採用代行 / 福島県

福島県の採用代行|地域の採用事情と依頼先の選び方

公開 2026-09-24

労働局の「雇用情勢は◯◯である」という一文は、たいてい結論だけが引用されます。福島労働局の令和8年7月分の資料では、判断に続けて【判断根拠】として四つの項目が並び、68カ月連続・25カ月連続・2カ月連続という継続月数と、1倍を割ったハローワークの名前と数値まで示されています。この記事では、その判断の組み立て方を読み解いたうえで、自社の採用計画と代行会社からの月次報告を、同じ「判断と根拠」の形で作る方法を整理します。以下は2026年9月24日時点で福島労働局が公表している令和8年7月分の数値に基づきます。

労働局の判断文は、四つの根拠から組み立てられている

令和8年7月分の県内概況では、有効求人倍率(季節調整値)が1.24倍で、前月を0.01ポイント上回りました。有効求人数(季節調整値)は前月比1.4%増加、有効求職者数(季節調整値)は前月比1.1%増加です。全国平均は1.18倍なので0.06ポイント上回っており、全国順位は17位にあたる水準です。

雇用情勢の判断は、「引き続き求人が求職を上回って推移しているものの、求人の動きに足踏みがみられる」というものです。この一文の前半と後半が、それぞれどの根拠から来ているかを並べると、判断の構造が見えます。前半を支える根拠が三つ、後半を支える根拠が一つという配分です。

番号判断根拠判断文のどちらを支えるか
①有効求人倍率(季節調整値)が68カ月連続で1.2倍を上回った求人が求職を上回って推移している
②正社員有効求人倍率(原数値)が25カ月連続で1倍台となった(1.06倍)同上
③新規求人数(原数値)が2カ月連続で前年同月を上回った同上
④県内2カ所のハローワークで有効求人倍率(原数値)が1倍を下回った(いわき0.98倍、須賀川0.94倍)足踏みがみられる

判断の一文だけを引用すると、この構造は失われます。根拠まで見れば、どこが良くてどこが弱いかを分けて理解できます。良い面の根拠と弱い面の根拠を同じ表に並べるという作りは、採用の報告を設計するときにもそのまま使えます。

継続月数の長さで、前提にしてよい根拠を選ぶ

四つの根拠は、続いている長さがまったく違います。68カ月連続は5年8か月、25カ月連続は2年1か月、そして2カ月連続は直近の動きです。上二つは中期の状態、三つ目は足元の動きなので、採用計画での扱いを分けます。

5年を超えて続いている状態は、構造的な状態として計画の前提に置いてよいと考えられます。2年程度続いている状態は定着しつつあるものとして、年単位で見直します。2カ月の継続はまだ単月の振れの可能性があり、傾向とは言えません。「新規求人が2カ月連続で増えているので市場は回復している」という説明は、根拠としては弱いものです。

代行会社の提案書でも、同じ区別ができているかを見ます。直近2か月の動きを根拠に「今が採用のチャンス」と言う提案と、5年以上続く状態を根拠に「応募を待つ設計は成り立ちにくい」と言う提案では、根拠の重さが違います。どの根拠が何か月続いたものかを確認するだけで、提案の前提が中期のものか足元のものかが分かります。

正社員で見ると1.06倍、全体との差0.18ポイント

四つの根拠のうち、正社員を採る企業にとって最も効くのは②です。全体の有効求人倍率(季節調整値)1.24倍に対して、正社員有効求人倍率(原数値)は1.06倍で、全体との差は0.18ポイントあります。パートを含めた数字より、正社員に絞ったほうが需給は締まりに近づきます。

それでも正社員の倍率は1倍を上回っていて、25カ月連続で1倍台という記載から、この状態が2年以上続いていることが分かります。正社員の求人が求職者を上回る状態が続くので、応募を待つ設計は成り立ちにくいと言えます。一方で1.06倍にとどまっているので、極端な取り合いではありません。条件と速さで差がつく局面と読めます。

自社の採用計画に書くなら、参照する倍率は全体の1.24倍ではなく正社員の1.06倍です。代行会社から「福島県は1.24倍で全国平均を上回っています」という説明だけが来たら、その数字は自社の募集区分の話ではありません。正社員の数字で話し直してもらうよう依頼してください。

エラベルの見解

判断根拠が番号付きで書かれている資料を見て、採用の報告の作り方を考え直しました。多くの県では「雇用情勢は持ち直している」といった一文だけが公表され、その根拠は本文の数字を自分で読み解くことになります。福島県は、どの数字を見てその判断に至ったかを先に示しています。採用の月次報告でも同じことができます。「採用環境は厳しい」と書くかわりに、根拠を三つ並べる。そうすれば、次の月に状況が変わったときに、どの根拠が崩れたのかが分かります。担当者によって報告の質が分かれるのは、まさにこの部分です。数字を並べるだけの担当者と、判断と根拠を分けて書く担当者では、発注側が読む時間も、次の手を決める速さも変わります。報告の設計は採用の可視化にもまとめています。

