごとの過不足は求人・求職バランスシートで確かめられるので、母集団の見込みとあわせて見ます。
エラベルの見解
公開されている県の平均は、最大の産業の動きを映した数字です。奈良県では、主な産業のうち医療・福祉だけが3,000人台なので、その傾向が特に強く出ます。製造業や小売業の企業が県の倍率を根拠に採用計画を立てると、他産業の事情を自社の前提にしてしまうことになります。一方で、医療・福祉の賃金の動きは、職種が重なる部分で他産業の条件にも波及し得ます。自社の数字は自社の産業で、相場の圧力は最大の産業で読むという使い分けが、奈良県では効いてきます。代行会社の提案で県の平均が出てきたら、自社の産業では同じことが言えるかを聞き返してください。地方企業の採用体制は地方企業の採用体制にもまとめています。
在職者6.6%増の母集団で、入社日を後ろに見込む
新規求職者(常用)については、状態別の内訳も公表されています。在職者の増え方が、離職者を上回っています。
| 区分 | 人数 | 前年同月比 | 採用の設計で意識すること |
|---|---|---|---|
| 在職者 | 926人 | 6.6%増 | 面談の時間帯を柔軟に。入社時期に幅を持たせる |
| 離職者 | 2,340人 | 1.5%増 | 求職期間を踏まえて選考を早める |
| うち事業主都合離職者 | 530人 | 1.1%増 | 早く決めたい人が多い。選考と入社の速さ |
| うち自己都合離職者 | 1,606人 | 3.7%増 | 条件を選ぶ余地がある。条件と仕事の内容の説明 |
在職しながら探している人が増えている局面では、内定から入社までの期間が長くなりがちです。退職交渉の期間は、選考を急いでも短くなりません。採用計画を逆算するときは、入社日を後ろに見込んでおくと、配属の予定が崩れにくくなります。在職者は平日の日中に面接の時間を取りにくいので、夕方以降やオンラインの面談を用意できるかも、応募の歩留まりに影響します。
8月28日の公表日に合わせて、月次の確認を回す
奈良労働局は公表の日程を事前に案内しており、令和8年7月分は令和8年8月28日(金)の公表でした。月次の運用に組み込むなら、この日程に合わせて、代行会社との打ち合わせを組むと、最新の数字で話ができます。年度単位の比較には労働市場年報も使えます。
毎月確かめるのは、自社の産業の新規求人数と前年同月比、医療・福祉の新規求人数、自社の職種の求人賃金と求職希望賃金、在職者と離職者の動きの四つで足ります。自社の数字で見積もりを立てるなら、月に採りたい人数に、過去の応募から入社までの割合の逆数を掛けて必要な応募数を出し、そこに内定から入社までの日数を足して、募集を始める時期を逆算します。代行の見積もりは、この応募数を集めて日程を組む作業量として読み直すと、会社ごとに比べられます。
商談では、医療・福祉の突出に触れるか、自社の産業の数字を個別に出せるか、求人賃金と求職希望賃金の差を説明できるか、母数の小ささを踏まえて増減率を扱うかを確かめてください。賃金の見直しや助成金の適用が関わる点について、個別の判断は専門家にご確認ください。
エラベルの見解
同じ料金・同じ業務範囲でも、担当者が医療・福祉の採用を経験しているかどうかで、奈良県の案件の進み方が変わります。医療・福祉の企業の案件なら、県内で最も競合の多い場所での選考の速さと条件の詰め方を知っている人が合います。医療・福祉以外の企業の案件でも、重なる職種で医療・福祉とどう比べられるかを説明できる人のほうが、条件の議論が具体的になります。担当者を選ぶときは、どの産業の案件を持ってきたかと、そのとき他産業の求人とどう差をつけたかを聞いてください。答えが具体的な人ほど、自社の求人票にも踏み込んだ提案をします。近隣県の状況は兵庫県の採用代行、和歌山県の採用代行にもまとめました。なお雇用情勢の数値は毎月更新されるため、最新の数値は奈良労働局の統計情報をご確認ください。
まとめ
- 奈良県の新規求人は医療・福祉が3,210人で、次に多い製造業の868人と桁が違う
- 県の平均は医療・福祉の動きに引っ張られるため、それ以外の企業は自社の産業の数字で判断する
- 母数の小さい産業では30%を超える増減も起こるので、人数と複数月の動きで読む
- 求人賃金・求職希望賃金情報は、自社の職種に加えて医療・福祉と重なる職種の行も見る
- 在職者が増えているため入社日を後ろに見込み、公表日に合わせて月次の確認を回す
よくある質問
Q. 医療・福祉以外の会社も、医療・福祉の数字を見る必要がありますか
見ておくことをおすすめします。県の平均は医療・福祉の動向に強く引っ張られますし、職種が重なる部分では賃金の相場にも影響し得るためです。自社の判断は自社の産業の数字で行い、医療・福祉は背景として追う形が現実的です。
Q. 産業別の前年同月比が大きく動いた月は、どう判断すればよいですか
率より人数を見て、同じ方向の動きが翌月以降も続くかを確かめてください。母数が数百人の産業では、一社の動きで率が大きく変わるためです。
Q. 奈良県の数字は、いつ更新されますか
奈良労働局は公表日を事前に案内しており、令和8年7月分は令和8年8月28日(金)の公表でした。最新の日程は同局の統計情報のページでご確認ください。