いわき・須賀川の管内では、依頼する工程が逆になる

判断根拠の④は具体的です。県全体が1.24倍でも、いわき(0.98倍)と須賀川(0.94倍)では求職者のほうが多い状態です。県全体が良くても一部が弱ければ「足踏み」と書くという、平均だけを見ない資料の作りになっています。拠点がこの2カ所の管内にある企業と、それ以外の管内にある企業では、代行に頼む工程の中心が変わります。

拠点の管内需給の状態依頼の中心社内に残すもの
いわき・須賀川1倍を下回る。応募は集まり得る応募の選別と、決定率を上げる選考の設計見極めの基準と最終判断
それ以外の管内求人が求職を上回る母集団の経路を増やすことと、条件の設計提示条件の上限

同じ県内で、依頼する工程が逆になります。福島労働局は、県全体の月次である最近の雇用失業情勢のほかに、各ハローワークの雇用失業情勢(所ごとの有効求人倍率やイベント情報)と、所別の業務統計である公共職業安定所業務取扱月報を公開しています。拠点の所の数字はこれらで確認し、県の1.24倍を前提にした計画が管内の実感と合わないときは、所の数字を優先します。

自社の採用報告を「判断と根拠」の形に組み替える

ここまでの読み方を、代行会社から毎月受け取る報告の型に落とします。福島労働局の資料には、報告の根拠に使える材料がそろっています。東北ブロックの各県と全国平均を並べた表があり、福島県の全国順位は受理地別と就業地別の両方で示されます。職業別有効求人・求職バランスシートは職業別の需給を計・一般・パートで示し、中途採用者採用時賃金情報は四半期ごとの成立額を年齢と職業、男女別に示します。

報告の欄書く中身根拠に使う資料
今月の判断採用環境を一文で。前月から変えたかどうかも書く自社の応募・面接・内定の数
中期の根拠何年も続いている状態有効求人倍率・正社員有効求人倍率の継続月数
足元の根拠直近の変化。傾向とは書かない新規求人数、拠点の所の倍率
弱い面の根拠うまくいっていない工程と、その数字応募から面接への移行率など自社の実績
条件の根拠提示額と成立額の差中途採用者採用時賃金情報

中途採用者採用時賃金情報は、対象期間内の雇用保険被保険者資格取得データから検索したもので、取得日現在における賃金月額の平均賃金であり、臨時の賃金や超過勤務手当等は含みません。単位は千円です。提示額ではなく実際に成立した額が年齢層別に分かるので、条件の根拠に使えます。数字を比べるときは、月別が季節調整値、年度別は原数値であること、令和7年12月以前の数値は令和8年1月分公表時に新季節指数により改定されていること、令和3年9月以降の数値にはオンライン上で求職登録した求職者数などが含まれることを押さえます。

契約前には、報告に使う根拠を何本立てるか、参照する倍率を全体と正社員のどちらにするか、拠点の所をどこにするかを決めておきます。必要な応募数は「面接できる枠 ÷ 応募から面接への移行率」で逆算でき、その達成度を「弱い面の根拠」の欄に毎月書いてもらえば、どの工程を直すべきかが報告から読めます。労働関係の法令や助成金の適用については個別の判断が伴うため、個別の判断は専門家にご確認ください。

エラベルの見解

福島県の資料は、良い面と弱い面を同じ重さで並べる作りです。68カ月連続、25カ月連続という良い面の根拠のすぐ隣に、1倍を割った2カ所の名前を「足踏み」の根拠として置いています。代行会社や担当者を選ぶときも、同じ姿勢の相手を探すことをおすすめします。商談の段階で数字の良いところだけを並べる相手より、「この工程は弱い」「この管内では条件の見直しが先」と弱いところを先に挙げてくる相手のほうが、運用が始まってからの食い違いが少ないと考えています。面談では、自社の拠点の所の倍率を知っているか、弱い面の根拠を報告に書くつもりがあるかを聞いてみてください。近隣県の状況は新潟県の採用代行、栃木県の採用代行にもまとめました。

まとめ

よくある質問

Q. 福島県の採用環境は厳しいのですか

令和8年7月分の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍で、求人が求職を上回る状態が68カ月続いています。ただし労働局は求人の動きに足踏みがみられるとも判断しており、いわきと須賀川の管内では倍率が1倍を下回っています。拠点の管内と募集区分の数字で判断してください。

Q. 正社員の採用では、どの倍率を見ればよいですか

正社員有効求人倍率(原数値)の1.06倍です。全体の1.24倍はパートなどを含んだ数字なので、正社員に絞ると需給は締まりに近づきます。25カ月連続で1倍台が続いている点も、計画の前提として押さえておきます。

Q. 代行会社の報告は、どんな形で受け取るとよいですか

今月の判断を一文で書き、その根拠を中期・足元・弱い面に分けて並べる形をおすすめします。根拠が分かれていれば、翌月に状況が変わったとき、どの根拠が崩れたのかを確かめられます。福島労働局の判断文と同じ形なので、社内で説明するときにも使いやすくなります。

※雇用情勢の数値は毎月更新されます。掲載した内容は2026年9月24日時点で福島労働局が公表している令和8年7月分の数値であり、最新の数値は同局の統計情報をご確認ください。

出典